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【発明の名称】 脱穀装置
【発明者】 【氏名】梅林 竜司

【要約】 【課題】脱穀機の扱室カバーのロック装置において、ロック解除が簡単容易で、しかも、安全性にすぐれた脱穀装置を提供する。

【解決手段】脱穀機体に開閉自在に取り付けた扱室カバーのロック装置において、上記扱室カバーの脱穀機体とのロック解除を、機外に設けたスライドレバーの押し引き操作で行うように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀機体1に開閉自在に取り付けた扱室カバー2のロック装置において、上記扱室カバー2の脱穀機体1とのロック解除を、機外に設けたスライドレバー11の押し引き操作で行うように構成したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】 スライドレバー11の操作方向を下方に傾斜させた請求項1記載の脱穀装置。
【請求項3】 ロック装置を、脱穀機体1に設けた係合部材と、該係合部材に係合する係合部を有して回動するリンクアーム23と、該リンクアーム23の一端に連結するワイヤ15を回動ローラ14を介して上記スライドレバー11に連結して構成した請求項1又は2記載の脱穀装置。
【請求項4】 扱室カバー2と一体的に扱胴5を開閉自在とした請求項1乃至3のいずれか1項記載の脱穀装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、自脱型コンバイン等に用いる脱穀装置における扱室カバーのロック装置の解除構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自脱型コンバイン等の脱穀装置において、扱室の内部や選別部等を点検・整備・清掃等したい場合に、扱室カバーと脱穀機体とのロックを解除してこれらの内部を開放して作業をし易くする構成のものは存在したが、ロック装置の解除は、ロック解除レバーを握って下方から上方に向けて回動操作するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、この方式のものでは、ロック解除レバーを握って下方から上方に向けて回動操作するので体勢に無理があり力が入りにくく、老人や女性等の非力な作業者には容易な作業ではなく、重労働であると共に、力を入れる際に手が滑って他の部分に当たる等、安全面に欠けていた。本発明の目的は、上記従来の不具合を改善する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明においては、脱穀機体に開閉自在に取り付けた扱室カバーのロック装置において、上記扱室カバーの脱穀機体とのロック解除を、機外に設けたスライドレバーの押し引き操作で行うように構成したことを第1の特徴とする。
【0005】また、スライドレバーの操作方向を下方に傾斜させたことを第2の特徴とする。
【0006】更に、ロック装置を、脱穀機体に設けた係合部材と、該係合部材に係合する係合部を有して回動するリンクアームと、該リンクアームの一端に連結するワイヤを回動ローラを介して上記スライドレバーに連結して構成したことを第3の特徴とする。
【0007】更にまた、扱室カバーと一体的に扱胴を開閉自在としたことを第4の特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本願発明の実施の形態の一例を以下図面に基づいて説明する。図1は本願発明を示す自脱型コンバイン等に用いる脱穀機の要部の平面図、図2は同上要部の側面図であって、1は脱穀機体、2は脱穀機体前方の扱室から後方の選別部に亘って設けられた扱室カバーで、脱穀機体1の奥側で前後方向に設けられたカバー支軸3を支点として、扱室カバー2全体が上下の位置に揺動固定自在となるようになっている。4は扱室カバー2(カバー支軸3側)の上下揺動を許容する丁番であって、上記カバー支軸3に沿って複数箇所設けられている。そして、扱室カバー2前半内部には扱胴5を内装した扱室が設けられ、又、扱室カバー2の後半内部には排稈搬送体6が設けられており、上記扱室の後部から排出された排稈を更に後方に搬送して脱穀機体1後方の各種排稈処理装置(図示せず)に受け渡すようになっている。
【0009】ここで、上記排稈搬送体6は、前側がブラケット7を介して後述する可動枠体8に支持されており、後側はアーム9を介して上記カバー支軸3に支持されている。なお、10は排稈搬送駆動用ギヤケースである。
