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【発明の名称】 コンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置
【発明者】 【氏名】佐藤 茂夫

【要約】 【課題】操作の煩わしさの少ない状態で所望の位置にオーガを移動させることが可能となるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を提供する。

【解決手段】機体に対して旋回操作自在に且つ昇降操作自在に備えられた穀粒排出用オーガを自動旋回させるための旋回指令を指令する手動操作式の指令手段として、格納用の非作業位置及び複数の穀粒排出用の作業位置の夫々に1個づつ割り当てる状態で、自動旋回させるための旋回指令を指令する複数の旋回指令部22〜25が設けられ、複数の旋回指令部22〜25のいずれかによる旋回指令があれば、複数の作業位置のうち旋回指令が指令された旋回指令部が割り当てられた作業位置を指定して、その指定した作業位置に向けてオーガを自動旋回させるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 旋回用アクチュエータにより機体に対して旋回操作自在に且つ昇降用アクチュエータにより機体に対して昇降操作自在に備えられた穀粒排出用オーガと、旋回方向に沿って互いに位置が異なる格納用の非作業位置及び複数の穀粒排出用の作業位置の夫々を指定して前記オーガを自動旋回させるための旋回指令を指令する手動操作式の指令手段と、この指令手段の旋回指令に基づいて、前記格納用の非作業位置での収納用下降高さと旋回操作用の上昇高さとの間で前記オーガを昇降させる昇降操作、及び、前記旋回操作用の上昇高さにて前記オーガを旋回させる旋回操作を夫々実行して、前記オーガを自動旋回させるべく、前記旋回用アクチュエータ及び前記昇降用アクチュエータの作動を制御する制御手段とが備えられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置であって、前記手動操作式の指令手段が、格納用の非作業位置及び複数の穀粒排出用の作業位置の夫々に1個づつ割り当てる状態で、自動旋回させるための旋回指令を指令する複数の旋回指令部が設けられ、前記制御手段が、前記複数の旋回指令部のいずれかによる旋回指令があれば、前記複数の作業位置のうち旋回指令が指令された旋回指令部が割り当てられた作業位置を指定して、その指定した作業位置に向けて前記オーガを自動旋回させるように構成されているコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項2】 前記手動操作式の指令手段が、車体の平面視での外形を示す図形表示部を備えて構成され、その図形表示部の近傍に、その図形表示部における車体の外形表示に前記各穀粒排出用の作業位置を対応させた状態で、前記複数の旋回指令部を配置させて構成されている請求項1記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項3】 前記複数の旋回指令部が、夫々、押し操作式のスイッチにて構成され、前記格納用の非作業位置に割り当てられた旋回指令部を構成するスイッチが、他のスイッチよりも大きい操作面を備えて構成されている請求項1又は2記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋回用アクチュエータにより機体に対して旋回操作自在に且つ昇降用アクチュエータにより機体に対して昇降操作自在に備えられた穀粒排出用オーガと、旋回方向に沿って互いに位置が異なる格納用の非作業位置及び複数の穀粒排出用の作業位置の夫々を指定して前記オーガを自動旋回させるための旋回指令を指令する手動操作式の指令手段と、この指令手段の旋回指令に基づいて、前記格納用の非作業位置での収納用下降高さと旋回操作用の上昇高さとの間で前記オーガを昇降させる昇降操作、及び、前記旋回操作用の上昇高さにて前記オーガを旋回させる旋回操作を夫々実行して、前記オーガを自動旋回させるべく、前記旋回用アクチュエータ及び前記昇降用アクチュエータの作動を制御する制御手段とが備えられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置は、回収した穀粒を貯留するグレンタンクから穀粒を排出するための穀粒排出用オーガが、旋回用アクチュエータにより機体に対して縦軸芯周りで旋回操作自在に設けられるとともに、昇降用アクチュエータにより機体に対して昇降操作自在に設けられ、例えば畦等に停車しているトラックの荷台等に穀粒を排出させるための穀粒排出用の作業位置と、機体上部に引退した格納用の非作業位置との間で移動できるようにしたものである。尚、上記旋回用アクチュエータ及び昇降用アクチュエータは、電動モータや油圧シリンダ等にて構成されている。
