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【発明の名称】 エアテントハウス
【発明者】 【氏名】田崎 英治

【要約】 【課題】可撓性膜体を支持枠体によって支えることができるようにして、その設置が容易である等のエアテントハウスとしてのメリットを十分生かすことができ、しかも強風や積雪に十分耐えることができて、停雷時の可撓性膜体の支持をも行うようにすることのできるエアテントハウスを提供すること。

【解決手段】金属等の剛性材料からなる線材を組み合わせて構成した支持枠体10上に、可撓性膜体20を載置して支持枠体10内を気密的に覆蓋するとともに、可撓性膜体20内にエアを送り込む送風機30を支持枠体10に設けこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】金属等の剛性材料からなる線材を組み合わせて構成した支持枠体上に、可撓性膜体を載置して前記支持枠体内を気密的に覆蓋するとともに、前記可撓性膜体内にエアを送り込む送風機を前記支持枠体に設けたことを特徴とするエアテントハウス。
【請求項2】前記可撓性膜体の裾部分に開閉自在な開閉を設けたことを特徴とする請求項1に記載のエアテントハウス。
【請求項3】前記支持枠体を、前記線材による補強を行ったブレース部と、これらのブレース部を連結する非ブレース部とにより構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアテントハウス。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可撓性膜体をエアによって膨張させておくようにしたエアテントハウスに関するもので、特に、この可撓性膜体を積雪や風圧等の圧力に抗することもできるようにしたエアテントハウスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明は、農業用ハウスについて、各送風機からのエアを例えば地面上に気密的に設置した可撓性膜体内に強制的に供給するようにして、第2ブレース11bの可撓性膜体内にて「そよ風」が吹くような状態にすることにより、可撓性膜体内に植え付けた植物を保温しながら「そよ風」による刺激によって好適に成育させるエアテントハウスを既に提案してきている。また、本発明者は、以上のエアテントハウスを、例えば屋上プールに適用することにより、濡れた身体の乾燥が早くてメガネが曇らないプールとすることができている。
【0003】以上のエアテントハウスは、全く柱を用いないで可撓性膜体の膨張のみによって大きな覆いを完成できるというメリットは有しているものの、台風のような大風を発生するものが近づいてきたり、あるいは大雪が降ったりすると、これらに耐えられない場合がある。また、エアを可撓性膜体内に供給している送風機は、通常電動のものであるため、落雷等によって不測の停電が発生した場合には、可撓性膜体が絞んで人や植物に覆い被さり、特に若い植物の場合には新芽に損傷が与えられることも十分あり得る。
【0004】そこで、本発明者は、この種のエアテントハウスについて、大風や積雪、そして不測の停電に対して、十分対処することができるようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この種のエアテントハウスについての以上のような実状に鑑みてなされたもので、その解決使用とする課題は、強風、積雪及び停電に対処できるようにすることである。
【0006】すなわち、まず請求項1に係る発明の目的とするところは、可撓性膜体を支持枠体によって支えることができるようにして、その設置が容易である等のエアテントハウスとしてのメリットを十分生かすことができ、しかも強風や積雪に十分耐えることができて、停電時の可撓性膜体の支持をも行うようにすることのできるエアテントハウスを提供することにある。
【0007】また、請求項2に係る発明の目的とするところは、上記請求項1のそれと同様な目的を達成することができる他、農業用のものとした場合の、状況に応じた通風や温度の調整を簡単に行えるようにすることのできるエアテントハウスを提供することである。
【0008】さらに、請求項3に係る発明の目的とするところは、上記請求項1または2の発明と同様な目的を達成できる他、支持枠体10を簡単に構成できるようにしたエアテントハウス100を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、まず請求項1に係る発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、「金属等の剛性材料からなる線材11を組み合わせて構成した支持枠体10上に、可撓性膜体20を載置して支持枠体10内を気密的に覆蓋するとともに、可撓性膜体20内にエアを送り込む送風機30を支持枠体10に設けたことを特徴とするエアテントハウス100」である。