【0010】また、11は上記扱室カバー2と脱穀機体1とのロックを解除するためのU字状のスライドレバーであって、図2のレールカバー12の略中央部の孔13より外側へ突出している。ここで、スライドレバー11の左右両端には後述するように、夫々回動ローラ14,14を介してロック解除用のワイヤ15,15が連結されるが、左右のローラ14,14は、単一の回動ローラ支持軸16の両端部に装着されるので、回動ローラ支持軸16がスライドレバー11を支持する枠の補強部材としての役目を果たすものである。
【0011】更に、17は上記左右の回動ローラ14,14の直後で、脱穀機体1の左右の後述するレバーフレーム18,18に一体的に設けられたパイプであって、上記スライドレバー11の左右両端の直線部分が、該パイプ17,17内で内外に向けてスライド自在に嵌挿されている。また、19,19はワイヤ取付ピンであって、上記左右のワイヤ15,15の端部を夫々、上記スライドレバー11の左右両側で且つ上記パイプ17,17挿入部分より外側に取着するものである。なお、本実施例の上記孔13は、図2の如く、スライドレバー11の横幅全体に亘る長孔のものを示したが、スライドレバー11の左右端部の2ヶ所のみに設けたものでも良く、要は、スライドレバー11の押し引き操作に何ら支障のないものであれば良い。
【0012】次に、図3は本願発明の要部を示す脱穀機の一部を断面した正面図であって、上述の扱胴5は扱胴支軸20の前後2ヵ所を、上記可動枠体8に夫々回転可能に支持されており、可動枠体8は側方のアーム21を介してカバー支軸3に上下回動自在に支持されている。そして、上記扱室カバー2は可動枠体8に取付けられているので、可動枠体8が上記カバー支軸3を中心に上下に回動すると、扱胴5,扱室カバー2及び上記排稈搬送体6が共に上下に回動することとなる。
【0013】また、これらのロック機構について説明するに、上記スライドレバー11は可動枠体8の前後の両端側に設けた一対の上記レバーフレーム18,18のパイプ17,17内に収納されるが、夫々前後のワイヤ15,15を介して前後のリンクアーム23,23に連結されている。そして、上記スライドレバー11を外方へ引っ張り操作した場合には、ワイヤ15が上記回動ローラ14を介して引っ張られて、リンクアーム23は可動枠体8に設けた揺動支軸24を支点として回動することにより、係合溝25が脱穀機体1に設けた係止ピン26から離間する方向に揺動するため、リンクアーム23と係止ピン26との係合が解除されて、扱室カバー2の開操作が許容されるようになっている。
【0014】そして、27はワイヤ15の他端部に設けた連結ピンで、上記リンクアーム23との連結は、揺動支軸24を中心とする円弧状の長孔28に連結されているため、リンクアーム23の単独揺動が許容されるようになっている。従って、スライドレバー11を押し込んだ状態では、リンクアーム23は一端に連結した戻し弾機29の弾勢力により、元の状態に自動ロックするものである。なお、30はフレーム、31はレバーフレーム22の緊締具、32は穀稈の扱口である。
【0015】次に、図4は本願のスライドレバー11周辺部を示す後方斜視図であって、扱室カバー2のロック解除をする際に、作業者はスライドレバー11に手を掛けて、矢印A方向に引っ張る丈の操作で簡単に解除操作が出来ることを示している。なお、33は穀稈の株元を挟持して穀稈を脱穀機の前方から後方へ搬送するためのフィードチェンであり、34は株元カバーを示す。
【0016】本願発明の脱穀装置は、以上のような構成よりなっており、脱穀作業中に藁屑等が脱穀選別部に詰まったりして、扱室内部や選別部等を点検・整備したい場合や作業の終了後に清掃する等のメンテナンス作業を行うような場合に、扱室カバー2を上方に回動させて扱室内を開放して作業をし易くするが、このような場合に作業者は、図3に示すように、扱室カバー2の側方、即ちレールカバー12より外部に突出しているU字状のスライドレバー11に手を掛けて、矢印のA方向に引っ張ると、スライドレバー11が回動ローラ14を介してワイヤ15を引っ張ることにより、リンクアーム23が揺動支軸24を支点として強制回動されて、係合溝25が係止ピン26から外れて扱室カバー2と脱穀機体1とのロックが解除される。
