| 【発明の名称】 |
水稲の育苗方法,水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合体 |
| 【発明者】 |
【氏名】千葉 茂
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| 【要約】 |
【課題】育苗作業負担を軽減させることを図る。
【解決手段】播種工程Aで育苗箱bに灌水することなく育苗箱用プールPに移設し、育成工程Bで育苗箱用プールPに移設後、育苗箱用プールPに水を給水及び排水することにより育苗箱bに灌水を行ない、その後種籾を幼芽させて育成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通水性の育苗箱の苗床に種籾を播種する播種工程と、該播種工程後に該育苗箱を育苗箱用プールに移設して該種籾を稚苗まで育成させる育成工程とを備えた水稲の育苗方法において、上記播種工程で上記育苗箱に灌水することなく上記育苗箱用プールに移設し、上記育成工程で上記育苗箱用プールに移設後、該育苗箱用プールに水を給水及び排水することにより上記育苗箱に灌水を行ない、その後該種籾を幼芽させて育成することを特徴とする水稲の育苗方法。 【請求項2】 上記育成工程において、幼芽させた種籾を緑化させるため上記育苗箱用プールに保温シートを敷設したことを特徴とする請求項1記載の水稲の育苗方法。 【請求項3】 上記育苗箱用プールを、簡易ハウス内に設営したことを特徴とする請求項1または2記載の水稲の育苗方法。 【請求項4】 上記育苗箱用プールを、露地に設営したことを特徴とする請求項1または2記載の水稲の育苗方法。 【請求項5】 水稲の育苗箱が列設され苗を育成させるため該育苗箱に水が供給される水稲の育苗箱用プールにおいて、枠体と、該枠体の内側に嵌められて水が入れられるとともに上記育苗箱が列設される水槽部及び該水槽部の外周に連設され上記枠体を包持する包持部を有した可撓性樹脂で形成されたプール体と、該プール体の包持部を上記枠体に止着する止着手段と、該プール体の側面に上記枠体を貫通して上記水槽部から水を排出させる排出孔とを備えて構成したことを特徴とする水稲の育苗箱用プール。 【請求項6】 上記包持部を、上記水槽部の側面上部に設けられ上記枠体を上から包持する上包持体と、上記水槽部の側面底部に設けられ上記枠体を下から包持する下包持体とを備えて構成し、上記止着手段を、上記上包持体に形成した上孔と、上記下包持体に形成した下孔と、上記上孔及び下孔を連通して結着させる紐状体とを備えて構成したことを特徴とする請求項5記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項7】 上記水槽部の開口を被覆する保温シートと、上記水槽部の開口を跨いで上記上包持体同士を連絡させる連絡手段を備えたことを特徴とする請求項5または6記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項8】 上記連絡手段を、上記水槽部の開口を跨いで上記上孔間を連通して連絡させる棒状体を備えて構成したことを特徴とする請求項7記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項9】 上記水槽部の内周に外部から温水が供給される温水ホースを配設したことを特徴とする請求項5,6,7または8記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項10】 上記請求項5,6,7,8または9記載の水稲の育苗箱用プールを複数備えた育苗箱用プールの集合体において、上記プール体の側面に、上記枠体を貫通して上記水槽部の内外へ水が移動可能な移動孔を設け、中空に形成され上記移動孔に嵌入して育苗箱用プールを移動孔を介して接続し育苗箱用プール間に水の移動径路を形成する接続部材で連絡してなることを特徴とする育苗箱用プールの集合体。 【請求項11】 水稲の育苗箱が列設され該育苗箱に水を供給して水稲の苗を育成させる育苗箱用プールにおいて、水が入れられるとともに上記育苗箱が列設される水槽部を有したプール体を備えて構成し、上記プール体の側面に上記水槽部から水を排出させる排出孔を設け、該プール体を中空状に形成されるとともに空気注入孔を備え空気を注入させることで立設される側壁を有して構成したことを特徴とする水稲の育苗箱用プール。 【請求項12】 上記水槽部の側壁を、連通した複数の空気封入袋で構成したことを特徴とする請求項11記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項13】 上記空気封入袋に、内壁間隔を維持する膨張防止部を備えたことを特徴とする請求項12記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項14】 上記水槽部の外周に連設される縁部が設けられ、上記水槽部の開口を跨いで上記縁部同士を連絡させる連絡手段を備えたことを特徴とする請求項11,12または13記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項15】 上記連絡手段を、上記縁部に形成した孔を介して連絡させる棒状体を備えて構成したことを特徴とする請求項14記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項16】 上記水槽部の開口を被覆する保温シートを備えたことを特徴とする請求項11,12,13,14または15記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項17】 上記水槽部の内周に外部から温水が供給される温水ホースを配設したことを特徴とする請求項11,12,13,14,15または16記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項18】 上記請求項11,12,13,14,15,16または17記載の水稲の育苗箱用プールを複数備えた育苗箱用プールの集合体において、上記プール体の側面に、上記側壁を貫通して上記水槽部の内外へ水が移動可能な移動孔を設け、中空に形成され上記移動孔に嵌入して育苗箱用プールを移動孔を介して接続し育苗箱用プール間に水の移動径路を形成する接続部材で連絡してなることを特徴とする育苗箱用プールの集合体。 【請求項19】 水稲の育苗箱が列設され該育苗箱に水を供給して水稲の苗を育成させる育苗箱用プールにおいて、水が入れられるとともに上記育苗箱が列設される水槽部を有したプール体を備えて構成し、上記プール体の側面に上記水槽部から水を排出させる排出孔を設け、該プール体を箱状体で形成したことを特徴とする水稲の育苗箱用プール。 