トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 脱穀機における処理室構造
【発明者】 【氏名】渡部 高広

【氏名】伊藤 昇

【氏名】梅林 竜司

【要約】 【課題】扱室に連通して処理胴を軸架した前後方向の処理室を設け、該処理室の側面には選別された穀粒を揚上搬送する揚穀筒が立設されている脱穀機において、上記揚穀筒が処理室の側面に立設されていても、処理胴を覆う処理室カバーの着脱を容易に行うことができるようにする。

【解決手段】上記処理胴9を覆う処理室カバー16を、前後に分割形成して、後方側の処理室カバー16を揚穀筒11と干渉しない機体の後方から着脱可能とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】扱室に連通して処理胴を軸架した前後方向の処理室を設け、該処理室の側面には選別された穀粒を揚上搬送する揚穀筒が立設されている脱穀機において、上記処理胴を覆う処理室カバーを、前後に分割形成して、後方側の処理室カバーを揚穀筒と干渉しない機体の後方から着脱可能としたことを特徴とする脱穀機における処理室構造。
【請求項2】上記処理室カバーを、揚穀筒の直後方で前後に分割形成したことを特徴とする請求項1記載の脱穀機における処理室構造。
【請求項3】上記処理室カバーを、処理胴の始端部にあるラセン移送部の終端位置で前後に分割形成したことを特徴とする請求項1記載の脱穀機における処理室構造。
【請求項4】上記処理室に張設した受網を後方にスライドさせて、分割した後方側の処理室カバーの位置から着脱可能としたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の脱穀機における処理室構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、扱室に連通して前後方向の処理室を設けた脱穀機における処理室構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンバイン等に搭載される脱穀機は、扱胴を軸架した扱室の後部に前後方向の処理室を連通状に設け、扱室から送り込まれた処理物を、処理室に軸架した回転する処理胴でさらに処理して穀粒等は受網から下方に漏下させ、藁屑等は、処理室の後部に設けた排塵口から排出するようにしている。そして扱室および処理室の下方には、漏下した穀粒等の処理物を選別する選別部を設けて、選別された穀粒を籾ホッパーに揚上搬送するための揚穀筒を、処理室の側面に立設したものが知られている。
【0003】このような脱穀機に設けた処理室は、メンテナンス作業時等に、処理室カバーを外して受網を掃除する必要がある。ところが処理室の側面には、上記のような揚穀筒が、あまり隙間の無い状態で立設されているため、処理室カバーを外すには、前後どちらかにスライドさせなければならないが、そのどちらにも障害物があるときには、その障害物も取り外す必要があるので処理室カバーの着脱が容易でなかった。
【0004】また、必要に応じて受網を外す場合には、取付けた状態の受網を手前側に引き出すことで着脱している。このため、受網を外すには、まず受網の全幅に亘って処理室カバーを外さなければならず、しかも受網の正面に障害物の無いことが条件となるため、受網の着脱も容易でなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き問題点を解消すべく創作されたものであって、処理室の側面に揚穀筒が立設されていても、受網を掃除する際等においては、処理室カバーを容易に着脱することができ、さらに、受網自体も自由に着脱できる脱穀機における処理室構造を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、扱室に連通して処理胴を軸架した前後方向の処理室を設け、該処理室の側面には選別された穀粒を揚上搬送する揚穀筒が立設されている脱穀機において、上記処理胴を覆う処理室カバーを、前後に分割形成して、後方側の処理室カバーを揚穀筒と干渉しない機体の後方から着脱可能としたことを特徴とし、また、上記処理室カバーを、揚穀筒の直後方で前後に分割形成したことを特徴とし、また、上記処理室カバーを、処理胴の始端部にあるラセン移送部の終端位置で前後に分割形成したことを特徴とし、さらにまた、上記処理室に張設した受網を後方にスライドさせて、分割した後方側の処理室カバーの位置から着脱可能としたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、図面に示された実施例に基いて詳細に説明する。まず図1に示す脱穀機の平面図において、脱穀機1の前部に設けた扱室2には、多数の扱歯3を固設した扱胴4が回転自在に軸架されている。5は扱口に沿って配設されたフィードチエン、6は扱室2の後部一側に開口する送塵口であって、この送塵口6に連通して前後方向の処理室7が扱室2と並列状に設けられている。
【0008】上記処理室7の内部には複数の処理歯8を固設した処理胴9が扱胴4と平行状に軸架されていて、送塵口6から送り込まれた処理物を回転する処理胴9でさらに処理して穀粒を分離し、藁屑等は処理室7の後部に設けた排塵口10から排出するようになっている。また扱胴4および処理胴9の外周には脱穀後の穀粒等が漏下する受網が張設されており、扱室2の後方は風選室となっている。
【0009】上記扱室2および処理室7の下方には、搖動板、チャフシーブ、ストローラック等からなる選別体が前後揺動自在に架設されており、その下方には、機体の前方にある唐箕から選別風が送風されて、扱室2および処理室7から漏下した穀粒等を選別体の揺動作用と選別風の風選作用とで選別する選別部が構成されている。そして選別された穀粒を一番ラセンから揚上搬送してホッパーに回収する揚穀筒11が処理室7の側面に立設されている。12は二番ラセンから二番物を還元する還元筒である。
