トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】竹内 賢一朗

【氏名】土居原 純二

【氏名】泉 浩二

【氏名】釘宮 啓

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱胴10を軸装した脱穀室11と、脱穀室11の下方に設けた風選室15と、該風選室15に送風する送風唐箕13と、前記風選室15に設けた送風唐箕13の送風と揺動により穀粒を選別する揺動選別棚16とを有する脱穀装置3を設け、該脱穀装置3内の穀粒と穀稈の何れか一方または両方の水分値を検出する近赤外線水分計26と、前記風選室15の終端側に設けた機外に排出される穀粒を検出する穀粒センサ27とを夫々設け、前記近赤外線水分計26により検出の水分値と前記穀粒センサ27により検出の排塵ロスによって、前記送風唐箕13の回転数と前記揺動選別棚16のシーブ19の間隔を調節するようにしたコンバイン。
【請求項2】 請求項1において、前記送風唐箕13の回転数と前記揺動選別棚16のシーブ19の間隔は、水分値が閾値より低く排塵ロスが閾値より低くいときは送風唐箕13の回転およびシーブ19の間隔は標準とし、水分値が閾値より低くて排塵ロスが閾値より多いとき送風唐箕13は標準回転としつつシーブ19を一段開き、排塵ロスが閾値より低くて水分値が閾値より高いときはシーブ19の間隔は標準としつつ送風唐箕13の回転を上げ、水分値および排塵ロスが閾値より高いときは送風唐箕13の回転を一段上げつつシーブ19の間隔を一段開くようにしたコンバイン。
【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記近赤外線水分計26による水分値の計測は所定距離走行するごとに区間平均水分値を算出し、次ぎの後続所定区間の後続区間平均水分値を算出する共に前記先行区間平均水分値を閾値として当該後続所定区間の制御し、もって、区間平均水分値の算出と制御を反復するようにしたコンバイン。
【請求項4】 請求項1または請求項2において、前記脱穀装置3の未刈地側の側部には未刈地側に突出して穀稈の付着している水分を払う露払い装置30を設け、該露払い装置30には前記近赤外線水分計26を設けると共に、機体所望位置に設けた機体位置測定手段32によって前記近赤外線水分計26の測定位置を測定水分値とともに記憶し、機体が前記測定位置に周回すると前記記憶水分値を閾値として制御するようにしたコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバインに係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の特開平10−313666号公報には、送風唐箕の回転数と揺動選別棚のシーブの間隔を水分値によって調節する構成について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、水分値のみにより制御するので、水分値が高いという理由のみで送風唐箕の回転数を上げるので、排塵ロスが全く考慮されておらず、排塵ロスが多いという課題がある。また、同様に、水分値が高いという理由のみでシーブの間隔を広げるので、選別棚上の選別対象物の層が薄い場合、稈切れが多く一番に混入するという課題があり、取出した穀粒の品質が低下するという課題がある。なお、シーブの間隔を広げつつ、送風唐箕の回転数を上げても、シーブ間からの稈切れ落下は防止できないので、課題は以前解決しない。即ち、公知例は、水分値を基準に制御するが、水分値が高ければ、脱穀装置の負荷が高いという単純な前提(想定)で制御するので、実情にそぐわないものになるのである。本発明は、水分値を基準に制御するが、制御を工夫することで、合理的に制御精度の向上を実現したものである。
【0004】