【請求項20】 上記水槽部の外周に連設された縁部が設けられ、上記水槽部の開口を跨いで上記縁部同士を連絡させる連絡手段を備えたことを特徴とする請求項19記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項21】 上記連絡手段を、上記縁部に形成した孔を介して連絡させる棒状体を備えて構成したことを特徴とする請求項20記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項22】 上記水槽部の開口を被覆する保温シートを備えたことを特徴とする請求項19,20または21記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項23】 上記水槽部の内周に外部から温水が供給される温水ホースを配設したことを特徴とする請求項19,20,21または22記載の水稲の育苗箱用プール。 【請求項24】 上記請求項19,20,21,22または23記載の水稲の育苗箱用プールを複数備えた育苗箱用プールの集合体において、上記プール体の側面に、上記水槽部の内外へ水が移動可能な移動孔を設け、中空に形成され上記移動孔に嵌入して育苗箱用プールを移動孔を介して接続し育苗箱用プール間に水の移動径路を形成する接続部材で連絡してなることを特徴とする育苗箱用プールの集合体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水稲を育成させるための水稲の育苗方法,水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の水稲の育苗方法は、図13〜図15に示すように、通水性の育苗箱bの床に種籾を播種する播種工程Aと、播種工程A後に育苗箱bを育苗箱用プールPに移設して種籾を稚苗にまで育成させる育成工程Bとを備える。播種工程Aは、図13に示すように次の(1)〜(4)の工程から構成されている。 (1)先ず、育苗箱bに床土(育苗箱用のマットでも良い)を敷設する(図13(1)参照)。 (2)床土の上に種籾を播種する。播種は催芽状態の種を用いることもできる(図13(2)参照)。 (3)育苗箱bに灌水を施す(図13(3)参照)。 (3’)また、所望に応じて、播種した床土の上に、種籾が見えない程度に覆土を敷設する(図13(3’)参照)。 (4)育苗箱bを芽出し装置に入れ積層し種籾の芽出し(幼芽の状態)を行なう。このとき芽出し装置内の温度は、昼夜30℃に保つようにしている(図13(4)参照)。 以上、従来の播種工程Aは、種籾を幼芽の状態にする工程である。 【0003】育成工程Bは、図14に示すように次の(5)〜(8)の工程から構成されている。 (5)芽出しが行なわれた育苗箱bをハウス内に設営した育苗箱用プールPに運搬し列設する。(図14(5)参照)。 (6)芽が緑化する迄育苗箱用プールPに保温シート23を敷設する。(図14(6)参照)。 (7)芽が緑化したならば、育苗箱用プールPから保温シート23を外し、育苗箱用プールPに給水を行なう(図14(7)参照)。このときハウス内の温度は、昼においては10℃〜30℃,夜においては5℃以下にならないように保たせる。 (8)次いで、ハウスのサイドシートを開閉して調整し苗の硬化を促す。この期間には、霜に当たらないように注意する(図14(8)参照)。 以上、従来の育成工程Bは、種籾を幼芽から稚苗の状態にする工程である。 【0004】また、育苗箱用プールPを用いず育苗箱bをハウス内に運搬して育成する場合には、図15に示すように次の(5’)〜(9’)の工程から育成工程Bが構成される。 (5’)播種が行なわれた育苗箱bをハウス内に運搬し列設する。(図15(5’)参照)。 (6’)育苗箱bの上に保温シート23を敷設し保温を行なう(図15(6’)参照)。 (7’)保温シートを育苗箱bから外し、育苗箱bに灌水を行なう(図15(7’)参照)。 (8’)育苗箱bの上に保温シート23を敷設し保温を行なう(図15(8’)参照)。 (9’)種籾が緑化したならば、育苗箱bから保温シート23を外し、育苗箱bに灌水を行なう。このときハウス内の温度は、昼においては10℃〜30℃,夜においては5℃以下にならないように保温シートを開閉して調整する。この期間には、霜に当たらないように注意する(図15(9’)参照)。 このように、従来の水稲の育苗方法は、育苗箱bに床土を土入れ種籾を播いて灌水し芽出し装置に入れることで種籾の発芽を促進させている。この従来の方法によれば、芽出し装置により種籾の発芽が促進される。 【0005】一方、図16に示すように、従来の水稲の育苗箱用プールPは、簡易ハウス内の水平な地面の四方に盛り土等により所望の領域を囲む枠部1と、枠部1により囲まれた領域がビニルシートで覆われて貯水域を形成するプール体2と、枠部1を介してビニルシートを止着する止着手段3とを備えて簡易的に設営される。従来の水稲の育苗箱用プールPは、苗の育苗時期に設営されプール体2に設置される育苗箱bに播種された水稲の種籾の育成環境を提供し、育苗終了後に解体される。育苗箱用プールPは構造が簡易なことから解体を容易に行なうことができ、解体後設営した場所は他の植物の栽培等に利用できる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の水稲の育苗方法では、芽出し装置に育苗箱bを移設する前に育苗箱bに多量の灌水を行なわなければならない。育苗箱bは、灌水により多量の水を含み重量が増すため運搬性が悪くなる。従って、芽出し装置や育苗箱用プールPへの運搬に多大の労力を要するため育苗作業性が悪いという問題が生じている。また、従来の水稲の育苗箱用プールPは、苗を育成する期間にのみ必要となる設備であることから、必要な期間設営されてその期間の経過後に解体される。この育苗箱用プールPの設営は、先ず、簡易ハウス内に所定数の育苗箱bを列設することができる領域を確保して四方を盛り土等により囲んで枠部1を形成し、その枠部1の内側にビニルシートを敷設して、ビニルシートを枠部1にて固定することによりプール体2を形成する。この育苗箱用プールPを設営するにあたっては、枠部1の形成、特に盛り土による枠の形成に多大な労力を要することから設営が煩雑であるという問題があった。また、育苗箱用プールPは毎年苗を育成する所定の期間に設営することを要することから、育苗箱用プールPの設営に加担させる労力を毎年所定時期に確保しなければならないという問題もある。更に、設営した育苗箱用プールPにおいて枠部1は、再利用できないので設営効率が悪いという問題がある。 【0007】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、育苗作業性に優れた水稲の育苗方法,設営が容易にできるとともに再利用可能な水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合体を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】このような課題を解決するための本発明の技術的手段は、通水性の育苗箱の苗床に種籾を播種する播種工程と、該播種工程後に該育苗箱を育苗箱用プールに移設して該種籾を稚苗まで育成させる育成工程とを備えた水稲の育苗方法において、上記播種工程で上記育苗箱に灌水することなく上記育苗箱用プールに移設し、上記育成工程で上記育苗箱用プールに移設後、該育苗箱用プールに水を給水及び排水することにより上記育苗箱に灌水を行ない、その後該種籾を幼芽させて育成する構成とした。育苗箱への灌水は、播種工程後育苗箱を育苗箱用プールに移設してから行なう。