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【発明の名称】 スプレッダ
【発明者】 【氏名】西浦 雅仁

【氏名】古家 功

【要約】 【課題】従来、スプレッダの両側の回転刃と側板との間のには空間ができてしまうので、排藁が溜まり易く、詰まりの原因となっていた。

【解決手段】回転軸13よりブレード状の回転刃12を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃14を設けたスプレッダ1において、該回転刃の回転方向の辺に刃部12aを形成し、該刃部は回転方向に対して後退角を有するように構成し、前記固定刃の刃部を鋸刃とし、回転軸の両側に位置する回転刃を外側方に折り曲げた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、該固定刃の刃部を鋸刃としたことを特徴とするスプレッダ。
【請求項2】 回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、回転軸の両側に位置する回転刃を外側方に折り曲げたことを特徴とするスプレッダ。
【請求項3】 回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、回転刃後方の排出口の上部及び左右を覆う拡散板を設け、該拡散板に排出方向を調節する方向板を回動可能に取り付け、方向板と拡散板の側板との間に隙間を埋めるガイド板を設けたことを特徴とするスプレッダ。
【請求項4】 回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、回転刃後方の排出口の上部及び左右を覆う拡散板を設け、該拡散板に排出方向を調節する方向板を回動可能に取り付け、該方向板の回動を案内する長孔を拡散板に設け、該長孔を閉じるメカクシ板を前記方向板に連動連結して取り付けたことを特徴とするスプレッダ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプレッダ作業とチョッパ作業とを切り替え可能なスプレッダの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンバイン等に排藁排出部に取り付けられて藁等を排出するスプレッダにおいては、回転軸から放射方向に切断用の刃(以下「回転刃」とする)を突出し、該回転刃を高速で回転することにより、脱穀部より搬送されてきた藁を切断しつつ拡散して排出するようにして、スプレッダ作業を行っていた。さらに、この回転刃と比較的狭い間隔をもってすれ違う位置に回転しない刃(以下「固定刃」とする)を設け、該固定刃と前記回転刃とにより切断効果を高めたチョッパ作業も実施可能なスプレッダが知られている。従来より、このようにチョッパ作業が可能なスプレッダにおいては、固定刃を収納自在とした上で、固定刃の収納時にはスプレッダ作業を行い、突出時にはチョッパ作業を行うようにして、両作業を切り替え可能な構成としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、排藁を切断して排出口より放出するのであるが、両側の回転刃と側板との間のには空間ができてしまうので、排藁が溜まり易く、詰まりの原因となっていたのである。また、排出口からそのまま排出すると、未刈り側へも排出されることになり、次の条の刈取ときに取り込みや脱穀・選別性能も悪くなることがあったのである。そこで本発明は、排藁を確実に切断して、既刈り側へ確実に放出できるとともに、側板と両側の回転刃の間に入ってきた排藁も排出できるようにしようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に課題を解決するための手段について説明する。すなわち、請求項1においては、回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、該固定刃の刃部を鋸刃としたものである。
【0005】請求項2においては、回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、回転軸の両側に位置する回転刃を外側方に折り曲げたものである。
【0006】請求項3においては、回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、回転刃後方の排出口の上部及び左右を覆う拡散板を設け、該拡散板に排出方向を調節する方向板を回動可能に取り付け、方向板と拡散板の側板との間に隙間を埋めるガイド板を設けたものである。
