| 【発明の名称】 |
アガリクス茸の子実体の人工菌床栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩田 眞人
【氏名】古屋 賢次
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| 【要約】 |
【課題】アガリクス茸の子実体は、天然のものを採取するか、または暖地のハウス内で「畝作り法」によって栽培されている。畝作り法による栽培は、ハウス内で行われるといっても、粗放的であるためにアガリクス茸の子実体の収量が少なく、かつ屋外で栽培されるために天候の影響を受けやすく、そのため通年的に安定した生産が不可能であるという欠点がある。従って、アガリクス茸の子実体を気候に左右されず、安定的に、集約的かつ大量に栽培できる人工的栽培方法が望まれている。
【解決手段】本発明により、穀物を含む培地でアガリクス茸を培養する工程を含む、アガリクス茸の子実体の人工菌床栽培方法が提供される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヒ素の含有量がDDTC−Ag吸光光度法によって測定した場合に検出限界未満であり、鉛の含有量が原子吸光光度法によって測定した場合に検出限界未満であり、そして総水銀の含有量が還元気化原子吸光光度法によって測定した場合に検出限界未満である、アガリクス茸の子実体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アガリクス茸の子実体の人工菌床栽培方法およびアガリクス茸の子実体の培養に用いられる培地に関する。 【0002】 【従来の技術】ハラタケ科アガリクス属に属するキノコ(以下、本明細書では、これらを総称してアガリクス茸という)は、数多く知られており、例えば、Agaricusblazei Murrill、Agaricus bisporus、Agaricus sylvaticus、Agaricus arvensisなどが挙げられる。例えば、Agaricus blazei Murrillは、別名ヒメマツタケあるいはカワリハラタケと呼ばれる(水野卓、川合正允 編著:キノコの化学・生化学、学会出版センター、223頁〜228頁(1992))。このキノコは、主にブラジル東南部サンパウロのピエダーテの山地に自生し、住民が昔から食用にしている。 【0003】最近、このアガリクス茸の子実体抽出液が成人病、ガンに効果があるとの発表があり、薬用キノコとして極めて有望であることが明らかになり、アガリクス茸の子実体の需要が高まると期待されている。アガリクス茸の子実体のニーズは、日本よりもむしろ、ヨーロッパ、アメリカに高いが、日本においても薬用キノコとして、ますます需要が高まると期待されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、現在、アガリクス茸の子実体は、天然のものを採取するか、またはビニールハウスおよびプレハブのような暖地のハウス内で「畝作り法」によって栽培されているにすぎない。 【0005】天然のものを採取するにしても、アガリクス茸の自生地がブラジル東南部であることから分かるように、暖地でしか栽培できないという欠点がある。「畝作り法」は、アガリクス茸の唯一の栽培方法である。この方法では、稲わら、サトウキビバガスなどを発酵させてつくった堆肥で畝をつくり、この畝に覆土をすることにより、畝床をつくり、そして、堆肥の部分に種菌を接種し、アガリクス茸を発生させる。しかし、畝作り法による栽培は、ハウス内で行われるといっても、粗放的であるためにアガリクス茸の子実体の収量が少なく、かつ屋外で栽培されるために天候の影響を受けやすく、そのため通年的に安定した生産が不可能であるという欠点がある。 【0006】従って、アガリクス茸の子実体を気候に左右されず、安定的に、集約的かつ大量に栽培できる人工的栽培方法が望まれている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明のアガリクス茸の子実体の人工菌床栽培方法は、穀物を含む培地でアガリクス茸を培養する工程を含む。 【0008】好ましい実施態様においては、上記穀物は、アワ、ヒエ、キビ、イネ、およびコムギの少なくとも1種である。 【0009】好ましい実施態様においては、上記培地は、アワ、ヒエ、およびキビからなる培地である。 【0010】好ましい実施態様においては、上記培地は、乾燥重量基準でアワ35〜45%、ヒエ35〜45%、およびキビ10〜30%からなる。 【0011】好ましい実施態様においては、上記培地は、さらに栄養源および培地基材の少なくとも一方を含む。 