従って、灌水した育苗箱の移設作業は不要となり、灌水により育苗箱に付帯する重量を除いた重量にて育苗箱の移設作業を行なうことができる。また、必要に応じ、上記育成工程において、幼芽させた種籾を緑化させるため上記育苗箱用プールに保温シートを敷設した構成とした。育苗箱用プール内を保温シートで保温して緑化条件を整え維持することができる。更に、必要に応じ、上記育苗箱用プールを、簡易ハウス内に設営した構成とした。育苗箱用プールを直接外気に晒すことがなく、育苗箱用プール内の保温性が高まる。更にまた、必要に応じ、上記育苗箱用プールを、露地に設営した構成とした。育苗箱用プールを所望の場所に設営できる。 【0009】また、課題を解決するための本発明の技術的手段は、水稲の育苗箱が列設され苗を育成させるため該育苗箱に水が供給される水稲の育苗箱用プールにおいて、枠体と、該枠体の内側に嵌められて水が入れられるとともに上記育苗箱が列設される水槽部及び該水槽部の外周に連設され上記枠体を包持する包持部を有した可撓性樹脂で形成されたプール体と、該プール体の包持部を上記枠体に止着する止着手段と、該プール体の側面に上記枠体を貫通して上記水槽部から水を排出させる排出孔とを備えた構成とした。枠体に包持部を包持させて止着部材でプール体を枠体に止着する。従来のように育苗箱用プールを設営する度に枠を作成しなくてもよく容易に育苗箱用プールを設営することができる。また、育苗箱用プールの構成要素は保存可能であり、設営効率に優れている。また、プール体を可撓性樹脂で形成しているので、折り畳み可能となり収納性に優れる。また、給水された水は、排出孔から容易に排出させることができる。 【0010】また、必要に応じ、上記包持部を、上記水槽部の側面上部に設けられ上記枠体を上から包持する上包持体と、上記水槽部の側面底部に設けられ上記枠体を下から包持する下包持体とを備えて構成し、上記止着手段を、上記上包持体に形成した上孔と、上記下包持体に形成した下孔と、上記上孔及び下孔を連通して結着させる紐状体とを備えた構成とした。上包持体の上孔と下包持体の下孔を紐状体を通して結着し、枠体に包持部を強固に止着させることができる。枠体に包持部が強固に止着されることにより、プール体の設置が安定する。更に、必要に応じ、上記水槽部の開口を被覆する保温シートと、上記水槽部の開口を跨いで上記上包持体同士を連絡させる連絡手段を備えた構成とした。上包持体同士の連絡は、水槽部の開口の歪を抑え、プール体の設置安定性に寄与する。また、上包持体同士を連絡した連絡手段を介して保温シートを開口に被覆させることができる。連絡手段を介して開口上に保温シートが敷設されるので、保温シートが育苗箱内に垂れ込まない。更にまた、必要に応じ、上記連絡手段を、上記水槽部の開口を跨いで上記上孔間を連通して連絡させる棒状体を備えた構成とした。棒状体は上包持体同士の連絡を強くする。また、一方の上包持体側から上包持体同士の連絡を可能にする。また、必要に応じ、上記水槽部の内周に外部から温水が供給される温水ホースを配設した構成とした。所望とする熱量を水槽部に供給させることができる。このような水稲の育苗箱用プールを複数備えた育苗箱用プールの集合体において、上記プール体の側面に、上記枠体を貫通して上記水槽部の内外へ水が移動可能な移動孔を設け、中空に形成され上記移動孔に嵌入して育苗箱用プールを移動孔を介して接続し育苗箱用プール間に水の移動径路を形成する接続部材で連絡した構成とした。複数の育苗箱用プールが接続され、移動孔を介して水が移動できる。接続した育苗箱用プールは、水の移動により共通の育成環境を保つことができる。 【0011】また、課題を解決するための本発明の技術的手段は、水稲の育苗箱が列設され該育苗箱に水を供給して水稲の苗を育成させる育苗箱用プールにおいて、水が入れられるとともに上記育苗箱が列設される水槽部を有したプール体を備え、上記プール体の側面に上記水槽部から水を排出させる排出孔を設けて構成し、該プール体を中空状に形成されるとともに空気注入孔を備え空気を注入させることで立設される側壁を有した構成とした。空気封入袋に空気を注入するだけで、水が入れられる水槽部が容易に形成される。従来のように育苗箱用プールを設営する度に枠を作成しなくてもよく容易に育苗箱用プールを設営することができる。また、育苗箱用プールの構成要素は保存可能であり、設営効率に優れている。また、プール体は、重畳可能な材質で形成されており、コンパクトに折り畳むことができる。また、給水された水は、排出孔から容易に排出させることができる。また、必要に応じ、上記水槽部の側壁を、連通した複数の空気封入袋で構成した。空気封入袋同士に境界を有しており、この境界により空気注入後のプール体の設置強度が高められる。更に、必要に応じ、上記空気封入袋に、内壁間隔を維持する膨張防止部を備えた構成とした。空気封入袋の内壁間隔を維持できるので、徒に空気封入袋が膨張されない。従って、空気注入後のプール体の形状の安定性を高める。 【0012】更にまた、必要に応じ、上記水槽部の外周に連設される縁部が設けられ、上記水槽部の開口を跨いで上記縁部同士を連絡させる連絡手段を備えた構成とした。縁部間を固定し、開口が広がるのを抑えることができる。また、必要に応じ、上記連絡手段を、上記縁部に形成した孔を介して連絡させる棒状体とを備えた構成とした。棒状体を孔に掛けて開口に張ることができる。更に、必要に応じ、上記水槽部の開口を被覆する保温シートを備えた構成とした。水槽部外への放熱を抑え水槽部内の保温性を高め、苗の育成を助長させる。更にまた、必要に応じ、上記水槽部の内周に外部から温水が供給される温水ホースを配設した構成とした。所望とする熱量を水槽部に供給させることができる。このような水稲の育苗箱用プールを複数備えた育苗箱用プールの集合体において、上記プール体の側面に、上記側壁を貫通して上記水槽部の内外へ水が移動可能な移動孔を設け、中空に形成され上記移動孔に嵌入して育苗箱用プールを移動孔を介して接続し育苗箱用プール間に水の移動径路を形成する接続部材で連絡した構成とした。複数の育苗箱用プールが接続され、移動孔を介して水が移動できる。接続した育苗箱用プールは、水の移動により共通の育成環境を保つことができる。 【0013】また、課題を解決するための本発明の技術的手段は、水稲の育苗箱が列設され該育苗箱に水を供給して水稲の苗を育成させる育苗箱用プールにおいて、水が入れられるとともに上記育苗箱が列設される水槽部を有したプール体を備えて構成し、上記プール体の側面に上記水槽部から水を排出させる排出孔を設け、該プール体を箱状体で形成した構成とした。箱状のプール体を配置するだけで、水が入れられる水槽部が容易に形成される。従来のように育苗箱用プールを設営する度に枠を作成しなくてもよく容易に育苗箱用プールを設営することができる。また、育苗箱用プールの構成要素は保存可能であり、設営効率に優れている。また、プール体は、積み重ね可能な形状にでき、収納性を高めることができる。また、給水された水は、排出孔から容易に排出させることができる。また、必要に応じ、上記水槽部の外周に連設された縁部が設けられ、上記水槽部の開口を跨いで上記縁部同士を連絡させる連絡手段を備えた構成とした。縁部間を固定し、開口が広がるのを抑えることができる。更に、必要に応じ、上記連絡手段を、上記縁部に形成した孔を介して連絡させる棒状体とを備えた構成とした。