【0007】請求項4においては、回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、回転刃後方の排出口の上部及び左右を覆う拡散板を設け、該拡散板に排出方向を調節する方向板を回動可能に取り付け、該方向板の回動を案内する長孔を拡散板に設け、該長孔を閉じるメカクシ板を前記方向板に連動連結して取り付けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係わるスプレッダの左側面図、図2は同じく右側面図、図3は同じく後方斜視図、図4は作業機体内部の側面図、図5は同じく背面斜視図、図6は高速回転時の変速機構の説明図、図7は低速回転時の変速機構の説明図、図8は拡散板の平面斜視図、図9は作業機体下方斜視図、図10は回転刃の平面図、図11はガイド板と左側の方向板の平面図、図12はガイド板と方向板の側面図、図13はメカクシ板とつまり防止板の平面図である。
【0009】本発明に係るスプレッダの全体構成について、図1乃至図5により説明する。スプレッダ1は、上方より順に、排塵ダクト2、作業機体4、及び排出口3が配設され、該作業機体4の右側部には変速部9が設けられている。なお、作業機体4側を前方、排塵ダクト2や排出口3側を後方とする。
【0010】このうち、排塵ダクト2前部は、図示せぬコンバイン等の排藁経路に連結連通されると共に、排塵ダクト2は後方に向かって延出されており、藁が作業機体4内に搬入される以前に、コンバイン内部で発生した塵等を排塵ダクト2後部から予め排出するようにしている。
【0011】前記作業機体4の左右の側板15・16間には回転軸13が回転可能に横架され、該回転軸13の外周面には、軸方向及び円周方向に所定間隔で取付部材11が回転刃12を取り付けるために固設されている。該取付部材11は断面視コ字状の取付フレーム11aと押さえ材11bと締結具11cよりなり、回転刃12の根元部が取付フレーム11aと押さえ材11bに位置させて、ボルト・ナットなどの締結具11cにより着脱可能に取り付けられており、回転刃12や作業機体4内部の保守管理作業が容易に行えるようにしている。
【0012】前記左右の側板15・16間の下部には後述する底板17が横架され、該底板17の下方より後述する固定刃14・14・・・が出退可能に配置されて、該固定刃14と前記回転刃12の間を藁が通過することにより切断される構成としている。このような構成において、前記排塵ダクト2を通過し、塵等が除去されながら搬送されてきた藁は、回転する回転刃12により切断されつつ拡散し排出される。
【0013】前記回転刃12はブレード状の刃により構成され、図4に示すように、表裏対称に構成されて、表裏片側にそれそれれ刃部12a・12bに刃部が形成されており、一方の刃部12aが摩耗して切断効果が低下した場合でも、回転刃12を前後(表裏)逆にして装着し直すだけで、作業を中止せずに続行することができ、作業性の低下を防止することができる。また、両側を使用できるので、ランニングコストも低減できる。
【0014】また、前記刃部12a・12bは回転刃12の回転方向に対して後退角αが形成されている。この後退角αを設けることによって、搬送されてきた藁は高速で回転する回転刃12によってある程度切断されつつ排出され、この排出方向は図4の矢印Aで示すように、後退角αだけ外下方に向いて拡散排出されるようになる。所謂、スプレッダ作業となる。こうして、後退角αを設けた回転刃12を有することによって、直刃に比べて藁を接戦方向よりもさらに外向きに撥ね出す力が増し、藁の持ち回りを減少することができるのである。
【0015】また、図5に示すように、左右両側の回転刃12R・12Lは先端部が左右外方向(側板方向)に曲げて曲げ部12cが形成され、本実施例は曲げ部12cは略90度曲げて、その先端と側板15・16との間の隙間ができるだけ小さくなるように設定している。このように構成することによって、回転刃12と側板15・16との間のスペースに藁が溜まらないようにして排出するようにしている。そして、先端が90度曲げられ、刃部には後退角を有することによって、曲げ部12cの刃部12aは、図10に示すように、藁の搬送方向Bに対して、外側へ傾斜した形状なり、切断された藁は斜め外側方向Cへ撥ね出すようにして、外側へも分散及び拡散して排出するようにしている。
【0016】また、図4に示すように、排出口3の中途部及び上部における回転刃12の先端軌跡の外側近傍にくい切板45・46が横設されている。該くい切板45・46を設けることによって、排藁が回転刃12絡んだまま前方へ回転しようとしてもくい切板45・46により規制され、持ち回りを減少することができるのである。
【0017】次に、チョッパ作業とスプレッダ作業との作業切替機構について、図乃至図により説明する。図4に示すように、底板17下方の側板15・16間に左右方向に軸部材21が横架され、該軸部材21上に固定刃14・14・・・の基部が前記回転刃13・13・・・の間に位置して両者が当たらないように所定間隔をあけて固定されている。該軸部材21左端には、切替レバー8の基部が連結され、該切替レバー8の先端は、図9に示すように、レバーガイド10に挿通され左外方に延出されて、該切替レバー8の回動により固定刃14・14・・・を収納位置と突出位置に切替回動可能としている。