【0003】そして、従来では、上記穀粒排出用の作業位置として、例えば、図2に示すように、オーガが機体の右横側外方に突出する位置、オーガが機体の左横側外方に突出する位置、オーガが機体の後方外方に突出する位置の3位置が設定されて、前記手動操作式の指令手段が、図6に示すように構成されたものがあった。つまり、オーガの自動旋回を起動するための起動スイッチ40と、前記穀粒排出用の作業位置としての上記3位置のうちいずれかの位置を選択して指定するための排出位置選択スイッチ41と、コンバインの図形表示に対応させて上記3位置のうちどの位置が選択されているかを示す3つの表示ランプ42、43、44とが備えられる構成となっていた。前記表示ランプ42、43、44はそのうちの1つが常に点灯してその位置が選択されており、排出位置選択スイッチ41を操作する毎にその選択位置が順次変更される構成となっている。
【0004】そして、前記制御手段は、オーガが非作業位置に格納されているときに前記起動スイッチ40が操作されると、排出位置選択スイッチ41にて選択指定されている作業位置に向けてオーガを自動旋回させ、オーガがいずれかの作業位置にあるときに前記起動スイッチ40が操作されると前記非作業位置に向けてオーガを自動旋回させる構成となっていた。つまり、起動スイッチ40を繰り返し操作する毎に、選択されている作業位置から非作業位置に自動旋回することと、非作業位置から選択されている作業位置に自動旋回することとが交互に行われる構成となっている。尚、上記自動旋回を行う場合には、例えば、前記非作業位置や前記作業位置からオーガを旋回中に他物に当たらないような旋回操作用の上昇高さまで上昇させてから旋回操作を行う構成となっており、前記非作業位置に自動旋回させるときは、前記旋回操作用の上昇高さからオーガを受け止め支持するために設けられた受止具に収納される収納用下降高さまで下降させる構成となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成においては、次のような点で未だ改善すべき余地があった。例えば、回収した穀粒を貯留するグレンタンクから穀粒を排出するため、オーガを前記非作業位置に収納されている状態から畦等に停車しているトラックの荷台に対応する位置まで旋回させるような場合、前記排出位置選択スイッチにて選択されている位置がトラックの位置と異なっていると、排出位置選択スイッチを操作して前記穀粒排出用の作業位置として適切な位置を選択する操作を行った後に、前記起動スイッチを操作する必要がある。従って、前記排出位置選択スイッチの操作と前記起動スイッチとを夫々操作する必要があり、スイッチ操作が2回必要で操作がそれだけ煩わしいものとなる不利がある。又、選択した穀粒排出用の作業位置に向けて自動旋回操作を実行した後に、その選択した作業位置とは異なる別の穀粒排出用の作業位置にオーガを位置変更させるような場合、例えば、作業位置が適正なものではなく誤って選択されたような場合には、前記起動スイッチを操作して一旦、オーガを前記非作業位置に移動させてから、排出位置選択スイッチによる選択位置を変更した後に、再度、起動スイッチを操作しなければならず、煩わしい操作が必要であり、このような点で改善が望まれていた。
【0006】本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、操作の煩わしさの少ない状態で所望の位置にオーガを移動させることが可能となるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、旋回用アクチュエータにより機体に対して旋回操作自在に且つ昇降用アクチュエータにより機体に対して昇降操作自在に備えられた穀粒排出用オーガと、旋回方向に沿って互いに位置が異なる格納用の非作業位置及び複数の穀粒排出用の作業位置の夫々を指定して前記オーガを自動旋回させるための旋回指令を指令する手動操作式の指令手段と、この指令手段の旋回指令に基づいて、前記格納用の非作業位置での収納用下降高さと旋回操作用の上昇高さとの間で前記オーガを昇降させる昇降操作、及び、前記旋回操作用の上昇高さにて前記オーガを旋回させる旋回操作を夫々実行して、前記オーガを自動旋回させるべく、前記旋回用アクチュエータ及び前記昇降用アクチュエータの作動を制御する制御手段とが備えられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置において、前記手動操作式の指令手段が、格納用の非作業位置及び複数の穀粒排出用の作業位置の夫々に1個づつ割り当てる状態で、自動旋回させるための旋回指令を指令する複数の旋回指令部が設けられ、前記制御手段が、前記複数の旋回指令部のいずれかによる旋回指令があれば、前記複数の作業位置のうち旋回指令が指令された旋回指令部が割り当てられた作業位置を指定して、その指定した作業位置に向けて前記オーガを自動旋回させるように構成されていることを特徴とする。
【0008】すなわち、格納用の非作業位置及び複数の穀粒排出用の作業位置の夫々に1個づつ割り当てる状態で旋回指令部が設けられて、そのいずれかによる旋回指令があれば、その旋回指令部が割り当てられた作業位置を指定してその指定した作業位置に向けてオーガを自動旋回させるのである。つまり、複数の穀粒排出用の作業位置のいずれかにあるとき、格納用の非作業位置に割り当てられた旋回指令部が旋回指令されると、オーガはそのときの存在位置から格納用の非作業位置に向けて自動旋回操作される。又、複数の穀粒排出用の作業位置のいずれか又は格納用の非作業位置にあるとき、現在位置とは異なる穀粒排出用の作業位置に割り当てられた旋回指令部が旋回指令されると、オーガはそのときの存在位置から旋回指令が指令された旋回指令部が割り当てられている穀粒排出用の作業位置に向けて自動旋回操作されることになる。
【0009】そうすると、オーガを格納用の非作業位置に収納している状態でいずれかの穀粒排出用の作業位置に旋回させる場合に、旋回させたい位置に割り当てられた旋回指令部を1回操作するだけで対応でき、従来のように、排出用の作業位置の選択操作と、起動操作とを別々に行うような煩わしい操作が不要となる。又、オーガをいずれかの穀粒排出用の作業位置に位置させているときに、別の穀粒排出用の作業位置に位置変更させる場合においても、その位置変更すべき穀粒排出用の作業位置に割り当てられた旋回指令部を一度操作すればよく、従来のように、一旦、格納用の非作業位置に戻した後に再度、自動旋回操作させるといった煩わしい操作は不要となる。
【0010】従って、操作の煩わしさの少ない状態で所望の位置にオーガを移動させることが可能となるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を提供できるに至った。
【0011】請求項2によれば、請求項1において、前記手動操作式の指令手段が、車体の平面視での外形を示す図形表示部を備えて構成され、その図形表示部の近傍に、その図形表示部における車体の外形表示に前記各穀粒排出用の作業位置を対応させた状態で、前記複数の旋回指令部を配置させて構成されていることを特徴とする。
【0012】操作者は、自分がオーガを操作させたい位置と図形表示部に表示された車体の平面視での外形とを対比させながら、その操作させたい位置に割り当てられた旋回指令部を判断することができる。このように図形表示に対応させて判断するので、迅速に且つ誤りの少ない状態で適切に所望の旋回指令部を選択して操作することが可能となり、請求項1を実施するのに好適な手段が得られる。
【0013】請求項3によれば、請求項1又は2において、前記複数の旋回指令部が、夫々、押し操作式のスイッチにて構成され、前記格納用の非作業位置に割り当てられた旋回指令部を構成するスイッチが、他のスイッチよりも大きい操作面を備えて構成されていることを特徴とする。
【0014】すなわち、複数の旋回指令部は、押し操作によって旋回指令を指令する構成であるから、例えば、回転操作式のスイッチやトグルスイッチ等に比べて操作が簡単であり操作誤りの少ない状態でオーガの旋回操作を行うことができ、しかも、穀粒排出作業が終了したときには、常に、前記格納用の非作業位置に割り当てられた旋回指令部が操作されることになり、他のスイッチに比べて操作頻度が大になるが、この旋回指令部が他のスイッチよりも大きい操作面を備えているので、操作頻度の大きい操作がそれだけ行い易くなり、請求項1又は2を実施するのに好適な手段が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置について図面に基づいて説明する。図1、図2に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1の上部に設けた機体Vの前部に、刈取部3が横軸芯周りに揺動操作自在な状態で付設され、機体Vには、操縦部2、刈取穀稈を脱穀・選別する脱穀部4、脱穀部4にて選別回収された穀粒を貯留するグレンタンク5、及びグレンタンク5に貯留された穀粒を機外に排出するための穀粒排出用のオーガ9等が装備されている。