【0012】好ましい実施態様においては、上記培地において、穀物100重量部に対して前記栄養源が0〜300重量部の割合で含有され、そして前記培地基材が0〜300重量部の割合で含有される。 【0013】本発明のアガリクス茸の子実体の人工菌床栽培用培地は、穀物を含む。 【0014】好ましい実施態様においては、上記穀物は、アワ、ヒエ、キビ、イネ、およびコムギの少なくとも1種である。 【0015】好ましい実施態様においては、上記培地は、アワ、ヒエ、およびキビからなる。 【0016】好ましい実施態様においては、上記培地は、乾燥重量基準でアワ35〜45%、ヒエ35〜45%、およびキビ10〜30%からなる。 【0017】好ましい実施態様においては、上記培地は、さらに栄養源および培地基材の少なくとも一方を含む。 【0018】好ましい実施態様においては、上記培地において、穀物100重量部に対して前記栄養源が0〜300重量部の割合で含有され、そして前記培地基材が0〜300重量部の割合で含有される。 【0019】 【発明の実施の形態】本発明の人工菌床栽培方法および該方法に用いられる培地を、以下に詳述する。 【0020】(1.アガリクス茸の子実体の人工菌床栽培用培地)人工菌床栽培に用いる培地は、穀物を含む。 【0021】ここで、本明細書において穀物とは、アワ、ヒエ、キビ、イネ、サトウキビ、ムギ(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ)など、イネ科の栽培植物を全て包含する。特に好ましい穀物は、アワ、ヒエ、およびキビであり、穀物がこれらの成分でなることが好ましい。本発明の方法においては、穀物の種子を用いてもよいし、ワラ、フスマ、もみがら、およびサトウキビバガスのような種子以外の植物体を用いてもよい。ワラのような種子以外の植物体を用いる場合、植物体を直径15mm×長さ15mm以下に細断して用いることが好ましい。穀物の形態は、特に限定されず、コーンコブ粉砕物、ならびに種皮を取り除いたアワおよびヒエの種子のような粒状であってもよいし、ワラの細断物のような細片状であってもよいし、米ヌカ、トウモロコシヌカ、ムギヌカ、およびオオムギ粉砕物のような粉末であってもよい。本発明の方法においては、1種の穀物を用いてもよいし、任意の種類の穀物を組み合わせて用いてもよい。 【0022】本発明の培地はさらに、必要に応じて、栄養源、培地基材、添加剤などの穀物以外の他の成分を含み得る。栄養源としては、牛フン堆肥、鶏フン堆肥、バーク堆肥、オカラ、豆皮、コーヒーかす、酒かす、食品製造副産物などの当該分野で栄養源として用いられる材料のいずれもが用いられ得る。 【0023】培地基材は、オガクズ、木材チップ、綿実ハルブラン、ココナッツピート、苔類、園芸用土などを含む。添加剤は石灰、牡蛎殻、糖蜜、植物用液体肥料などを含む。 【0024】本発明の培地においては、上記穀物100重量部に対して、上記栄養源は、0重量部から300重量部、好ましくは10重量部から100重量部、さらに好ましくは20重量部から50重量部の割合で含有される。上記培養基材は、上記穀物100重量部に対して、0重量部から300重量部、好ましくは50重量部から200重量部、さらに好ましくは100重量部から150重量部の割合で含有される。添加剤は、上記穀物100重量部に対して、10重量部以下の割合で含有される。 【0025】上記穀物は、好ましくは培地全体の30重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上、最も好ましくは40重量%以上の割合で含有される。上記重量は、乾燥重量であり、具体的には各成分を90℃において5時間乾燥を行った後の重量をいう。以下本明細書中で培地組成の重量について言及する場合は、すべて乾燥重量を基準とし、具体的には各成分を90℃において5時間乾燥を行った後の重量を基準とする。 【0026】本発明の培地は、上記のように、例えば、穀物のみでなる培地であってもよく、このような培地の好ましい例としては、アワ35〜45重量%、ヒエ35〜45重量%、およびキビ10〜30重量%でなる培地が挙げられる。穀物以外の培地成分を含む培地の好ましい例としては、穀物30〜40重量%、栄養源10〜20重量%、および培地基材40〜50重量%を含む培地が挙げられる。 【0027】上記の培地成分を混合し、当業者に周知の方法に従って水を加えて練り合わせることにより、本発明の人工菌床栽培方法に用いられる培地が作成される。好ましくは、上記培地成分の混合物に、混合物の重量の約2倍量の水を加え、水分がなくなるまで煮沸を続け、その後、冷却する。 