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【発明の名称】 接ぎ木ロボット
【発明者】 【氏名】大越 崇博

【要約】 【課題】クリップ供給装置から台木苗と穂木苗の接合位置に供給されるクリップに不良品がないようにすること、及び正常なクリップで接ぎ木作業時のトラブルの防止や苗が無駄になるのを防止すること。

【解決手段】クリップフィーダ1に供給されるクリップの中で不良品を選別しようとする場合には選別モードを選択し、フィーダ1の振動によるクリップの送り出しを始めると、ガイドレール9上をクリップが振動しながらクリップ接合装置25に向けて移動していくときの移動速度を通常の移動時より速くして、欠けやバネ部材の不良があるとクリップがガイドレール9上を最後まで移動することができず、落下する。こうして改めて正常なクリップを苗の接合部へ送り出す。こうして接ぎ木ロボットのクリップ供給装置を使用して不良クリップの排除ができ、接ぎ木作業時のトラブルの防止や苗が無駄になるのを防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 台木苗と穂木苗をそれぞれ切断した後、接合部位に台木苗と穂木苗をそれぞれ搬送する台木苗搬送装置及び穂木苗搬送装置と、前記接合部位にクリップを供給するクリップフィーダと、該クリップフィーダから供給されるクリップを用いて前記接合部位で台木苗と穂木苗を接合するクリップ接合装置を備えた接ぎ木ロボットにおいて、クリップフィーダは、該クリップフィーダに供給されるクリップの中で不良品を選別する選別機能を備えていることを特徴とする接ぎ木ロボット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は台木苗と穂木苗を自動的に供給・接ぎ木する接ぎ木苗製造用の接ぎ木ロボットに関し、特に、台木苗と穂木苗とをクリップ接合するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、接ぎ木苗製造用のロボットとして多数の接ぎ木ロボットの出願をしている。本発明者らの開発した出願発明の中で、例えば特開平8−242693号公報に開示された接ぎ木ロボットは、それぞれ台木苗と穂木苗の供給装置にセットされた台木苗と穂木苗を円弧状の動きをする各搬送装置で切断位置までそれぞれ搬送して、切断装置で台木苗と穂木苗をそれぞれ切断し、さらに前記搬送装置で切断された台木苗と穂木苗を接合部位までそれぞれ搬送して、該接合部位でクリップにより台木苗と穂木苗を接合する接ぎ木ロボットである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記本発明者らの開発した特開平8−242693号公報記載の発明の接ぎ木ロボットにおいては、接合部位に搬送されてくる台木苗と穂木苗にタイミングを合わせてフィーダから送られてくるクリップを供給して台木苗と穂木苗をクリップ接合していた。
【0004】しかし、フィーダで前記接合位置まで送り出されたクリップそのものが欠けていたり、クリップの破片がそのまま前記接合位置まで供給されると、台木苗と穂木苗が正常にクリップ接合できなかったり、クリップ接合が失敗することがあった。
【0005】本発明の課題は、クリップ供給装置から台木苗と穂木苗の接合位置に供給されるクリップに不良品がないようにすること、及び正常なクリップで接ぎ木作業時のトラブルの防止や苗が無駄になるのを防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の構成によって達成される。すなわち、台木苗と穂木苗をそれぞれ切断した後、接合部位に台木苗と穂木苗をそれぞれ搬送する台木苗搬送装置18及び穂木苗搬送装置22と、前記接合部位にクリップ123を供給するクリップフィーダ1と、該クリップフィーダ1から供給されるクリップ123を用いて前記接合部位で台木苗と穂木苗を接合するクリップ接合装置25を備えた接ぎ木ロボットにおいて、クリップフィーダ1は、クリップフィーダ1に供給されるクリップの中で不良品を選別する選別機能を備えていることを特徴とする接ぎ木ロボット。