【0018】前記固定刃14は前記回転刃12の回転方向に対向した辺に円弧状の刃部14aを形成し、該刃部14aは鋸刃状に形成されて、この鋸刃状のギザギザによって藁が抜けることなく、藁は後退角の回転刃12によって引きながら切断することになり、確実に藁を切断して切断効果を高めるようにしている。この固定刃14の形状は脱穀装置の固定刃と似ているが、脱穀装置の固定刃は耐久性を良くするために、長い藁等の巻き付きを減少させて藁が抜けて、スムーズに排出させるように、固定刃の曲率半径は小さく、扱歯は棒体を折り曲げたり板材を面取りして刃物とはなっていない。一方、スプレッダは切断範囲内で確実に藁を細かく切断できるように、固定刃14の刃部14aは曲率半径を大きくして鋸刃状にして、藁が抜けることがないように引っ掛かり易くして、後退角を有するブレード状の回転刃とにより藁を引きながら切断するようにして、切断効果を高めるようにしているのである。
【0019】また、図4、図5に示すように、底板17の前部は、左右側板15・16に設けられた支軸25に固定され、該底板17は支軸25を中心に上下回動可能に構成され、底板17の両側のフレーム部が側板15・16にボルト等によって所定の回動位置で固定できるようにしている。本実施例では水平方向に上げた状態と、後が下がるように傾斜した状態の二位置に固定できるようにしているが、三位置以上に固定するように構成することもできる。該底板17の水平面における前略半分には、固定刃14・14・・・と同数のスリット状に切り欠き20・20・・・が前後方向に開口され、該固定刃14・14・・・が切り欠き20・20・・・を挿通可能としている。
【0020】このような構成において、図4に示すように、前記切替レバー8を把持して右回転(下方)へ回動すると、軸部材21を介して固定刃14・14・・・が下方へ回動されて、底板17下方に位置した収納位置となり、搬送されてきた藁は高速で回転される回転刃12・12・・・によってある程度切断されつつ、回転刃12の後退角によって斜め下方に排出され、同時に拡散もされるスプレッダ作業が行える(以下「スプレッダ作業位置」とする)。
【0021】逆に、切替レバー8を把持して左回転(上方へ回動)させると、軸部材21を中心固定刃14が底板17に設けた切り欠き20を介して上方へ突出される。こうして、固定刃14と固定刃14の間を回転刃12が通過するようになり、つまり、側面視においては固定刃14の刃部14aと回転刃12の回転軌跡が重複して藁を切断するチョッパ作業が行えるのである。(以下「チョッパ作業位置」とする)
【0022】そして、固定刃14を底板17下方へ収納したスプレッダ作業時に、前記底板17を下方へ回動しておくことによって、排藁の排出口3の面積を拡大し、切断は減少するが排出量を多くすることができる。また、固定刃14を底板17上方へ突出したチョッパ作業時に、底板17を上方へ回動しておくことによて、排藁の排出口3の面積を縮小して、回転刃12先端と底板17との間隔を狭くして、固定刃14の刃部14aの突出量が多くなって、藁を回転刃12の回転軌跡内に確実に通すことができるようになり、切断効果を高めることができるのである。
【0023】すなわち、このように、底板17をスプレッダ作業位置へ移動操作することにより固定刃14を収納し、前記底板17をチョッパ作業位置へ移動操作することにより固定刃14を突出するので、スプレッダ作業とチョッパ作業間の切替を迅速に行うことができるのである。
【0024】前記作業機体4の後部で排塵ダクト2の下方には後面視冂型の拡散板50が取付られ、該拡散板50の後端にはゴム等の弾性体49が取り付けられ、下方は開放されている。該拡散板50の上板の下面から下方に適宜間隔を開けて、ガイド板51と複数の方向板52・53・54・55が前後方向に垂設されている。
【0025】前記ガイド板51は図12(e)に示すように、側面視三角形状に構成されて、前部板51aと後部板51bからなり、両者をヒンジ51cを介して回動可能に連結し、前部板51aの前端を拡散板50の側板50Lに固定し、ガイド板51と側板50lの間に隙間ができないようにし、さらに、図11に示すように、平面視において、左側に位置する方向板52と重なるように配設して、送られてくる排藁が未刈り側へ落下せず機体左右中央側へ落下するようにしている。後部板51は回動可能として排出方向を設定できるようにしている。
【0026】そして、方向板52・53・54・55は、図12(a)〜(d)に示すように、前部より後側が上下高さが徐々に長くなるように、前下部を斜めにカットして、排藁が排出されたときに斜面でガイドされて落下し、前部で排藁が溜まることのないようにしている。前記方向板52・54・55は図3、図8に示すように、プレートを円弧状に曲げて形成して、未刈り側へ排藁が落下しないように右側へガイドするように曲面形状としている。
【0027】また、図8、図12に示すように、前記方向板52・53・54・55はそれぞれ前上面と中途部上ににネジ体56・57・・・を上方へ突設し、前側のネジ体56は後側のネジ体57より短く構成し、前側のネジ体56・56・・・は後述するメカクシ板62・63・64・65を挿通して拡散板50に開口した長孔50a・50b・50c・50dに挿入してノブネジ59・59・・・でそれぞれ固定できるようにし、後側のネジ体57・57・・・は後述するメカクシ板62・63・64・65を挿通して拡散板50に開口した枢支孔に挿入してナット等で係止して回動可能に支持するようにしている。
