| 【発明の名称】 |
コンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】仲島 鉄弥
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| 【要約】 |
【課題】機体の姿勢が傾斜しているような場合であっても、自動旋回制御を実行するときにおいて、オーガを目標旋回位置で極力的確に停止させることが可能となるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を提供する。
【解決手段】機体に対して旋回操作自在に且つ昇降操作自在に備えられた穀粒排出用オーガ9を、目標旋回位置に自動旋回させる旋回指令を指令する自動旋回指令手段21の指令情報に基づいて、旋回用アクチュエータM1の作動を制御する自動旋回制御を実行するように構成され、オーガ9の旋回位置を検出する旋回位置検出手段Ryの検出情報に基づいて、オーガ9が目標旋回位置HPよりも設定量手前側に旋回されると旋回作動を設定時間停止し、その後、オーガ9を目標旋回位置に旋回させるべく旋回用アクチュエータM1を作動させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 旋回用アクチュエータにより機体に対して旋回操作自在に且つ昇降用アクチュエータにより機体に対して昇降操作自在に備えられた穀粒排出用オーガと、前記オーガを目標旋回位置に自動旋回させるための旋回指令を指令する自動旋回指令手段と、前記自動旋回指令手段の指令情報に基づいて、前記オーガを前記目標旋回位置に自動旋回させるべく、前記旋回用アクチュエータの作動を制御する自動旋回制御を実行する制御手段とが設けられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置であって、前記オーガの旋回位置を検出する旋回位置検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記自動旋回制御において、前記旋回位置検出手段の検出情報に基づいて、前記オーガが前記目標旋回位置よりも設定量手前側に旋回されると、前記旋回用アクチュエータの作動を設定時間停止し、その後、前記オーガを前記目標旋回位置に旋回させるべく前記旋回用アクチュエータを作動させるように構成されているコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。 【請求項2】 旋回用アクチュエータにより機体に対して旋回操作自在に且つ昇降用アクチュエータにより機体に対して昇降操作自在に備えられた穀粒排出用オーガと、前記オーガを目標旋回位置に自動旋回させるための旋回指令を指令する自動旋回指令手段と、前記自動旋回指令手段の指令情報に基づいて、前記オーガを前記目標旋回位置に自動旋回させるべく、前記旋回用アクチュエータの作動を制御する自動旋回制御を実行する制御手段とが設けられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置であって、前記オーガの旋回操作に移動抵抗を付与する作用状態と移動抵抗を付与しない非作用状態とに切り換え自在な抵抗付与手段と、前記オーガの旋回位置を検出する旋回位置検出手段とが設けられ、前記制御手段が、前記自動旋回制御において、前記旋回位置検出手段の検出情報に基づいて、前記オーガが前記目標旋回位置よりも設定量手前側に旋回されるまでは前記抵抗付与手段を前記非作用状態に維持し、且つ、前記オーガが前記目標旋回位置よりも設定量手前側に旋回されると前記抵抗付与手段を前記作用状態に切り換えるように構成されているコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。 【請求項3】 前記オーガが前記目標旋回位置にある状態で旋回位置を保持する保持状態と位置保持を解除する解除状態とに切り換え自在な旋回位置保持手段が備えられ、前記制御手段が、前記自動旋回制御が終了した後、前記オーガを下降させて格納用保持具に格納収納させるべく前記昇降用アクチュエータを作動させる下降制御を実行するように構成され、且つ、その下降制御を実行するときは前記旋回位置保持手段を前記保持状態に切り換えるように構成されている請求項1又は2記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、旋回用アクチュエータにより機体に対して旋回操作自在に且つ昇降用アクチュエータにより機体に対して昇降操作自在に備えられた穀粒排出用オーガと、前記オーガを目標旋回位置に自動旋回させるための旋回指令を指令する自動旋回指令手段と、前記自動旋回指令手段の指令情報に基づいて、前記オーガを前記目標旋回位置に自動旋回させるべく、前記旋回用アクチュエータの作動を制御する自動旋回制御を実行する制御手段とが設けられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置に関する。 