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【発明の名称】 植木鉢及び鉢カバー
【発明者】 【氏名】山崎 英信

【氏名】大久保 和洋

【氏名】小林 輝十樹

【要約】 【課題】積み重ねた植木鉢又は鉢カバーが転倒しても破損や白化現象が発生するおそれがなく、その上デザイン上の制約を受けることのない植木鉢又は鉢カバーを提供する。

【解決手段】周壁部2と、周縁部11及び中央部からなり周縁部11が周壁部2に連接された底板10と、周壁部2と底板10とによって形成された土壌収容部4と、この土壌収容部4の下部に設けられ底板10の下方に下部空間21を形成する脚部20と、底板10の中央部に設けられ土壌収容4と下部空間21を連通する排水孔14,15とを備え、底板10の周縁部11を、植木鉢1を積み重ねたときに上段の植木鉢1の脚部20を支持しうる幅で、かつ上段の植木鉢1の周壁部外壁面と下段の植木鉢1の周壁部内壁面との間にすき間を形成できる高さ位置に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 周壁部と、周縁部及び中央部からなり前記周縁部が前記周壁部に連接された底板と、前記周壁部と底板とによって形成された土壌収容部と、該土壌収容部の下部に設けられ前記底板の下方に下部空間を形成する脚部と、前記底板の中央部に設けられ前記土壌収容部と下部空間を連通する排水孔とを備え、前記底板の周縁部を、植木鉢を積み重ねたときに上段の植木鉢の脚部を支持しうる幅で、かつ上段の植木鉢の周壁部外壁面と下段の植木鉢の周壁部内壁面との間にすき間を形成できる高さ位置に設けたことを特徴とする植木鉢。
【請求項2】 内壁面の下部に突設された支持部を有する周壁部、該周壁部又は支持部の下部に設けられた脚部を備えた植木鉢の本体と、前記支持部上に載置される周縁部及び排水孔を有する中央部からなり前記植木鉢の本体内にセットされる底板部材とを備え、前記植木鉢の本体に設けた支持部又は該支持部上に載置される前記底板部材の周縁部を、植木鉢を積み重ねたときに上段の植木鉢の脚部を支持しうる幅で、かつ上段の植木鉢の周壁部外周壁面と下段の植木鉢の周壁部内壁面との間にすき間を形成できる高さ位置に設けたことを特徴とする植木鉢。
【請求項3】 脚部を、周壁部の延長線上に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の植木鉢。
【請求項4】 脚部の外壁面を、周壁部の外壁面の下端部より内側に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の植木鉢。
【請求項5】 脚部に、下部空間を外気に連通する通気孔を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の植木鉢。
【請求項6】 底板又は底板部材の中央部を、周縁部の内周縁から斜め内側上方又は斜め内側下方に延設された水切り部と、この水切り部の内周縁に連接された底部とからなり、全体としてほぼ凸状又は凹状に形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の植木鉢。
【請求項7】 周壁部と、周縁部が前記周壁部に連接された底板と、前記周壁部と底板とによって形成された植木鉢収容部と、該植木鉢収容部の下部に設けられ前記底板の下方に延びる脚部とを備え、前記底板の周縁部を、鉢カバーを積み重ねたときに上段の鉢カバーの脚部を支持しうる幅で、かつ上段の鉢カバーの周壁部外壁面と下段の鉢カバーの周壁部内壁面との間にすき間を形成できる高さ位置に設けたことを特徴とする鉢カバー。