【0028】上記培地は、必要に応じて適切な容器に収容される。培養容器は、滅菌処理に耐え得る容器であれば、その形状、大きさ、材料などは制限されない。キノコ栽培で最も一般的に用いられる容量850ml、直径58mmのビンを使用してもよいし、他の菌床栽培用容器、例えば袋栽培用の袋を使用することもできる。 【0029】(2.滅菌)上記の人工菌床栽培用培地は、そのままで、あるいは培養容器に詰められた後に滅菌処理が行われる。滅菌条件は、一般的に用いられる滅菌処理の条件の範囲内であれば、特に限定されない。滅菌方法の例としては、高圧蒸気滅菌、常圧蒸気滅菌などが挙げられる。例えば、121℃にて60分間の高圧蒸気滅菌が好ましい。 【0030】大量の培地の蒸気滅菌を行う場合は、滅菌処理の時間を延長することが好ましい。 【0031】(3.アガリクス茸の接種)種菌を調製するためには、天然または人工栽培のアガリクス茸の子実体のいずれから菌糸または胞子を採取して培地で増殖させて用いてもよいし、あるいは微生物寄託機関および研究機関などで保存されている菌株の菌糸を培地で増殖させて用いてもよい。 【0032】得られた種菌と滅菌処理後の人工菌床栽培用培地を混合することにより、接種を行う。種菌と培地の容積比は、特に限定されないが、1:100〜1:25であることが好ましい。 【0033】(4.子実体の栽培) (4.1 培養)アガリクス茸の子実体を栽培するためには、まず、培地に接種された種菌の培養を行い、アガリクス茸を増殖させ、菌回りを完了させる(培地全体に菌糸が行き渡った状態を、菌回りが完了した、という)。培養条件は、アガリクス茸が生育可能な条件であれば、特に限定されない。好ましくは、温度は、15℃以上30℃以下、湿度は50%以上75%以下、CO2濃度は、2500ppm以下である。より好ましくは、温度は、20℃以上28℃以下、湿度は60%以上70%以下、CO2濃度は、300〜2000ppmである。さらに好ましくは、温度25℃、湿度60〜70%RH、CO2濃度600〜1500ppmである。光照射は、あってもなくてもよいが、好ましくは、暗黒条件である。菌回りにかかる時間は、培地の容量(培養に用いる容器の容量)によって変動する。菌回りが完了した後、さらに数日間培養を続け、菌糸を熟成させ、子実体の発生を促進すことができる。熟成を行う場合、その期間は、5日以上20日以下、好ましくは10日以上15日以下であり得る。しかし、熟成は必ずしも必要ではない。 【0034】(4.2 芽出し)培養後、芽出し操作を行う。芽出し操作の前に、覆土を行ってもよい。覆土に用いられる土の例としては、ピートモス(園芸で用いる苔の一種)が挙げられる。覆土の厚さは、特に限定されないが、1.0cm〜3.5cmが好ましい。覆土を行わない場合、上記4.1項の培養物を、そのまま芽出し条件で培養する。覆土を行う場合は、上記4.1項の培養物の表面に覆土を行った後、芽出し条件で培養する。 【0035】芽出し条件は、一般にアガリクス茸が生育可能な条件であれば、特に限定されない。好ましくは、温度は、20℃以上30℃以下、湿度は80%以上98%以下、CO2濃度は、2500ppm以下である。より好ましくは、温度は、22℃以上28℃以下、湿度は85%以上95%以下、CO2濃度は、300ppm以上2200ppm以下である。さらに好ましくは、温度25℃、湿度95%RH、CO2濃度が600ppm以上2000ppm以下である。光照射は、あってもなくてもよいが、好ましくは、暗黒条件である。芽出し条件は、培養条件よりも高湿度および高CO2濃度であることが好ましい。芽出し条件で培養される日数は、特に限定されず、肉眼で幼子実体の形成が認められるまでである。 【0036】(4.3 子実体の生育)4.2項で得られる幼子実体の生育は、アガリクス茸が生育可能な条件であれば、特に限定されない。好ましくは、温度は、20℃以上30℃以下、湿度は75%以上95%以下、CO2濃度は、2500ppm以下である。より好ましくは、温度は、22℃以上28℃以下、湿度は80%以上90%以下、CO2濃度は、300ppm以上2000ppm以下である。さらに好ましくは、温度25℃、湿度90%RH、CO2濃度600ppm以上1500ppm以下である。生育工程では、光照射が必要である。光照射は、好ましくは、50Lux以上500Lux以下で1日あたり1時間以上8時間以下、さらに好ましくは、100Lux以上500Lux以下で1日あたり2時間以上6時間以下、さらにより好ましくは、200Lux以上500Lux以下で1日あたり3〜5時間程度である。