【0002】 【従来の技術】この種のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置において、従来では、例えば特開平9−74884号公報に示されているように、前記自動旋回制御として、例えばオーガを排出作業位置から機体上部に引退する格納位置に自動格納させるように構成したものがあった。つまり、格納位置を前記目標旋回位置として設定しておき、前記自動旋回指令手段の一例としての自動スイッチの指令情報に基づいて、オーガを目標旋回位置に自動旋回させるべく旋回用アクチュエータとしての旋回用電動モータの作動を制御する自動旋回制御を実行する構成となっていた。このような構成は、例えば、旋回操作と停止とを手動で切り換え操作する手動指令式の操作構成に比べて、操作の煩わしさを少なくさせるようにしたものである。尚、格納位置には、オーガを受け止め支持するための受け具が設けられ、前記自動旋回制御が実行されて目標旋回位置に停止した後、オーガを下降させて受け具に格納するようにしていた。 【0003】そして、前記自動旋回制御を実行するときにおいて、旋回位置検出手段にて検出されるオーガの旋回位置が前記目標旋回位置になるまで旋回用電動モータを作動させ、旋回位置が前記目標旋回位置になると旋回作動を停止して、昇降用アクチュエータとしての昇降用油圧シリンダを作動させてオーガを前記受け具に格納するべく下降操作させる構成となっていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したようなオーガは、穀粒排出時には機体外方側に張り出して穀粒をトラックの荷台に能率よく排出させることを可能にするために、旋回軸芯の位置から先端の穀粒排出部まで横向きに長く延設される構成となっており、しかも、充分な支持強度を持たせるために質量が大きなものとなっている。その結果、旋回用アクチュエータにて所定の移動速度で旋回操作させているときに旋回を停止させると大きな慣性力が作用することがある。そうすると、旋回位置検出手段にて検出される旋回位置が目標旋回位置になったことが判別されると直ちに旋回用アクチュエータの旋回作動を停止させる構成とした場合であれば、この大きな慣性力に起因して旋回位置が目標旋回位置から行き過ぎてしまうことがあり、例えば、格納位置に自動旋回させるような場合には、オーガが前記受け具に適正に収納されないといった不都合が生じるおそれがある。 【0005】そこで、上記したような慣性力に起因した過剰操作を未然に防止するために、次のような改良構成が考えられた。すなわち、慣性力が作用してオーガを目標旋回位置に停止させるために、オーガを停止させるための自動旋回制御における旋回停止用の目標位置を、慣性力に起因した行き過ぎ量を見越して前記目標旋回位置よりも設定量だけ手前側になるように設定した状態でオーガの自動旋回制御を実行する構成である。 【0006】ところで、上記改良構成において、自動旋回制御における旋回停止用の目標位置を設定する場合に、標準的な作業状態、例えば、機体が水平姿勢に設定されている状態における慣性力に起因した過剰操作に対応する量だけ前記目標旋回位置よりも手前側に設定することが考えられるが、コンバインのような作業車では、作業中に常に水平姿勢になっているとは限らず、機体が傾斜しているような場合もある。例えば、機体が傾斜している状態で、オーガを傾斜下方側に向かうように旋回操作させるときには、オーガ自身の荷重によって旋回操作を停止させる力が、水平姿勢のときに比べて弱くなり、その結果、慣性力に起因した行き過ぎ量が水平姿勢のときよりも大きくなる。又、傾斜上方側に向かうように旋回操作させるときには、逆に、旋回操作を停止させる力が水平姿勢のときに比べて大きくなり、その結果、慣性力に起因した行き過ぎ量が水平姿勢のときよりも小さくなる。従って、上記改良構成のように、慣性力に起因した行き過ぎ量を見越して目標旋回位置よりも設定量だけ手前側になるように設定した状態で、オーガの自動旋回制御を実行するように構成した場合であっても、機体の姿勢が傾斜しているような場合には目標旋回位置で適正に停止させることができないおそれが大となっていた。 【0007】本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、機体の姿勢が傾斜しているような場合であっても、自動旋回制御を実行するときにおいて、オーガを目標旋回位置で極力的確に停止させることが可能となるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を提供する点にある。