【発明の目的】脱穀作業における各種制御精度の向上、作業効率の低下の回避。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、扱胴10を軸装した脱穀室11と、脱穀室11の下方に設けた風選室15と、該風選室15に送風する送風唐箕13と、前記風選室15に設けた送風唐箕13の送風と揺動により穀粒を選別する揺動選別棚16とを有する脱穀装置3を設け、該脱穀装置3内の穀粒と穀稈の何れか一方または両方の水分値を検出する近赤外線水分計26と、前記風選室15の終端側に設けた機外に排出される穀粒を検出する穀粒センサ27とを夫々設け、前記近赤外線水分計26により検出の水分値と前記穀粒センサ27により検出の排塵ロスによって、前記送風唐箕13の回転数と前記揺動選別棚16のシーブ19の間隔を調節するようにしたコンバインとしたものである。本発明は、前記送風唐箕13の回転数と前記揺動選別棚16のシーブ19の間隔は、水分値が閾値より低く排塵ロスが閾値より低くいときは送風唐箕13の回転およびシーブ19の間隔は標準とし、水分値が閾値より低くて排塵ロスが閾値より多いとき送風唐箕13は標準回転としつつシーブ19を一段開き、排塵ロスが閾値より低くて水分値が閾値より高いときはシーブ19の間隔は標準としつつ送風唐箕13の回転を上げ、水分値および排塵ロスが閾値より高いときは送風唐箕13の回転を一段上げつつシーブ19の間隔を一段開くようにしたコンバインとしたものである。本発明は、前記近赤外線水分計26による水分値の計測は所定距離走行するごとに区間平均水分値を算出し、次ぎの後続所定区間の後続区間平均水分値を算出する共に前記先行区間平均水分値を閾値として当該後続所定区間の制御し、もって、区間平均水分値の算出と制御を反復するようにしたコンバインとしたものである。本発明は、前記脱穀装置3の未刈地側の側部には未刈地側に突出して穀稈の付着している水分を払う露払い装置30を設け、該露払い装置30には前記近赤外線水分計26を設けると共に、機体所望位置に設けた機体位置測定手段32によって前記近赤外線水分計26の測定位置を測定水分値とともに記憶し、機体が前記測定位置に周回すると前記記憶水分値を閾値として制御するようにしたコンバインとしたものである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例をコンバインの図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は機体フレーム1の下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、6はグレンタンク5の前側に設けた操縦部である。前記脱穀装置3の上部には扱胴10を軸装した脱穀室11を設け、扱胴10の主として下方側は扱網12により包囲し、扱網12の下方には送風唐箕13のケーシング14を設け、送風唐箕13は扱胴10の軸心方向終端側(後側)に向けて送風する。前記脱穀室11の下方から後方にかけては前記送風唐箕13の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室15を形成する。また、前記送風唐箕13は任意の構成により回転変更可能に構成している。
【0007】風選室15内には、送風唐箕13の送風方向に往復揺動する揺動選別棚16を設ける。揺動選別棚16は、その始端部に移送突起17を揺動方向に並設した移送棚18を前記ケーシング14の上方に臨ませ、移送棚18に落下した落下物を風選室15へ移送させるようにして揺動選別棚16とケーシング14の取付スペースを有効に配置している。19は前記移送棚18に続いて設けた穀粒と異物とを選別するシーブであり、公知の構成により隣接するシーブ19のフィン(符号省略)の間隔を広狭に調節可能に構成している。20は藁屑を移送し得るストローラック、21はシーブ19の下方に設けた一番コンベア、22は二番コンベア、23は風選室15の終端側に設けた塵埃や藁屑を吸引する吸引排塵ファンである。
【0008】しかして、前記脱穀室11の入口の漏斗部25に近赤外線水分計26を設け、また、風選室15の終端側には穀粒を検出する穀粒センサ27を設け、水分値と排塵ロスの相関関係により前記送風唐箕13の回転とシーブ19の間隔を調節する。28は送風唐箕13の回転変速機構、29はシーブ19の間隔調節機構である。即ち、水分値が閾値より低く排塵ロスが閾値より低くいときは送風唐箕13の回転およびシーブ19の間隔は標準とし、水分値が閾値より低くて排塵ロスが閾値より多いとき送風唐箕13は標準回転としつつシーブ19を一段開き、排塵ロスが閾値より低くて水分値が閾値より高いときはシーブ19の間隔は標準としつつ送風唐箕13の回転を上げ、水分値および排塵ロスが閾値より高いときは送風唐箕13の回転を一段上げつつシーブ19の間隔を一段開くようにする(図3)。
