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【発明の名称】 穀物排出装置
【発明者】 【氏名】河野 健治

【氏名】岡崎 秀範

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、前記固定オーガ7の固定オーガ筒9と前記移動オーガ8の移動オーガ筒14は夫々直径を相違させて重合させ、前記移動オーガ筒14には円周方向に複数のローラ20を設け、各ローラ20は固定オーガ筒9の外周に設けたガイド部材25に当接させた穀物排出装置。
【請求項2】 グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、前記固定オーガ7の固定オーガ筒9と前記移動オーガ8の移動オーガ筒14は夫々直径を相違させて重合させ、前記固定オーガ筒9の先端には変形可能な先端シール部材27と該先端シール部材27の基部側の樹脂等により変形の少ない基部側シール部材28とにより構成したシール部材26を全周に亘って設けた穀物排出装置。
【請求項3】 グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、前記固定オーガ7は先端側の基本オーガ7aと基部側の延長オーガ7bとにより分割構成し、前記延長オーガ7bは交換自在に構成した穀物排出装置。
【請求項4】 グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、横排出オーガ6内には固定オーガ螺旋10と伸縮螺旋30とを設け、該伸縮螺旋30は伝達軸部材38に移動のみ自在に挿通した移動部材31と、該移動部材31を移動させる係合部材32と、前記移動部材31に設けた移動側螺旋翼35とにより構成した移動螺旋ピース36を、前記伝達軸部材38の軸方向に複数設けて構成すると共に、前記移動オーガ8を最も伸長させた状態でも前記伸縮螺旋30の始端側の所定数の移動螺旋ピース36はその移動側螺旋翼35の前後端が連続した螺旋を描かずに重なった状態となるようにした穀物排出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、穀物排出装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の実開平1−121340号公報には、グレンタンク内に一時貯留された穀粒を排出する排出オーガを伸縮自在にした構成について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、公知例では、移動オーガが伸長するに連れて重量によって移動オーガの先端が下がってしまうという課題もある。また、公知例では、固定オーガ筒と移動オーガ筒の間に異物が混入する課題もある。また、公知例では、排出オーガの全長が相違すると、固定オーガと移動オーガを別に製造していたために、コストが高いという課題がある。また、公知例では、移動オーガを伸ばしたとき、伸縮螺旋の伸長量が足りずに、変形破損という不具合が発生するという課題がある。
【0004】
【発明の目的】円滑な伸縮排出オーガの提供、固定オーガ筒と移動オーガ筒の間の異物混入の防止、低コスト化、伸縮および作動の円滑確実化。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、前記固定オーガ7の固定オーガ筒9と前記移動オーガ8の移動オーガ筒14は夫々直径を相違させて重合させ、前記移動オーガ筒14には円周方向に複数のローラ20を設け、各ローラ20は固定オーガ筒9の外周に設けたガイド部材25に当接させた穀物排出装置としたものである。本発明は、グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、前記固定オーガ7の固定オーガ筒9と前記移動オーガ8の移動オーガ筒14は夫々直径を相違させて重合させ、前記固定オーガ筒9の先端には変形可能な先端シール部材27と該先端シール部材27の基部側の樹脂等により変形の少ない基部側シール部材28とにより構成したシール部材26を全周に亘って設けた穀物排出装置としたものである。