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1によれば、旋回用アクチュエータにより機体に対して旋回操作自在に且つ昇降用アクチュエータにより機体に対して昇降操作自在に備えられた穀粒排出用オーガと、前記オーガを目標旋回位置に自動旋回させるための旋回指令を指令する自動旋回指令手段と、前記自動旋回指令手段の指令情報に基づいて、前記オーガを前記目標旋回位置に自動旋回させるべく、前記旋回用アクチュエータの作動を制御する自動旋回制御を実行する制御手段とが設けられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置において、前記オーガの旋回位置を検出する旋回位置検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記自動旋回制御において、前記旋回位置検出手段の検出情報に基づいて、前記オーガが前記目標旋回位置よりも設定量手前側に旋回されると、前記旋回用アクチュエータの作動を設定時間停止し、その後、前記オーガを前記目標旋回位置に旋回させるべく前記旋回用アクチュエータを作動させるように構成されていることを特徴とする。 【0009】すなわち、オーガを目標旋回位置に自動旋回させるべく旋回用アクチュエータの作動を制御する自動旋回制御を実行する場合において、前記旋回位置検出手段の検出情報に基づいてオーガが目標旋回位置よりも設定量手前側に旋回すると、そこで旋回用アクチュエータの作動を停止させて設定時間が経過した後、オーガを目標旋回位置に旋回させるべく旋回用アクチュエータを作動させるのである。ここで、前記設定量は、オーガを旋回停止させたときに慣性力により過剰操作される旋回移動量よりも大きい値に設定され、しかも、前記設定時間としては、旋回用アクチュエータの作動を停止させた後にオーガの慣性力により旋回移動が継続したとき、その慣性力による移動が終了するのに充分な時間が設定されることになる。 【0010】このように、オーガの旋回操作を目標旋回位置よりも設定量手前側で停止させることで、旋回停止させたときに慣性力による過剰操作が発生しても、その慣性力による過剰操作が終了した後においてオーガは目標旋回位置の操作手前側に位置する状態で移動を停止する。このとき、機体が傾斜しておりオーガが傾斜上方側に旋回するときは勿論、傾斜下方側にオーガが旋回するときであっても、オーガは目標旋回位置の操作手前側に位置する状態で移動を停止することになる。そして、その停止状態からオーガを目標旋回位置に旋回させるべく旋回用アクチュエータを作動させるのであるが、そのとき、オーガは停止状態から旋回操作し始めることになり少し移動しただけで停止することになるので、大きな慣性力により過剰操作されることはなく、目標旋回位置にて的確に停止させることが可能となる。 【0011】従って、機体の姿勢が傾斜しているような場合であっても、自動旋回制御を実行するときにおいて、オーガを目標旋回位置で極力的確に停止させることが可能となるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を提供できるに至った。 【0012】請求項2によれば、旋回用アクチュエータにより機体に対して旋回操作自在に且つ昇降用アクチュエータにより機体に対して昇降操作自在に備えられた穀粒排出用オーガと、前記オーガを目標旋回位置に自動旋回させるための旋回指令を指令する自動旋回指令手段と、前記自動旋回指令手段の指令情報に基づいて、前記オーガを前記目標旋回位置に自動旋回させるべく、前記旋回用アクチュエータの作動を制御する自動旋回制御を実行する制御手段とが設けられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置において、前記オーガの旋回操作に移動抵抗を付与する作用状態と移動抵抗を付与しない非作用状態とに切り換え自在な抵抗付与手段と、前記オーガの旋回位置を検出する旋回位置検出手段とが設けられ、前記制御手段が、前記自動旋回制御において、前記旋回位置検出手段の検出情報に基づいて、前記オーガが前記目標旋回位置よりも設定量手前側に旋回されるまでは前記抵抗付与手段を前記非作用状態に維持し、且つ、前記オーガが前記目標旋回位置よりも設定量手前側に旋回されると前記抵抗付与手段を前記作用状態に切り換えるように構成されていることを特徴とする。 【0013】すなわち、オーガを目標旋回位置に自動旋回させるべく旋回用アクチュエータの作動を制御する自動旋回制御を実行する場合において、オーガが目標旋回位置よりも設定量手前側に至るまでは抵抗付与手段が非作用状態であるから、旋回用アクチュエータによる旋回操作は移動抵抗を受けることなく所定の移動速度で旋回操作されることになる。