【0007】
【作用】クリップフィーダ1は、その振動によりクリップフィーダ1に設けられたクリップの送り出し用のガイドレール9上をクリップ123が振動しながらクリップ接合装置25に向けて移動していき、クリップ開閉具126に到達してクリップ123の先端が開き、この間に接合すべき苗があるので、これを把持する。
【0008】また、クリップフィーダ1に供給されるクリップ123の中で不良品を選別しようとする場合には、例えば操作盤上のクリップ選別モードスイッチを選択し、クリップフィーダ1の始動スイッチ(図示しない)を押してクリップフィーダ1の振動によるクリップの送り出しを開始させると、クリップボウル7の外周部に設けた穴12からクリップ123の不良品(破損したもの等)を自動的に落下させて選別することができる。また、クリップガイドレール9の先端部に設けたクリップ詰まりセンサ11a、11bによりクリップ123の詰まりを検出すると、クリップガイドレール9の中途部に設けた開閉蓋10を上方へ回動させて開き、クリップガイドレール9の通路9a内部のクリップ123の不良品を人手により取り出す方法を用いても良い。
【0009】こうして不良品のクリップ123を取り除いた後に、前記操作盤上の供給モードスイッチ(図示せず)を選択し、改めて良品だけのクリップ123をフィーダ1からクリップ接合装置25に供給する。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、接ぎ木ロボットのクリップ供給装置を使用して不良クリップの排除ができ、接ぎ木作業時のトラブルの防止や苗が無駄になるのを防止することができる。
【0011】
【実施の形態】本発明の実施の形態について図面と共に説明する。まず、台木苗と穂木苗の接合を自動的に行う接ぎ木ロボットの概略を説明する。本実施の形態の接ぎ木ロボットの上面図を図1(天板を外した図)に、図1中の接ぎ木部の拡大図を図2に、前面図を図3に、側面図を図4にそれぞれ示す。
【0012】本実施の形態の接ぎ木ロボットの接合苗作製のための機構は図1に示すようにクリップフィーダ部1と接ぎ木部2からなり、接ぎ木部2は台木部3と穂木部5および接合部6からなっている。
【0013】クリップフィーダ部1のクリップボウル7外周からクリップガイドレール9を設け、その先端部に接ぎ木部2を隣接させる。また、台木と穂木の各々を把持、搬送するためのそれぞれの搬送装置18、22を接ぎ木部2の天板15(図3)に懸架している。図1に示す接ぎ木部2部分の拡大図を図2に示すが、台木部3は台木苗供給装置17と台木苗搬送装置18および台木切断装置19からなり、また、穂木部5も同様に穂木苗供給装置21、穂木苗搬送装置22、穂木切断装置23からなっている。
【0014】台木苗供給装置17に人手により供給された台木苗はハンド76、77に把持される。そして、ハンド76、77に把持された台木苗は図1の矢印(イ)の方向に回転する台木苗搬送装置18により台木切断装置19の位置(切断位置)まで搬送され、ここで、台木切断装置19が回転してそのカッター刃により台木苗の胚軸を斜めに切り落とす。前記台木切断装置19は先端にカッター刃を取り付けた回転式カッターであり、図1、図4の矢印(ハ)方向に回転する。切断された台木は矢印(ロ)方向に搬送され、接ぎ木部2で接合部6の接合装置25(図2、図3参照)で穂木と接合される。
【0015】また、同様に人手により穂木苗供給装置21の穂木苗供給板14に供給された穂木苗は穂木苗搬送装置22により矢印(ニ)方向(図1参照)に搬送され、切断位置で矢印(ヘ)方向(図1、図4参照)に回転する穂木切断装置23によりその胚軸部分より上の組織を残して、一部胚軸部と根部が切り落とされる。そして、子葉部分を持つ穂木は矢印(ホ)方向に搬送され、接ぎ木部2において台木と、クリップフィーダ部1から供給されるクリップで接合され、接合苗は適宜の方法で鉢に移植される。