本発明は、グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、前記固定オーガ7は先端側の基本オーガ7aと基部側の延長オーガ7bとにより分割構成し、前記延長オーガ7bは交換自在に構成した穀物排出装置としたものである。本発明は、グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、横排出オーガ6内には固定オーガ螺旋10と伸縮螺旋30とを設け、該伸縮螺旋30は伝達軸部材38に移動のみ自在に挿通した移動部材31と、該移動部材31を移動させる係合部材32と、前記移動部材31に設けた移動側螺旋翼35とにより構成した移動螺旋ピース36を、前記伝達軸部材38の軸方向に複数設けて構成すると共に、前記移動オーガ8を最も伸長させた状態でも前記伸縮螺旋30の始端側の所定数の移動螺旋ピース36はその移動側螺旋翼35の前後端が連続した螺旋を描かずに重なった状態となるようにした穀物排出装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例を図により説明すると、1は走行装置、2は走行装置1の上方に設けた脱穀装置、3は脱穀装置2の前方に設けた刈取部、4は脱穀装置2の側部に設けたグレンタンク、5はグレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置、6は横排出オーガである。前記横排出オーガ6は、前記縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成する。前記固定オーガ7の固定オーガ筒9の基部と縦揚穀装置5との接続部分は公知であり横軸回動自在に取付ける。固定オーガ筒9には固定オーガ螺旋10を設ける。固定オーガ螺旋10は固定オーガ筒9に設けた中間側軸受部11に軸装する。前記固定オーガ筒9の外周部分には外側軸受部材12を設け、外側軸受部材12には伸縮作動軸部材13の先端を軸装し、伸縮作動軸部材13には移動オーガ8の移動オーガ筒14の任意部分に設けた伸縮用受部材15を螺合させ、前記伸縮作動軸部材13の基部側は前記固定オーガ筒9の外周に設けたモータ等により構成する駆動部材16に接続し、駆動部材16により伸縮作動軸部材13を回転させて伸縮用受部材15を長さ方向の往復移動させて移動オーガ8を固定オーガ7に対して伸縮させる。
【0007】また、前記固定オーガ筒9と前記移動オーガ筒14は、直径を相違させて重合させ、これにより伸縮するように構成する。移動オーガ筒14の基部には円周方向に複数のローラ20を設けて固定オーガ筒9に対する移動オーガ筒14の移動を円滑にしている。ローラ20は取付部材21の先端に軸22により取付け、取付部材21の基部は螺子23により移動オーガ筒14に取付ける。24は調節螺子であり、ローラ20の高さを調節する。ローラ20は固定オーガ筒9の外周に設けたガイド部材25に当接して移動オーガ筒14の先端が自重で下がるのを防止する。ガイド部材25は移動オーガ筒14が最も伸長した状態のとき、ローラ20が当接する位置の固定オーガ筒9の外周に設け、ガイド部材25はローラ20を放射方向(下方)に押し下げて移動オーガ筒14の先端が自重で下がるのを防止する(図5〜図7)。したがって、ガイド部材25は固定オーガ筒9の下面側外周に設ける。
【0008】しかして、固定オーガ筒9と移動オーガ筒14の間の全周にはシール部材26を設けると、穀粒の飛散を防止できて好適である。前記シール部材26は、固定オーガ筒9の先端側の大径の先端シール部材27を設け、先端シール部材27の基部側に先端シール部材27より小径の基部側シール部材28を設けて二重構造に構成すると、シールの耐久性を向上させる。即ち、先端シール部材27は移動オーガ筒14の内周に摺接させて塵埃等の通過を阻止し、基部側シール部材28は先端シール部材27の変形を抑制してシール効果を維持させる。この場合、先端シール部材27は不織布・スポンジ等によりある程度の変形可能に構成し、基部側シール部材28は樹脂等により変形が少ないように形成すると、先端シール部材27と移動オーガ筒14との隙間を少なくし、基部側シール部材28により先端シール部材27の経年変形を抑制して耐久性を向上させる。
