トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 プランター
【発明者】 【氏名】松田 洪佑

【要約】 【課題】設置場所が傾斜していても箱状本体の栽培床を水平にし或いは所望の角度に傾けて置くことのできるプランターを提供すること。

【解決手段】プランター1は、箱状本体3の本体脚部5の底部に第1ネジ部7を設ける一方、第1ネジ部7と螺合する第2ネジ部8を有し、かつ、箱状本体3に対して上下移動自在の可動脚10を備えている。可動脚10は、第1ネジ部7と第2ネジ部8との螺合により本体脚部5の底部から上下方向に進退するように構成されている。本体脚部5を含む箱状本体3、および可動脚10は、ポリエチレンテレフタレート再生材を成形原料として成形されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 箱状本体の底部に第1ネジ部を設ける一方、前記第1ネジ部と螺合する第2ネジ部を有し、かつ、箱状本体に対して上下移動自在の可動脚を備え、第1ネジ部と第2ネジ部との螺合により可動脚が箱状本体の底部から上下方向に進退する構成にしたことを特徴とするプランター。
【請求項2】 箱状本体が、ポリエチレンテレフタレート再生材を成形原料として成形されている請求項1に記載のプランター。
【請求項3】 可動脚が、ポリエチレンテレフタレート再生材を成形原料として成形されている請求項1または請求項2に記載のプランター。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植木鉢やフラワーポットなどに代表される植栽用のプランターに関するものである【0002】
【従来の技術】従来この種のプランターとしては、上面が開口した矩形箱状の本体からなっていて、ポリプロピレンなどの合成樹脂を原料として成形されたものが知られている。かかるプランターでは、本体内に収容した栽培床に花や草木を植えるようになっている。このように植栽されたプランターはフラワースタンド上や露地上に置かれて観賞される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プランターを設置する地面などは必ずしも水平と限らず、むしろ傾斜している場合が多い。この場合、傾斜面にそのままプランターを置くと、植えられている花が傾いた状態となり見栄えを損なうことがある。また、水遣り時の水で掘り出された土が、傾いて低くなった側の開口縁からこぼれ出して根が露出することもある。一方で、ポリプロピレン(比重=0.9程度)製のプランターは軽量すぎて安っぽい印象を与え、陳列時の安定性も小さい。
【0004】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、設置場所が傾斜していても箱状本体の栽培床を水平にし或いは所望の角度に傾けて置くことのできるプランターの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係るプランターは、箱状本体の底部に第1ネジ部を設ける一方、前記第1ネジ部と螺合する第2ネジ部を有し、かつ、箱状本体に対して上下移動自在の可動脚を備え、第1ネジ部と第2ネジ部との螺合により可動脚が箱状本体の底部から上下方向に進退する構成にしてある。
【0006】また、前記構成における箱状本体が、ポリエチレンテレフタレート再生材を成形原料として成形されているものである。ここで、ポリエチレンテレフタレート再生材とは、例えば飲料容器その他の用途に使用されたポリエチレンテレフタレート製品を回収し、破砕、洗浄、乾燥などの処理を施して得た材料をいう。以下、同じである。
【0007】そして、前記した各構成において、可動脚が、ポリエチレンテレフタレート再生材を成形原料として成形されているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係るプランターの正面図、図2はプランターを2つ重ねたときの側面および側断面の図である。各図において、この実施形態に係るプランター1は、上面開口2を有する矩形箱状の箱状本体3で大部分が構成されている。箱状本体3の床底4の四隅部には、本体脚部5,5,5,5がそれぞれ下向きに突出して形成されている。
【0009】箱状本体3の外側面と各本体脚部5の間は段部13となっている。箱状本体3の内周面には内向き突部12が設けられている。この場合、或るプランター1の箱状本体3の開口縁14から別のプランター1を入れて積み重ねたとき、或るプランター1の内向き突部12の上に別のプランター1の段部13が載置支持されるようになっている(図2参照)。符号11は各本体脚部5の下面に突設された小突起である。
【0010】そして、各本体脚部5には、それぞれの底部(本発明でいう底部の一例)を上下貫通する貫通穴6が穿設されている。各貫通穴6の内周面には、雌ネジである第1ネジ部7がそれぞれ設けられている。これらの貫通穴6には、外周面に雄ネジの第2ネジ部8(ここでは、雄ネジ)を有する可動脚10が装着される。第2ネジ部8は本体脚部5の第1ネジ部7と螺合するようになっており、これにより可動脚10が箱状本体3に対し上下移動する。
【0011】この実施形態では、箱状本体3および可動脚10のいずれも、ポリエチレンテレフタレート(PET)製にしてある。但し、請求項1の発明に係る箱状本体および可動脚の材質はPETに限るものでない。ポリエチレンテレフタレートは飽和ポリエステルの一種であって、融点が280℃程度であり、下限使用温度が−30℃以下と低温にも強い。また、その成形品は、表面平滑性に富んで光沢のある外観を呈し、吸水率や熱膨張係数が低くて寸法安定性が高く、熱遮断性が高いといった物性が知られている。