【0016】次に、台木苗供給装置17と台木苗搬送装置18の説明をする。まず、台木苗供給装置17と台木苗搬送装置18について図2、図3で説明する。台木苗供給装置17には台木苗胚軸把持ハンド76と子葉除去ハンド77と一対のハンド76を開閉する胚軸把持ハンドシリンダと一対のハンド77の開閉用の子葉除去ハンドシリンダとハンド77を上下方向に移動させるための昇降シリンダ80が設けられ、さらに図示しないが、台木苗子葉除去ハンド77の下方に上側胚軸規制板が、そして胚軸把持ハンド76の下方には下側胚軸規制板があり、またハンド77の一方に固定された胚軸引き起こし板も設けられている。
【0017】一対の台木苗胚軸把持ハンド76は人手により供給される台木苗の根鉢近くの胚軸を把持するためのもので、一対の子葉除去ハンド77は胚軸の把持後に、該ハンド77を上下方向に昇降させることで、切断時に邪魔になる子葉を除去するためのものである。一対の台木苗胚軸把持ハンド76と一対の子葉除去ハンド77の先端が開き、この一対のハンド76、77間に台木苗の胚軸を受け入れた後に、閉じて、これを把持し、その後、子葉除去ハンド77を上下方向にスライドさせる。
【0018】台木苗と穂木苗は台木苗供給装置17と穂木苗供給装置21のそれぞれ苗把持ハンド76、67から台木苗搬送装置18と穂木苗搬送装置22に受け渡されてそれぞれの切断装置19、23に搬送される。
【0019】次に、台木苗搬送装置18と台木切断装置19について、主に図3、図5により説明をする。図5は台木部3側の切断装置19と台木苗搬送装置18を接ぎ木ロボットの台木部側の側壁方向から見た側面図である。
【0020】台木苗搬送装置18の台木搬送用回転アクチュエータ29は天板15に支持され、該アクチュエータ29の下部には台木搬送アーム支持体30がアクチュエータ回転軸31を中心に回転自在に支持されている。台木搬送アーム支持体30には、該支持体30に支持された台木搬送アーム押出シリンダ33、該シリンダ33に固定された台木搬送アーム34と該搬送アーム34先端の台木把持部(一対の台木胚軸把持ハンド37と台木根鉢把持ハンド38)が設けられている。前記ハンド37、38はそれぞれエアシリンダ37a、38aにより台木を把持するように開閉制御される。台木苗供給装置17の台木苗のセット位置まで押し出された台木搬送アーム34先端の台木胚軸把持ハンド37と台木根鉢把持ハンド38が作動して前記両ハンド37、38が台木苗を把持する。台木胚軸把持ハンド37と台木根鉢把持ハンド38の作動と同時に台木搬送用回転アクチュエータ29も作動して、前記ハンド37、38で把持した台木苗を切断位置まで搬送する。
【0021】また、一対の台木胚軸補助ハンド39が台木搬送アーム支持体30に固定される支持板40に支持され、アクチュエータ41内のエアシリンダ(図示せず)により開閉される。切断位置では台木搬送アーム34が引っ込んで、その時台木胚軸補助ハンド39が胚軸を把持する。
【0022】台木胚軸補助ハンド39のカッター刃通過面の形状は台木切断時に台木切断装置19のカッター刃116の回転軌跡と接するような形状として、切断時苗の位置決めが不安定になりやすいのを防ぎ、胚軸を固定する。好ましくは、このカッター刃通過面の形状を鉛直線に対してほぼ25〜30°の傾斜角度にする。胚軸の切断角度が鈍角であると、切断面積が小さくなり、後述するクリップ123(図8参照)での穂木との接合性能が悪くなるので、前記25〜30°の傾斜角度で胚軸を切断する場合が最も活着性能が良い。したがって、台木切断装置19のカッターアーム115の回転軌跡が前記台木胚軸補助ハンド39のカッター刃通過面の形状に沿うように、カッターアーム115の回転軸を設置する必要がある。
【0023】次に、台木切断装置19を図5により説明する。なお、切断装置19、23は台木部3、穂木部5にそれぞれ設けられているが、両方に共通する機構からなるものである。