【0009】しかして、前記固定オーガ筒9と移動オーガ筒14には伸縮螺旋30を設ける。伸縮螺旋30は、伸縮方向を説明の都合上「前後」とすると、前後方向の円筒形状の移動部材31の外周に前後方向に長い板形状の係合部材32を固定し、係合部材32の前後両端には夫々前側係合部33、34を形成し、係合部材32の前後両端の外面に移動側螺旋翼35を固定して移動螺旋ピース36を構成し、前記移動部材31に形成した異径形状の異径挿通孔37を外周面が同一形状の伝達軸部材38に挿通する。前記伝達軸部材38は四角形や五角形の多角形状や、所謂小判型形状等の異径形状に形成すると共に、固定オーガ螺旋10の固定螺旋回転軸39に二重軸状に摺動のみ自在に嵌合させる。この場合、伝達軸部材38は前後に二分割して分割形成し、夫々分割形成したものを溶接固定40して一体状にする。
【0010】しかして、移動螺旋ピース36は係合部材32の前後側の前側係合部33と後側係合部34とが互いに係合するように組合せて伝達軸部材38に挿通し、移動螺旋ピース36のうち基部側の移動螺旋ピース36の後側係合部34を固定オーガ螺旋10側に係合させ、先端の移動螺旋ピース36は伝達軸部材38の先端側に任意の方法で係止する。したがって、移動オーガ筒14と共に伝達軸部材38が伸長すると、最先端の移動螺旋ピース36は伝達軸部材38との係止部分により牽引され、次に、最先端の移動螺旋ピース36の後側係合部34が後側の移動螺旋ピース36の前側係合部33に係合して牽引して各移動螺旋ピース36が伝達軸部材38に対して移動する。また、係合部材32に対して移動部材31は短く形成し、移動螺旋ピース36は係合部材32の前後側の前側係合部33と後側係合部34とを互いに係合するように組合せているので、各係合部材32は重ならずにあたかも移動部材31の外周に一周するように配置され、また、この一周している係合部材32に対応する移動部材31は当接状態となる。このことは、各移動側螺旋翼35が連続せずに重なった状態となって一組の移動螺旋ピース36となり、この一組の移動螺旋ピース36の前後端の移動側螺旋翼35は連続状態となって、複数組の移動螺旋ピース36が伝達軸部材38の軸方向に存在することになる。
【0011】したがって、前記係合部材32の左右幅は伝達軸部材38の円周一周に対して「除法(割算)」しうる幅とし、各移動螺旋ピース36の係合部材32が伝達軸部材38の円周方向に隙間なく並ぶときは移動螺旋ピース36の各移動部材31が隙間なく伝達軸部材38に並ぶが、所定数の移動螺旋ピース36が重なって並ぶと次ぎの移動螺旋ピース36の移動部材31との間に隙間が生じる配置となるので、この係合部材32の左右幅を変更することによって、一組の移動螺旋ピース36の移動側螺旋翼35の重なる数を変更できる。この場合、移動螺旋ピース36は、移動オーガ筒14の移動量に対して伸縮螺旋30の基部側の移動側螺旋翼35が所定長さ重なって並ぶように構成する。即ち、図9、図19は伸長途中状態を示しているが、伸縮螺旋30の基部側の移動側螺旋翼35が一部重なっており、移動オーガ筒14が最も伸びた状態のときも、このように移動側螺旋翼35を一部重なるようにする。これは、移動オーガ筒14の移動量に対して移動螺旋ピース36を多く伝達軸部材38に挿通し、先端の移動螺旋ピース36が後続の移動螺旋ピース36を牽引したとき、各移動螺旋ピース36の移動側螺旋翼35の前後端が連続して全周に亘って連続螺旋翼となるが、始端側(基部側)の所定数の移動螺旋ピース36の移動側螺旋翼35は重なって並ぶようにし、これにより、移動螺旋ピース36の移動に対して「遊び(余裕)」を持たせられ、伸縮螺旋30の伸縮を円滑にする。