【0009】しかして、前記近赤外線水分計26による水分値の計測は、所定間隔を置いて所定時間計測して、この間の穀粒の水分値の平均値を割り出し、該平均値を次ぎの計測区間までの水分値の閾値として、前記送風唐箕13の回転等の制御を行うように構成する。即ち、圃場を細分化して、短時間における平均値により制御することで、一部の異常値によらずに実情にあった精度の高い制御が得られる。また、前記脱穀装置3の未刈地側の側部には、未刈地側に突出する露払い装置30を設ける。露払い装置30は未刈地側の穀稈の穂先部分に接触して穀稈に付着している水分を払って、露払い装置30により露を払われた穀稈は圃場を一周して戻ってきた刈取部4により刈取られる。そこで、前記露払い装置30のフレーム31に前記近赤外線水分計26を設けると共に、機体所望位置に設けた衛星からの電波により機体の位置を測定しうる等の手段により構成した機体位置測定手段(GPS)32によって測定位置を記憶させ、機体を周回させてその水分値測定地点になると事前に測定した水分値によって制御する。
【0010】また、前記露払い装置30の構成は任意であるが、実施例では、前記フレーム31を脱穀装置3の側部の格納位置と側方に突出する作用位置の間縦軸回動自在に固定部に取付け、フレーム31に穀稈に接触する弾性体等により形成した接触体33を設けて構成し、前記近赤外線水分計26は露払い装置30により水分が払われた状態で検出するように設ける。前記近赤外線水分計26は、その構成は任意であるが、一例を示すと、光源から穀粒に光を照射し、穀粒からの反射光のうち水分によって吸収される率の大きい1.45マイクロメータの近赤外線のみをフィルタ等の手段により透過させ、この透過波を水分計測用受光素子により受光し、穀粒の水分値を計測する。しかして、前記揺動選別棚16の移送棚18の前側部分には送風装置35を設け、該送風装置35は前記近赤外線水分計26により所定以上の水分値を検出すると回転して移送棚18上面に送風して乾燥させて付着物の付着を抑制させる。送風装置35は左右方向の送風ファン36を軸装し、送風ファン36にエンジンの回転を伝達して風選室15の終端方向に向かって移送棚18に送風するように構成する。
【0011】しかして、前記揺動選別棚16は、穀粒および穀稈の水分値によって揺動させる揺動回転数を所定時間ごとに変化させ、揺動選別棚16の慣性力によって揺動選別棚16の付着物の付着を抑制するように構成する。揺動選別棚16の揺動回転伝達構成は任意であり、該揺動回転伝達経路中に揺動変速機構(ベルト変速機構)37を設ければよく、揺動回転数は水分値が低いときは低く、高いときは高くすると、好適である。しかして、一番コンベア21の終端には揚穀装置39の下部を接続し、揚穀装置39の上部はグレンタンク5に接続する。揚穀装置39は公知のものであり、揚穀筒40内に揚穀螺旋(図示省略)を設け、揚穀螺旋の上部には穀粒を飛ばす回転体を設け、グレンタンク5内に均等に穀粒が供給されるようにしている。前記揚穀装置39によりグレンタンク5内に供給される穀粒の飛散軌跡中には、穀粒比重測定式水分測定装置41を設ける。穀粒比重測定式水分測定装置41はグレンタンク5の内面に縦の上下筒42を上下自在に取付け、上下筒42は重量計43により重量を計測可能に構成し、上下筒42の下部には所定量の穀粒を貯留するための開閉弁44を設け、開閉弁44はバネ弾力等により上下筒42の下部開口部を閉塞し、所定以上の穀粒が溜るとバネ弾力等に抗して上下筒42の下部開口部を開放するように構成する。
【0012】上下筒42には一つまたは複数の穀粒検知スイッチ45を設け、穀粒検知スイッチ45により検出した穀粒量の重量を重量計43により検出し、この検出値を予め設定した水分含有データと比較することにより、穀粒の水分値を測定する。穀粒比重測定式水分測定装置41は機械的に水分の重量を測定することにより水分値を測定するものであり、コストを低くする。この場合、水分値が高いときは排出揚穀装置46から排出オーガ47の先端に至る排出経路中の回転を低くし、水分値が低いときは排出経路中の回転を高くすると、詰まり発生を抑制して、排出効率を向上させて好適である。しかして、前記脱穀室11の側部には二番処理室50を設け、二番処理室50には処理物を脱穀室11の始端側に搬送させながら処理する二番処理胴51を軸装し、二番処理室50の終端の二番物還元口52は移送棚18の右側に開口させ、二番物還元口52の下方と移送棚18の上面との間には左右方向の搬送拡散装置53を設ける。