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【発明の名称】 マイタケ栽培方法及び該栽培方法に使用するマイタケ栽培瓶用キャップ
【発明者】 【氏名】難波 謙二

【氏名】山崎 尊司

【氏名】水野 正幸

【要約】 【課題】簡単な栽培瓶セットを使用して、高品質のマイタケが得られるマイタケ栽培方法及びこれに使用するマイタケ栽培瓶セットの提供。

【解決手段】頚部12の上端に開口を有する広口瓶形状をした栽培瓶1と、その開口部に嵌合でき、頂部内面中央に短円筒を直立させ頂部を閉鎖した形状の膨出空間部22の頂部中央に透光性を有する通気フィルター23によって閉鎖した小開口22cを設けた不透光・不透気性材料からなる原基発生時用キャップ2と、栽培瓶1の開口部に嵌合でき、頂面に膨出空間部の内径と略同内径の開口部を有する不透光・不透気性材料からなる子実体生育時用キャップとを使用し、栽培瓶内にその開口部と略同高さまで培養基50を充填するとともに種菌を接種し、該栽培瓶開口部に原基発生時用キャップ2を施蓋して菌糸培養を行うとともに子実体原基51を発生させ、子実体原基発生後、原基発生時用キャップに代えて子実体生育時用キャップを施蓋し、芽出しさせて子実体を生育させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】胴部の上端に該胴部より小径の頚部を有し、該頚部の上端に開口を有する広口瓶形状をした栽培瓶と、該栽培瓶の開口部に取り替え可能に嵌合できる原基発生時用キャップを使用するマイタケ栽培方法において、前記原基発生時用キャップには、前記栽培瓶の開口部に施蓋される不透光性材料からなるキャップ本体部の頂部内面中央を内面側から上方に向けて膨出させた形状の膨出空間部を一体に有し、該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせた構造のものを使用し、前記栽培瓶内にその開口部近くまで培養基を充填するとともに種菌を接種し、該栽培瓶開口部に前記原基発生時用キャップを施蓋して菌糸培養を行うとともに子実体原基を前記膨出空間内に限定して発生させることを特徴としてなるマイタケ栽培方法。
【請求項2】原基発生時用キャップは、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口を透光性を有する通気フィルターによって閉鎖することによって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせたものを使用する請求項1に記載のマイタケ栽培方法。
【請求項3】原基発生時用キャップは、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口の上側を透光性を有する頂面覆い部材をもって覆い、該頂面覆い部材と前記膨出空間部頂部外面との間に通気間隙を設けることによって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせたものを使用する請求項1に記載のマイタケ栽培方法。
【請求項4】子実体原基発生後、原基発生時用キャップを取り外し、原基発生時用キャップの膨出空間部の内径と略同内径の開口部を頂面に備えた子実体生育時用キャップを栽培瓶開口部に施蓋して芽出し及び子実体生育を行う請求項1、2又は3に記載のマイタケ栽培方法。
【請求項5】子実体生育時用キャップの頂面の開口部周縁に生育ケース嵌合部を備え、前記生育ケース嵌合部外側に着脱自在に嵌合できる下端開口部を有し、上側が拡開した略漏斗状の生育ケースを、前記子実体生育時用キャップの開口部外周に嵌合させ、該生育ケース内で子実体を生育させ、該生育ケースを取り外すことによって収穫する請求項1〜3又は4に記載のマイタケ栽培方法。
【請求項6】広口瓶形状をした栽培瓶開口部に施蓋できる不透光性材料からなるキャップ本体部の頂部内面中央を内面側から上方に向けて膨出させた形状の膨出空間部を一体に有し、該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせてなるマイタケの瓶栽培における原基発生時用キャップ。
【請求項7】膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口を透光性を有する通気フィルターによって閉鎖することによって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせた請求項6に記載のマイタケの瓶栽培における原基発生時用キャップ。
【請求項8】膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口の上側を透光性を有する頂面覆い部材をもって覆い、該頂面覆い部材と前記膨出空間部頂部外面との間に通気間隙を設けることによって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせた請求項6に記載のマイタケ栽培における原基発生時用キャップ。