【0012】また、伝達軸部材38の外周のうち移動螺旋ピース36が摺動する部分にはメッキ加工を施すと、摺動が円滑になって好適であり、それ以外の部分はメッキ加工を省略することで、コストを低くする。しかして、前記横排出オーガ6は、固定オーガ7と該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成するとともに、前記固定オーガ7を先端側の基本オーガ7aと延長オーガ7bとに分割して構成し、延長オーガ7bを交換することにより種々のコンバインに対応させうる。この場合、基本オーガ7aは接続メタル44を介して延長オーガ7bに取付け、固定螺旋10のうち縦揚穀装置5の上部に接続していた基本固定螺旋10aの基部は接続メタル44の軸受に取付け、延長固定螺旋10bの先端は接続メタル44の軸受に取付け、延長固定螺旋10bの基部を縦揚穀装置5の上部に接続すればよい。しかして、移動螺旋ピース36のうち先端の移動螺旋ピース36は伝達軸部材38の先端側に先端側係止部材41により固定して伝達軸部材38の伸縮に追随させ、移動螺旋ピース36のうち基部側の移動螺旋ピース36は前記中間側軸受部11側に基部側係止部材42により係止させる。
【0013】また、前記伝達軸部材38の基部側は中間側軸受部11に軸装した固定螺旋回転軸39に摺動自在に嵌合させて支持し、伝達軸部材38の先端は移動オーガ筒14の先端に設けた先端軸受45に軸装して先端と基部とを支持すると共に、移動オーガ筒14の中間部分より先側で移動螺旋ピース36の共振点以外の部分には移動側中間軸受部46を設け、移動側中間軸受部46に伝達軸部材38の中間部分を軸装して支持する。また、横排出オーガ6は、エンジンの回転が所定回転以下の場合、作動しないように制御する。即ち、縦揚穀装置5(グレンタンク4内排出装置)および横排出オーガ6の排出クラッチ(図示省略)を入り操作しても、エンジンの回転が所定回転以下の場合、排出作動しないように制御し、横排出オーガ6を伸長させたときの共振発生を防止する。この場合、エンジンの回転が所定回転以下における排出操作を検出したときは、任意箇所に設けた表示部(例えば、ランプ、液晶表示)に表示し、更に警告音を鳴動させて、報知するようにすると、作業者は、誤操作を回避できて、好適である。
【0014】しかして、移動オーガ筒14の先端には下向きの排出部51を設け、排出部51の下部に排出口52を開口させ、排出口52の後縁53と移動オーガ筒14の下面54との間の排出部51は、軽トラックのトラックタンク壁55に引っ掛からない傾斜の誘導面56に形成する。この場合、横排出オーガ6の先端がトラックタンク壁55に引っ掛かるのを防止するのであるから、誘導面56は排出口52の後縁53と移動オーガ筒14の下面54との間に複数傾斜角度の相違するように連続形成してもよく(図24)、換言すると、複数の誘導面56を形成したとき、各誘導面56の接合部57は横排出オーガ6の先端が引っ掛かる角部にせずに、広角に形成すればよい。この場合、単にトラックタンク壁55に引っ掛からないようにすると、排出部51全体が大型化するが、接合部57は約135度位にすると、引っ掛かり防止しつつ排出部51を小型にする(横排出オーガ6の先端重量を軽減できる)。また、図25、26は排出口52(排出部51)部分の他の実施例であり、前記排出部51のうち少なくとも下面側の前記トラックタンク壁55に接触する部分は、変形および原形状態復帰可能なゴム・合成樹脂等の弾性部材58により形成し、横排出オーガ6の先端がトラックタンク壁55に引っ掛かるのを防止する。
【0015】しかして、図9、図10、図18の実施例では、前記移動オーガ筒14内の始端側には前記伸縮螺旋30を設けるが、移動オーガ筒14の終端側には固定全周螺旋翼59を設けており、移動オーガ筒14の始端側の伸縮螺旋30による搬送に比し終端側の搬送力を向上させている。この場合、図21の移動側中間軸受部46を設けた実施例において、移動側中間軸受部46と移動オーガ筒14の先端軸受45の間の伝達軸部材38に固定全周螺旋翼59を設けてもよい。しかして、移動螺旋ピース36の移動側螺旋翼35は、その前後端を切り欠いて、切欠き面60を形成し、移動側螺旋翼35が穀粒群に進入するときの衝撃を減少させる。なお、切欠き面60を前後に設けることにより、移動螺旋ピース36を取付ける際の取付向きの判断を不要にして、組み付け性を向上させている。
【0016】