【0017】そして、この時のスライドレバー11をスライドさせる方向を図3の如く、水平よりも下方に向くように配置すると、背丈の低い人でも容易に操作が可能となるものである。また、上記パイプ17を、レバーフレーム18と一体構成としたことにより、パイプ17内に挿入されるスライドレバー11を握って扱室カバー2等の上下動が可能となるばかりか、これらのレバーフレーム18アッシーでの組立が可能となり、組立が容易となるものである。更に、図5〜6の他の実施例のように、左右のパイプ17,17位置を固定でなく、回動ローラ14直後の回動支点36でレバーフレーム18に装着すると共に、レバーフレーム18の内側の上下位置にストッパ37,37を設けて、矢印Cの如く上下に回動自在として、パイプ17の後端側の回動範囲を規制すると、スライドレバー11の引っ張り操作が作業者の身長等に関係なく、一層容易に出来るものであり、しかもスライドレバー11の回動角度が両ストッパ37,37によって規制されるので、上記と同様に扱室カバー2等の上げ下げ時にスライドレバー11を握った儘で、操作が可能となるものである。
【0018】更にまた、上記ロック装置に、回動ローラ14とワイヤ15とを採用してリンクアーム23を作動させるようにしたことにより、リンクアーム23の引っ張り方向とスライドレバー11の引っ張り方向とをお互いに自由な方向に配置できるようになったものである。ここで、図7の他の実施例のように、回動ローラ14を複数個、即ち、本願発明の回動ローラ14に加えて別の回動ローラ14aを可動枠体8に装着すると、障害物をかわしての配置がより可能となるものである。なお、前記ワイヤ取付ピン19,19のスライドレバー11への取付位置を、スライドレバー11の収納位置(ロック位置)に合わせれば、ワイヤ取付ピン19がストッパの役目を成し、別途に収納位置用のストッパが不要となる。
【0019】要するに、本願発明のロックの解除は、従来の如くロック解除レバー握って下方から上方に向けて回動操作する場合に比し、単にスライドレバー11を外方に引っ張る丈の簡単な操作で良いので、操作が容易且つ確実であると共に、安全性も向上するものであり、老人や婦人等の非力な作業者であっても迅速に操作が可能となるものである。
【0020】次に、作業者がロックの解除をしたままで、スライドレバー11を更に上方に持ち上げると、扱胴5を支持する可動枠体8や扱室カバー2及び排稈搬送体6等が一体的に、奥側のカバー支軸3を支点として上方に回動して扱室内を大きく開放して各種のメンテナンス作業をし易くする。そして、この上昇回動の際、全体ではかなりの重量となる為、これらの作業を軽快に行えるように開方向に付勢したガススプリング(図示なし)等を設けると共に、最上昇位置ではその状態を維持固定するための支持具(図示なし)を別途設けるものである。そして、所要のメンテナンス作業が終了したならば、上記支持具を外すと共に、上記扱室カバー2等を下方に押さえ、所定位置迄降ろすと自動ロック装置により再び扱室カバー2等が脱穀機体1にロックされる。
【0021】そして、これらの技術を扱室カバー2と一体的に扱胴5を開閉自在としたタイプの脱穀装置に採用することにより、その効果はより大きいものである。
【0022】
【発明の効果】本発明は、前記の如く、脱穀機体1に開閉自在に取り付けた扱室カバー2のロック装置において、上記扱室カバー2の脱穀機体1とのロック解除を、機外に設けたスライドレバー11の押し引き操作で行うように構成したので、従来に比し、操作が容易且つ確実であるばかりでなく、安全性も向上するものであり、老人や婦人等の非力な作業者であっても容易に操作が可能となるものである。
【0023】また、スライドレバー11の操作方向を下方に傾斜させたことにより、背丈の低い人でも容易に操作が可能となるものである。更に、上記ロック装置に回動ローラ14とワイヤ15とを採用して、リンクアーム23を作動させるようにしたので、リンクアーム23の押し引き方向とスライドレバー11の押し引き方向とをお互いに自由な方向に配置出来るものである。更にまた、これらの技術を、扱室カバー2と一体的に扱胴5を開閉自在とした脱穀装置に採用することにより、その作用効果はより実用的で大きいものとなる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成13年3月9日(2001.3.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−262646(P2002−262646A)
【公開日】 平成14年9月17日(2002.9.17)
【出願番号】 特願2001−66002(P2001−66002)