棒状体を孔に掛けて開口上に張ることができる。更にまた、必要に応じ、上記水槽部の開口を被覆する保温シートを備えた構成とした。水槽部外への放熱を抑え水槽部内の保温性を高め、苗の育成を助長させる。また、必要に応じ、上記水槽部の内周に外部から温水が供給される温水ホースを配設した構成とした。所望とする熱量を水槽部に供給させることができる。このような水稲の育苗箱用プールを複数備えた育苗箱用プールの集合体において、上記プール体の側面に、上記水槽部の内外へ水が移動可能な移動孔を設け、中空に形成され上記移動孔に嵌入して育苗箱用プールを移動孔を介して接続し育苗箱用プール間に水の移動径路を形成する接続部材で連絡した構成とした。複数の育苗箱用プールが接続され、移動孔を介して水が移動できる。接続した育苗箱用プールは、水の移動により共通の育成環境を保つことができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る水稲の育苗方法,水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合体を説明する。最初に、水稲の育苗方法に用いることができる水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合体について説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。図1(図2の断面線A−Aで切断された斜視図)及び図2に示すように、水稲の育苗箱用プールPは、催芽した種籾を育苗箱bに植えて稚苗(乳苗)に育成する設備として用いられる。育苗箱用プールPは、枠体10と、枠体10の内側に嵌められて水が入れられるとともに育苗箱bが列設される水槽部11及び水槽部11の外周に連設され枠体10を包持する包持部13を有した可撓性樹脂で形成されたプール体16と、プール体16の包持部13を枠体10に止着する止着手段17とを備えて構成される。枠体10は、断面長方形の四角枠に形成されている。枠体10の材質は、水槽部11の外壁を支持できるものであればよく、鉄骨,角材,単管等で形成することができ、ここでは、軽量にて持ち運びが便利な軽金属製の単管を利用している。また、枠体10の高さは、育苗箱bで育成する苗の高さより高ければよい。水槽部11は、所定の容積を有する凹部12を形成する。凹部12は、枠体10の内側に入れられて枠体10に支持される。包持部13は、水槽部11の側面上部に設けられ水槽部11が入れられた枠体10を上から包持する上包持体14と、水槽部11の側面底部に設けられ枠体10を下から包持する下包持体15とで構成される。水槽部11と包持部13とは、同じ可撓性樹脂により一体形成されてプール体16を構成する。可撓性樹脂としては、非透水性の重畳可能な樹脂であるビニルシートを用いている。 【0015】止着手段17は、水槽部11と枠体10とを密接に止着させる手段であり、上包持体14に形成した上孔18と、下包持体15に形成した下孔19と、上孔18及び下孔19を連通して結着させる紐状体20とを備えて構成している。上孔18と下孔19の外郭は図示しないが金属製のリング部材で補強されている。紐状体20としては、止着に所望の張力を生じさせることができるロープ,バネ等が利用できる。止着方法は、特に定められることなく、枠体10を上包持体14と下包持体15とで水槽部11の外側面に密着するように止着させればよい。ここでは、紐状体20として両端部にフックを設けたロープを使用し、止着は上孔18と下孔19とに紐状体20のフックを掛けた。用いるロープの長さは、止着した際に適度の張力がロープに生じるようにすることが好ましい。また、水稲の育苗箱用プールPは、水槽部11の開口を跨いで上包持体14同士を連絡させる連絡手段21を備えている。連絡手段21は、主に水槽部11に水が入れられた際にその水圧により水槽部11の形状に歪が生じるのを防ぐための手段であり、水槽部11の開口を跨いで上孔18間を連通して連絡させる棒状体22を備える。棒状体22には両端に内側に折り曲げられた鈎が設けられた鉄棒が用いられ(図1の透視箇所参照)、上孔18のリング部材に鈎を掛けて上包持体14同士を連絡している。鉄棒は、連絡時に水槽部11の開口面に接する長さにしている。また、水槽部11の開口を被覆する保温シート23を備えた。保温シート23は、開口上に張られた鉄棒の上から開口全体を覆うように敷設される。保温シート23の周端には複数のリング部材で外郭が補強された孔25が設けられ、その孔25と包持部13の上孔18または下孔19とを両端にフックが設けられたロープで止着させている。また、水槽部11の内周には外部から供給される温水が循環する温水ホース26を配設してある。そのため、プール体16の1側面には枠体10を貫通して温水ホース26の流入側が嵌入される導入孔27と温水ホース26の流出側が嵌入される導出孔28とが設けられている。温水ホース26の配設には、温水ホース26を水槽部11に固定する固定具を用いることができる。また、プール体16の1側面には、枠体10を貫通して水槽部11から水を排出させる排出孔29を設けている。排出孔29は栓により開閉自在である。 【0016】上記の如き水稲の育苗箱用プールPは、複数備えて所定の育苗箱用プールの集合体Hにすることにより大量の稚苗を育成できる。図3には、育苗箱用プールの集合体Hの構成例が示される(水稲の育苗箱用プールPを4つ接続した例)。ここで用いる水稲の苗を育成させる育苗箱用プールPにはプール体16の各側面に枠体10を貫通して水槽部11の内外へ水が移動可能な移動孔30が設けられている。育苗箱用プールの集合体Hは、中空に形成され移動孔30に嵌入して育苗箱用プールPを育苗箱用プールP間に水の移動径路を形成する接続部材31で接続して構成されている。移動径路を形成しない移動孔30には、移動孔30を閉状態にする栓32が嵌入される。また水槽内に給水する移動孔30と水槽内から排水する最適な排出孔29とが選択され、他の排出孔29には排出孔29を閉状態にする栓32が嵌入される。このようにして、給水が行なわれる移動孔30と水が移動する移動孔30と水を排出させる排出孔29とが定まり、水の移動径路が確立される。 【0017】従って、実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hに依れば、以下のようにして水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hの設営とその解体が行なわれる。 (水稲の育苗箱用プールPの設営)育苗箱用プールPに利用できる簡易ハウスを構築しておく。この簡易ハウスは、他の植物のハウス栽培にも利用できる汎用性を備える。育苗時期に、簡易ハウス内に育苗箱用プールP(または育苗箱用プールの集合体H)を設営する領域を確保し平坦にしておく。先ず、簡易ハウス内の所定位置にプール体16を配置する。そして、プール体16の包持部13に枠体10を包持させて止着手段17によってプール体16を枠体10に止着させる。止着は、包持部13の上包持体14に形成された上孔18と下包持体15に形成された下孔19とに所定の張力を生じさせるようにロープをフックで取付けた。