所望の形態の子実体を得るためには、光照射およびCO2濃度を、適切にコントロールする。 【0037】生育を行う日数は、アガリクス茸の生育条件によって変化し得る。アガリクス茸の子実体が所望の大きさに生育したら、子実体の収穫を行う。 【0038】 【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。しかし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0039】(実施例1:アガリクス茸(Agaricus blazei Murrill)のビン栽培) (1.培地の作製)ヒエ:アワ:キビの種子を2:2:1の乾燥重量比で混合し、この混合物の2倍量(重量比)の水を加え煮沸し、水分がほぼなくなったら火を止めて冷却した。 【0040】20℃以下に冷却された培地を、口径58mm、容量850mlのポリプロピレン製のビンに600g詰め、キャップをはめた。次いで、121℃、1atm(ゲージ圧)で、60分間の高圧蒸気滅菌を行い、その後、清浄な室内で培地温度が18℃となるまで冷却した。 【0041】(2.アガリクス茸の接種)市販のアガリクス茸(Agaricus blazei Murrill)の子実体から胞子を採取し、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)上で発芽および菌糸の増殖を行った。発芽および菌糸の増殖の条件は、温度25℃、湿度65%RH、暗条件下で25日間培養した。培養菌糸片5mm角を新たにPDA培地に接種し、同条件下で培養を行った。この操作を計3回繰り返して菌を純化した。このようにして得られた菌糸と、上記1項の培地と同じ組成の培地との混合物を種菌として用いた。 【0042】種菌15gを、上記1項の滅菌した培地と混合することにより接種した。このようにして、16本のビンの培地に接種を行なった(種菌と培地の容積比は、1:40)。 【0043】(3.子実体の栽培) (3.1 培養)接種した種菌を、暗黒下、温度25℃、湿度60〜70%RH、CO2濃度1500ppm以下の条件で培養した。菌糸は20日間で菌回りが完了したが、その後20日間熟成させ、総培養日数は40日間とした。 【0044】(3.2 芽出し)培養終了後、芽出し操作を行った。菌掻きは行わず、ビンのキャップを外すのみの方法と、菌床表面にピートモスで1cmの厚さで覆土をする方法の二種で行った。 【0045】いずれの場合も芽出しの条件は、暗黒下、温度25℃、湿度95%RH、CO2濃度2000ppm以下であった。 【0046】覆土を行うか否かは、子実体の形成日数にほとんど影響を及ぼさず、いずれの方法においても、14〜17日間で幼子実体の形成が認められた。 【0047】これらの結果から、覆土を行うか否かにかかわらず、アガリクス茸が子実体を形成することが分かった。 【0048】(3.3 子実体の生育)3.2で得られた幼子実体の生育を、温度25℃、湿度90%RH、CO2濃度1500ppm以下の条件で行った。生育工程では、200〜500Luxで1日あたり3〜5時間の光照射を行った。 【0049】子実体は、生育7日目で茎長5cm程度となった(図1)。1ビンあたりで収穫された子実体の収量は平均50gであった。 【0050】本実施例に用いた培地組成は形体が粒状であるため培地中の水分が均一になりにくいが、培地と種菌を混合して接種することにより、培養がスムーズに進み、アガリクス茸の子実体がより安定的に得られることが分かった。 【0051】(実施例2:アガリクス茸(Agaricus blazei Murrill)の袋栽培) (1.培地の作製)穀物としての米ヌカおよびフスマ、栄養源としての牛フン堆肥、ならびに培地基材としてのオガクズ(オガクズの含水率は種々異なるが、この実施例では、含水率63%のオガクズを用いた)を、以下の表1の重量比で混合し、水を加えて練り合わせた。練り合わせた混合物を、耐熱性のポリプロピレン袋に1袋当たり1500gづつ充填し、次いで、121℃、1atm(ゲージ圧)で、60分間の高圧蒸気滅菌を行なった。滅菌後、清浄な室内で培地温度が18℃程度になるまで冷却した。 【0052】 【表1】