【作用】次に作用を述べる。機体を走行させて刈取部3により圃場の穀稈を刈取って脱穀装置2で脱穀し、脱穀した穀粒をグレンタンク4にて貯留し、グレンタンク4が一杯になると縦揚穀装置5により揚穀し、揚穀した穀粒を横排出オーガ6により、圃場近傍のトラックのタンクに放出する。しかして、前記横排出オーガ6は、前記縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成しているから、モータ等の駆動部材16により伸縮作動軸部材13を回転させると、伸縮作動軸部材13に螺合している伸縮用受部材15が固定オーガ7に対して移動することにより移動オーガ8を伸縮させ、横排出オーガ6の先端をトラックのタンクに位置合わせするのが容易となる。また、排出作業が終了すると、横排出オーガ6は縮小させて格納し、次ぎの作業を再開するので、作業の邪魔にならず、作業性を向上させる。
【0017】この場合、固定オーガ筒9と移動オーガ筒14は、互いに直径を相違させて重合させて伸縮するように構成し、移動オーガ筒14の基部には円周方向に複数のローラ20を設け、ローラ20は固定オーガ筒9の外周に放射方向に突き出るように設けたガイド部材25に当接させているから、移動オーガ筒14の先端が自重で下がるのを防止する。即ち、移動オーガ筒14の先端は、伸長すると、自重で下がろうとするが、ガイド部材25にローラ20が乗り上げるので、これを防止する。特に、移動オーガ筒14の長さを長くして伸縮量を大にすると、移動オーガ筒14の先端の下降率は大きくなるが、これをローラ20とガイド部材25とにより防止して移動オーガ筒14の長さを長くできる。しかして、固定オーガ筒9と移動オーガ筒14の間の全周にはシール部材26を設け、シール部材26は、大径で移動オーガ筒14の内周に摺接する先端シール部材27と、先端シール部材27より基部側で小径の基部側シール部材28とにより固定オーガ筒9の長さ方向に二重構成としているから、塵埃等は移動オーガ筒14の内周に摺接する先端シール部材27により漏れが防止され、基部側シール部材28により先端シール部材27の変形を最小限にして、経年変形による移動オーガ筒14の間の隙間ができるのを抑制し、穀粒・塵埃等が固定オーガ筒9と移動オーガ筒14の間に進入するのを防止する。
【0018】この場合、先端シール部材27は不織布等によりある程度の変形可能に構成しているから、穀粒等の固形物は先端シール部材27を変形させて通過し、詰まりを防止する。また、基部側シール部材28は樹脂等により変形を少なくしているので、先端シール部材27を強固に支持して変形を抑制し、基部側シール部材28の外径を小に形成しているから、移動オーガ筒14の内周との隙間から穀粒等の固形物は通過し、詰まりを防止する。しかして、前後方向の円筒形状の移動部材31と、移動部材31の外周に固定した前後方向に長い板形状の係合部材32と、係合部材32の前後両端の外面に固定した移動側螺旋翼35により移動螺旋ピース36を構成し、各移動螺旋ピース36の係合部材32の前後両端の前側係合部33と後側係合部34とが互いに係合するように伝達軸部材38に順に挿通して伸縮螺旋30を固定オーガ筒9と移動オーガ筒14に設けているから、移動オーガ筒14が伸長すると、移動オーガ筒14の先端側の移動螺旋ピース36はその後側係合部34が後側の移動螺旋ピース36の前側係合部33を牽引するまで、伝達軸部材38に対して移動し、後側の移動螺旋ピース36はその後側の移動螺旋ピース36の前側係合部33を牽引するまで、伝達軸部材38に対して移動し、これを反復して、各移動螺旋ピース36の移動側螺旋翼35の間隔(ピッチ)が広くなって、移動オーガ筒14の伸長に対応して伸縮螺旋30も伸長する。