そして、旋回位置検出手段の検出情報に基づいてオーガが目標旋回位置よりも設定量手前側に旋回すると、抵抗付与手段がオーガの旋回操作に移動抵抗を付与する作用状態に切り換わることになるので、旋回用アクチュエータによるオーガの旋回操作に対して移動抵抗が付与されるからオーガは旋回移動速度が徐々に減速して、目標旋回位置に到達するときには移動速度は遅くなりその減速によりオーガの大きな慣性力が吸収されることになる。そうすると、目標旋回位置で旋回用アクチュエータの作動を停止させても、そのときオーガの慣性力は小さくなっているので、過剰操作することがなく、的確に目標旋回位置に停止させることが可能となる。 【0014】従って、機体の姿勢が傾斜しているような場合であっても、自動旋回制御を実行するときにおいて、オーガを目標旋回位置で極力的確に停止させることが可能となるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を提供できるに至った。 【0015】請求項3によれば、請求項1又は2において、前記オーガが前記目標旋回位置にある状態で旋回位置を保持する保持状態と位置保持を解除する解除状態とに切り換え自在な旋回位置保持手段が備えられ、前記制御手段が、前記自動旋回制御が終了した後、前記オーガを下降させて格納用保持具に格納収納させるべく前記昇降用アクチュエータを作動させる下降制御を実行するように構成され、且つ、その下降制御を実行するときは前記旋回位置保持手段を前記保持状態に切り換えるように構成されていることを特徴とする。 【0016】すなわち、前記自動旋回制御として、オーガを格納位置に自動格納させるための旋回操作を実行する構成として、その自動旋回制御が終了して、格納用の目標旋回位置にて旋回を停止させた後に、昇降用アクチュエータを作動させてオーガを下降させ格納用保持具に格納収納させるのであるが、この下降操作のとき、旋回位置保持手段により、オーガの旋回位置が目標旋回位置に保持されることになる。尚、自動旋回制御を実行しているときには、旋回位置保持手段は位置保持を解除する解除状態に切り換わっているので旋回操作の抵抗になることはない。 【0017】従って、自動旋回制御が終了して目標旋回位置に停止している状態で、オーガを格納位置に下降させるときに、例えば、機体が傾斜しているような場合であっても、オーガ自身の荷重に起因してオーガの旋回位置が傾斜下方側へ位置ずれするといった不都合を回避しながら目標旋回位置を維持して、オーガを的確に格納用保持具に格納収納させることが可能となり、請求項1又は2を実施するのに好適な手段が得られる。 【0018】 【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕以下、本発明のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置の第1実施形態について図面に基づいて説明する。図1、図2に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1の上部に設けた機体Vの前部に、刈取部3が横軸芯周りに揺動操作自在な状態で付設され、機体Vには、操縦部2、刈取穀稈を脱穀・選別する脱穀部4、脱穀部4にて選別回収された穀粒を貯留するグレンタンク5、及びグレンタンク5に貯留された穀粒を機外に排出するための穀粒排出用のオーガ9等が装備されている。 【0019】グレンタンク5の底部に前後方向に沿う状態で底部スクリューコンベア7が設けられ、その底部スクリューコンベア7の搬送終端部から上方に向けて縦送りスクリューコンベア8が延設され、この縦送りスクリューコンベア8の上部に、前記オーガ9の基端部が、横軸芯P1周りに揺動操作自在で、且つ、縦軸芯P2周りに旋回操作自在に装備されている。尚、図2には、オーガ9が格納用の旋回位置HPに旋回した状態を示し、この格納用の旋回位置HPに旋回した状態でオーガ9を下降させて格納用保持具としての受止具30に受け止めさせて、オーガ9を格納することになる(図1参照)。 【0020】底部スクリューコンベア7には、底部コンベアスクリュー7Aが内装され、その底部コンベアスクリュー7Aの搬送始端部には、機体右前部に設けたエンジンEから底部スクリューコンベア7への動力伝達を断続するベルトテンション式のクラッチ13の出力プーリ13Aが装着されている。さらに、縦送りスクリューコンベア8には、底部コンベアスクリュー7Aにベベルギアを介して連動連結された縦コンベアスクリュー8Aと、それを覆うとともにグレンタンク5に連通接続された円筒ケース8Bとが設けられ、オーガ9には、縦コンベアスクリュー8Aにベベルギアを介して連動連結されたコンベアスクリュー9Aと、それを覆うとともに縦コンベアスクリュー8Aの円筒ケース8Bに回動ケース6を介して連通接続された円筒ケース9Bとが設けられている。