【0024】カッター駆動シリンダ99は鉛直方向に向いた支柱112に支持されていて、その回転軸113にカッターアーム115が取り付けられている。このカッターアーム115の先端に該アーム115と直交する方向に切断軌跡を有するカッター刃116の支持部117が取り付けられている。前記カッターアーム115へのカッター刃支持部117の取り付け位置の調整はカッターアーム115に設けられた調整ボルト118等の調整具で行う。また、カッター駆動用モータ114の取り付け高さの調整は支柱112に設けられたネジ119と長孔を備えた調整板120との調整具で行う。
【0025】また、カッターアーム115にはカッター刃116が胚軸に当たる前にカッター刃116の回転軌跡内にある台木苗の胚軸を台木苗搬送装置18側に押しつけるための台木押さえ具121が設けられている。
【0026】また、カッター刃116を洗浄するための洗浄装置110をカッターアーム115の下方に設ける。この洗浄装置110は上下式シリンダー81によって可動し、洗浄液体を保持したクリーニングケース82を設ける。
【0027】前記クリーニングケース82内には植物の樹液を溶かすことのできるアルコール、アセトンなどを含む洗浄液を入れ、また揮発防止のために開閉自在な一対の蓋を設けておき、カッター刃116を洗浄するときに、蓋を開けて、上下式シリンダー81によりクリーニングケース82を上に移動して、カッター刃116を洗浄液中に浸けて洗浄をする。上記カッター刃116の洗浄のタイミングは図示しない接ぎ木ロボットのコントロールパネルのクリーニングスイッチのオン、オフにより行う。
【0028】次に穂木苗搬送装置22と穂木切断装置23の説明をする。図3、図7に示すように、穂木苗搬送装置22は穂木搬送用回転アクチュエータ51と該アクチュエータ51の下部の穂木搬送アーム支持体52が該アクチュエータ回転軸53を中心に回転自在に支持されている。穂木搬送アーム支持体52には、該支持体52に支持された穂木搬送アーム押出シリンダ55、該シリンダ55により伸縮される穂木搬送アーム56と該搬送アーム56先端には穂木胚軸把持ハンド59が設けられている。前記ハンド59は穂木搬送アーム56先端に設けられたアクチュエータ(図示せず)により穂木を把持するように開閉制御される。また、穂木搬送アーム56は押出量調整シム60により、その押し出し量が調整され、搬送アーム押出シリンダ55で押し出される。
【0029】穂木搬送アーム支持体52の下部に設けられたアーム61の先端にはエアシリンダ62が設けられ、そのエアシリンダ62により胚軸補助ハンド64が穂木の胚軸切断時の胚軸の支持を確実にし、胚軸の切断も確実に行うことができる。
【0030】また、胚軸補助ハンド64のカッター刃96の通過面の形状は穂木切断時に穂木切断装置23のカッター刃96の回転軌跡と接するような形状とする。好ましくは、このカッター刃通過面の形状を鉛直線に対してほぼ25〜30°の傾斜角度にする。胚軸の切断角度が鈍角であると、切断面積が小さくなり、台木との接合性能が悪くなるので、前記25〜30°の傾斜角度で胚軸を切断する場合が最も活着性能が良い。
【0031】したがって、穂木切断装置23のカッターアーム94の回転軌跡が前記胚軸補助ハンド64のカッター刃通過面の形状に沿うように、カッターアーム94の回転軸を設置する必要がある。
【0032】また、穂木切断装置23も台木切断装置19と同様の構造からなり、カッター駆動用モータの回転軸93、カッターアーム94、カッター刃支持台95、カッター刃96、カッター刃調整ネジ97、長穴98、カッター刃96の洗浄装置107などがある。また、カッタアーム94には胚軸の切断の邪魔にならないように、カッター刃96が胚軸に当たる前にカッター刃96の回転軌跡内にある苗の子葉(切り落とす子葉)などを払いのけるためのローラ101が設けられている。
【0033】カッター刃96を洗浄するための洗浄装置107はカッターアーム96の下方に設ける。この洗浄装置107は上下式シリンダー86によって可動し、洗浄液体を保持したクリーニングケース87を設ける。
【0034】前記クリーニングケース87内にはアルコール、アセトンなどを含む洗浄液を入れ、台木切断装置19と同様に図示しないクリーニングケース87の蓋を開けて、上下式シリンダー86によりクリーニングケース87を上に移動して、カッター刃96を洗浄液中に浸けて洗浄をする。