止着によりプール体16が枠体10に支持されることで、水が入れられる凹部12が表出される。このように、育苗箱用プールPの基本枠組は、所定の大きさの枠体10にプール体16を止着させるだけで容易に形成することができる。従来のように盛り土をして枠部1を形成する必要がない。 【0018】次いで、温水ホース26を水槽部11の内周に配設させる。温水ホース26はビニルホースを用いたので、導入孔27から導出孔28への配設を容易にさせる。ビニルホースは所望の手段で水槽部11に固定しておく。このようにして、水槽部11に育苗箱bを列設する準備が完了する。水槽部11に育苗箱bを列設した後、表出された凹部12の開口を跨ぐように複数の上孔18の所望の対に鈎を掛けて鉄棒を取付ける。水槽部11に水が入れられると水の重量により開口部分が外側に広がるが、鉄棒により開口が広がるのを抑えることができ設置安定性が高まる。次いで、開口上に張り渡した鉄棒の上に保温シート23を被覆する。保温シート23は、端部に形成された孔25と上孔18とにフックを掛けてロープを取付ける。保温シート23を被覆することにより、水槽部11内の保温性を高めることができる。また、保温シート23は鉄棒を介して被覆されるので、育苗箱b内に保温シート23が垂れ込まず、保温シート23を覆土等で汚すことも育苗環境に悪影響を与えることもない。 【0019】(育苗箱用プールの集合体Hの設営)育苗箱用プールの集合体Hは、上述した育苗箱用プールPを所望の数隣接させて接続部材31で接続させることにより設営される。予め育苗箱用プールPを接続部材31で連絡できる間隔に配置しておく。この配置において、育苗箱用プールPの接続パターンと給水される移動孔30と排水される排出孔29とを定める。移動孔30は育苗箱用プールPの4側面に各1つ形成され排出孔29は育苗箱用プールPに1つ形成されているので、給水量,育苗箱用プールPの保水量を考慮して給水する移動孔30と排出孔29の数を定める。接続パターンに従い、育苗箱用プールPの接続を行なう。接続は、接続部材31の一端を移動孔30に嵌入し、相対する接続部材31の他端同士をバンドで着脱容易に接続させることにより行なう。利用しない移動孔30と排出孔29には着脱可能な栓32が処される。育苗箱用プールPの接続は、育苗箱用プールPの形成過程において、特に枠体10にプール体16を止着した際の軽量時(育苗箱bが列設されていないとき)に行なうのが好ましい。以上の如く、育苗箱用プールの集合体Hは設営する場所を確保して容易に組み立てることができる。 【0020】(水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hの解体)育苗を終えた育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hは、設営した手順を逆にして解体すればよい。育苗箱用プールPの構成要素は、着脱可能な物品のみから構成されているため、育苗箱用プールPを設営するときそのまま再使用ができるので、経済性に優れている。また、解体後の設営場所は、設営当初と同じく平坦のままであるから、すぐさま他のハウス栽培品の培地に利用させることができる。 【0021】尚、上記実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールPにおいて、移動孔30及び排出孔29をプール体16の側面に設けたが、底面に設けることができる。この場合、集合体Hを形成するにあたって、育苗箱用プールPを縦に積み重ねることも可能になる。また、水稲の育苗箱用プールPを乗せる架台を備えて、育苗箱を眼前に位置させ育苗作業を容易にさせることもできる。また、上記実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールの集合体Hにおいて、排出孔29を接続部材31に設けることもできる。また、プール体16の下に断熱用のシートを敷設させれば、水槽部11内の保温性を高めるとともに、プール体16の底部の破損を防止することにも寄与する。 【0022】また、図4(a)には、形状の異なる包持部13を用いた場合の水稲の育苗箱用プールPが示される。この育苗箱用プールPは、包持部13が水槽部11の側面上部に設けられ水槽部11が入れられた枠体10を上から包持する上包持体14のみで構成されたこと以外は前述の育苗箱用プールPと同様の作用効果を奏する。この育苗箱用プールPは、下包持体15が無い分構成が簡易になる。また、図4(b)には、形状の異なる棒状体22を用いた場合の水稲の育苗箱用プールPの構成例が示される。棒状体22は、開口に張られる直線状の張部50と張部50に直角に設けられプール体の外壁に接する外接部51とプール体16の内壁に接する内接部52とから構成される。この棒状体22を用いれば、上部からプール体16の側部を内接部52と外接部51とで挟み込むことで容易に棒状体22を開口に張らさせることができる。 【0023】次に、本発明の他の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hを説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。図5(図1と同様の断面斜視図)及び図6に示す水稲の育苗箱用プールPは、空気注入孔40を備え側部に空気を注入することで立設されて水が入れられるとともに育苗箱bが列設される水槽部11からなる重畳可能なプール体16により構成される。水槽部11は、連続した複数の空気封入袋41からなる側部とシート状の底部とから構成されている。空気封入袋41は、空気の注入により所定の大きさの直方体を呈する枠を形成し、底部とで水が入れられる凹部12を形成する。呈する直方体の高さは、育成する稚苗の高さより高ければよい。水槽部11は、強度に優れ軽量にて持ち運びが便利な材質であればよく、ここでは折り畳み可能で携帯性に優れたビニルシートを二重にして形成している。また、空気封入袋41には隣接する空気封入袋41内を連絡する通空孔43が上下の内壁に設けられた敷居44により形成されており個々の空気封入袋41が密閉した空間を有するものではなく、直方体を構成する側部毎に空気封入袋41による1つの連続する空間を形成する。この場合、1つの連続する空間対応に空気注入孔40が設けられている。図5においては、5つの空気封入袋41から1つの側部が形成されている。また、図6に示すように、空気封入袋41内部には、内壁間隔を維持する膨張防止部45が設けられている。膨張防止部45としては、空気封入袋41の所定の容積が越えないように、相対する内部壁間隔を維持する機構からなる。ここでは、通空孔43の前後に設けられ空気封入袋41の相対する内壁間隔を維持させる材質からなる敷居44を膨張防止部45としている。敷居44は、内壁を直接形成しない所定の箇所に縫い付けてある(空気が抜けないようにしてある)。空気注入孔40は所定の空気封入袋41の外部に設けられており、ここから注入された空気は通空孔43を介して側部を形成する空気封入袋41に供給される。 【0024】また、水稲の育苗箱用プールPは、水槽部11の開口を跨いで縁部46同士を連絡させる連絡手段21を備えている。