| 【発明の名称】 |
接ぎ木用穂木の切断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】森川 信也
|
| 【要約】 |
【課題】常に簡単かつ容易に穂木の茎をV字形に切断できる穂木の切断装置。
【解決手段】一対の切断刃3をV字形に並べ、刃先3a側が先鋭となるようになし、かつ切断刃3の刃先3aの長手方向の一端が当接して閉じ、他端が拡開する状態にし、しかも上記一端側が他端側に対して前傾するように設けるとともに、上記切断刃3に対して交差するように穂木載せ台6を垂直に移動可能に設け、穂木の茎を上記刃先3aの拡開部13から通して穂木載せ台6上に支持させ、載せ台6を上下方向に移動させて上記茎を切断刃3の閉じ部14を通過させることにより、上記茎を切断する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穂木の茎をV字形に切断するための切断装置であって、一対の切断刃をV字形に並べ、刃先側が先鋭となるようになし、かつ切断刃の刃先の長手方向の一端が当接して閉じ、他端が拡開する状態にし、しかも上記一端側が他端側に対して前傾するように設けるとともに、上記切断刃に対して交差するように穂木載せ台を垂直に移動可能に設け、穂木の茎を上記刃先の拡開部から通して穂木載せ台上に支持させ、載せ台を上下方向に移動させて上記茎を切断刃の閉じ部を通過させることにより、上記茎を切断することを特徴とする接ぎ木用穂木の切断装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、接ぎ木作業の際に穂木の茎をV字形に切断するために使用される接ぎ木用穂木の切断装置に関する。 【0002】 【従来技術】野菜や果物の苗木を接ぎ木する方法として、従来から割り接ぎが広く行なわれている。この割り接ぎは、穂木の茎をV字形に切断して、縦に割り込んだ台木の先端に差し込んでクリップなどで留める方法である。穂木の先端をV字形に切断する装置については、特許第3023437号明細書に示されているようなものが知られている。これは、1対の切断刃をV字形になるように設け、その一端側に穂木案内用のガイドスリットを形成し、穂木の両端を手に持ち、釘打機を切断刃側に差し込み、切断刃の長手方向に茎がガイドスリットに接するまで平行移動した後、茎の軸方向に平行移動させてV字形に切断するものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記切断装置によれば、切断刃による抵抗が強すぎるのに対し、穂木の茎の強さや太さが異なるので途中で折れるものがあったり、穂木を平行に移動できなかったりしたためにきれいなV字形に切断できず、茎が単に斜めや横に切断される現象も発生することがあった。 【0004】本発明は上記問題点を解消し、常に簡単かつ容易に穂木の茎をV字形に切断することができる接ぎ木用穂木の切断装置を提供することをその課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明に係る接ぎ木用穂木の切断装置は、穂木の茎をV字形に切断するための切断装置であって、一対の切断刃をV字形に並べ、刃先側が先鋭となるようになし、かつ切断刃の刃先の長手方向の一端が当接して閉じ、他端が拡開する状態にし、しかも上記一端側が他端側に対して前傾するように設けるとともに、上記切断刃に対して交差するように穂木載せ台を垂直に移動可能に設け、穂木の茎を上記刃先の拡開部から通して穂木載せ台上に支持させ、載せ台を上下方向に移動させて上記茎を切断刃の閉じ部を通過させることにより、上記茎を切断することを特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】図1は接ぎ木用穂木の切断装置の斜視図で、同図において符号1はベースで、ベース1上には1対の切断刃固定金具2が設けられている。切断刃固定金具2はベース1に横片2aを固定したL字金具の縦片2bと板状片2cとの間に切断刃3を挟持固定したもので、切断刃3は、詳しくはV字形に並べられ、刃先側が先鋭となるようになし、切断刃3の刃先3aの長手方向の一端(上端)が当接して閉じ、他端(下端)が拡開する状態にし、しかも上記一端側が他端側に対して前傾するように固定されている。この場合、切断刃固定金具2に固定された切断刃3が両刃であるときは、刃先3aが当接した状態のときに形成される三角形を断面とする三角柱4の両側面に添って傾斜するように配置すると、切断途中で茎に刃が押しのけられ、くさび形の先端まで切断できない。そのため、図2(a) (b)に示されるように、上記三角柱4の両側面よりも広角度するのが好ましい。 【0007】切断刃3の配置に関する設定値の例を図3に示す。穂木の軸径2mmの切断面の長さが約6mmにするときは、くさび角θは約18°に設定すればよい。切断刃の長さLは65mmとしたとき、穂木の軸径の最大値を4mmとしてXを4mmとする。