【0035】本実施の形態では、切断装置19、23は回転形式のものを説明したが、図示していないが、切断装置19、23は接ぎ木ロボット基体の支柱に取り付けられた平行四辺形の形のカッターブラケットの鉛直方向に対して傾斜した方向に設けられている一辺にカッター刃を固定したものを用い、搬送装置18、22の回転搬送時に台木苗または穂木苗の胚軸部分を切断する形式のものを用いても良い。また、切断装置19、23の切断刃部分をスライド可能な構成として搬送装置18、22の回転搬送時に台木苗または穂木苗の胚軸部分を切断する形式のものを用いても良い。
【0036】台木胚軸は穂木胚軸に比較して太くて硬いので、上記台木苗供給装置17の胚軸把持用のハンド76および台木苗搬送装置18の胚軸把持用のハンド37、39に把持力調整機構を設けないことで、コストダウン、把持力調整操作の容易化を図ることができる。
【0037】前記把持力調整機構は図6に示す構成からなっている。すなわち、コンプレッサー42からの圧縮空気は、大気開放バルブ43と水抜き用ドライヤー44と主圧力調整装置48経由後の作動圧力を作動圧力計45を介して、第一マニホールド46と第二マニホールド47に送られる。
【0038】第一マニホールド46からは、圧力調節バルブ群49を介して台木苗胚軸把持ハンド76、穂木苗胚軸把持ハンド59、67に調整後の圧縮空気がそれぞれ供給される。台木苗胚軸把持ハンド76、穂木苗胚軸把持ハンド59、67で使用された圧縮空気は第二マニホールド47に返される。また、第二マニホールド47からは流量調節バルブ群(バルブ■〜■)を介して、37a、17、19、23、62にそれぞれ供給される。
【0039】また、台木苗供給装置17の胚軸把持用のハンド76、台木苗搬送装置18の胚軸把持用のハンド37、39、穂木苗供給装置21の胚軸把持用のハンド67及び穂木苗搬送装置22の胚軸把持用のハンド59、64はそれぞれエアシリンダで作動されるが、これらの把持ハンドを使用しないときは、各エアシリンダを大気開放することで、各種把持ハンドや切断装置19、23に残留力が生じないようにして、これらの調整(ハンドの取付、苗センサの取付、切断刃の洗浄・交換等)が安全に且つ容易に行えるようにする。
【0040】また前記苗供給装置17、21および苗搬送装置18、22だけでなくエアシリンダで駆動される台木切断装置19、23の電源オフのときには、これらの切断装置19、23にエア圧力が残っていると危ないので、エアシリンダを大気開放する。
【0041】次にクリップ供給装置とクリップ接合装置25について図8に示す。クリップ供給装置のクリップフィーダ部1(図1参照)はクリップボウル7の内面に沿って螺旋状の上昇路を持つ振動型のパーツフィーダにクリップ123の取手部123aの両端部をガイドする溝を形成した振動トラフからなるクリップガイドレール9を接続して、そのガイドレール9の先端には接ぎ木部2に臨むクリップ接合装置25が接続している。図8にはクリップガイドレール9に接続するクリップ接合装置25の要部上面図を示す。
【0042】クリップフィーダ1は、その振動によりクリップフィーダ1に設けられたクリップの送り出し用のガイドレール9上をクリップ123が振動しながらクリップ接合装置25に向けて移動していき、クリップ接合装置25部でクリップ123の先端が開き、この間に接合すべき苗があるので、これを把持する。
【0043】次に、接ぎ木ロボットのクリップ供給装置を使用して不良クリップの排除をして、接ぎ木作業時のトラブルの防止や苗が無駄になるのを防止する手順について、図1と図9(図9(a))はクリップガイドレールの斜視図、図9(b)は断面図)で説明する。
【0044】クリップフィーダ1に供給されるクリップ123の中で不良品を選別しようとする場合には図示しない操作盤上の選別モードスイッチを選択し、クリップフィーダ1の始動スイッチ(図示しない)を押してクリップフィーダ1の振動によるクリップ送り出しを開始させると、ガイドレール9上をクリップ123が振動しながらクリップ接合装置25に向けて移動していく。