【請求項8】 周壁部と、該周壁部の内壁面下部にほぼ水平に突設された支持部とを備え、前記支持部を、鉢カバーを積み重ねたときに上段の鉢カバーの下端を支持しうる幅で、かつ上段の鉢カバーの周壁部外壁面と下段の鉢カバーの周壁部内壁面との間にすき間を形成できる高さ位置に設けたことを特徴とする鉢カバー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植木鉢及び鉢カバーに係り、さらに詳しくは、保管あるいは輸送等のために積重ねる場合に特に有効な植木鉢及び鉢カバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、植木鉢あるいは鉢カバーを積み重ねるために種々手段が講じられており、その一例として、実公昭57−42288号公報に記載された考案がある。この考案に係る植木鉢は、鉢の底面の周縁に沿ってほぼ等間隔に鉢の本体底面と一体をなす複数個の陥没部を形成すると共に、鉢の内側下方に底面に跨って陥没部間のほぼ中間部に複数の縦方向のリブを突設し、かつ陥没部の内壁面に鉢の内部と連通する複数条の縦長の通気排水口を貫通し、さらに陥没部を含む鉢の底面及び鉢の側面内面にしぼ加工を施したものである(従来技術1)。
【0003】また、鉢の周囲壁外面と上部フランジとの連接部に高さ方向に短冊状の複数の縦方向のリブを設けたもの(従来技術2)、さらには、断面逆U字状の上部フランジの内部に複数の縦方向のリブを架設したもの(従来技術3)などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術1及び2においては、高く積み重ねた状態で保管しあるいは運搬しているときなどに、なんらかの理由で転倒したり落下したりすると、その衝撃により下段の植木鉢に設けた縦方向のリブが、上段の植木鉢の周壁に食い込んで破損することがあり、また、破損に至らないまでも下段の植木鉢の縦方向のリブが上段の植木鉢の周壁に強く衝突することにより、周壁外面を白濁させる(白化現象)という問題が生じる。さらに、リブを設けた周壁部の反対側の外壁面には、成型時の冷却時間差により凹み(ひけ)を生じるという問題がある。
【0005】一方、従来技術3においては、植木鉢を積み重ねたときに、上段の植木鉢のリブにより下段の植木鉢の上部フランジを損傷することがあり、また植木鉢の上縁に逆U字状のフランジを必ず設けなければならないので、デザイン上の制約を受けるだけでなく、フランジの高さを高くしないと積み重ねに必要な高さ寸法を確保できないため、デザイン的なアンバランスが避けられない。また、従来技術1,2の場合と同様にひけを生じるという問題がある。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、積み重ねた植木鉢又は鉢カバーが転倒あるいは落下しても破損や白化現象が発生するおそれがなく、その上デザイン上の制約を受けることのない植木鉢及び鉢カバーを提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1)本発明に係る植木鉢は、周壁部と、周縁部及び中央部からなり前記周縁部が前記周壁部に連接された底板と、前記周壁部と底板とによって形成された土壌収容部と、該土壌収容部の下部に設けられ前記底板の下方に下部空間を形成する脚部と、前記底板の中央部に設けられ前記土壌収容部と下部空間を連通する排水孔とを備え、前記底板の周縁部を、植木鉢を積み重ねたときに上段の植木鉢の脚部を支持しうる幅で、かつ上段の植木鉢の周壁部外壁面と下段の植木鉢の周壁部内壁面との間にすき間を形成できる高さ位置に設けたものである。
【0008】(2)また、本発明に係る植木鉢は、内壁面の下部に突設された支持部を有する周壁部、該周壁部又は支持部の下部に設けられた脚部を備えた植木鉢の本体と、前記支持部上に載置される周縁部及び排水孔を有する中央部からなり前記植木鉢の本体内にセットされる底板部材とを備え、前記植木鉢の本体に設けた支持部又は該支持部上に載置される前記底板部材の周縁部を、植木鉢を積み重ねたときに上段の植木鉢の脚部を支持しうる幅で、かつ上段の植木鉢の周壁部外壁面と下段の植木鉢の周壁部内壁面との間にすき間を形成できる高さ位置に設けたものである。
【0009】(3)上記(1)又は(2)の脚部を、周壁部の延長線上に設けた。
(4)上記(1)又は(2)の脚部の外壁面を、周壁部の外壁面の下端部より内側に設けた。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの脚部に、下部空間を外気に連通する通気孔を設けた。
【0010】(6)上記(1)〜(5)のいずれかの底板又は底板部材の中央部を、周縁部の内周縁から斜め内側上方又は斜め内側下方に延設された水切り部と、この水切り部の内周縁に連接された底部とからなり、全体としてほぼ凸状又は凹状に形成した。