【0010】すなわち、この請求項1に係るエアテントハウス100は、植物を育てる場所やプールを囲む状態で建てた支持枠体10上に、この支持枠体10内を密閉できる状態に形成した可撓性膜体20を単に載置したものであり、この可撓性膜体20内に、支持枠体10に設けた各送風機30によって外気(エア)を強制的に送り込んで、可撓性膜体20を膨張させるようにしたものである。なお、図示はしていないが、可撓性膜体20には各送風機30によって送り込まれてきたエアを排出するための窓が形成してある。
【0011】支持枠体10は、図1及び図2に示すように、多数の線材11を第1金具12等によって互いに連結して構成されるものであり、その組立て及び設置は非常に簡単に行えるのである。この支持枠体10に対して、必要に応じて要所要所での連結を行ってもよいが、可撓性膜体20はその上方に覆い被せるだけでよく、このことも組立て及び設置を非常に簡単に行えるものとしているのである。つまり、この請求項1のエアテントハウス100は、その設置や組立が簡単に行えるものなのである。
【0012】以上のように構成したエアテントハウス100の通常使用状態では、各送風機30を駆動させることにより、可撓性膜体20内にエアが導入されることになるから、当該可撓性膜体20内の圧力は外気のそれより僅かに高くなり、可撓性膜体20は支持枠体10上に膨張することになる。これにより、可撓性膜体20は、少しの風や積雪程度では、図5に示すように、支持枠体10から影響を受けない剛性を有したものとなり、実質的には支持枠体10を必要としない状態となる。この図5中における白抜きの矢印は風の力と、これが支持枠体10や可撓性膜体20を介して分散される力の、方向と大きさを示すものであり、同様に黒塗りの矢印は雪のそれを、ハッチングを付した矢印は各力が支持枠体10を構成している各線材11を介して分散される様子を示している。
【0013】そして、この可撓性膜体20内には、各送風機30による送風によって、例えば図1に示す例の場合には、図示右側から左側への「そよ風」が吹くことになり、これが野菜等の植物に対して、一般的なビニールハウスにはない刺激が与えられ、植物の成育が促されることになるのである。
【0014】ここで予測しない停電が生じて各送風機30が停止したとすると、可撓性膜体20は内圧が低下するが、直下に位置する支持枠体10に支えられる。このため、可撓性膜体20が若芽の上に直接降下してくることはなく、可撓性膜体20内の植物が保護されることは当然である。
【0015】また、台風が近づいてきたり、今夜は大雪であるという予報が出たときには、各送風機30を停止させるのである。そうすると可撓性膜体20の内圧が下がって、当該可撓性膜体20は自由により支持枠体10上に降下し、可撓性膜体20は支持枠体10によって完全に支えられることになる。これにより、当該エアテントハウス100は、強風や積雪に強いものとなるのである。なお、各送風機30によって可撓性膜体20内のエアを外部へ排出するように逆作動させれば、可撓性膜体20内が外気に対して負圧となって、可撓性膜体20が支持枠体10上に吸い付いた状態となるため、強風によって可撓性膜体20が煽られることがなくなる。
【0016】従って、この請求項に係るエアテントハウス100は、エアテントハウスとしてのメリットを十分生かして、しかも強風や積雪に十分耐えることができ、停電時の可撓性膜体の20支持をも行えるものとなっているのである。
【0017】さて、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1のエアテントハウス100について、「可撓性膜体20の裾部分に開閉自在な開閉部21を設けたこと」である。
【0018】すなわち、この請求項2のエアテントハウス100は、主として農業用に適したものとしたものであり、図1に示すように、可撓性膜体20の裾部に開閉部21を形成しておいて、可撓性膜体20内の温度が上がり過ぎた場合や、温度が高くなり過ぎた場合に、この開閉部21にての開放を行えるようにしたものである。
【0019】従って、この請求項2のエアテントハウス100は、請求項1のエアテントハウス100と同様な作用を発揮することができることは当然として、各開閉部21の開放及び閉止を選択的に行うことによって、エアテントハウス100内での植物の成育に応じたきめ細かい環境調整を容易に行えるのである。