【0045】このとき、クリップボウル7の外周部に設けた穴12からクリップ123の不良品(破損したもの等)を自動的に落下させて選別することができる。
【0046】また、クリップガイドレール9の先端部に設けたクリップ詰まりセンサ11a、11bによりクリップ123の詰まりを検出すると、クリップガイドレール9の中途部に設けた開閉蓋10を上方へ回動させて開き、クリップガイドレール9の通路9a内部のクリップ123の不良品を人手により取り出す方法を用いても良い。
【0047】こうして不良品のクリップ123を取り除いた後に、不良品を選別作業が終わると、操作盤上のクリップ搬送モードスイッチ(図示せず)を選択し、改めて良品だけのクリップ123をフィーダ1からクリップ接合装置25に供給する。
【0048】このクリップ不良品を選別する選別モードが作動中はクリップ開閉具126は閉じたままであり、クリップ123が接ぎ木接合位置にまで到達しないようにしている。
【0049】こうして、接ぎ木ロボットのクリップ供給用のフィーダ1を使用して不良クリップ123の排除ができ、接ぎ木作業時のトラブルの防止や苗が無駄になるのを防止することができる。
【0050】通常のクリップ搬送モードでは図8に示すように、このガイドレール9の先端は接ぎ木部2の台木と穂木の接合部6(図1参照)の直前で前記クリップ123の取手部123aの両端部のガイド間隔を狭め、クリップ123の把持部123bを開放するための狭窄ガイドレール125が接続している。ここで把持部123bを開放した状態で前進したクリップ123(図8(a))が台木と穂木の接合位置に来ると、クリップ開閉具126がクリップ123の取手部123aの付勢を開放する方向に移動して(図8(b))、把持部123bにより台木と穂木を接合状態に保つ。
【0051】図8(a)のクリップ接合装置25の平面図に示すように、クリップ接合装置25はクリップ接合部位で、クリップ123の一対の先端部(把持部123b)が開いているとき、その間に台木苗搬送装置18及び穂木苗搬送装置22からそれぞれ台木苗と穂木苗が十分入り込むように(矢印(A))、台木苗搬送装置18及び穂木苗搬送装置22の駆動制御をする。なお、クリップ123の内面に接触する位置まで接合苗を駆動すると、クリップ123の内面で胚軸位置が矯正されて安定する。こうして、苗接合部位でクリップ123は先端部を閉じる動作をするだけで台木苗と穂木苗が接合することができる。
【0052】以上本発明の実施の形態の接ぎ木ロボットの一連の動きを図10のフローチャートに示す。図10のフローチャートには前記不良クリップ選別モードと通常のクリップ搬送モードはマニュアルで行う。
【0053】本発明の実施の形態では、図10に示す各行程が所定時間に作動しないとき、停止と判断する停止検出手段を図示しない制御部に設け、該停止検出手段の異常検出により「異常ランプ」を点灯させるようにする構成にした。
【0054】接ぎ木ロボットの異常停止時と通常の停止操作時とを同じ検出手段により検出するようにしたので、コストダウンが図れる。このとき通常の停止操作時の停止を表示するランプも異常ランプを用いる。
【0055】そして、停止操作時に所定時間(例えば30秒)後にリセットスイッチの操作を可能にすることで、誤操作により接ぎ木ロボットが初期位置へ戻る動作に不意に入ることを防ぐことができる。
【0056】従って、通常の停止操作時に接ぎ木ロボットの作動を停止させようとしても、異常ランプが点灯した後、所定時間(例えば30秒)後に初めてリセットスイッチの操作が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成13年1月18日(2001.1.18)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義
【公開番号】 特開2002−209439(P2002−209439A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−9805(P2001−9805)