【請求項9】広口瓶形状をした栽培瓶の開口部に施蓋できる不透光性のキャップ本体の頂面に、前記栽培瓶の開口部外に突出した子実体原基が嵌合される開口部備え、該開口部の周縁に生育ケース嵌合部を一体に備えてなるマイタケ栽培における子実体生育時用キャップ。
【請求項10】キャップ本体の頂面の開口縁部に沿って上向きに短筒部を突設させ、該短筒部の外周に小突起からなる生育ケース嵌合部を備えてなる請求項9に記載のマイタケ栽培における子実体生育時用キャップ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、瓶栽培によるマイタケ栽培方法及び該栽培方法に使用するマイタケ栽培瓶用キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイタケの栽培方法として、広口瓶形状をした栽培瓶を使用した方法が開発されている。この種の従来の栽培瓶によるマイタケ栽培方法では、例えば、特開平4−144613号公報、同8−242689号公報に示されているように、キャップの中央にマイタケ子実体原基が発生する小径孔を設け、菌糸培養工程において、この小径孔から盛り上がるような形状に子実体原基を発生させ、次の芽出し工程にて発生した子実体を生育工程において生育させ、所定の大きさに達したものを収穫するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、マイタケは栽培瓶の開放部から子実体原基が瘤状に盛り上がるように成長し、成長に従ってその瘤状の原基表面が細かく分かれて枝葉状部となり、これが大きく成長するが、従来の栽培方法では、子実体原基の発生面積は開口部の大きさで規制しているが、発生した子実体原基の成長を自然にまかせているため、水平方向に広がりが大きくなる。このため子実体原基の表面積が大きくなって発生する枝葉部分の数が多くなり、株全体が大きくならず、良品質の子実体が得難いという問題があった。
【0004】また、上述した従来の栽培方法では、子実体原基の発生を、栽培瓶開口縁部より低い位置、即ち開口部内で発生させるため、発生した子実体原基から出る「あめ」と称されている分泌液が瓶内に溜まる。この「あめ」はカビが発生しやすく、子実体の成長を損なうという問題がある。
【0005】更に、従来の方法では、子実体原基の根元が栽培瓶内にあるため、収穫時に切断しにくく、且つ子実体の花びら状をした枝葉状部分は割れやすいため、収穫時に多くの割れ屑が発生し、商品価値を低下させるという問題があった。
【0006】本発明は,このような従来の問題に鑑み、簡単な栽培瓶及びキャップからなる瓶栽培用のセットを使用して、高品質のマイタケが得られ、子実体原基から分泌される所謂「あめ」が子実体の発生・成長に悪影響を及ぼすことなく、好適にマイタケ栽培ができ、更に収穫時の子実体損傷が少ないマイタケ栽培方法及びこれに使用するマイタケ栽培瓶セットの提供を目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を解決し所期の目的を達成するための本発明方法の特徴は、胴部の上端に該胴部より小径の頚部を有し、該頚部の上端に開口を有する広口瓶形状をした栽培瓶と、該栽培瓶の開口部に取り替え可能に嵌合できる原基発生時用キャップを使用するマイタケ栽培方法において、前記原基発生時用キャップには、前記栽培瓶の開口部に施蓋される不透光性材料からなるキャップ本体部の頂部内面中央を内面側から上方に向けて膨出させた形状の膨出空間部を一体に有し、該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせた構造のものを使用し、前記栽培瓶内にその開口部近くまで培養基を充填するとともに種菌を接種し、該栽培瓶開口部に前記原基発生時用キャップを施蓋して菌糸培養を行うとともに子実体原基を前記膨出空間内に限定して発生させることにある。
【0008】尚、上記方法において、原基発生時用キャップは、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口を透光性を有する通気フィルターによって閉鎖することによって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせたものを使用すること、又は、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口の上側を透光性を有する頂面覆い部材をもって覆い、該頂面覆い部材と前記膨出空間部頂部外面との間に通気間隙を設けることによって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせたものを使用することが好ましい。