【0020】そして、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または2のエアテントハウス100について、「支持枠体10を、線材11による補強を行ったブレース部10bと、これらのブレース部10bを連結する非ブレース部10aとにより構成したこと」である。
【0021】すなわち、この請求項3のエアテントハウス100は、図1及び図2に示すように、支持枠体10を、第1ブレース11aと第2ブレース11bとからなるブレース部10bと、第1ブレース11aや第2ブレース11bを使用しない簡単な構成の非ブレース部10aとにより構成したものである。
【0022】従って、この請求項3のエアテントハウス100は、上記請求項1または2のエアテントハウス100と同様な機能を発揮する他、各線材11の連結の仕方を工夫したことによって、非常に簡単な組立構成により、支持枠体10として必要な十分な剛性を有したものとなったのである。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した実施の形態であるエアテントハウス100について説明するが、この実施形態のエアテントハウス100は上記各発明を実質的に含むものである。
【0024】図1及び図2には、本発明に係るエアテントハウス100の平面図及び側面図がそれぞれ示してあり、このエアテントハウス100は、メインパイプ11A、第1ブレース11a、あるいは第2ブレース11bのような線材11を第1金具12等によって連結して構成した支持枠体10と、この支持枠体10上に載置されて支持枠体10内を密閉する可撓性膜体20と、この可撓性膜体20内に外気(エア)を強制的に送り込むべく支持枠体10に取付けた複数の送風機30からなっているものである。
【0025】支持枠体10は、図1及び図2に示したように、第1ブレース11aと第2ブレース11bとにより「×」印状部分が多数並んだブレース部10bと、これら各ブレース部10bを連結した状態となっている非ブレース部10aとが縦方向に略交互に並んだ状態としたものであり、エアテントハウス100の外形を形造るものである。また、この支持枠体10の、図1の図示右側には送風機30が設けてあり、これら各送風機30からのエアを可撓性膜体20側に排出するための開口あるいは窓が、後述する可撓性膜体20の図示左側に形成してある。
【0026】そこで、この支持枠体10の非ブレース部10aを詳しくみてみると、図3、図6〜図10に示す通りである。すなわち、この非ブレース部10aでは、線材11の一種である大きな円弧状のメインパイプ11Aに対して、通常の丸棒材である線材11が、第1金具12、第2金具13、及び第3金具14Aあるいは第3金具14Bによって連結してある。
【0027】第1金具12は、図6及び図7に示したように、上板12aと下板12bとからなるものであり、上板12aは、図7に示したように、取付具12eによってメインパイプ11Aに取付けられる。この上板12aに対しては下板12bが取付けられるのであるが、その際に、図6に示したように、一対の線材11が挟み込まれる。つまり、各上板12a及び下板12bの内面には、線材11の一部を収納するための挟み溝12cが形成してあるとともに、下板12bの略中央に各線材11の直角に曲げられた先端が挿入される挿入穴12dが形成してあって、これらを利用することにより、各線材11は図7に示したように連結されるのである。
【0028】第2金具13は、図8に示したように、1本の線材11に対して挟み付くものであり、その枢着穴13aにもう1本の線材11の先端を枢着し得るように構成したものである。この第2金具13を使用することによって、2本の線材11を、図3または図8に示したように交差状に連結することができるのであり、かつ互いに連結角度が調整されることになるのである。
【0029】円弧状のメインパイプ11Aの地面側については、図9に示した第3金具14A、あるいは図10に示した第3金具14Bが使用される。図9の第3金具14Aは、メインパイプ11Aの下端及び線材11の先端を挿入するための2つの挿入連結部14aを有しているものであり、また補強用の線材11等を連結するための枢着部14bを有しているものである。一方、図10の第3金具14Bは、地面上に配置された補強用のメインパイプ11Aに取付具14dによって連結される基部14cを有したもので、この基部14cに形成してある枢着部14bにメインパイプ11Aの先端を挿入することにより、メインパイプ11Aの地面側での固定を行うものである。この場合、メインパイプ11Aの下端部には、線材11の先端が溶接されることにより、メインパイプ11Aと一本の線材11との連結を行うようにしている。