【0010】また、13は処理胴9の始端部に設けた移送ラセンであって、送塵口6から送込まれた処理物を、この移送ラセン13によって後方の処理歯8に向けて移送するラセン移送部14が形成されている。15は処理胴9の終端部に設けたに跳出し板であって、この跳出し板15が処理胴9の終端部まで移送された藁屑等を排塵口10から跳出して排出するものである。
【0011】16は処理室7を開閉する処理室カバーであって、図2で示すように、この処理室カバー16の上下端縁を処理室フレーム17にボルト18で締付け固定することにより、処理胴9の揚穀筒11側が、処理室カバー16で覆れている。また、19は受網であって、この受網19の上下端縁を上記処理室フレーム17に処理室カバー16と対向状に締付け固定することにより、処理胴9の揚穀筒11と反対側に受網19が張設されている。20は受網19と一体の仕切板である。
【0012】また上記処理室カバー16は、揚穀筒11と重合した位置にある前方側カバー16aと、揚穀筒11と重合しない後方側カバー16bとに分割形成されている。そしてボルト18を外せば、後方側カバー16bを揚穀筒11と干渉することなく機体の後方から着脱可能となっている。また上記処理室カバー16は、揚穀筒11の直後方の位置で分割形成されていて、揚穀筒11の後方を広く開放できるようになっている。
【0013】さらに上記処理室カバー16は、処理胴9の始端部に設けたラセン移送部14の終端位置で前後に分割形成されていて、後方側カバー16bを外すのみで、ラセン移送部14の後方にある処理歯8に対応した位置にある受網19を掃除できるようになっている。
【0014】一方、処理歯8と対応した位置に張設される受網19は、図3で示すように、後方側カバー16bと対向状に締付け固定するとともに、その前端側には、前方側カバー16aとラップするラップ部19aが形成されている。そして受網19をラップ部19aの長さだけ後方にスライドさせることにより、後方側カバー16bの位置から受網19を着脱できるようになっている。
【0015】また、図4、図5に示すものは、前方側カバー16aをボルト21で固定し、後方側カバー16bは工具の不用な把持ボルト22で固定したものである。すなわち、握り部の操作で締付け可能な把持ボルト22を使用することにより、受網19の掃除等をする際に必ず着脱する後方側カバー16bを、いちいち工具等を用いることなく容易に着脱できるようにしたものである。
【0016】上記のように構成したから、フィードチエン5により扱口に沿って供給された穀稈は、回転する扱胴4で脱穀処理され、受網を漏下した穀粒や藁屑等は、選別部に設けた選別体の搖動作用と、唐箕からの選別風による風選作用とを受けて選別され、選別後の精粒は一番ラセンから揚穀筒11が揚上搬送してホッパーに回収される。
【0017】また、扱室2で受網を漏下し得なかった穂切れ穀稈や小枝梗等が混合した処理物は、扱室2の後部に開口した送塵口6から処理室7に送り込まれ、回転する処理胴9でさらに処理されて、分離した穀粒等は、受網19を漏下して選別部で選別され、藁屑等は処理室7の後部に設けた排塵口10から排出される。
【0018】そして、処理室7の受網19を掃除する際には、処理室カバー16を取り外す必要があるが、処理胴9を覆う上記処理室カバー16は、前方側カバー16aと後方側カバー16bとに分割形成されているので、前記揚穀筒11が処理室7の側面に立設されていても、後方側カバー16bを揚穀筒11と干渉しない機体の後方から取り外せば、前方側カバー16aも後方にスライドさせて取り外すことができる。また処理室カバー16を揚穀筒11の直後方で分割したので、後方側カバー16bを取り外すのみで、揚穀筒11の後方を広く開放することができる。
【0019】また処理室カバー16を、処理胴9の始端部にあるラセン移送部14の終端位置で前後に分割したものでは、後方側カバー16bを取り外せば、処理胴9の処理歯8を固設した部位が開放されるので、通常の点検作業時には、後方側カバー16bを取り外すのみで、最も詰まり易い受網19の処理歯8に対応した部位を容易に掃除することができる。
【0020】また、受網19自体を必要に応じて取り外す際には、まず後方側カバー16bを取り外し、ついで受網19を、前方側カバー16aとラップするラップ部19aの長さだけ後方にスライドさせれば、後方側カバー16bの位置から受網19を容易に着脱することができる。そして受網19を取付けた際には、前方側カバー16aとラップさせるラップ部19aの分だけ受網19の面積を大きくすることができる。
【0021】
【発明の効果】これを要するに本発明は、扱室に連通して処理胴を軸架した前後方向の処理室を設け、該処理室の側面には選別された穀粒を揚上搬送する揚穀筒が立設されている脱穀機において、上記処理胴を覆う処理室カバーを、前後に分割形成して、後方側の処理室カバーを揚穀筒と干渉しない機体の後方から着脱可能とし、また、 上記処理室カバーを、揚穀筒の直後方で前後に分割形成し、また、上記処理室カバーを、処理胴の始端部にあるラセン移送部の終端位置で前後に分割形成し、さらにまた、上記処理室に張設した受網を後方にスライドさせて、分割した後方側の処理室カバーの位置から着脱可能としたことから、分割した後方側の処理室カバーを揚穀筒と干渉しない機体の後方から取り外せば、前方側の処理室カバーも、後方にスライドさせて取り外すことができるので、処理室の側面に揚穀筒が立設されていても、処理室カバーの着脱を容易に行うことができる。
【0022】また、処理室カバーを、処理胴にあるラセン移送部の終端位置で分割したものでは、通常の点検作業時に、後方側の処理室カバーを取り外すのみで、処理室に張設した受網の掃除を行うことができる。
【0023】そして、処理室に張設した受網を、後方にスライドさせて後方側の処理室カバーの位置から着脱できるので、スライドさせる長さだけ受網を前方側の処理室カバーとラップさせて、受網の面積を大きくすることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2002−272250(P2002−272250A)
【公開日】 平成14年9月24日(2002.9.24)
【出願番号】 特願2001−75849(P2001−75849)