そして、回動ケース6が、縦送りスクリューコンベア8の円筒ケース8Bに縦軸芯P2周りに相対回動可能に接続されるとともに、オーガ9の円筒ケース9Bに横軸芯P1周りに相対回動可能に接続されている。オーガ9の円筒ケース9Bにおける先端部には、下向き状態の穀粒排出口10が形成されている。つまり、底部コンベアスクリュー7A、縦コンベアスクリュー8A及びコンベアスクリュー9Aが、クラッチ13を介して伝達されるエンジンEの動力で駆動されて、グレンタンク5に貯留された穀粒をオーガ9の排出口10から排出するように構成されている。 【0021】オーガ9の旋回操作の駆動手段について説明すると、図3に示すように、回動ケース6の外側面に、旋回駆動用の大径ギア11が固着され、その大径ギア11に咬合するピニオンギア12を回転駆動する旋回用電動モータM1が縦送りスクリューコンベヤ8に固定され、もって、旋回用電動モータM1を正逆転駆動するに伴って、オーガ9が縦軸芯P2周りに旋回操作され、かつ、旋回用電動モータM1を作動停止させるに伴って旋回停止するように構成されている。図中、Ryはオーガ9の旋回位置を検出する多回転型のポテンショメータを利用した旋回位置検出センサであって、旋回用電動モータM1で駆動されるギア13によって旋回駆動用ギア11と同時に回動操作されるようになっている。つまり、この旋回位置検出センサRyにて、オーガ9の旋回位置を検出する旋回位置検出手段が構成されている。尚、図2に示すように、予め旋回可能範囲が設定され、上記旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、オーガ9がその旋回可能範囲の左限界位置LE及び右限界位置REに達したときには、自動的にオーガ9の旋回を停止するように、旋回用電動モータM1が制御される構成となっている。 【0022】前記旋回用電動モータM1には、その駆動軸の回転を停止させるための電磁ブレーキ25が内装される構成となっている。この電磁ブレーキ25は、図示はしないが、電動モータの駆動軸と一体回転する摺接部材と、ケースに固定される摩擦板とを電磁ソレノイド等の電磁操作式アクチュエータにより相対移動させてそれらを圧接させながら、オーガ9の旋回動作が停止しているとき、電磁ブレーキ25を作用状態(オン状態)に切り換えるその停止位置で位置保持することができ、非作用状態(オフ状態)に切り換えると電動モータによる旋回操作を許容する構成となっている。従って、この電磁ブレーキ25が旋回位置保持手段として機能する構成となっている。 【0023】次に、オーガ9の昇降操作の駆動手段について説明すると、図3に示すように、オーガ9の基端部と、回動ケース6との間に、昇降用油圧シリンダ15が設けられ、この昇降用油圧シリンダ15を伸長させるに伴ってオーガ9が横軸芯P1周りで上昇操作され、かつ、昇降用油圧シリンダ15を短縮させるに伴ってオーガ9が横軸芯P1周りで下降操作されように構成されている。尚、オーガ9が昇降操作範囲の上限位置にあるときにオン作動する上限スイッチ14が設けられている(図5参照)。 【0024】従って、前記オーガ9は、旋回用アクチュエータとしての前記旋回用電動モータM1により機体Vに対して旋回操作自在に、且つ、昇降用アクチュエータとしての前記昇降用油圧シリンダ15により機体Vに対して昇降操作自在に備えられている。 【0025】操縦部2には、オーガ9を旋回及び昇降操作するための操作指令を指示する十字レバー式の手動操作具20が設けられている。この手動操作具20について説明を加えれば、図4に示すように、中央位置に復帰するように付勢された操作レバー20Aが備えられ、操作レバー20Aを前方側に倒した状態では上昇スイッチSUがオン作動して上昇指令が指令され、操作レバー20Aを手前側に倒した状態では下降スイッチSDがオン作動して下降指令が指令され、操作レバー20Aを左側に倒した状態では右旋回スイッチSLがオン作動して右旋回指令が指令され、操作レバー20Aを右側に倒した状態では左旋回スイッチSRがオン作動して左旋回指令が指令される(図5参照)。又、上記操作レバー20Aを中央位置に復帰させた状態では、オーガ9の旋回操作を停止させるための旋回停止指令と、オーガ9の昇降操作を停止させるための昇降停止指令が指令される。 【0026】又、前記手動操作具20の近くには、オーガ9を自動的に格納位置または目標排出位置に移動させるための自動スイッチ21と、移動中においてオーガ9を停止させるための停止スイッチ22と、上記目標排出位置を設定するための排出位置設定ボリューム23と、前記クラッチ13を入り切りするためのクラッチ入切スイッチ24とが設けられている。