【0030】さて、今度は、支持枠体10のブレース部10bについてであるが、このブレース部10bは、図4、図11及び図12に示すように、第4金具15及び第3金具14B等を使用して構成されるものである。なお、このブレース部10bを構成している線材11の地面側端部については、前述した第3金具14Aあるいは第3金具14Bによる連結がなされるものである。
【0031】まず、このブレース部10bは、前述した非ブレース部10aの円弧状のメインパイプ11Aに対して直交するメインパイプ11Aを有しているものであり、このメインパイプ11Aに対しては、図11に示すように、第4金具15を介して2本の第1ブレース11aが連結される。つまり、この第4金具15は、図11の(イ)に示したように、メインパイプ11Aに対して直交状態で溶接されるものであり、その基部には、図11の(ロ)に示したように、各第1ブレース11aの先端部をそれぞれナット止めできるようにしてある。
【0032】このようにしてメインパイプ11Aに連結された第1ブレース11aに対しては、図12に示したように、2本の第2ブレース11bが第3金具14Bを介して連結される。すなわち、この第3金具14Bは、図12の(イ)に示したように、第1ブレース11aの略中央に溶接されるものであり、図12の(ロ)に示したように、第1ブレース11aを挿通するための挿入穴16aと、その下側に、各第2ブレース11bの端部をナット止めするための2個の取付具16bとを有したものである。
【0033】勿論、第1ブレース11aと第2ブレース11bとは、図1等に示したように「×」印状に交差することになるように配置して、上記第4金具15及び第5金具16による連結を行うようにしているものである。
【0034】さて、当該エアテントハウス100の支持枠体10の両端部においては、図1にも示したように、線材11あるいはメインパイプ11Aを放射状に組付けなければならないが、それを行うのが、図13に示した第6金具17である。この第6金具17の図示右方側がエアテントハウス100の中心部側となり、図示右側がエアテントハウス100の端部側となるものであって、右側部分には3本のメインパイプ11Aが「×」字状に連結され、左側部分には、本実施形態の場合5本の線材11が放射状に連結されることになるものである。
【0035】そのために、この第6金具17には、線材11やメインパイプ11Aの先端を挿入するための挿入穴17aが形成してあり、これらの線材11やメインパイプ11Aを第6金具17上に固定するための取付具17b用の取付穴17cも該当位置に形成してある。
【0036】
【発明の効果】以上、詳述した通り、まず請求項1に係る発明においては、上記実施形態にて例示した如く、「金属等の剛性材料からなる線材11を組み合わせて構成した支持枠体10上に、可撓性膜体20を載置して支持枠体10内を気密的に覆蓋するとともに、可撓性膜体20内にエアを送り込む送風機30を支持枠体10に設けたこと」にその構成上の特徴があり、これにより、可撓性膜体20を支持枠体10によって支えることができるようにして、その設置が容易である等のエアテントハウス100としてのメリットを十分生かすことができ、しかも強風や積雪に十分耐えることができて、停電時の可撓性膜体20の支持をも行うようにすることのできるエアテントハウス100を提供することができるのである。
【0037】また、請求項2に係る発明においては、上記請求項1のエアテントハウス100について、「可撓性膜体20の裾部分に開閉自在な開閉部21を設けたこと」にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項1のそれと同様な目的を達成することができる他、農業用のものとした場合の、状況に応じた通風や温度の調整を簡単に行えるようにすることのできるエアテントハウス100を提供することができるのである。
【0038】そして、請求項3に係る発明においては、上記請求項1または2のエアテントハウス100について、「支持枠体10を、線材11による補強を行ったブレース部10bと、これらのブレース部10bを連結する非ブレース部10aとにより構成したこと」にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項1または2の発明と同様な目的を達成できる他、支持枠体10を簡単に構成できるようにしたエアテントハウス100を提供することができるのである。
【出願人】 【識別番号】500233267
【氏名又は名称】株式会社池田商店
【出願日】 平成12年6月29日(2000.6.29)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典
【公開番号】 特開2002−10713(P2002−10713A)
【公開日】 平成14年1月15日(2002.1.15)
【出願番号】 特願2000−195815(P2000−195815)