【0011】(7)また、本発明に係る鉢カバーは、周壁部と、周縁部が前記周壁部に連接された底板と、前記周壁部と底板とによって形成された植木鉢収容部と、該植木鉢収容部の下部に設けられ前記底板の下方に延びる脚部とを備え、前記底板の周縁部を、鉢カバーを積み重ねたときに上段の鉢カバーの脚部を支持しうる幅で、かつ上段の鉢カバーの周壁部外壁面と下段の鉢カバーの周壁部内壁面との間にすき間を形成できる高さ位置に設けたものである。
【0012】(8)また、本発明に係る鉢カバーは、周壁部と、該周壁部の内壁面下部にほぼ水平に突設された支持部とを備え、前記支持部を、鉢カバーを積み重ねたときに上段の鉢カバーの下端を支持しうる幅で、かつ上段の鉢カバーの周壁部外壁面と下段の鉢カバーの周壁部内壁面との間にすき間を形成できる高さ位置に設けたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は本発明の実施の形態1に係る植木鉢の縦断面図、図2は図1の平面図、図3は図1の底面図である。図において、2は植木鉢1の周壁部で、上方になるにしたがって徐々に拡径されている。3は周壁部2の上端部において外側にほぼ逆U字状に折曲げて形成された上部フランジであるが、本発明に必須のものではない。
【0014】10は周壁部2の下端部にこれと一体に設けられた底板で、周壁部2に連接されたほぼ水平の周縁部11と、この周縁部11の内周縁から中心部に向って斜め下方に延設された水切り部12と、水切り部12の内周縁に連接された底部13とからなり、ほぼ凹状に形成されている。上記の周縁部11は、植木鉢1を積み重ねたときに、上段の植木鉢1の脚部を支持しうる幅に形成されている。なお、底板10の底部13をほぼ水平に形成した場合を示したが、上向き又は下向きの円弧状に形成してもよい。そして、水切り部12には複数の排水孔14が放射状に貫設されており、また、底部13には複数の排水孔15が放射状に設けられている。4は周壁部2と底板10とによって形成された土壌収容部である。この土壌収容部4は培養土、土あるいは砂のような植物を保持するものを収容する空間である。底板10の周縁部11は、植木鉢1の積み重ね構造を考えると、脚部20の下端部より高い位置に設ける必要があるため、土壌の収容量が少なくなるおそれがある。そこで、本実施の形態では、底板10を全体として凹状に形成し、土壌収容部4の容積を大きくしている。
【0015】20は周壁部2の下端部と周縁部11の下面に跨がり、又は周縁部11の下面において、下方に突設された周壁部2の外径より若干小径の脚部で、その下端部は底板10の下端部より下方に位置しており、脚部20と底板10との間には下部空間21が形成され、排水孔14,15により土壌収容部4と連通している。なお、この脚部20は上部になるにしたがって拡径してもよく、あるいは上部と下部の外径を等しく形成してもよい。
【0016】22は下部空間21内の排水孔14,15に干渉しない位置において、底板10の外壁面と脚部20の内壁面との間に設けられた複数の補強リブである。なお、脚部20には、図4に示すように、下端部から高さ方向のほぼ中央部あるいは底板10の周縁部11に達する複数の通気孔23を設けてもよい(以下の実施の形態においても同様である)。
【0017】図5は上述の植木鉢を積み重ねた状態を示す縦断面図である。植木鉢1を積み重ねるには、下段の植木鉢1の土壌収容部4内に上段の植木鉢1aを順次嵌入すればよい。これにより、上段の植木鉢1aの脚部20aの下端部が下段の植木鉢1の底板10の周縁部11上に載置されてその位置に保持される。このとき、下段の植木鉢1の周壁部2の内壁面と、上段の植木鉢1aの周壁部2aの外壁面との間には僅かなすき間C1 が形成され、また、下段の植木鉢1の周壁部2の内壁面と、上段の植木鉢1aの脚部20aの外壁面との間には、上記のすき間C1 より若干大きいすき間C2 が形成される。このため、周壁部2と底板10の連接部を曲面又は傾斜面とすることができ、上段の植木鉢1aを下段の植木鉢1の中心に位置させることができる。
【0018】上述のように、下段の植木鉢1の土壌収容部4に上段の植木鉢1aを嵌入して積み重ねる場合、上段の植木鉢1aの脚部20aの下端部が、相互の周壁部2,2a間にすき間C1 を残して下段の植木鉢1の底部10の周縁部11に当接することが必要であり、このためには、当接するまでの間に、上段の植木鉢1aの周壁部2aの外壁面が下段の植木鉢1の周壁部2の内壁面に干渉されないようにしなければならない。