θ=18°であるから、Y=2/sin9でほぼ12.6mmと設定すればよい。 【0008】なお、切断刃は両刃である必要はなく、図4(a) (b) (c) に示されるように、片刃を組み合わせたものであってもよい。15は穂木を示す。 【0009】次に、ベース1には上記切断刃固定金具2の両側に断面コ字形の支柱5が固定されている。両側の支柱5の間には穂木載せ板6aが垂直に移動可能に設けられている。この穂木載せ板6aは上記切断刃3に対して交差するように設けられている。載せ板6aに切断刃3が貫通できるようにV字形のスリット7が形成されている。穂木載せ板6aが垂直に移動するのに対し、切断刃3は前傾しているから、その分スリット7は大きく形成されている。図5に示すように、穂木載せ板6a(の切断刃3のV字形の前方側、後方側又は前後方両側)には支持台6bが形成され、これによって穂木載せ台6が構成されている。支持台6bは穂木の茎を安定に支持できるように中央がへこんでいる。そして、上記穂木載せ板6aの両側には摺動体8が固定されている。各摺動体8は支柱5と同じ幅のコ字形部8aの両側に細長板部8bを固定してなるもので、上記支柱5の三方の側面に係合した状態で上記支柱5の長手方向に沿って摺動可能に配置され、両側の摺動体8に上記穂木載せ板6aが固定されている。また、一方の支柱5の上端のローラ10には紐11が掛けられ、紐11の他端は一方の穂木載せ板6aに固定されている。なお、上記穂木載せ板6aとベース1との間にはバネ(図示せず)が取り付けられている。そして穂木載せ板6aは下方に移動するように上記バネで付勢されている。これにより、紐11の一端に設けられた把手12を引くと、摺動体8とともに穂木載せ板6aが上動する。把手12を離すと、バネの力により下動する。なお、穂木載せ板6aの可動範囲の上限と下限を決めるストッパを支柱5に設けるのが好ましい。 【0010】上記構成において、穂木を切断するときは、図1に示されるように、穂木載せ台6はバネにより下端位置にセットされる。この位置にあるときは、図2に示されるように、1対の切断刃3の刃先3aの拡開部13と穂木載せ板6aとの間には前後からみたときに三角形の空間Sが形成されている。そこで、穂木15の茎の根本側を装置の後ろ側から上記拡開部13間の空間部Sに挿入して支持台6b上に支持させ、穂木15の葉側を必要に応じて手等で支持する。そして、把手12を下に引くと、図6に示されるように、穂木載せ台6は上昇する。そのため、穂木15も上昇するが、切断刃3の刃先3aの間の間隔はだんだん狭くなるので、上記間隔が穂木15の茎の径よりも小さくなると、刃先3aは茎に食い込む。ところで、刃先3aは前傾しているので、茎の切断部もだんだんと前側に移動し、しかも前側に移動するときは刃先3aの間隔もより小さくなるので、刃先3aは茎に対して斜めに食い込み、その度合いもより深くなる。そして、最後には刃先3aの先端の閉じ部14では間隔は零になるから、ここを通り過ぎたときは、図7に示されるように、穂木15の茎は前後に分離され、葉側はV字形に切断される。以上の穂木の切断態様を図8(a) (b) (c) に示した。 【0011】なお、図9に詳しく示されるように、穂木15の茎に切断刃3との摩擦等が作用し、穂木の茎は支持台6bのV字形の溝に押し付けられるため、茎の軸中心が規制されるので、正確にくさび形に切断できる。そして、常にくさび角がθの角度に保持されるから、切断ミスがない。 【0012】切断後は把手12を離すことにより、穂木載せ台6はバネ力により元の下端位置に戻り、次の切断が準備される。 【0013】上述の切断装置によれば、穂木15は穂木載せ台6に支持された状態で切断されるから、常に簡単かつ容易に穂木の茎をV字形に切断することができる。 【0014】なお、穂木載せ台は必ずしも手動に限らない。電動で動かすようにしてもよい。 【0015】また、上記図示例は、切断刃の上端が閉じ、下端が開いた状態のものであるが、その反対に切断刃の上端が拡開し、下端が閉じた状態にしてもよい。この場合、穂木載せ台は穂木を挟み具等で保持できるように構成し、上から下に移動させることにより切断する。 【0016】同様に、切断刃を横に配置する構成であってもよい。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006301 【氏名又は名称】マックス株式会社 【識別番号】000205627 【氏名又は名称】大阪府
|
| 【出願日】 |
平成13年1月30日(2001.1.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074918 【弁理士】 【氏名又は名称】瀬川 幹夫
|
| 【公開番号】 |
特開2002−223635(P2002−223635A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月13日(2002.8.13) |
| 【出願番号】 |
特願2001−22271(P2001−22271) |
|