自動スイッチ21及び停止スイッチ22は、押し操作式に構成され、押し操作している間だけオン状態となり、押し操作を停止するとオフに復帰するスイッチで構成されている。又、クラッチ入切スイッチ24は入り状態と切り状態夫々にてその状態が保持されるスイッチで構成される。 【0027】次に、オーガ9を作動させるための制御構成について説明する。図5に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置Hが設けられ、その制御装置Hに、前記位置検出センサRy、前記上限スイッチ14、前記手動操作具20に設けた各スイッチSU,SD,SL,SR、前記自動スイッチ21、前記停止スイッチ22、前記排出位置設定ボリューム23、及び前記クラッチ入切スイッチ24の各信号が入力されている。一方、制御装置Hからは、前記旋回用電動モータM1、前記昇降用油圧シリンダ15の制御弁16、前記クラッチ13を作動させるクラッチモータM2に対する各駆動信号が出力されている。 【0028】制御装置Hは、オーガ9が格納位置にあるときに上記自動スイッチ21がオン操作されるとオーガ9を目標排出位置に移動させ、オーガ9が格納位置以外に位置するときに上記自動スイッチ21が操作されるとオーガ9を格納位置に自動的に移動させる自動制御を実行する。この自動制御でオーガ9を格納位置以外から格納位置に戻す場合には、先ずオーガ9を上限位置まで上昇させ、その上限位置の状態で格納用の旋回位置HPまで旋回させ、次に、その格納用の旋回位置HPで上限位置にあるオーガ9を所定時間下降作動させて、格納位置まで下降させるように制御し、一方、オーガ9を格納位置から目標排出位置に移動させる場合には、先ずオーガ9を上限位置まで上昇させ、その上限位置の状態で目標排出位置まで旋回させて停止するように制御する。 【0029】前記格納用の旋回位置HPが目標旋回位置に対応し、前記自動スイッチ21がオーガ9を目標旋回位置に自動旋回させるための旋回指令を指令する自動旋回指令手段に対応し、オーガ9を格納位置以外から格納位置に戻すために、オーガ9を上限位置まで上昇させその上限位置の状態で格納用の旋回位置HPまで自動旋回させるべく旋回用電動モータM1の作動を制御する処理が自動旋回制御に対応し、格納用の旋回位置HPで上限位置にあるオーガ9を所定時間下降作動させて、格納位置まで下降させる処理が下降制御に対応する。又、前記制御装置Hを利用して自動旋回制御を実行する制御手段100が構成されている。 【0030】そして、前記制御手段100は、前記自動旋回制御において、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、オーガ9が目標旋回位置としての格納用の旋回位置HPよりも設定量手前側に旋回されると、旋回用電動モータの作動を設定時間停止し、その後、オーガ9を格納用の旋回位置HPに旋回させるべく旋回用電動モータを作動させるように構成され、しかも、前記自動旋回制御が終了した後、オーガ9を下降させて格納用保持具に格納収納させるべく昇降用油圧シリンダを作動させる下降制御を実行するときは、電磁ブレーキ25を作用状態に切り換えてオーガ9の旋回位置を保持するように構成されている。 【0031】次に、図6、図7に示すフローチャートに基づいて、上記制御手段100によるオーガ9の自動制御について説明する。尚、上記したような手動操作具20による指令があると、この自動制御よりも優先して手動操作具20に基づくオーガ9の移動操作を実行することになる。この自動制御においては、先ず、自動スイッチ21の入力信号をチェックし、自動スイッチ21がオン操作されると、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、オーガ9が格納位置にあるか否かが判断される(ステップ1,2)。格納位置にあれば、オーガ9を排出位置設定ボリューム23にて設定されている目標排出位置まで移動させる張り出し処理を実行する。つまり、オーガ9が上限位置に上昇するまで昇降用油圧シリンダによる上昇操作を実行する(ステップ3,4,5)。上限位置に到達して上昇操作を停止した後に、旋回用電動モータを作動させてオーガ9を旋回操作させて、オーガ9が排出位置設定ボリューム23にて設定されている目標排出位置に到達すると旋回操作を停止してオーガ9の移動操作を終了する(ステップ6,7,8)。その後はクラッチ入切スイッチ24がオン操作されると穀粒の排出処理が行われることになる。 【0032】自動スイッチ21がオン操作されたときに、オーガ9が格納位置とは異なる位置にあれば、オーガ9を格納位置に戻し操作する自動旋回制御としての自動格納処理を実行する。つまり、オーガ9が上限位置に上昇するまで昇降用油圧シリンダ15による上昇操作を実行し(ステップ9,10,11)、上限位置に到達して上昇操作を停止した後に、旋回用電動モータM1を作動させてオーガ9を旋回操作させる(ステップ12)。