【0016】グレンタンク5の底部に前後方向に沿う状態で底部スクリュー7が設けられ、その底部スクリュー7の搬送終端部から上方に向けて縦送りスクリューコンベア8が延設され、この縦送りスクリューコンベア8の上部に、前記オーガ9の基端部が、横軸芯P1周りに揺動操作自在で、且つ、縦軸芯P2周りに旋回操作自在に装備されている。尚、図2には、オーガ9が格納用の非作業位置HPに旋回した状態を示し、この格納用の非作業位置HPに旋回した状態でオーガ9を下降させて格納用保持具としての受止具17に受け止めさせて、オーガ9を格納することになる(図1参照)。この格納状態が格納用の非作業位置での収納用下降高さに対応する。
【0017】底部スクリュー7の搬送始端部には、機体右前部に設けたエンジンEから底部スクリュー7への動力伝達を断続するベルトテンション式のクラッチ13の出力プーリ13Aが装着されている。さらに、縦送りスクリューコンベア8には、底部スクリュー7にベベルギアを介して連動連結された縦スクリュー8Aと、それを覆うとともにグレンタンク5に連通接続された円筒ケース8Bとが設けられ、オーガ9には、縦スクリュー8Aにベベルギアを介して連動連結された横スクリュー9Aと、それを覆うとともに縦コンベアスクリュー8Aの円筒ケース8Bに回動ケース6を介して連通接続された円筒ケース9Bとが設けられている。そして、回動ケース6が、縦送りスクリューコンベア8の円筒ケース8Bに縦軸芯P2周りに相対回動可能に接続されるとともに、オーガ9の円筒ケース9Bに横軸芯P1周りに相対回動可能に接続されている。オーガ9の円筒ケース9Bにおける先端部には、下向き状態の穀粒排出口10が形成されている。つまり、底部スクリュー7、縦スクリュー8A及び横スクリュー9Aが、クラッチ13を介して伝達されるエンジンEの動力で駆動されて、グレンタンク5に貯留された穀粒をオーガ9の排出口10から排出するように構成されている。
【0018】オーガ9の旋回操作の駆動手段について説明すると、図3に示すように、回動ケース6の外側面に、旋回駆動用の大径ギア11が固着され、その大径ギア11に咬合するピニオンギア12aを回転駆動する旋回用電動モータM1が縦送りスクリューコンベヤ8に固定され、もって、旋回用電動モータM1を正逆転駆動するに伴って、オーガ9が縦軸芯P2周りに旋回操作され、かつ、旋回用電動モータM1を作動停止させるに伴って旋回停止するように構成されている。図中、Ryはオーガ9の旋回位置を検出する多回転型のポテンショメータを利用した旋回位置検出センサであって、旋回用電動モータM1で駆動されるギア12bによって旋回駆動用ギア11と同時に回動操作されるようになっている。つまり、この旋回位置検出センサRyにて、オーガ9の旋回位置を検出する旋回位置検出手段が構成されている。尚、図示はしないが、オーガは予め旋回可能範囲が設定され、上記旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、オーガ9がその旋回可能範囲の左限界位置及び右限界位置に達したときには自動的にオーガ9の旋回を停止するように、旋回用電動モータM1が制御される構成となっている。
【0019】次に、オーガ9の昇降操作の駆動手段について説明すると、図3に示すように、オーガ9の基端部と、回動ケース6との間に、昇降用油圧シリンダ15が設けられ、この昇降用油圧シリンダ15を伸長させるに伴ってオーガ9が横軸芯P1周りで上昇操作され、かつ、昇降用油圧シリンダ15を短縮させるに伴ってオーガ9が横軸芯P1周りで下降操作されるように構成されている。尚、オーガ9が昇降操作範囲の上限位置にあるときにオン作動する上限スイッチ14が設けられている。
【0020】従って、前記オーガ9は、旋回用アクチュエータとしての前記旋回用電動モータM1により機体Vに対して旋回操作自在に、且つ、昇降用アクチュエータとしての前記昇降用油圧シリンダ15により機体Vに対して昇降操作自在に備えられている。