連絡手段21は、主に水槽部11に水が入れられた際にその水圧により水槽部11の形状に歪が生じるのを防ぐための手段であり、水槽部11の外周に連設された縁部46と縁部46に設けられた複数の孔47と孔47を介して縁部46を連絡させる棒状体22とで構成される。孔47には補強用の金属からなるリング部材が設けられている。棒状体22は、両端に内側に折り曲げられた鈎が設けられた鉄棒を用いた。連絡させる縁部46の孔47に鈎を掛けるだけで開口に鉄棒を張ることができる。また、水槽部11の開口には開口を被覆する保温シート23を敷設した。保温シート23の周端には金属からなるリング部材で外郭が補強された複数の孔25が設けられており、その孔25と縁部46の孔47とに両端にフックが設けられたロープのフックを掛けて連絡し保温シート23を固定させることができる。また、水槽部11の内周には、外部から供給される温水が循環する温水ホース26を配設した。温水ホース26は、前述の実施の形態における育苗箱用プールPと同様に図2に示す如く配設している。同様に、プール体16の側面には、空気封入袋41を貫通して水槽部11から水を排出させる排出孔29を設けている。 【0025】以上の如くして得られた水稲の育苗箱用プールPは、複数備え所定の育苗箱用プールの集合体Hにすることにより大量の稚苗を育成できる。前述した実施の形態と同様に、図3に示すように、プール体16の側面に、水槽部11の内外へ水が移動可能な移動孔30が設けられ、育苗箱用プールの集合体Hは、中空に形成され移動孔30に嵌入して育苗箱用プールPを移動孔30を介して接続し育苗箱用プールP間に水の移動径路を形成する接続部材31で接続して構成される。 【0026】従って、他の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hに依れば、以下のようにして水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hの設営が行なわれ、利用後に解体される。 (水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hの設営)育苗箱用プールPに利用できる簡易ハウスを構築しておく。この簡易ハウスは、他のハウス栽培にも利用できる汎用性を備える。育苗時期に、簡易ハウス内に育苗箱用プールP(育苗箱用プールの集合体H)の領域を確保し平坦にしておく。先ず、簡易ハウス内の所定位置にプール体16を配置する。そして、空気注入孔40から空気封入袋41に空気を注入する。空気の注入は適度の内圧が生じるまで行なう。このように、育苗箱用プールPの基本枠組は、プール体16に空気を注入するだけで容易に形成することができる。従来のように盛り土をしたり、角材を用いたりして枠を形成する必要がなくなる。次いで、温水ホース26を前述の実施の形態の場合と同様に水槽部11の内周に配設させる。このようにして、水槽部11に育苗箱bを列設する準備が完了する。水槽部11に育苗箱bを列設した後、凹部12の開口を跨ぐように複数の孔47の所望の対に鈎を掛けて鉄棒を取付ける。水槽部11に水が入れられると水の重量により開口部分が下方に引かれるが、鉄棒により開口が引かれるのを抑えることができる。次いで、開口上に張り渡した鉄棒の上に保温シート23を被覆する。保温シート23は、端部に形成された孔25と孔47とにロープを通し連絡させる。保温シート23を被覆することにより、水槽部11内の保温性を高めることができる。また、保温シート23は鉄棒を介して被覆されるので、育苗箱b内に保温シート23が垂れ込まず、保温シート23を汚すことなく育苗環境に悪影響を与えることもない。育苗箱用プールの集合体Hの形成及び解体は、前述した実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールの集合体Hと同様にして行なわれる。ただし、プール体16は枠体10を必要としないため、プール体16自体を折り畳んで収納させることができ収納性に優れている。 【0027】尚、上記他の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールPにおいて、空気封入袋41に空気を注入したが、空気封入袋41に所望の材質を用いることで水を注入させることもできる。この場合、育苗箱用プールPは、空気封入袋41に注入される水の重量が加えられ配置安定性が向上する。また、育苗箱用プールPの形状は、限定されず遊戯用プールのように円状であってもよい。また、水稲の育苗箱用プールPを乗せる架台を利用し、育苗箱bを眼前に位置させ育苗作業を容易にさせることもできる。また、プール体16の下に断熱用のシートを敷設させれば、水槽部11内の保温性を高めるとともに、プール体16の底部の破損を防止することにも寄与する。 【0028】次に、本発明のその他の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合体を説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。図7に示す水稲の育苗箱用プールPは、側面に補強が施され水が入れられるとともに育苗箱bが列設される箱状の水槽部11からなるプール体16により構成される。水槽部11は、軽量にて持ち運びが便利な材質であればよく、ここでは開口から底部を入れて積み重ねることができる軽量性に優れた合成樹脂(FRP)からなる箱で形成されている。水槽部11の高さは、育成する苗の高さより高ければよい。また、水槽部11の側面には、強度補強のため格子状を呈する凹凸模様が形成されている。また、水稲の育苗箱用プールPには、水槽部11の開口を跨いで縁部46同士を連絡させる連絡手段21を備えている。連絡手段21は、水槽部11に水が入れられた際にその水圧により水槽部11の形状に歪が生じるのを防ぐための手段であり、水槽部11の外周に連設された縁部46と縁部46に設けられた複数の孔47と孔47を介して縁部46を開口を跨いで連絡させる棒状体22とで構成される。孔47の外郭には補強用のリング部材が設けられている。棒状体22としては両端に内側に折り曲げられた鈎が設けられた鉄棒を用い、縁部46の孔47に鈎を掛けて開口上に鉄棒を張った。また、水槽部11の開口を被覆する保温シート23が開口上に張られた鉄棒の上から敷設されている。また、水槽部11の内周に外部から供給される温水が循環する温水ホース26を配設した。温水ホース26は、前述の実施の形態における育苗箱用プールPと同様に図2に示す如く配設している。同様に、プール体16の側面には、側面を貫通して水槽部11から水を排出させる排出孔29を設けている。 【0029】以上の如くして得られた水稲の育苗箱用プールPは、複数備えて所定の育苗箱用プールの集合体Hにすることによって、大量の苗を育成可能にする。前述した実施の形態と同様に、図3に示すように、プール体16の側面に、水槽部11の内外へ水が移動可能な移動孔30が設けられ、育苗箱用プールの集合体Hは、中空に形成され移動孔30に嵌入して育苗箱用プールPを移動孔30を介して接続し育苗箱用プールP間に水の移動径路を形成する接続部材31で接続して構成される。 