この旋回操作においては、旋回を開始するとき位置から格納用の旋回位置HPに向けて旋回させるのであるが、そのときの旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、旋回移動量が少なくなる方向(右方向あるいは左方向のいずれか)を旋回方向として設定するようになっている。 【0033】そして、右方向あるいは左方向のいずれに旋回する場合であっても、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、格納用の旋回位置HPよりも設定量手前側の設定位置に達したことが判別されると、旋回用電動モータM1の作動を停止させて旋回を停止させる(ステップ13,14)。前記設定量手前側の設定位置とは、オーガ9の穀粒排出口10が格納用の旋回位置HPにあるときよりも数十センチ程度、旋回移動方向手前側に離間する位置に設定している。オーガ9の旋回角度でいえば数度〜10度程度になる。格納用の旋回位置HPと設定位置との間での離間距離は、オーガ9の旋回作動を停止させたときにオーガ9の慣性力により過剰に旋回操作することがあっても、格納用の旋回位置HPを越えないような充分な離間距離に設定している。図2において右方向に旋回するときであればRPで示す位置,左方向に旋回する場合であればLPで示す位置が前記設定位置に対応している。 【0034】前記設定位置で旋回を停止してから設定待機時間(設定時間の一例)が経過すると、再度、オーガ9を格納用の旋回位置に旋回させるべく旋回用電動モータM1を作動させて旋回操作を実行する(ステップ15,16)。そして、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、オーガ9が格納用の旋回位置HPに到達したことを判別すると旋回操作を停止する(ステップ17,18)。前記設定待機時間としては、旋回を停止したときにオーガ9の慣性力に起因して過剰な旋回移動が行われた場合に、その慣性力による過剰な旋回操作が終了して移動が停止するまでの時間よりも少し長い時間、例えば、数秒間程度の時間に設定している。 【0035】そして、格納用の旋回位置HPにて旋回を停止させた後は、電磁ブレーキ25をオン状態に切り換えてオーガ9の旋回位置を格納用の旋回位置に保持させ(この状態が保持状態に対応する)、オーガ9を下降させるように昇降用油圧シリンダ15を作動させる下降操作を実行する(ステップ19,20)。そして、この下降操作を設定下降時間だけ実行して、その設定下降時間が経過すると、下降操作を停止するとともに電磁ブレーキ25をオフ状態に復帰させて自動制御を終了する(ステップ21,22,23)。従って、前記電磁ブレーキ25が旋回位置保持手段SHとして機能することになる。尚、設定下降時間は、オーガ9が上限位置から受け具にて格納される格納位置にまで下降するのに要する所要時間と同じ時間に設定している。 【0036】このように、格納用の旋回位置HPよりも設定量手前側にて、一旦、旋回用電動モータM1による旋回操作を停止した後に、再度、オーガ9を格納用の旋位置に旋回させるべく旋回操作を旋回用電動モータM1を作動させるようにしているので、一旦停止させた時にオーガ9の慣性力を吸収することで、極力、精度よく格納用の旋回位置HPにて停止させることが可能となる。 【0037】〔第2実施形態〕次に、本発明のコンバインにおける穀粒排出用オーガ9の操作装置の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、前記制御手段100の構成が、第1実施形態と異なる外は、第1実施形態と同様に構成されている。 【0038】すなわち、前記制御手段100が、前記旋回用電動モータM1により旋回操作を行っているときに、前記電磁ブレーキ25をオン状態とオフ状態とに設定短時間毎に交互に繰り返す間欠作動を行うことで、前記オーガ9の旋回操作に移動抵抗を付与する作用状態とし、電磁ブレーキ25をオフ状態に維持することで非作用状態とするように、電磁ブレーキ25が抵抗付与手段TFとして機能するように、その作動を制御する構成となっている。又、前記制御手段100は、上記第1実施形態における自動格納処理において、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、前記オーガ9が前記格納用の旋回位置HPよりも設定量手前側に旋回されるまでは電磁ブレーキ25を前記非作用状態(オフ状態)に維持し、且つ、前記オーガ9が前記格納用の旋回位置HPよりも設定量手前側に旋回されると電磁ブレーキ25を前記作用状態(間欠作動状態)に切り換えるように構成されている。 