(2.アガリクス茸の接種)実施例1の第2節と同様にして種菌を得た。この種菌80gを、上記実施例2の第1節の滅菌した培地と混合することにより、20袋に接種した(種菌と培地の容積比は、1:25)。接種後、袋の口を閉じた。 【0053】(3.子実体の栽培) (3.1 培養)接種後の袋を、暗黒下、温度23〜25℃、湿度60〜70%RH、CO2濃度1500ppm以下の条件で培養した。菌糸は約40日間で菌回りが完了したが、その後10日間熟成させ、総培養日数は50日間とした。 【0054】(3.2 芽出し)培養終了後、芽出し操作を行った。培養50日目くらいで袋の上端部分を菌床面から5cm程度上のところで切り取り、園芸に用いるピートモスまたは山土で菌床面を覆土した。菌掻きは行わなかった。 【0055】芽出しの条件は、暗黒下、温度18〜22℃(上記実施例2の第3.1節の培養条件よりも3〜5℃低め)、湿度90〜95%RH、CO2濃度800ppm以下であった。芽出しの間、表面の覆土が乾燥してきたら水を噴霧し、乾燥を防いだ。 【0056】芽出し20日目くらいから菌床面で幼子実体の形成が認められた。この頃を「生育」開始とした。 【0057】(3.3 子実体の生育)3.2で得られた幼子実体の生育を、温度18〜22℃、湿度90〜95%RH、CO2濃度800ppm以下の条件で行った。生育工程では、100Luxで1日あたり2〜3時間の光照射を行った。 【0058】子実体は、生育6〜7日目で茎長8〜12cm程度となり、傘が開く前に収穫した(図2)。1袋あたりで収穫された子実体の収量は平均約200gであった。 【0059】本実施例の方法により、アガリクス茸の子実体が安定的に得られることが分かった。 【0060】 【発明の効果】本発明によって、これまで不可能とされてきたアガリクス茸の人工菌床栽培が可能となった。本発明の栽培方法は、場所、季節、天候にかかわらず、アガリクス茸の子実体を施設栽培することが可能であるため、大量栽培に道が拓けた。これまでのキノコと比較しても大差のない、総栽培日数60〜65日間での栽培も可能である。 【0061】従来の畝作り法では、野外の開放系で栽培が行われるため、畝床が雑菌に汚染される危険性、ならびにハエおよび土壌中の害虫によってアガリクス茸の菌糸が侵される危険性が高く、アガリクス茸の安定的な生産は難しかった。 【0062】本発明の栽培方法では、人工菌床栽培用培地を滅菌処理して培地中の雑菌を死滅させてから種菌を接種し、接種後も無菌に近い状態で栽培が行われるために、これらの問題点を回避し得るという利点がある。 【0063】また、本発明の栽培方法では、培地成分およびその混合割合を比較的自由に選択できるため、アガリクス茸の薬効成分の生合成経路の初発原料を培地に添加して、薬効成分を増加させることが可能であるという利点がある。 【0064】現在、アガリクス茸に含有される抗腫瘍活性物質としては、β−D−グルカンを中心とした多糖類が最も有望であり、その他、核酸、レクチン、ステロイド、脂質なども抗腫瘍活性が認められている。そのため、グルコース、スクロース、またはデンプン質の培地への添加は、アガリクス茸の有する抗腫瘍活性物質(薬効成分)を増加するために有効であると考えられる。従来法では、将来、アガリクス茸の薬効成分の生合成経路が明確になった場合に、その初発原料を添加しても、培地中に混在する他の微生物によって初発原料が分解されてその添加効果が減少するか、あるいは反対に他の微生物の増殖を促進して、目的のアガリクス茸菌糸の増殖を阻害するおそれがある。 【0065】さらに、本発明の栽培方法によれば、用いられる培養容器の大きさおよび形が限定されず、小単位の培養容器であってもよいために、栽培施設の立体空間を有効に利用でき、経済効率も良いという利点が得られる。 【0066】上記に加えて、本発明の栽培方法によって得られた子実体は、泥臭い臭気がなく、煎じて服用する際においても抵抗が少ないという利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597019665 【氏名又は名称】アイ・エム・ビー株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年2月12日(1998.2.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078282 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 秀策
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| 【公開番号】 |
特開2002−136222(P2002−136222A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月14日(2002.5.14) |
| 【出願番号】 |
特願2001−335657(P2001−335657) |
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