【0030】従って、その他の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hに依れば、以下のようにして水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hの設営が行なわれ、利用後に解体される。 (水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hの設営)育苗箱用プールPに利用できる簡易ハウスを構築しておく。この簡易ハウスは、他のハウス栽培にも利用できる汎用性を備える。育苗時期に、簡易ハウス内に育苗箱用プールP(育苗箱用プールの集合体H)の領域を確保し平坦にしておく。先ず、簡易ハウス内の所定位置にプール体16を配置する。従来のように盛り土をしたり、角材を用いたりして枠を形成する必要がなくなる。次いで、温水ホース26を前述の実施の形態の場合と同様に水槽部11の内周に配設させる。このようにして、水槽部11に育苗箱bを列設する準備が完了する。水槽部11に育苗箱bを列設した後、凹部12の開口を跨ぐように複数の孔47の所望の対に鈎を掛けて鉄棒を取付ける。水槽部11に水が入れられると水の重量により水槽部11の形状に歪(外側に広がろうとする)が生じるが、鉄棒を張ることにより歪を抑えることができる。次いで、開口上に張り渡した鉄棒の上に保温シート23を被覆する。保温シート23も、端部に形成された孔25と孔47とにロープを通し連絡させる。保温シート23を被覆することにより、水槽部11内の保温性を高めることができる。育苗箱用プールの集合体Hの形成及び解体は、前述した実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールの集合体Hの場合と同様にして行なわれる。ただし、水槽部11は箱であるため重畳させて収納させることはできないが、図8に示すように箱を積み重ねることができるので収納性に優れている。 【0031】尚、上記その他の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールPにおいて、水槽部11を構成する箱を分解可能にすることができる。この場合、育苗箱用プールPの収納性が高められる。また、プール体16の下に断熱用のシートを敷設させれば、水槽部11内の保温性を高めるとともに、プール体16の底部の破損を防止することにも寄与する。 【0032】次に、本発明の実施の形態に係る水稲の育苗方法について説明する。この実施の形態においては、図1に示す育苗箱用プールPを利用した。水稲の育苗方法は、図9〜図12に示すように、通水性の育苗箱bの苗床に種籾を播種する播種工程Aと、播種工程A後に育苗箱bを育苗箱用プールPに移設して種籾を稚苗まで育成させる育成工程Bとを備える。播種工程Aは、図9に示すように次の(1)〜(3)の工程から構成されている。 (1)先ず、育苗箱bに床土(育苗箱用のマットでも良い)を敷設する(図9(1)参照)。 (2)床土の上に種籾を播く。播種は所望に応じて催芽状態の種を用いることができる(図9(2)参照)。 (3)所望に応じて、播種した床土の上に、種籾が見えない程度に覆土を敷設する(図9(3)参照)。 以上、播種工程Aにより、種籾を育苗箱bに固定する。 【0033】育成工程Bは、図10及び図11に示すように次の(4)〜(14)の工程から構成されている。 (4)播種が行なわれた育苗箱bをハウス内に設営した上述の育苗箱用プールPに運搬し列設する。育苗箱bには灌水が施されないので多量の水が含まれず、水の重量が加算しない分運搬作業が容易になる(図10(4)参照)。 (5)育苗箱bの列設を終えたら、プール体16の開口に棒状体22を張る(図10(5)参照)。 (6)次いで、給水を行なう移動孔30から育苗箱用プールPに給水を行なう。給水の際は、排出孔29に栓32をして育苗箱b全体を浸す程度の給水を行なう(図10(6)参照)。 (7)所定の給水量が育苗箱用プールPに供給された後、排出孔29の栓32を外し速やかに排水を行なう。排出孔29を自由に開閉状態にすることができるので、育苗箱bに対する灌水を育苗箱用プールPに育苗箱bを移設した後に行なうことができる(図10(7)参照)。 (8)排水後、育苗箱用プールPの温水ホース26には温水が循環される。このとき育苗箱用プールP内の温度は、温水ホース26に温水を循環させることにより昼夜30℃程度を保つようにしている(図10(8)参照)。 (9)また、育苗箱用プールPには棒状体22を介して保温シート23を敷設する。保温シート23は、床土及び覆土に浸透した水分が水槽内から失われるのを防ぐとともにプール内部の温度低下を防ぎ、幼芽期間中(葉が出ていない間)敷設して種籾の育成を促進させる(図10(9)参照)。このとき用いる保温シート23は遮光性のものが好ましい。 (10)育苗箱b全面に幼芽が現われたら温水の循環を停止する。幼芽が緑化するまで現状を維持する(図10(10)参照)。 (11)緑化が育苗箱b全面に広がったら保温シート23を外し、前記の給水と同様にして育苗箱bの覆土上面迄給水を行なう(図10(11)参照)。 (12)給水後、温水ホース26に温水の循環を開始して給水により供給された水の温度を所望値に上昇させる(図10(12)参照)。 (13)更に、育苗箱用プールPには棒状体22を介して保温シート23が敷設され、育苗箱用プールP内部の温水の温度低下を防ぐ(図10(13)参照)。このとき用いる保温シート23は透光性のものが好ましい。 (14)苗の成長度合いを観て温水の循環を停止する。このとき育苗箱用プールP内の温度は、昼においては10℃〜30℃を保つように、夜においては5℃以下にならないように(特に霜にあたるのを防ぐ)ハウスのサイドシートを開閉して調整する(図10(14)参照)。 (15)苗が所望に成長したら、保温シート23を外し苗の成長に応じて深水にする。このときハウス内の温度は、昼においては10℃〜30℃を保つように、夜においては5℃以下にならないように(特に霜にあたるのを防ぐ)ハウスのサイドシートを開閉して通気させて調整し苗の硬化を促す(図10(15)参照)。このようにして、種籾の催芽,幼芽,緑化,硬化を経て水稲の稚苗を得ることができる。 (16)田植の1〜2日前になったら、排出孔29を開状態にして排水を行ない育苗箱用プールPの水切りを行なう。得られた稚苗は、その後田に植えられる(図10(16)参照)。 【0034】一方、温水ホース26が配設されていない水稲の育苗箱用プールPにおいて、上述した育成工程Bの(8)以降の工程は、図10(8’)〜図12に示すようにして行なわれる。 (8’)排水後、育苗箱用プールPに保温シート23を敷設する。保温シート23は、床土及び覆土に浸透した水分が水槽内から失われるのを防ぐとともにプール内部の温度低下を防ぎ、緑化する迄敷設して種籾の育成を促進させる(図10(8’)参照)。このとき用いる保温シート23は遮光性のものが好ましい。 (9’)育苗箱b全面に緑化が広がったら、保温シート23を外す(図12(9’)参照)。 (10’)次いで、前記の給水と同様にして育苗箱bの覆土上面迄給水を行なう(図12(10’)参照)。 (11’)苗の育成状態に応じて深水にて育成を行なう。