【0019】いま、図6に示すように、植木鉢1の周壁部2の脚部20の下端部外側に立設した垂線Pに対する傾斜角度をθ、周壁部2の肉厚をd、周壁部2の外壁面の延在線が植木鉢1の載置面に交わる点と垂線Pとのずれ幅をe、周壁部2の下端部の外径と脚部20の上端部の外径との差の2分の1(片側の段差部)をfとし、植木鉢1を積み重ねたときの下段の植木鉢1の周壁部2の内壁面と上段の植木鉢1aの周壁部2aの外壁面との間のすき間をC1 とすると、脚部20の高さh、すなわち、底板10の周縁部11の高さ位置は、傾斜角度θがきわめて小さいのでこれを無視すると、周壁部2の外壁面から周縁部11の上面と垂線Pとの交点までの距離Wが、d+C2 となる垂線P上の点より上方の位置である(h≧(d+C1)cosθ/tanθ)。
【0020】実施例では、周壁部2の傾斜角θを3°、肉厚dを1.7mm、すき間Cを0.66mmとしたところ、脚部20の高さhは約45mmとなった。なお、このときの脚部20の垂線Pに対する傾斜角θ1 は2°、周壁部2の外径と脚部20の外径の差の1/2、すなわち片側の段差幅fは2.3mmであり、周壁部2の延長線と脚部20の先端部外壁面と間には、1.52mmのずれ幅eが得られた。なお、片側の段差幅fを大きくすることにより、床板10の周縁部11を一体成型する場合に、周壁部外壁に生じるリング状のひけを目立たなくすることができる。さらに、発明者らは種々実験を重ねた結果、周壁部2の傾斜角度θは3〜20°、好ましくは7〜12°、下段と上段の植木鉢1,1aの周壁部2,2a間のすき間C1 は0.3〜1.5mm、好ましくは0.5〜1.0mmであり、脚部20の傾斜角度θ1 は周壁部2の傾斜角度θと等しいか又はこれより小さい方が望ましいことが確認された(以下の実施の形態においても同様である)。
【0021】以上の説明から明らかなように、本実施の形態においては、上段の植木鉢1aを下段の植木鉢1に干渉されることなく嵌入して積み重ねることができ、上段の植木鉢1aは下段の植木鉢1の底板10の周縁部11により所定の位置に確実に保持される。また、植木鉢1,1a,…に積み重ね用の縦方向のリブが無いので、多数の植木鉢1を積み重ねても、リブが食い込んだり、転倒あるいは落下しても白化現象を生じたり破損したりすることがない。また、積み重ね用の縦方向のリブを設けるための、上端部に逆U字状のフランジを設ける必要がないので意匠的な制約を受けることがなく、自由で斬新なデザインを採用することができる。
【0022】さらに、周壁部2と底板10を一体に構成したので、底板10の周縁部11が横方向の補強リブとしての役割も備えており、土圧によって植木鉢1の横断面が変形するのを防止することができる。また、底板10の斜め下方に延設した水切り部12に複数の排水孔14を設けたので、水が底部に溜ることなく効果的に排水することができる。また、脚部20の上端部を周壁部2の内側において底板10の下面に一体に連接したので、脚部20の形状や位置を自由にデザインすることができる。
【0023】[実施の形態2]図7は本発明の実施の形態2に係る植木鉢の縦断面図、図8は図7の平面図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分にはこれと同じ符号が付してある。本実施の形態において、実施の形態1と異なる主な点は、脚部20を周壁部2の延長線上に形成した点、及び底板10を上方に突出した凸状に形成した点、及び補強リブ22を設けていない点にある。
【0024】すなわち、脚部20を周壁部2と同じ角度で下方に延設して形成したものであるが、この場合、脚部20の下端部外側に立設した垂線Pが、底板10の周縁部11の周壁部2への連接部において、周壁部2の内壁面との間にすき間C1 を有することが必要である。なお、周壁部2の肉厚d及びすき間C1 の大きさによっては、脚部20を上記すき間C1 を有する範囲で、周壁部2の傾斜角度より浅い角度で形成してもよい。