【0019】そして、伝達軸部材38は四角形や五角形の多角形状や、所謂小判型形状等の異径形状に形成し、伝達軸部材38に移動螺旋ピース36の移動部材31に形成した異径挿通孔37を挿通しているから、各移動螺旋ピース36は伝達軸部材38の軸方向に移動するが、伝達軸部材38が回転すると、各移動螺旋ピース36の移動側螺旋翼35は回転して穀粒を搬送する。この場合、伝達軸部材38は前後に二分割して形成しているから、一体に形成したときに比して、加工が容易となって、加工精度も向上し、コストを低くする。また、伝達軸部材38の外周のうち移動螺旋ピース36が摺動する部分にはメッキ加工を施すと、摺動が円滑になって好適であり、それ以外の部分はメッキ加工を省略することで、コストを低くする。しかして、移動螺旋ピース36は係合部材32の前後側の前側係合部33と後側係合部34とを互いに係合するように組合せて伝達軸部材38に挿通し、係合部材32に対して移動部材31を短く形成しているから、各移動螺旋ピース36の係合部材32は移動オーガ8が縮小状態のとき互いに重ならずにあたかも移動部材31の外周に一周するように配置され、また、この一周している係合部材32に対応する移動部材31は当接状態となる。
【0020】したがって、伸長前の各移動側螺旋翼35の前後端が連続した螺旋を描かずに重なった状態となった複数組の移動螺旋ピース36が、移動オーガ8の伸長により各移動螺旋ピース36の互いの移動側螺旋翼35の前後端が連続して螺旋を描く連続螺旋状態となるように伸縮螺旋30を構成しているから、複数組の移動螺旋ピース36が伝達軸部材38の軸方向に存在することになる。この場合、移動螺旋ピース36は、移動オーガ筒14の移動量に対して伸縮螺旋30の基部側の移動側螺旋翼35が所定長さ重なって並ぶだけの複数個設けて、移動オーガ筒14が最も長く移動しても、伸縮螺旋30の始端側は所定数の移動螺旋ピース36の移動側螺旋翼35が重なって並ぶから、必ず、終端側の移動螺旋ピース36の後側係合部34と始端側の移動螺旋ピース36の前側係合部33との間に隙間(遊びあるいは余裕)ができ、各移動螺旋ピース36に過剰な牽引力が掛かって生じる変形や駆動部材16の故障等の不具合を回避できる。
【0021】しかして、横排出オーガ6は、固定オーガ7と該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成するとともに、前記固定オーガ7を分割して構成し、固定オーガ7は先端側の基本オーガ7aと延長オーガ7bとにより構成しているから、種々の延長オーガ7bを用意して、交換するだけで種々のコンバインに対応させうる。即ち、従前では、固定オーガ7と移動オーガ8とを、横排出オーガ6の全長を考慮して夫々種々の長さのものを用意していたので、コストが高くなっていたが、これを解決する。この場合、基本オーガ7aは接続メタル44を介して延長オーガ7bに取付けているから、元々縦揚穀装置5の上部に接続していた基本固定螺旋10aの基部は、接続メタル44の軸受に取付けるだけでよく、構成が簡素となる。そして、固定螺旋10のうち延長固定螺旋10bの先端は接続メタル44の軸受に取付け、延長固定螺旋10bの基部を従前通りに縦揚穀装置5の上部に接続すればよいので、延長オーガ7bを介在させるだけで全長を長くでき、この延長オーガ7bを種々用意して交換するば、更に全長を変更でき、種々のコンバインに対応させうる。
【0022】しかして、伸縮螺旋30の伝達軸部材38の先端側は移動オーガ筒14の先端に設けた先端軸受45と固定オーガ筒9に設けた中間側軸受部11に軸装すると共に、移動オーガ筒14の中間より先側で移動螺旋ピース36の共振点以外の部分に設けた移動側中間軸受部46に軸装しているから、伸縮螺旋30が回転しているときの共振を防止する。即ち、伸縮螺旋30が伸長すると、先端側が振動する確率が高くなるが、移動螺旋ピース36の共振点以外の部分に設けた移動側中間軸受部46に軸装することにより、これを解決する。また、横排出オーガ6は、エンジンの回転が所定回転以下の場合、横排出オーガ6は作動しないように制御しているから、縦揚穀装置5(グレンタンク4内排出装置)および横排出オーガ6の排出クラッチ(図示省略)を入り操作しても、エンジンの回転が所定回転以下の場合、排出作動しないので、横排出オーガ6を伸長させたときの共振発生を防止する。