【0009】また、上記方法において、子実体原基発生後、原基発生時用キャップを取り外し、原基発生時用キャップの膨出空間部の内径と略同内径の開口部を頂面に備えた子実体生育時用キャップを栽培瓶開口部に施蓋して芽出し及び子実体生育を行うこと、及び、子実体生育時用キャップの頂面の開口部周縁に生育ケース嵌合部を備え、前記生育ケース嵌合部外側に着脱自在に嵌合できる下端開口部を有し、上側が拡開した略漏斗状の生育ケースを、前記子実体生育時用キャップの開口部外周に嵌合させ、該生育ケース内で子実体を生育させ、該生育ケースを取り外すことによって収穫することが好ましい。
【0010】また、本発明に係るマイタケの瓶栽培における原基発生時用キャップの特徴は、広口瓶形状をした栽培瓶開口部に施蓋できる不透光性材料からなるキャップ本体部の頂部内面中央を内面側から上方に向けて膨出させた形状の膨出空間部を一体に有し、該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせたことにある。
【0011】尚、この原基発生時用キャップは、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口を透光性を有する通気フィルターによって閉鎖することによって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせること、又は、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口の上側を透光性を有する頂面覆い部材をもって覆い、該頂面覆い部材と前記膨出空間部頂部外面との間に通気間隙を設けることが好ましい。
【0012】更に、本発明に係るマイタケ栽培における子実体生育時用キャップの特徴は、広口瓶形状をした栽培瓶の開口部に施蓋できる不透光性のキャップ本体の頂面に、前記栽培瓶の開口部外に突出した子実体原基が嵌合される開口部備え、該開口部の周縁に生育ケース嵌合部を一体に備えたことにある。
【0013】尚、この子実体生育時用キャップは、キャップ本体の頂面の開口縁部に沿って上向きに短筒部を突設させ、該短筒部の外周に小突起からなる生育ケース嵌合部を備えることが好ましい。
【0014】
【実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0015】図1〜図7は、本発明のマイタケ栽培方法を実施するためのマイタケ栽培瓶セットの一例を示している。このセットは広口瓶形状をした栽培瓶1、原基発生時用キャップ2、子実体生育時用キャップ3及び生育ケース4とから構成されている。
【0016】栽培瓶1は、合成樹脂材料によって成形され、図1に示すように細長の胴部11の上端に、これより細い円筒状の頚部12を一体に有している。この頚部12の上端が開口部13となっている。
【0017】原基発生時用キャップ2は、図2及び図3に示すように、前記栽培瓶1の開口部13の外周に密に嵌合される大きさの短円筒部21aと頂面部21bとからなる本体部21を有し、本体部21の頂面部中央に下面側から上面側に突出させ、下面側に子実体原基発生空間を構成する膨出空間部22を一体に有している。これらの本体部21及び膨出空間部22を形成する部分は不透光性の合成樹脂材料によって一体成形されている。
【0018】この膨出空間部22は短円筒状部22aとその頂部の天板部22bとによって形成され、天板部22bの中央には小開口22cが形成されている。この膨出空間部22内には天板部22bの下面に当接させて、透光性を有する通気フィルター23が挿入され、その下面側にリング状をした止め板24を嵌合させて抜け止めすることにより小開口22cをフィルター23で閉鎖している。
【0019】尚、図中25は膨出空間部外面及び本体部頂面と一体の補強リブである。子実体生育時用キャップ3は、図4及び図5に示すように、原基発生時用キャップ2と同様の短円筒部31aと頂面部31bとからなる本体部31を有し、頂面部31bの中央に、原基発生時用キャップ2の膨出空間部22の内径と略同じ内径の開口部31cが開口されている。
【0020】この開口部31cの縁部上面には該縁部に沿ってリング状に立ち上げた形状の短筒部32が一体に突設されている。この短筒部32の外周にはフランジ状に突出させた生育ケース嵌合部33が一体に成形されている。
【0021】この子実体生育時用キャップ3は全体が不透光性の合成樹脂材料によって一体成形されている。
【0022】生育ケース4は、図6及び図7に示すように、下端部に円形の嵌合口4aを有し、その嵌合口4aから上方側を椀状に拡開させたケース本体部4bとから構成され全体が略漏斗状になっている。
【0023】嵌合口4aは前述した子実体生育時用キャップ頂面に突出された短筒部32の外周の生育ケース嵌合部33外に容易に着脱自在に嵌合できる大きさに成形され、内面に前記生育ケース嵌合部33を弾性的に乗り越えてその下側に嵌合されることによって外生育ケース4が簡単に脱落するのを防止する抜け止め用突起4cが一体に成形されている。
【0024】次に、上述した栽培瓶セットを使用したマイタケの栽培方法を図8〜図11についてについて説明する。