【0028】そして、メカクシ板62・64・65は図13(a)(c)(d)に示すように、略扇型に構成して、円弧の中心側に設けたネジ孔62a・64a・65aに前記後側のネジ体57・57・57を挿入する。また、円弧側の左右中央部に設けたネジ孔62b・64b・65bに前側のネジ体56を挿入し、方向板52・54・55を回動したときに同時に回動し、前記長孔50a・50c・50dが露出しないようにして、排藁や塵埃等の排出を防止している。
【0029】前記方向板53は図8に示すように、平面図で略直線状に構成され、該方向板53に取り付けるメカクシ板63は、前記メカクシ板62・64・65を拡散板50の内側(下面)で方向板52・54・55との間に配設されるのに対して、外側(上面)に取り付ける。つまり、方向板52と方向板54の間に配置される方向板53のメカクシ板63は同じ側に取り付けると回動させたときに互いに干渉してしまうので、間に位置するメカクシ板を拡散板50の反端側の面に装着する構成としているのである。そして、拡散板50の上面においてメカクシ板63を回動したときに揺動するが、その揺動も他のフレーム等の部材と干渉してしまうので、拡散板50より規制ピン60を突出して、メカクシ板63に開口した長孔63aに挿入し、固定するためのノブネジ59はネジ孔63bより突出した素地体56に螺装するようにしている。
【0030】また、方向板54・55を別々に角度調整した場合、両者の間隔が狭くなると詰まりの原因となるために、方向板54・55の前側のネジ体56・56間につまり防止板61が介装されて、両者の間で一定間隔をあけるようにし、かつ、つまりを避けられる程度の間隔を維持して間隔を調整できるようにしている。即ち、つまり防止板61は方向板54・55の枢支部間の長さ以上の長さを有するプレートで構成され、図13(e)に示すように、一端にネジ孔61a、他端に長孔61bを設け、それぞれ方向板54・55の前端上に設けたネジ体56・56に挿入する。そして、長孔61bの長さの範囲で方向板54・55の角度を調整可能であり、ネジ孔61aと、長孔61bの一端または他端間の長さはつまりを防止できる最低限の長さが確保されるように設定されている。そして、該つまり防止板61は前記メカクシ板64・65の揺動に干渉しないように、一方は拡散板50の下面に、他方は上面に取り付けられるのである。但し、方向板52・53の間にも配置することも可能である。
【0031】このようにして、ノブネジ59・59・・・を弛めて、方向板52・53・54・55の前部をそれぞれ回動して、排藁の排出方向を調節することができるのである。このとき、メカクシ板62・63・64・65も同時に揺動され長孔50a・50b・50c・50dを常時隠すようにして排藁や塵埃等が長孔より出ないようにしている。
【0032】また、前記変速部9は、図示せぬベルト伝達機構などを介してコンバインからの駆動が直接入力される駆動プーリ6と、該駆動プーリ6からの駆動力を変速レバー5により変速する変速機構18と、該変速機構18により変速された駆動力が入力される従動プーリ7から構成される。前記従動プーリ7は、前記回転軸13の右端に連結固定されており、コンバインからの駆動力により、所定の回転数で駆動できるようにしている。
【0033】次に、高速回転と低速回転との変速機構について、図6、図7により説明する。なお、高速回転とは、通常のスプレッダ作業、チョッパ作業に適用される回転数であり、低速回転とは、高速回転よりも遅く、スプレッダ作業において切断することなく藁をそのまま排出するのに適した回転数であり、藁や作業条件によって変化するものであり、特定の回転数に限定されるものではない。また、本実施例では、変速を2段としたが、3段以上の変速としてもよく、あるいは、無段変速にして特定の回転数を下回る場合を低速回転のように規定してもよく、特に限定されるものではない。
【0034】前記駆動プーリ6と従動プーリ7は、いずれも二連式プーリであり、それぞれ大径プーリ6aと小径プーリ6b、大径プーリ7aと小径プーリ7bとから構成され、大径プーリ6aと小径プーリ7bとの間には高速用ベルト26が巻回され、小径プーリ6bと大径プーリ7aとの間には低速用ベルト27が巻回されている。
【0035】そして、駆動プーリ6と従動プーリ7間の後方にはテンションプーリ37・38が配設され、該テンションプーリ37・38は、それぞれ支持部材39・40を構成する回転基部より下方へ突出したテンションアーム39c・40cの先端に回転自在に軸支されている。該支持部材39・40は、いずれも前記右側板16より外側方に突設された支軸42に回動可能に軸支されている。回転基部より後方に突設したステー39a・40aと右側板16との間にはバネ28・29が介設されており、該バネ28・29の弾性力によってステー39a・40aは常に下方に回動するよう付勢されている。