【0023】この場合、エンジンの回転が所定回転以下における排出操作を検出したときは、任意箇所に設けた表示部(例えば、ランプ、液晶表示)に表示し、更に警告音を鳴動させて報知するから、作業者は、誤操作を回避できて、好適である。しかして、移動オーガ筒14の先端には下向きの排出部51を設け、排出部51の下部に排出口52を開口させ、排出口52の後縁53と移動オーガ筒14の下面54との間の排出部51は、軽トラックのトラックタンク壁55が引っ掛からない誘導面56に形成しているから、移動オーガ8を縮小させるとき、誤って排出部51部分をトラックタンク壁55に引っ掛けるのを防止でき、故障等の不具合を回避する。また、図25は排出口52(排出部51)部分の他の実施例であり、前記排出部51のうち少なくとも下面側の前記トラックタンク壁55に接触する部分は、変形および原形状態復帰可能なゴム・合成樹脂等の弾性部材58により形成しているから、横排出オーガ6の先端がトラックタンク壁55に引っ掛かるのを防止する。
【0024】しかして、図9、図10、図18の実施例では、移動オーガ筒14内の始端側には伸縮螺旋30を設けるが、移動オーガ筒14の終端側には固定全周螺旋翼59を設けているから、移動オーガ筒14の終端側の螺旋翼のピッチは固定となって一定の搬送力を確保して、円滑に穀粒を排出する。しかして、移動螺旋ピース36の移動側螺旋翼35は、その前後端を切り欠いて切欠き面60を形成しているから、移動螺旋ピース36が穀粒群進入するときの衝撃を減少させる。
【0025】
【効果】本発明は、グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、前記固定オーガ7の固定オーガ筒9と前記移動オーガ8の移動オーガ筒14は夫々直径を相違させて重合させ、前記移動オーガ筒14には円周方向に複数のローラ20を設け、各ローラ20は固定オーガ筒9の外周に設けたガイド部材25に当接させた穀物排出装置としたものであるから、伸長した際の移動オーガ筒14の先端の下降を抑制する。本発明は、グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、前記固定オーガ7の固定オーガ筒9と前記移動オーガ8の移動オーガ筒14は夫々直径を相違させて重合させ、前記固定オーガ筒9の先端には変形可能な先端シール部材27と該先端シール部材27の基部側の樹脂等により変形の少ない基部側シール部材28とにより構成したシール部材26を全周に亘って設けた穀物排出装置としたものであるから、シール部材26の耐久性を向上させ、異物の詰まり等を防止する。本発明は、グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、前記固定オーガ7は先端側の基本オーガ7aと基部側の延長オーガ7bとにより分割構成し、前記延長オーガ7bは交換自在に構成した穀物排出装置としたものであるから、製造、保管管理等を容易にしてコストを低くする。本発明は、グレンタンク4内の穀粒を排出する縦揚穀装置5に接続した固定オーガ7と、該固定オーガ7に伸縮自在に取付けた移動オーガ8とにより分割形成した横排出オーガ6を有し、横排出オーガ6内には固定オーガ螺旋10と伸縮螺旋30とを設け、該伸縮螺旋30は伝達軸部材38に移動のみ自在に挿通した移動部材31と、該移動部材31を移動させる係合部材32と、前記移動部材31に設けた移動側螺旋翼35とにより構成した移動螺旋ピース36を、前記伝達軸部材38の軸方向に複数設けて構成すると共に、前記移動オーガ8を最も伸長させた状態でも前記伸縮螺旋30の始端側の所定数の移動螺旋ピース36はその移動側螺旋翼35の前後端が連続した螺旋を描かずに重なった状態となるようにした穀物排出装置としたものであるから、各移動螺旋ピース36に過剰な牽引力が掛かって生じる変形・破損等の不具合を防止する。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成13年5月1日(2001.5.1)
【代理人】 【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
【公開番号】 特開2002−325510(P2002−325510A)
【公開日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願番号】 特願2001−134688(P2001−134688)