【0021】操縦部2における運転座席の左側後方箇所に、オーガに対する操作部が設けられ、操縦者が機体後方向姿勢で操作しやすいように構成されている。このオーガ操作部OSには、オーガ9を旋回及び昇降操作するための操作指令を指示する十字レバー式の手動旋回用操作部20と、オーガを自動で旋回操作させるための手動操作式の指令手段としての自動旋回用操作部21とが設けられている。
【0022】手動旋回用操作部20について説明を加えれば、図4及び図5に示すように、中央位置に復帰するように付勢された操作レバー20Aが備えられ、操作レバー20Aを前方側に倒した状態では上昇スイッチSUがオン作動して上昇指令が指令され、操作レバー20Aを手前側に倒した状態では下降スイッチSDがオン作動して下降指令が指令され、操作レバー20Aを左側に倒した状態では右旋回スイッチSLがオン作動して右旋回指令が指令され、操作レバー20Aを右側に倒した状態では左旋回スイッチSRがオン作動して左旋回指令が指令される。又、上記操作レバー20Aを中央位置に復帰させた状態では、オーガ9の旋回操作を停止させるための旋回停止指令と、オーガ9の昇降操作を停止させるための昇降停止指令が指令される。
【0023】前記自動旋回用操作部21は、旋回方向に沿って互いに位置が異なる格納用の非作業位置及び複数の穀粒排出用の作業位置の夫々を指定して前記オーガを自動旋回させるための旋回指令を指令するものであって、格納用の非作業位置及び複数の穀粒排出用の作業位置の夫々に1個づつ割り当てる状態で、自動旋回させるための旋回指令を指令する複数の旋回指令部が設けられている。詳述すると、このコンバインでは、穀粒排出用の作業位置としては、図2に示すように、旋回方向に互いに位置が異なる、機体の右横側外方に突出する右側排出位置RP、機体の左横側外方に突出する左側排出位置LP、機体の後方外方に突出する後方排出位置BPの3位置が設定されており、格納用の非作業位置HP及び前記3つの穀粒排出用の作業位置(右側排出位置RP,左側排出位置LP,後方排出位置BP)の夫々に1個づつ割り当てる状態で旋回指令部としての4つの自動旋回用のスイッチが設けられている。つまり、格納用の非作業位置HPに割り当てられた格納スイッチ22、右側排出位置RPに割り当てられた右側排出スイッチ23、左側排出位置LPに割り当てられた左側排出スイッチ24、後方排出位置BPに割り当てられた後方排出スイッチ25の夫々が設けられている。これらの各スイッチは、夫々、下方側に向けて押し操作することでオン操作される押し操作式に構成され、各スイッチは、押し操作されると後述するような自動旋回モードになり、隣接して設けられる各表示ランプ26〜29が点灯して操作されていることを容易に認識できるように構成されている。
【0024】前記自動旋回用操作部21には、車体の平面視での外形を示す図形表示部30を備えており、その図形表示部30の近傍に、その図形表示部30における車体の外形表示に各穀粒排出用の作業位置を対応させた状態で、複数の旋回指令部としての4つの自動旋回用のスイッチ22〜25を配置させて構成されている。説明を加えると、図4に示すように、車体の平面視での外形を示す図形表示部30に対して、その車体前方側方向に向かって車体の右側に対応する位置に右側排出スイッチ23を配置しており、以下、同様にして、車体の左側に対応する位置に左側排出スイッチ24を配置し、車体の後方側に対応する位置に後方排出スイッチ25を配置し、格納用の非作業位置HPに対応する位置に格納スイッチ22を配置させている。
【0025】更に、押し操作式に構成される4つの自動旋回用のスイッチにおいて、前記格納スイッチ22が、他のスイッチ23、24、25よりも大きい操作面を備えて構成されている。このようにして、作業終了時には常に操作されることになり、他のスイッチに比べて操作頻度が大である格納スイッチ22が大きい操作面を備えていることによってそれだけ操作し易いものとなっている。
【0026】又、この自動旋回用操作部21には、オーガが自動旋回している移動中においてオーガ9を停止させるための停止スイッチ31と、前記クラッチ13を入り切りするためのクラッチ入切スイッチ32とが設けられている。停止スイッチ31は、押し操作式に構成され、押し操作している間だけオン状態となり、押し操作を停止するとオフに復帰するスイッチで構成されている。又、クラッチ入切スイッチ32は入り状態と切り状態夫々にてその状態が保持されるスイッチで構成される。