【0036】前記支持部材39・40の上方には、側面視T字状のプーリ操作部材41が配設され、該プーリ操作部材41は、前記右側板16より外側方に突設された支軸43に上下回動可能に支持されると共に、前記変速レバー5の基部が連結固定されている。また、プーリ操作部材41より機体外方には係合ピン41aが突設され、該係合ピン41aの前方には、前記支持部材40より上方に突設されたアーム40bの先部が配置されている。さらに、係合ピン41aと支軸43を挟んで反対側には、係合ピン41bが機体内方に突設され、該係合ピン41bの前方には、前記支持部材39より上方に突設されたアーム39bの先部が配置されている。
【0037】このような構成において、変速レバー5を操作して高速位置5aにすると、プーリ操作部材41の係合ピン41aにより、アーム40bは前方に押されて前記バネ29の弾性力に抗して前方に回動し、同時に、該アーム40bと支軸42aを挟んで反対側にある前記テンションアーム40cは後方に回動する。すると、テンションアーム40c先部のテンションプーリ38は低速用ベルト27から離間し、該低速用ベルト27は弛緩して低速動力は切断される。一方、係合ピン41bはアーム39bから一層離間する一方、該アーム39bを突設する支持部材39は前記バネ28によって下方に付勢されているため、アーム39bと反対側にある前記テンションアーム39cは前方に回動し、テンションアーム39c先部のテンションプーリ37が高速用ベルト26を前方に押して緊張させ、高速動力が接続される。
【0038】そして、図7に示すように、変速レバー5を操作して高速位置5aから低速位置5bにすると、プーリ操作部材41は下方に回動し、前記係合ピン41aはアーム40bから離間する。すると、支持部材40はバネ29によって下方に付勢されているため、テンションアーム40cは前方に回動し、テンションアーム40c先部のテンションプーリ38は低速用ベルト27を前方に押して緊張させ、低速動力が接続される。一方、係合ピン41bによりアーム39bは押さえられてバネ28の弾性力に抗して前方に回動され、同時に、該アーム39bと支軸42aを挟んで反対側にあるテンションアーム39cは後方に回動する。すると、該テンションアーム39c先部のテンションプーリ37は高速用ベルト26から離間し、該高速用ベルト26は弛緩して高速動力が切断されるのである。
【0039】このように、複数配設した二連プーリ6・7にテンションプーリ37・38による断接機構を適用することにより、複雑な変速機構を設けることなく簡単な構造により変速できるため、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上の如く構成したので以下のような効果を奏する。すなわち、請求項1のように、回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、該固定刃の刃部を鋸刃としたので、排藁が鋸刃部分で引っ掛かり易く、回転刃の回転により藁を引きながら切断することが可能となり、切れずに抜けることがなくなり、切断性能を向上することができたのである。
【0041】請求項2のように、回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、回転軸の両側に位置する回転刃を外側方に折り曲げたので、両側の回転刃と側板間の隙間に排藁等が溜まることがなく、折り曲げた回転刃によって切断されながら放出され、つまりを防止することができる。
【0042】請求項3のように、回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、回転刃後方の排出口の上部及び左右を覆う拡散板を設け、該拡散板に排出方向を調節する方向板を回動可能に取り付け、方向板と拡散板の側板との間に隙間を埋めるガイド板を設けたので、従来方向板と側板の隙間から排藁が未刈り側へ排出されていたが、ガイド板によって排藁は機体中央側へガイドされることになり、未刈り側に排藁が落下して穀稈の取り込み性能を悪化させることがなくなったのである。
【0043】請求項4のように、回転軸よりブレード状の回転刃を突出して、軸心方向に一定間隔をあけて配置するとともに、回転刃と回転刃の間に出退可能に固定刃を設けたスプレッダにおいて、回転刃後方の排出口の上部及び左右を覆う拡散板を設け、該拡散板に排出方向を調節する方向板を回動可能に取り付け、該方向板の回動を案内する長孔を拡散板に設け、該長孔を閉じるメカクシ板を前記方向板に連動連結して取り付けたので、方向板を回動しても長孔は常時閉じられて長孔から切断後の排藁や塵埃等が漏れることがなくなり、周囲に塵埃をまき散らすようなことがなくなったのである。
【出願人】 【識別番号】391025914
【氏名又は名称】八鹿鉄工株式会社
【出願日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2002−335743(P2002−335743A)
【公開日】 平成14年11月26日(2002.11.26)
【出願番号】 特願2001−149254(P2001−149254)