【0012】箱状本体3および可動脚10を構成するポリエチレンテレフタレート再生材は、図3に示すように、回収したPETボトル9などから得られる。かかるポリエチレンテレフタレート再生材を製造する一例を次に示す。まず、市中から回収したPETボトル9を破砕機で破砕して径が8mm程度のフレークとする。得られたフレークを約80℃の熱水で洗浄し、更に金属類やゴミなどの異物を除去する。清浄後のフレークを乾燥用ドラム内に収容し約150℃の熱風で乾燥させることにより、ポリエチレンテレフタレート再生材が得られる。このようにして得たポリエチレンテレフタレート再生材を成形原料として加熱し、例えば射出成形機により成形すれば、上記の箱状本体3および可動脚10が得られる。
【0013】尚、市中に出回っているPETボトルは、無色透明なものと、緑色に着色したものがほとんどである。従って無色透明なPETボトル9だけを選別して原料とすれば、ほぼ無色透明な箱状本体3および可動脚10が得られる。一方、緑色に着色したPETボトル9を単独で、或いは透明なPETボトル9と混ぜて成形原料とすれば、緑色の箱状本体3および可動脚10が得られる。無論、他色の着色材を添加して、所望の色の箱状本体3や可動脚10を得ることも可能である。
【0014】上記した構成のプランター1では、図4に示すように、箱状本体3内に腐葉土などが入れられて栽培床15とされ、この栽培床15に園芸植物16が植えられる。このように園芸植物16が植栽されたプランター1は、図5に示すように、例えば図面視で水平面から右上がりに角度θ傾いた実線の傾斜面E上に設置されることがある。この傾斜面Eにプランター1をそのまま置くと、傾斜面Eなりに栽培床15の上面が傾くこととなる。
【0015】そこで、利用者が可動脚10を手で回すことにより、第1ネジ部7に対し第2ネジ部8が螺進し、可動脚10が本体脚部5の底部から上下方向(図2の矢印M方向)に進退する。この場合、例えば図面で左側の可動脚10を回して下方へ繰り出すことにより、プランター1の傾きが調整され、栽培床15の上面が水平にされる。
【0016】他方傾斜面Eとは逆に図面左上がりの傾斜面E1(2点鎖線)に置くの場合は、例えば図面左側の可動脚10を取り外し、右側の可動脚10を手で回して可動脚10の繰り出し長を大きくすることにより、プランター1の傾きが調整される。
【0017】これまで述べたように、本実施形態のプランター1は、可動脚10を手で回すだけで可動脚10が上下方向に進退するので、設置場所が傾斜していても、だれでも簡単に箱状本体3の傾きを調整することができる。これによって、栽培床15の上面が水平にされ、或いは、所望の角度に傾けられるのである。
【0018】そして、ポリエチレンテレフタレートは比重が1.4程度と重いため、ポリエチレンテレフタレート再生材を原料とする本実施形態のプランター1は重量感や光沢があって格調高く、商品陳列時に積み重ねた場合も安定度が大きいことから荷崩れしにくい。また、ポリエチレンテレフタレートは、木や紙と同様に炭素、水素、および酸素を構成元素とするので、焼却しても有毒ガスや有害物質を生じない。従って用済み後はプランターを焼却してもよいし、回収しても構わない。
【0019】尚、上記の実施形態では箱状本体3側の第1ネジ部7を雌ネジで構成し、可動脚10側の第2ネジ部8を雄ネジで構成したが、本発明はかかる構成に限定されるものでない。例えば、図6に示すように、本体脚部5の下面にボルト体17を垂設してボルト体17の雄ネジを第1ネジ部7aとし、このボルト体17に対し上下移動自在の可動脚10aを備えたものであってもよい。この可動脚10aには雌ネジである第2ネジ部8aが設けられている。この場合も、第2ネジ部8aは第1ネジ部7aと螺合するようになっているので、可動脚10aを矢印R方向に回すことによって、可動脚10aが本体脚部5に対し上下方向(矢印M方向)に進退する。
【0020】また、上記の実施形態では第1ネジ部を本体底部の四隅に配設したが、本発明プランターにおける第1ネジ部の配設位置は本体底部の四隅に限られない。また、第1ネジ部の配設個数も4個に限らない。そして、箱状本体の形状は上記の矩形に限らず、球形、楕円球形その他、所望の形状を採用することができる。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係るプランターによれば、箱状本体底部の第1ネジ部と可動脚の第2ネジ部との螺合により可動脚が箱状本体の底部から上下方向に進退するようになっているので、可動脚を手で回すだけで可動脚が上下方向に進退する。従って傾斜場所に設置する場合に、だれでも簡単に箱状本体の傾きを調整でき、箱状本体内の栽培床を水平にしたり所望の角度に傾けることができる。これにより、植栽されている花などが傾いたままとなって見栄えを損なったりすることや、水遣り時に掘り出された土がこぼれて根が露出したりすることを防ぐことができる。
【0022】また、ポリエチレンテレフタレート再生材を成形原料として、箱状本体を成形する場合は、飲料容器として汎用されているPETボトルなどを回収してリサイクル利用することができる。しかも、本発明における箱状本体はプランターの大部分を占めるので、リサイクル利用に大いに貢献することとなる。また、ポリエチレンテレフタレートは比重が重いため、重量感があり、商品陳列時にプランターを積み重ねた場合も安定性が大である。
【0023】可動脚をポリエチレンテレフタレート再生材で成形する場合も、前記した箱状本体の場合と同様である。特に、箱状本体および可動脚の双方をポリエチレンテレフタレート再生材で構成する場合は、プランター全体としてリサイクル利用できることとなり、いっそう好ましい。
【出願人】 【識別番号】501022686
【氏名又は名称】株式会社松田商店
【出願日】 平成13年1月18日(2001.1.18)
【代理人】 【識別番号】100047831
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 巌 (外1名)
【公開番号】 特開2002−209448(P2002−209448A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−9623(P2001−9623)