【0025】また、底板10は、周縁部11の内周縁から中心部に向って斜め上方に延設された水切り部12と、この水切り部12の内周縁に連接された底部(頂部)13とにより、ほぼ凸状に形成したもので、水切り部12には複数の排水孔14が放射状に貫設されている。このように底板10を凸状に形成すれば、根の拡散を促進することができる。なお、本実施の形態においては、周壁部2の上端部にはフランジが設けられていない。
【0026】本実施の形態における各部の寸法関係、積み重ね作用、効果等は実施の形態1の場合とほぼ同様なので、説明を省略する。なお、本実施の形態においては、底板10をほぼ凸状に形成した場合を示したが、実施の形態1の場合と同様にほぼ凹状に形成してもよい。
【0027】[実施の形態3]図9は本発明の実施の形態3の縦断面図、図10は図9の平面図である。なお、実施の形態1,2と同一又は相当部分にはこれと同じ符号を付してある。本実施の形態が実施の形態2と異なるのは、周縁部11を含む底板10を、ほぼ水平に形成して周縁部11と底部(中央部)13との間に複数の排水孔14を放射状に設けた点にある。
【0028】本実施の形態における各部の寸法関係、積み重ね作用、効果等は実施の形態1,2とほぼ同様であるが、底板10をほぼ水平に構成したことにより、半径方向の応力(外圧、内圧)に対する強度を高めることができる。なお、脚部20を周壁部2の延長線上に設けた場合を示したが、実施の形態1の場合と同様に、周壁部2の下端部の内側、したがって周壁部2の下面と周縁部11の下面に跨って、又は周縁部11の下面に設けてもよい。
【0029】[実施の形態4]図11は本発明の実施の形態4の縦断面図、図12は図11の平面図である。なお、実施の形態1〜3と同一又は相当部分には同じ符号を付してある。本実施の形態は、上述の実施の形態1〜3と異なり、周壁部2と脚部20とからなる植木鉢1の本体と、その下部に設けた底板とを別体に構成し、この底板(底板部材)30を植木鉢内に着脱自在にセットしうるようにしたものである。
【0030】図においては、5は周壁部2と脚部20との連接部の内壁面に、中心部に向って突設したほぼ水平の支持部で、植木鉢1を積み重ねたときに上段の植木鉢1の脚部20を支持しうる幅に形成されており、支持部5に底板部材30の肉厚を加えた高さ位置が、上段の植木鉢1の周壁部2の外壁面と、下段の植木鉢1の周壁部2の内壁面との間にすき間を形成できる高さ位置に設けられている。なお、この支持部5は周壁部2の内壁面の全周に設けてもよく、あるいはほぼ等間で複数の支持部5を設けてもよい。
【0031】30は底板部材で、支持部5上に載置される周縁部31と、周縁部31の内周縁から中心部に向って斜め上方に延設された水切り部32と、この水切り部32の内周縁に連接された底部(頂部)33とによりほぼ凸状に形成されており、水切り部32には複数の排水孔34が放射状に設けられている。
【0032】図13は本実施の形態の他の例の縦断面図、図14は図13の平面図である。本例は、ほぼ水平の支持部5を、図11の例の場合と同様の幅、同様の高さ位置に設けると共に、底板部材30を、周縁部31と、周縁部31の内周縁から中心部に向って斜め下方に延設された比較的短かい水切り部32と、この水切り部32の内周縁に連接された比較的大きい底部33とによりほぼ凹状に形成したもので、水切り部32には複数の排水孔34が放射状に設けられており、底部33には多数の排水孔35が設けられている。
【0033】図15は本実施の形態における植木鉢1の本体に設けた支持部5と、底板部材30との関係の例を示すものである。図15(a)は、支持部5の上面における周壁部2の内径と、底板部材30の周縁部31の外形とをほぼ等しく形成し、上段の植木鉢1aの脚部20aを周縁部31上に載置するようにしたものである。
【0034】また、図15(b)は、支持部5の幅を若干広く形成すると共に、底板部材30の周縁部31の外径を、支持部5の上面における周壁部2の内径より若干小さく形成し、底板部材30の周縁部31の外側に上段の植木鉢1aの脚部20aを載置するようにしたものであり、さらに、図15(c)は底板部材30の周縁部31を下方に開口する断面ほぼコ字状に形成し、その上に上段の植木鉢1aの脚部20aを載置するようにしたものである。