搬送拡散装置53は駆動回転する螺旋翼体54により構成し、螺旋翼体54は脱穀室11および二番処理室50の下方に軸装して設ける。この場合、前記二番処理胴51の下方側は二番物還元口52を除いて無孔板55により包囲し、二番物還元口52は無孔板55の一部に開口させて形成し、二番処理胴51により処理された処理物は二番物還元口52のみから落下させて搬送拡散装置53により拡散させると、移送棚18の始端部還元され、移送棚18上には脱穀室11からの落下物と還元物が幅方向に均一化されることになって、好適である。また、扱胴10と二番処理胴51は図11のように対向して回転し、扱胴10と共回りした枝梗付着粒は扱網12を通って二番処理室50内に入って処理され、合理的に処理される。
【0013】また、図13は、前記螺旋翼体54の二番物還元口52側の外周を網体56により包囲し、二番物還元口52より網体56内に入った処理物を回転する螺旋翼体54により処理するように構成し、これにより二番処理室50と併せて処理ができて処理効率が向上し、脱穀負荷を軽減させている。そして、搬送拡散装置53により落下物の多い二番処理室50側から反対側に二番処理物を移送させながら処理し、網体56の終端より反二番処理室50側で螺旋翼体54は処理物を移送棚18上に拡散させる。しかして、前記二番処理室50には穀粒詰まりセンサ60を設け、穀粒詰まりセンサ60により処理物の量が多いことを検出すると、前記吸引排塵ファン23の回転を上昇させるように構成する。
【0014】
【作用】次に作用を述べる。機体を走行装置2により走行させると、刈取部4により穀稈を刈取り、刈取った穀稈は脱穀室11に供給され、脱穀室11内の回転する扱胴10により脱穀され、扱網12より落下した落下物は揺動選別棚16の移送棚18上に落下し、移送棚18の移送突起により移送されてシーブ19上に至る。シーブ19上では、揺動するシーブ19と送風唐箕13からの送風とにより藁屑と穀粒が分離し、穀粒と少しの藁屑がシーブ19の隙間より落下し、シーブ19の隙間より落下しない落下しない藁屑等は、揺動選別棚16の揺動と送風唐箕13の送風により排出側に移動し、風選室15の終端側では、塵埃や藁屑を吸引排塵ファン23により吸引排除され、吸引排塵ファン23により吸引されない藁屑はストローラック20上に至り、ストローラック20より落下しない藁屑等は機外に排出される。
【0015】また、二番コンベア22により回収された二番物は脱穀室11または二番処理室に戻して処理され、再び風選室15に供給されて風選処理される。しかして、近赤外線水分計26により脱穀室11に供給される穀稈の水分値を検出し、また、風選室15の終端側の穀粒センサ27により排出ロスを検出するように構成し、水分値と排塵ロスの相関関係により前記送風唐箕13の回転とシーブ19の間隔を調節するから、単に、選別の負荷の増減だけでなく、水分値と排塵ロスに応じた最適な制御が行え、選別効率を向上させる。即ち、水分値が閾値より低く排塵ロスが閾値より低くいときは送風唐箕13の回転およびシーブ19の間隔は標準とすればよく、そのまま作業を続行する。次ぎに、水分値が閾値より低くて排塵ロスが閾値より多いときは、揺動選別棚16上の選別処理対象物の層が厚くなって、選別負荷が高いことを示すから、送風唐箕13は標準回転としつつシーブ19を一段開いて、穀粒をシーブ19より落として、負荷を軽減させると共に送風唐箕13の送風による飛散ロスを抑制し、排塵ロス抑制優先制御となる。
【0016】この場合、単に、水分値を基準にすると、穀稈等の水分が少ないことから、その後の選別負荷はそのまま推移すると想定されてしまうが、現状では排塵ロスがあることを検出することで、これを抑制する排塵ロス抑制優先制御が可能となって、選別精度および効率を向上させ、また、送風唐箕13は標準回転としつつシーブ19を一段開くので、送風唐箕13の送風による飛散ロスを抑制できる点も実効性を高めている。次ぎに、排塵ロスが閾値より低くて水分値が閾値より高いときは、揺動選別棚16上の選別処理対象物の層はそれ程が厚くなく標準以下であり、選別負荷も標準以下であることを示すから、シーブ19の間隔は標準としつつ送風唐箕13の回転を上げ、選別処理対象物の水分値を下げる乾燥優先制御として、詰まり・付着等の所謂濡れ扱き状態特有の減少を抑制して、選別処理効率を向上させる。この場合、単に、水分値を基準にしてシーブ19間隔を広げても、穀稈の乾燥には余り作用せず、むしろ稈切れが一番コンベア21に多く混入するだけであるが、本願ではシーブ19の間隔を広げずに送風唐箕13の回転を上げて対応するので、実効性が高くしかも不具合の少ない合理的な乾燥制御となって、極め細かく精度の高い制御を実現する。