【0027】次に、オーガ9を作動させるための制御構成について説明する。図5に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置Hが設けられ、その制御装置Hに、位置検出センサRy、上限スイッチ14、上昇スイッチSU、下降スイッチSD、右旋回スイッチSL、左旋回スイッチSR、格納スイッチ22、右側排出スイッチ23、左側排出スイッチ24、後方排出スイッチ25、停止スイッチ31、及び、クラッチ入切スイッチ32の各信号が入力されている。一方、制御装置Hからは、前記旋回用電動モータM1、前記昇降用油圧シリンダ15の制御弁16、前記クラッチ13を作動させるクラッチモータM2に対する各駆動信号が出力されている。
【0028】前記制御装置Hは、上記各スイッチの情報に基づいて、昇降用油圧シリンダ15及び旋回用電動モータM1の作動を制御するように構成されている。次に、オーガ9を移動操作させるときの制御装置Hによる制御動作について具体的に説明する。
【0029】操作レバー20Aを前方側に揺動操作して上昇スイッチSUがオン操作されると、それがオン操作されている間、オーガ9を上昇操作させるべく昇降用油圧シリンダ15による上昇操作を実行し、上昇スイッチSUがオフするとそこで上昇操作は停止する。但し、上昇スイッチSUのオン操作により上昇操作を実行している途中であっても上限スイッチ14にて上限位置に至ったことが検出されるとそこで昇降操作を停止する。操作レバー20Aを手前側に揺動操作して下降スイッチSDがオン操作されると、それがオン操作されている間、オーガ9を下降操作させるべく昇降用油圧シリンダ15による下降操作を実行し、下降スイッチSDがオフするとそこで下降操作は停止する。操作レバー20Aを左側に揺動操作して右旋回スイッチSLがオン操作されると、それがオン操作されている間、オーガ9を右方向に旋回させるべく旋回用電動モータM1による旋回操作を実行し、右旋回スイッチSLがオフするとそこで旋回操作は停止する。但し、右旋回スイッチSLのオン操作により右旋回操作を実行している途中であっても、旋回可能範囲の右限界位置に達したときにはオーガ9の旋回を停止する。操作レバー20Aを右側に揺動操作して左旋回スイッチSRがオン操作されると、それがオン操作されている間、オーガ9を左方向に旋回させるべく旋回用電動モータM1による旋回操作を実行し、左旋回スイッチSRがオフするとそこで旋回操作は停止する。但し、左旋回スイッチSRのオン操作により左旋回操作を実行している途中であっても、旋回可能範囲の左限界位置に達したときにはオーガ9の旋回を停止する。
【0030】次に、右側排出スイッチ23が押し操作されて自動旋回が指令されると、それに対応する表示ランプ27を点灯させて自動旋回モードになっていることを表示する。そして、オーガ9を一旦、旋回操作用の上昇高さに対応する前記上限位置にまで上昇させた後に、前記右側排出位置RPに向けてオーガ9を自動旋回させるべく旋回用電動モータM1の作動を制御する。つまり、旋回位置検出センサRyの検出値によりそのときの現在位置から前記右側排出位置RPに近い旋回方向を判断して、その旋回方向に向けて旋回させるように旋回用電動モータM1の作動させ、旋回位置検出センサRyの検出値が前記右側排出位置RPに対応する値として予め設定されている値になると旋回用電動モータM1による旋回作動を停止させて自動旋回を終了して、表示ランプ27を消灯させる。尚、右側排出スイッチ23が押し操作されたときに、オーガ9が既に上限位置にあれば、そのまま旋回操作を実行することになる。
【0031】左側排出スイッチ24が押し操作されて自動旋回が指令されたときも、右側排出スイッチ23による自動旋回操作と同様にして、それに対応する表示ランプ28を点灯させて自動旋回モードになっていることを表示する。そして、オーガ9を一旦、上限位置にまで上昇させた後に、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、前記左側排出位置LPに向けてオーガ9を自動旋回させるべく旋回用電動モータM1の作動を制御する。左側排出スイッチ24が押し操作されたときに、オーガ9が既に上限位置にあればそのまま旋回操作を実行する。又、後方排出スイッチ25が押し操作されて自動旋回が指令されたときも、右側排出スイッチ23や左側排出スイッチ24による自動旋回操作と同様にして、それに対応する表示ランプ29を点灯させて自動旋回モードになっていることを表示する。そして、オーガ9を一旦、上限位置にまで上昇させた後に、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、前記後方排出位置BPに向けてオーガ9を自動旋回させるべく旋回用電動モータM1の作動を制御する。後方排出スイッチ25が押し操作されたときに、オーガ9が既に上限位置にあればそのまま旋回操作を実行する。