【0025】菌糸培養栽培瓶1に対して従来のマイタケ栽培と同様に調整した培養基を充填し、殺菌処理した後種菌を接種する。この時培養基50を栽培瓶1の開口部13に種菌接種用の空間を残して充填し、殺菌処理後その上に種菌aを接種する。この状態で図8に示すように原基発生時用キャップ2を施蓋し培養室で培養する。
【0026】培養に際し培養室温度を20℃〜22℃に保ち、菌糸を伸張させる。これによって菌糸が蔓延させ、図9に示すように子実体原基51を発生させる。
【0027】この培養に際しては、キャップの膨出空間部22頂部のフィルター23から通気されるとともに、このフィルター23を通して培養基50の頂面中央部に光が照射されるため、膨出空間部22に面した培養基表面部分からのみ子実体原基51が発生する。
【0028】また、これによって発生した子実体原基51は図9に示すように、膨出空間部22の内面形状、即ち直立した短円筒状部22aの内面に側部が規制され、水平方向への広がりが規制されて円柱状に成形されて膨出空間部22内略いっぱいに成長する。
【0029】芽出し上述した菌糸培養工程終了後、原基発生時用キャップ2を外し、代わりに図10に示すように子実体生育時用キャップ3を施蓋する。これによって原基発生時用キャップの膨出空間部22によって形状が規制されて成長した子実体原基51の側面周囲が子実体生育時用キャップ3の短円筒31d内に密に嵌合された状態となる。この時、菌糸培養工程で発生した子実体原基の側面周囲が子実体生育時用キャップ3の開口部内面で覆われるため、発芽は子実体原基の子実体生育時用キャップの突出部外に限定される。
【0030】この状態で室温を18℃〜20℃に保ち、光を上方より適宜照射しながら約1週間静置し、芽出しさせる。
【0031】生育芽出し工程終了後、図11に示すように、子実体生育時用キャップ3の生育ケース嵌合部33外に生育ケース4を装着し、室温を17℃〜19℃に保ち、光を上方より適宜に照射しながら約1週間静置し、子実体52を生育させる。これによって図12に示すように、子実体52は生育ケース4の内面形状にその側面が規制され、底部形状が椀形となって成長する。
【0032】収穫生育工程によって子実体が一定の大きさまで成長させた後、栽培室から出し、生育ケース4を子実体の損傷を極力避けながら栽培ビン1から上方に外すことによって、生育ケース4によって水平方向への広がりが規制され、生育ケース4内に広がって成長した子実体52が共に抜き取られる。
【0033】図13、図14は、本発明に係る原基発生時用キャップの他の例を示しており、この原基発生時用キャップ60は、図2及び図3に示すキャップと同様に、前述した栽培瓶1の開口部13の外周に密に嵌合される大きさの短円筒部61aと頂面部61bとからなる本体部61を有し、本体部61の頂面部中央に下面側から上面側に突出させ、下面側に子実体原基発生空間を構成する膨出空間部62を一体に有している。これらの本体部61及び膨出空間部62を形成する部分は不透光性の合成樹脂材料によって一体成形されている。
【0034】この膨出空間部62は短テーパ筒状部62aによって形成され、この短テーパ筒部62aの上端が開放されて開口62bとなっている。
【0035】本体部61の頂面外周縁部には膨出空間部62の短テーパ筒部62aと略同高さの立上り周壁63が一体に成形され、その立上り周壁63の頂部に支持させて蓋状の頂面覆い部材64が嵌合されている。この頂面覆い部材64は通気性のない白色半透明の合成樹脂材料によって成形され、立上り周壁63によって囲まれる空間の開口部を閉鎖している。
【0036】立上り周壁63にはその根元部分に、内外に貫通開口する通気孔66が円周方向に一定間隔を隔てて開口されている。また、立上り周壁63と膨出空間部62を形成している短テーパ筒部62aとの間には、本体部頂面から突出させたリング状の中間衝立片67が円周方向に間隔を隔てて設けられている。
【0037】この中間衝立片67は、頂面覆い部材の64の下面に達する高さの嵩高部67aと、これより低い凹欠部67bが同じ長さずつ交互に形成され、嵩高部67aと対向する位置に前述した通気孔66が開口され、凹欠部67bの底部は通気孔66より高くなっている。また、短テーパ筒部62の上端には、中間衝立片67の嵩高部67aに対して半径方向に重なる位置に小凹欠部62cが形成されている。
【0038】従って、通気孔66から膨出空間部62に達する外気は中間衝立片67に当り、左右及び上方に移動して凹欠部67bを通り、更に左右に移動して小凹欠部62cから膨出空間部62の上端開口に到るジグザグ状の経路をたどり、この間に水滴や雑菌の浸入を遮られるようになっている。
【0039】このようしてジグザグ経路を通して膨出空間部62の頂部に通気性を持たせ、且つ、白色半透明の頂面覆い部材64により透光性を持たせている。
【0040】図15、図16は、原基発生時用キャップの更に他の例を示しており、前述した図13、図14に示す例のキャップにおける膨出空間部62を形成している短テーパ筒部62aの上端部に天板部68を一体に設け、該天板部68の中央部分に小開口部69を形成し、その開口部68の周縁部上面に頂面覆い部材64の下面に達する内側衝立片70を突設している。この内側衝立片70は、中間衝立片67の凹欠部67bと半径方向に重なる配置に備えられ、前述の図13、図14に示す例と同様に通気孔66からジグザグの経路をたどって膨出部空間の小開口部69に達するようになっている。