【0035】本実施の形態における各部の寸法関係は実施の形態1〜3の場合とほぼ同様である。植木鉢1を積み重ねるにあたっては、底板部材30を纏めて別に保管しておき、上段の植木鉢1を下段の植木鉢1の土壌収容部4内に嵌入し、その脚部20の下端部を支持部5上に載置して順次積み重ねてもよく、あるいは、個々の植木鉢1に底板部材30をセットした状態で順次積み重ねてもよい。
【0036】本実施の形態においても、実施の形態1〜3とほぼ同様の効果が得られるが、さらに、植えられる植物や使用する土壌の種類などに応じて、任意形状、任意の排水孔34,35を有する底板部材30を選択できるので便利である。また、植木鉢1の本体と底板部材30とを各別に成型できるので、両者に異なる材料を使用することができる。なお、本実施の形態においても、周壁部2の下面と支持部5の下面に跨って、又は支持部5の下面に脚部20を設けてもよい。
【0037】[実施の形態5]本実施の形態は植木鉢を挿入する鉢カバーに関するもので、上述の各実施の形態に係る植木鉢と類似した構造のものである。鉢カバーは、一般に、周壁部と一体の底板を有するものと、周壁部のみで底板を有しないものとの2種類あり、底板を有するものは上述の実施の形態1〜3の植木鉢1とほぼ同様の構造で、土壌収容部4を植木鉢収部としたものであるが、底板10には排水孔14,15が設けられていない。また、底板を有しないものは、上述の実施の形態4に係る植木鉢1の本体とほぼ同様の構造で、底板部材30を除いたものであり、いずれの場合においても底板10の周縁部11又は支持部5は、挿入される植木鉢1の脚部を支持し、また積み重ねられた鉢カバーの下端部を支持しうる幅に形成されている。
【0038】上記の説明では、平面円形の植木鉢及び鉢カバーに本発明を実施した場合を示したが、これに限定するものではなく、例えば、四角形、多角形、楕円形等各種平面形状の植木鉢及び鉢カバーにも本発明を実施することができる。また、底板又は底板部材の形状及びこれに設けた排水孔の形状、数等も上記実施の形態に限定するものではなく、適宜設定することができる。
【0039】
【発明の効果】(1)請求項1に係る植木鉢は、植木鉢の積み重ねにあたっては、下段の植木鉢に干渉されることなく積み重ねることができ、上段の植木鉢は下段の植木鉢の底板の周縁部により所定の位置に確実に保持される。また、植木鉢には従来のように積み重ね用の縦方向のリブが設けられていないので、多数の植木鉢を積み重ねても鉢どうしが食い込んだり、転倒しあるいは落下しても縦方向のリブの存在に起因する白化現象を生じたり破損したりすることがない。
【0040】(2)また、請求項2に係る植木鉢は、上記と同様の効果に併せて、植付ける植物や使用する土壌の種類に応じて任意の底板部材を選択することができる。
【0041】(3)上記の脚部を、周壁部の延長線上に設けたので、底板の周縁部又は支持部の突出部の幅を小さくすることができる。
(4)また、脚部の外壁面を、周壁部の外壁面の下端部より内側に設けたので、脚部の形状や位置を自由にデザインすることができ、周壁部の外壁面に生じるひけを目立たないようにすることができる。
(5)さらに、脚部に通気孔を設けたので、下部空間内を常に換気することができる。
【0042】(6)上記の底板又は底板部材のほぼ凸状又は凹状に形成したので、凸状に形成した場合は植込んだ植物の根の拡散を促進し、凹状に形成した場合は、土壌の収容量を多くすることができる。
【0043】(7)また、請求項7又は8に係る鉢カバーは、底板を有するものは、その周縁部が上段の鉢カバーを支持し、底板を有しないものは支持部が上段の鉢カバーを支持するので、下段の鉢カバーと上段の鉢カバーの周壁部の間にすき間を形成した状態で積み重ねて収納、運搬することができ、落下したり転倒したりしても破損したり白化現象が生じることがない。
【出願人】 【識別番号】000107066
【氏名又は名称】株式会社リッチェル
【出願日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【代理人】 【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
【公開番号】 特開2002−209444(P2002−209444A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−5526(P2001−5526)