【0032】上記したような各穀粒排出用の作業位置のいずれかにオーガが自動旋回した後に、穀粒排出位置を運搬車両に対して旋回方向や上下方向に微調節する必要があるときは、手動旋回用操作部20の操作により対応することができる。
【0033】そして、格納スイッチ22が押し操作されて自動旋回が指令されたときは、それに対応する表示ランプ26を点灯させて自動旋回モードになっていることを表示する。そして、オーガ9を一旦、上限位置にまで上昇させた後に、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、前記格納用の非作業位置HPに向けてオーガ9を自動旋回させるべく旋回用電動モータM1を作動させ、旋回位置検出センサRyの検出値が前記格納用の非作業位置HPに対応する値として予め設定されている値になると旋回作動を停止させる。そして、次に、その格納用の非作業位置HPで上限位置にあるオーガ9を、上限位置から前記受止具17に収納されるまでに要するとして予め設定されている所定時間だけ下降作動させてオーガ9を下降させるように昇降用油圧シリンダ15の作動を制御するように構成されている。
【0034】上記したような自動旋回操作が実行されているときに、その移動途中において、停止スイッチ31をオン操作すると、その位置でオーガ9の移動を強制的に停止させることになる。
【0035】上記構成においては、例えば、穀粒排出用の作業位置としてオーガ9を左側排出位置LPに旋回させている状態で、穀粒排出用の作業位置を前記後方排出位置BPに変更させる場合には前記後方排出スイッチ25を押し操作すればよく、右側排出位置RPに変更させる場合には前記右側排出スイッチ23を押し操作すればよい。又、格納する場合には、格納スイッチ22を押し操作すればよい。このようにして、4つの自動旋回用のスイッチのうちのいずれかのスイッチを1回操作するだけで所望の位置にオーガを旋回させることができる。
【0036】〔別実施形態〕以下、別実施形態を列記する。
【0037】(1)上記実施形態では、複数の穀粒排出用の作業位置として、機体の右横側外方に突出する右側排出位置RP、機体の左横側外方に突出する左側排出位置LP、機体の後方外方に突出する後方排出位置BPの3位置が設定される場合を例示したが、このような構成に限らず、旋回方向に互いに位置が異なる2つ以上の作業位置を設定するものであれば本願発明は適用できる。
【0038】(2)上記実施形態では、車体の平面視での外形を示す図形表示部を備えて、その図形表示部の近傍に、その図形表示部における車体の外形表示に前記各穀粒排出用の作業位置を対応させた状態で、前記複数の旋回指令部を配置させる構成としたが、このような図形表示部を備えない構成でもよい。又、前記複数の旋回指令部が、夫々、押し操作式のスイッチにて構成され、格納用の非作業位置に割り当てられた旋回指令部を構成するスイッチが、他のスイッチよりも大きい操作面を備えて構成されるものを例示したが、このような構成に限らず、旋回操作部としては、押し操作式で構成してすべてのスイッチの操作面の大きさを同じに構成してもよく、あるいは、揺動操作式のスイッチやスライド操作式のスイッチで構成する等、各種の形態で実施するものでもよい。
【0039】(3)上記実施形態では、旋回用アクチュエータを電動モータにて構成し、昇降用アクチュエータを油圧シリンダにて構成したが、これに限るものではなく、例えば、両アクチュエータを、共に電動モータにて構成するようにしてもよい。
【0040】(4)上記実施形態では、手動操作式の指令手段20を、十字レバー式の操作具にて構成したが、これに限るものではなく、例えば、各昇降起動指令(上昇指令、下降指令)、各旋回起動指令(左旋回、右旋回)及び停止指令を指令する複数の押しボタンスイッチにて構成するようにしてもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2002−281816(P2002−281816A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−90199(P2001−90199)