【0041】尚、図13、図14に示す例と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図13〜図16に示した原基発生時用キャップの使用方法は前述した図1に示したものと同様である。
【0042】
【発明の効果】本発明においては、原基発生時用キャップに、栽培瓶の開口部に施蓋される不透光性材料からなるキャップ本体部の頂部内面中央を内面側から上方に向けて膨出させた形状の膨出空間部を一体に有し、該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせた構造のものを使用し、前記栽培瓶内にその開口部近くまで培養基を充填するとともに種菌を接種し、該栽培瓶開口部に前記原基発生時用キャップを施蓋して菌糸培養を行うとともに子実体原基を前記膨出空間内に限定して発生させるようにしたことにより、培養に際し、原基発生時用キャップの膨出空間部頂部のフィルターから通気されるとともに、このフィルターを通して培養基の頂面中央部に光が照射されるため、膨出空間部に面した培養基表面部分からのみ子実体原基が発生し、発生する子実体原基が1箇所に集中するため、養分が分散せず、良質な子実体の成長状態が得られる。
【0043】また、発生した子実体原基は、膨出空間部内面の直立した短円筒状部内面に側部が規制され、水平方向への広がりが規制されて円柱状に成形されるため、広がりの少ないしっかりとした根元部が形成され、良質な子実体の成長を促すこととなる。
【0044】また、本発明では、子実体原基発生後、原基発生時用キャップを取り外し、原基発生時用キャップの膨出空間部の内径と略同内径の開口部を頂面に備えた子実体生育時用キャップを栽培瓶開口部に施蓋して芽出し及び子実体生育を行うことにより、子実体原基表面の枝葉状部発生部を中央に集中させることができ、発生する枝葉状部の数が制限されることなり、養分が集中して良質な子実体の成長状態が得られる。
【0045】更に、成長する枝葉部分の根元は、子実体生育時用キャップの開口部外とすることができ、収穫に際し、枝葉部分の損傷を少なくできるとともに、子実体生育時用キャップを使用した生育工程では、子実体原基の表面に発生する「あめ」が、子実体生育時用キャップ頂面より外側に流れることとなり、培養基表面にたまらないため、黴の発生による品質低下が防止できる。
【0046】また、本発明では、原基発生時用キャップとして、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口を透光性を有する通気フィルターによって閉鎖することによって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせたものを使用することにより、雑菌の浸入を防止しつつ、必要な吸湿、給気及び光照射が簡単な構造で達成できる。
【0047】更に,本発明では、原基発生時用キャップとして、膨出空間部の頂部中央に開口を設け、該開口の上側を透光性を有する頂面覆い部材をもって覆い、該頂面覆い部材と前記膨出空間部頂部外面との間に通気間隙を設けることによって該膨出空間部の頂部に通気性及び透光性を持たせたものを使用することにより、水滴を直接浸入させることなく必要な吸湿、給気及び光照射がなされる。
【0048】また、本発明では、子実体生育時用キャップの頂面の開口部周縁に生育ケース嵌合部を備え、前記生育ケース嵌合部外側に着脱自在に嵌合できる下端開口部を有し、上側が拡開した略漏斗状の生育ケースを、前記子実体生育時用キャップの開口部外周に嵌合させ、該生育ケース内で子実体を生育させ、該生育ケースを取り外すことによって収穫するようにすることにより、子実体に直接触れることなく収穫ができ、収穫時の損傷を少なくできる。
【0049】更に、本発明では、子実体生育時用キャップ頂面の開口縁部に沿って上向きに短筒部を突設させ、該短筒部の外周に小突起からなる生育ケース嵌合部を備えたことにより、子実体原基からの発芽部分を頂面のみに限定できると共に、生育工程時に子実体原基表面に発生した「あめ」を生育ケースと短筒部との間隙から子実体生育時用キャップ外に流出させることができ、「あめ」による黴の影響をなくすことができる。
【出願人】 【識別番号】390034142
【氏名又は名称】ホクト産業株式会社
【出願日】 平成13年4月23日(2001.4.23)
【代理人】 【識別番号】100089886
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 雅雄
【公開番号】 特開2002−218844(P2002−218844A)
【公開日】 平成14年8月6日(2002.8.6)
【出願番号】 特願2001−123961(P2001−123961)