【0039】以下、図8、図9に示すフローチャートに基づいて上記制御手段100の制御作動について説明する。ステップ31からステップ42までは、上記第1実施形態の図7におけるステップ1からステップ12までの処理と同じであるから説明は省略し、ステップ43以降の処理について説明する。つまり、前記自動格納処理において、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、格納用の旋回位置HPよりも設定量手前側の設定位置に達したことが判別されると、電磁ブレーキ25をオン状態とオフ状態とに設定短時間(数百msec)毎に交互に繰り返す間欠作動を実行して、オーガ9の旋回作動に移動抵抗を付与して、旋回移動速度を徐々に減速させる(ステップ43,44)。この状態が、オーガ9の旋回操作に移動抵抗を付与する作用状態に対応することになる。そして、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、オーガ9が格納用の旋回位置に到達したことを判別すると旋回操作を停止する(ステップ45,46)。 【0040】格納用の旋回位置HPにて旋回を停止させた後は、電磁ブレーキ25がオン状態を継続する状態に切り換えてオーガ9の旋回位置を格納用の旋回位置HPに保持させて、オーガ9を下降させるように昇降用油圧シリンダ15を作動させる下降操作を実行する(ステップ47,48)。このときは、電磁ブレーキ25が、旋回位置保持手段として機能して、オーガ9が格納用の旋回位置にある状態で旋回位置を保持する保持状態に切り換わることになる。そして、前記下降操作を設定下降時間だけ実行した後に下降操作を停止するとともに電磁ブレーキ25をオフ状態に復帰させて、つまり、オーガ9の旋回操作に移動抵抗を付与しない非作用状態に切り換えて、自動制御を終了する(ステップ49,50,51)。 【0041】従って、第2実施形態では、電磁ブレーキ25が、前記オーガ9の旋回操作に移動抵抗を付与する作用状態と移動抵抗を付与しない非作用状態とに切り換え自在な抵抗付与手段TF、及び、前記オーガ9が前記格納用の旋回位置にある状態で旋回位置を保持する保持状態と位置保持を解除する解除状態とに切り換え自在な旋回位置保持手段SHの夫々を兼用する構成となっている。 【0042】〔別実施形態〕以下、別実施形態を列記する。 (1)上記第1及び第2実施形態では、旋回位置保持手段として、電磁アクチュエータによりオーガ9の旋回移動を摩擦保持する電磁ブレーキ25を用いる構成としたが、このような構成に限らず、例えば、旋回駆動用の大径ギア11のギア部分等、旋回に伴って移動する箇所に、噛み合う係合することで旋回位置を保持する状態となり、噛み合いを解除することで保持解除状態となる係合式の位置保持機構を用いる構成としてもよく、又、旋回用電動モータとオーガ9との間での旋回用駆動機構に、例えば、ウォームギア機構などオーガ9側からの回転操作を阻止する逆転防止機構を備える構成としてもよく、各種の形態で実行することができる。又、このような旋回位置保持手段を使用しない構成としてもよい。 【0043】(2)上記第2実施形態では、旋回位置保持手段と抵抗付与手段とを電磁ブレーキ25にて兼用する構成としたが、このような構成に限らず、旋回位置保持手段と抵抗付与手段とを各別に備える構成としてもよい。又、抵抗付与手段としては、電磁ブレーキ25に限らず、オーガ9の旋回移動に抵抗を付与する構成であればよく、例えば、格納用の旋回位置近くにくると、オーガ9に弾性的に接当作用して移動に抵抗を付与する構成等、各種の形態で実施することができ、このような抵抗付与手段を使用しない構成としてもよい。 【0044】(3)上記第1及び第2実施形態では、旋回用アクチュエータを電動モータにて構成し、昇降用アクチュエータを油圧シリンダにて構成したが、これに限るものではなく、例えば、両アクチュエータを、共に電動モータにて構成するようにしたり、旋回用アクチュエータとして油圧モータを用い、昇降用アクチュエータとして電動シリンダを用いる構成としてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成13年3月1日(2001.3.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2002−253038(P2002−253038A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月10日(2002.9.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−56654(P2001−56654) |
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