このとき育苗箱用プールP内の温度は、昼においては10℃〜30℃を保つように、夜においては5℃以下にならないように(特に霜にあたるのを防ぐ)ハウスのサイドシートを開閉して調整し低温育成を行なう(図12(11’)参照)。このようにして、種籾の催芽,幼芽,緑化,硬化を経て水稲の稚苗を得ることができる。 (12’)田植の1〜2日前になったら、排出孔29を開状態にして排水を行ない育苗箱用プールPの水切りを行なう。得られた稚苗は、その後田に植えられる(図12(12’)参照)。 【0035】また、育苗箱用プールPをハウス内に設営せずに露地に設営した場合には、前述の図1に示す育苗箱用プールPを利用した場合と同様に水稲の育苗が行なわれる。即ち、育苗過程は、図9〜図11に示す(1)〜(16)に示す通りである。 【0036】尚、上記実施の形態に係る水稲の育苗方法において、育苗箱用プールPの代わりに育苗箱用プールの集合体Hを利用することができる。 【0037】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の水稲の育苗方法によれば、播種工程で育苗箱に灌水することなく育苗箱用プールに移設し、育成工程で育苗箱用プールに移設後、育苗箱用プールに水を給水及び排水することにより育苗箱に灌水を行ない、その後種籾を幼芽させて育成するので、灌水した育苗箱の移設作業は不要となり、灌水により育苗箱に付帯する重量を除いた重量にて育苗箱の移設作業を行なうことができる。また、育成工程において、幼芽させた種籾を緑化させるため育苗箱用プールに保温シートを敷設した場合には、緑化条件を整え維持でき苗の育成を助長することができる。更に、育苗箱用プールを、簡易ハウス内に設営した場合には、育苗箱用プール内の保温性が高まり、苗の育成を一層助長することができる。更にまた、育苗箱用プールを、露地に設営した場合には、所望の場所での育苗を可能にする。 【0038】また、本発明の水稲の育苗箱用プールによれば、枠体と、枠体の内側に嵌められて水が入れられるとともに育苗箱が列設される水槽部及び水槽部の外周に連設され枠体を包持する包持部を有した可撓性樹脂で形成されたプール体と、プール体の包持部を枠体に止着する止着手段と、プール体の側面に、枠体を貫通して上記水槽部から水を排出させる排出孔とを備えたので、排水能に優れた育苗箱用プールを容易に設営させることができる。また、包持部を、水槽部の側面上部に設けられ枠体を上から包持する上包持体と、水槽部の側面底部に設けられ枠体を下から包持する下包持体とを備えて構成し、止着手段を、上包持体に形成した上孔と、下包持体に形成した下孔と、上孔及び下孔を連通して結着させる紐状体とを備えた場合には、枠体に包持部を強固に止着させるのでプール体の設置を安定させることができる。更に、水槽部の開口を被覆する保温シートと、水槽部の開口を跨いで上包持体同士を連絡させる連絡手段を備えた場合には、水槽部の歪を抑えてプール体の設置安定性を向上させることができ、保温シートの被覆を容易にさせる。更にまた、連絡手段を、水槽部の開口を跨いで上孔間を連通して連絡させる棒状体を備えた場合には、連絡の強度を強くし連絡作業を容易にさせる。また、水槽部の内周に外部から温水が供給される温水ホースを配設した場合には、所望の温度環境を実現させることができる。 【0039】また、本発明の育苗箱用プールによれば、プール体の側面に、水槽部から水を排出させる排出孔を設け、水が入れられるとともに育苗箱が列設される水槽部を有したプール体を備えて構成し、プール体を中空状に形成されるとともに空気注入孔を備え空気を注入させることで立設される側壁を有した構成としたので、空気封入袋に空気を注入するだけで排水能に優れた育苗箱用プールを容易に設営させることができる。また、水槽部の側壁を、連通した複数の空気封入袋で構成した場合には、空気注入後のプール体の設置強度が高められる。更に、空気封入袋に、内壁間隔を維持する膨張防止部を備えた場合には、空気注入袋のプール体の形状の安定性を向上させることができる。更にまた、水槽部の外周に連設される縁部が設けられ、水槽部の開口を跨いで縁部同士を連絡させる連絡手段を備えた場合には、開口が広がるのを抑えるので設置安定性を向上させることができる。また、連絡手段を、縁部に形成した孔を介して連絡させる棒状体とを備えた構成にした場合には、開口が広がるのを抑えるので設置安定性をより向上させることができる。更に、水槽部の開口を被覆する保温シートを備えた場合には、苗の育成を助長させることができる。更にまた、水槽部の内周に外部から温水が供給される温水ホースを配設した場合には、所望とする熱量を水槽部に供給し苗の育成を助長させることができる。 【0040】また、本発明の水稲の育苗箱用プールによれば、水稲の育苗箱が列設され育苗箱に水を供給して水稲の苗を育成させる育苗箱用プールにおいて、水が入れられるとともに育苗箱が列設される水槽部を有したプール体を備えて構成し、プール体の側面に、水槽部から水を排出させる排出孔を設け、プール体を箱状体で形成したので設営が容易であり、積層して収納できるので収納性を高めることができる。また、水槽部の外周に連設された縁部が設けられ、水槽部の開口を跨いで縁部同士を連絡させる連絡手段を備えた場合には、連絡手段で縁部間を固定して開口が広がるのを抑えて設置安定性を向上させることができる。更に、連絡手段を、縁部に形成した孔を介して連絡させる棒状体を備えた場合には、開口が広がるのを抑えるので設置安定性をより向上させることができる。更にまた、水槽部の開口を被覆する保温シートを備えた場合には、苗の育成を助長させることができる。また、水槽部の内周に外部から温水が供給される温水ホースを配設した場合には、所望とする熱量を水槽部に供給し苗の育成を助長させることができる。 【0041】また、本発明の育苗箱用プールの集合体によれば、水稲の育苗箱用プールを複数備えた育苗箱用プールの集合体において、プール体の側面に、水槽部の内外へ水が移動可能な移動孔を設け、中空に形成され移動孔に嵌入して育苗箱用プールを移動孔を介して接続し育苗箱用プール間に水の移動径路を形成する接続部材で接続したので、接続された育苗箱用プールの育苗環境を共通にして大量の苗を育成させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598064325 【氏名又は名称】千葉 茂
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| 【出願日】 |
平成12年11月1日(2000.11.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093148 【弁理士】 【氏名又は名称】丸岡 裕作
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| 【公開番号】 |
特開2002−136224(P2002−136224A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月14日(2002.5.14) |
| 【出願番号】 |
特願2000−334424(P2000−334424) |
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