【0017】また、水分値および排塵ロスが閾値より高いときは送風唐箕13の回転を一段上げつつシーブ19の間隔を一段開くようにするので、穀稈および穀粒等の乾燥と排塵ロスの抑制とを行える。しかして、近赤外線水分計26による水分値の計測は、機体走行中の所定間隔を所定時間計測して、この間の穀粒の水分値の平均値を割り出し、この水分値平均値を次ぎの計測区間までの水分値の閾値とするから、一部の異常値に左右されない実情にあった精度の高い制御が行え、また、計測区間を細分化することにより、制御精度を向上させる。即ち、図のようにC−D間の走行中に数回水分値を計測し、この平均値を水分値の閾値としてD−E間を制御し、D−E間の走行中に数回水分値を計測し、この平均値を水分値の閾値としてE−F間を制御し、これを反復する。したがって、C−D間とD−E間ではそれ程水分値は変化せず、制御精度が保持され、A−B間に対して離れたF−G間では水分値が相当に相違している場合があり、全体の制御精度を向上させる。
【0018】また、前記脱穀装置3の未刈地側の側部には、未刈地側の穀稈の穂先部分に接触して穀稈に付着している水分(露)を払う露払い装置30を、未刈地側に突出するように設け、露払い装置30に近赤外線水分計26を設けると共に、近赤外線水分計26の計測地点を機体位置測定手段32によって検出するから、刈取脱穀する前に予め近赤外線水分計26による水分値と測定位置を記憶し、機体を周回させてその水分値測定地点になったときに、当該データによって制御する。したがって、脱穀装置3に供給される前に、供給されるべき穀稈および穀粒の水分値を基準に脱穀制御するので、制御精度を向上させる。しかして、揺動選別棚16の移送棚18の前側部分には送風装置35を設け、該送風装置35は近赤外線水分計26により所定以上の水分値を検出すると回転するように構成しているから、濡れた穀稈や穀粒が移送棚18に落下すると、移送棚18上に送風してこれらを乾燥させ、移送棚18および揺動選別棚16等への塵埃等の付着物の付着を抑制させ、選別負荷を軽減させる。
【0019】しかして、揺動選別棚16は、穀粒および穀稈の水分値によって揺動させる揺動回転数を所定時間ごとに変化させるから、揺動選別棚16の慣性力によって揺動選別棚16の付着物の付着を抑制でき、選別負荷を軽減させる。特に、水分値が高いとき揺動回転数を高くすると、慣性力が大きくなって、選別負荷を軽減させ、好適である。しかして、前記グレンタンク5には一番コンベア21より機外に取り出された穀粒を揚穀する揚穀装置39の上部を接続し、グレンタンク5内に揚穀装置39により供給される穀粒の一部が入る上下筒42を上下自在に重量計43を介して設け、上下筒42の下部に所定量の穀粒が貯留されるとバネ弾力に抗して開放する開閉弁44を設け、上下筒42には一つまたは複数の穀粒検知スイッチ45を設けて構成した穀粒比重測定式水分測定装置41をグレンタンク5内に設けているから、穀粒検知スイッチ45により上下筒42内の一定量の穀粒を検出すると、この穀粒量の重量を重量計43により検出し、この検出値を予め設定した水分含有データと比較することにより、穀粒の水分値を測定できる。
【0020】したがって、穀粒比重測定式水分測定装置41は機械的に水分の重量を測定することにより水分値を測定するから、コストを低くする。しかして、前記脱穀室11の側部には二番処理室50を設け、二番処理室50には処理物を脱穀室11の始端側に搬送させながら処理する二番処理胴51を軸装し、二番処理室50の終端の二番物還元口52は移送棚18の右側に開口させ、二番物還元口52の下方と移送棚18の上面との間には左右方向の駆動回転する螺旋翼体54により構成した搬送拡散装置53を設けているから、二番物還元口52から落下する二番処理物は搬送拡散装置53により移送棚18の幅方向に拡散され、風選室15への供給を幅方向に均一化して、風選作用を向上させる。この場合、二番処理室50は二番処理胴51の下方側周面を二番物還元口52を除いて無孔板55により包囲し、二番処理胴51により処理された処理物が二番物還元口52から落下するようにすると、処理物は搬送拡散装置53により移送棚18の始端部に拡散され、風選室15への供給状態を均一にして良好化させて好適である。また、扱胴10と二番処理胴51とは互いに向かい合って上昇回転するようにしているから、扱胴10と共回りした枝梗付着粒は扱網12を通って二番処理室50内に入って処理され、二番物還元口52からは反二番物還元口52側に二番処理胴51と共回りして処理物が排出されて、合理的に処理される。
【0021】また、図13の実施例では、螺旋翼体54の二番物還元口52側の外周を網体56により包囲しているから、二番物還元口52より網体56内に入った処理物のうち特に枝梗付着粒が回転する螺旋翼体54により処理される。したがって、二番処理室50に続いて連続処理されることにより、穀粒の分離を促進させ、また、移送棚18上の反二番物還元口52側に拡散させることになって、好適である。しかして、二番処理室50には穀粒詰まりセンサ60を設け、穀粒詰まりセンサ60により処理物の量が多いことを検出すると、前記吸引排塵ファン23の回転を上昇するように構成しているから、脱穀装置3全体の負荷を穀粒詰まりセンサ60により検出して、これにより吸引排塵ファン23の回転を制御するので、制御精度を向上させる。即ち、二番処理室50から処理物は移送棚18を通って風選室15への供給されるのであるから、二番処理室50の負荷を穀粒詰まりセンサ60により検出することは、吸引排塵ファン23に対して最も早い時点で負荷を検出して制御することになり、制御後れを確実に回避して、制御精度を向上させる。
【0022】
【効果】本発明は、扱胴10を軸装した脱穀室11と、脱穀室11の下方に設けた風選室15と、該風選室15に送風する送風唐箕13と、前記風選室15に設けた送風唐箕13の送風と揺動により穀粒を選別する揺動選別棚16とを有する脱穀装置3を設け、該脱穀装置3内の穀粒と穀稈の何れか一方または両方の水分値を検出する近赤外線水分計26と、前記風選室15の終端側に設けた機外に排出される穀粒を検出する穀粒センサ27とを夫々設け、前記近赤外線水分計26により検出の水分値と前記穀粒センサ27により検出の排塵ロスによって、前記送風唐箕13の回転数と前記揺動選別棚16のシーブ19の間隔を調節するようにしたコンバインとしたものであるから、選別の負荷の増減だけでなく、水分値と排塵ロスに応じた最適な制御が行え、選別効率を向上させる。本発明は、前記送風唐箕13の回転数と前記揺動選別棚16のシーブ19の間隔は、水分値が閾値より低く排塵ロスが閾値より低くいときは送風唐箕13の回転およびシーブ19の間隔は標準とし、水分値が閾値より低くて排塵ロスが閾値より多いとき送風唐箕13は標準回転としつつシーブ19を一段開き、排塵ロスが閾値より低くて水分値が閾値より高いときはシーブ19の間隔は標準としつつ送風唐箕13の回転を上げ、水分値および排塵ロスが閾値より高いときは送風唐箕13の回転を一段上げつつシーブ19の間隔を一段開くようにしたコンバインとしたものであるから、送風を抑制させる排塵ロス防止と送風を強くする穀稈乾燥とを合理的に両立させられる。本発明は、前記近赤外線水分計26による水分値の計測は所定距離走行するごとに区間平均水分値(A−B)を算出し、次ぎの後続所定区間の後続区間平均水分値(B−C)を算出する共に前記先行区間平均水分値(A−B)を閾値として当該後続所定区間(B−C)の制御し、もって、区間平均水分値の算出と制御を反復するようにしたコンバインとしたものであるから、圃場の部分によって穀稈の水分値が変化していても制御精度を向上させる。本発明は、前記脱穀装置3の未刈地側の側部には未刈地側に突出して穀稈の付着している水分を払う露払い装置30を設け、該露払い装置30には前記近赤外線水分計26を設けると共に、機体所望位置に設けた機体位置測定手段32によって前記近赤外線水分計26の測定位置を測定水分値とともに記憶し、機体が前記測定位置に周回すると前記記憶水分値を閾値として制御するようにしたコンバインとしたものであるから、高い精度の脱穀制御を実現、提供する。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【代理人】 【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
【公開番号】 特開2002−262649(P2002−262649A)
【公開日】 平成14年9月17日(2002.9.17)
【出願番号】 特願2001−71282(P2001−71282)