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【発明の名称】 脱穀機における揺動選別体の揺動装置
【発明者】 【氏名】梅林 竜司

【要約】 【課題】揺動選別体の駆動リンクの構造を簡単で安価なものとすると共に、軽量化と組み立て作業性の向上を図る。

【解決手段】揺動選別体15の駆動リンク23を、機体側板26,26に軸承した揺動駆動支点軸37、及び揺動アーム23a,23aを一体に形成してなる揺動受動軸35で構成すると共に、該揺動受動軸35を、前記揺動選別体15の側壁28,28に着脱可能な補強板34L,34Rを介して軸承するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱室(2)の下方に形成された選別風路内に装架する揺動選別体(15)を、駆動リンク(23)と従動リンク(24)によって機体の前後方向に揺動自在に支持してなる脱穀機(1)において、前記駆動リンク(23)を、機体側板(26,26)に軸承した揺動駆動支点軸(37)、及び揺動アーム(23a,23a)を一体に形成してなる揺動受動軸(35)で構成すると共に、該揺動受動軸(35)を、前記揺動選別体(15)に軸承したことを特徴とする脱穀機における揺動選別体の揺動装置。
【請求項2】 前記揺動アーム(23a,23a)を平板で形成して、前記揺動駆動支点軸(37)に取着したことを特徴とする請求項1記載の脱穀機における揺動選別体の揺動装置。
【請求項3】 前記揺動選別体(15)の側壁(28,28)に着脱可能な補強板(34L,34R)を介して、前記揺動受動軸(35)を軸承したことを特徴とする請求項1記載の脱穀機における揺動選別体の揺動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀機における揺動選別体の揺動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、扱胴の後方に処理胴を併設すると共に、これらの下方に形成される選別風路内に揺動選別体を前後方向に揺動可能に装架した脱穀機において、前記扱胴で脱穀された脱穀物は、選別網を漏下した後に揺動選別体の前後揺動運動による比重選別作用と、選別風路を吹き抜ける選別風による風選作用とによって、処理物を一番物、二番物及び藁屑等の夾雑物とに選別分離し、一番物は一番樋に落下させたのち揚穀筒により籾タンクに回収し、二番物は二番樋に落下させたのち二番還元筒により揺動選別体に還元して再選に供し、藁屑類は吸引ファンにより吸引して機体後方の排塵口から機外へ放出するようにしたものが知られている。
【0003】そして、前記揺動選別体は駆動リンクと従動リンクによって揺動自在かつ着脱可能に支持されており、前記選別網等に目詰まりを生じて清掃が必要になったり、脱穀機内のメンテナンスを行う場合は脱穀機の後方を開放し、その開口部から揺動選別体を機体後方に引き出すことによって、前記揺動選別体及び脱穀機の清掃とメンテナンスが容易に行えるようになっている。
【0004】図5には、上述の揺動選別体に配設された駆動リンクの従来例が示してあり、該駆動リンクは、ベアリング50を軸装したリンクメタル51で構成されていて、前記ベアリング50は揺動選別体の二番流板の裏側に沿って取着した揺動受動軸52を軸承している。そして、前記リンクメタル51の端部には、嵌合突起53,53を前後に有する平坦面状の取付面54が形成され、該取付面54を機体に軸支した断面四角形状の揺動駆動軸55の平坦面56に嵌着させて、スタッドボルト57及びテーパーナット58を介し、前記リンクメタル51が着脱可能に取付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したように揺動選別体の揺動受動軸52と揺動駆動軸55を連結するためのリンクメタル51は、ベアリング50を軸装すると共に、嵌合突起53,53や取付面54が設けられていることから、その構造が複雑でコスト的に高いものとなり、かつ重量も重くなるという欠点を有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような実状に基づく課題を解決することを目的として創案したものであって、扱室の下方に形成された選別風路内に装架する揺動選別体を、駆動リンクと従動リンクによって機体の前後方向に揺動自在に支持してなる脱穀機において、前記駆動リンクを、機体側板に軸承した揺動駆動支点軸、及び揺動アームを一体に形成してなる揺動受動軸で構成すると共に、該揺動受動軸を、前記揺動選別体に軸承したことを第1の特徴としている。
【0007】そして、前記揺動アームを平板で形成して、前記揺動駆動支点軸に取着したことを第2の特徴としている。
【0008】そして、前記揺動選別体の側壁に着脱可能な補強板を介して、前記揺動受動軸を軸承したことを第3の特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は図示しない走行機体に搭載された脱穀機であって、該脱穀機1に構成される扱室2に沿ってフィードチェン3を前後方向に張架すると共に、該フィードチェン3の終端部に藁搬送帯4を連設し、前記扱室2で脱穀した後の穀稈を走行機体の後部に配設した排稈処理装置(カッター)5に搬送するようにしている。
【0010】前記脱穀機1は、扱室2を構成する扱胴2a及び扱網2bの終端穂先側に、処理胴6a及び処理網6bを内装する処理室6を併設してある。そして、これらの下方には、波板状の無孔移送板7a及び開度可変なチャフシーブ8、また該チャフシーブ8の下方に無孔移送板7bを配設し、該無孔移送板7bの終端部から後方に向けて網状の濾過体9を張設し、その下方に一番樋10に一番物を流下させる一番流板11を斜設すると共に、該一番流板11の後端部に多数のストローラック12を突設し、その下方に二番樋13に二番物を流下させる二番流板14を斜設して、これらを一体的に枠組みした揺動選別体15を形成している。
【0011】前記揺動選別体15は、前後方向に揺動可能に装架してあり、該揺動選別体15の下方には、唐箕16、一番流板11等からなる選別風路17が形成され、揺動作動する揺動選別体15に向く下方からの選別風Aにより一番物を風選し、かつ前記選別風路17の後方に配設した補助唐箕18から送風する選別風Bにより、ストローラック12上の二番物を風選するように構成し、更に選別分離した夾雑物を吸引ファン19を介して機体後方の排塵口20から機外へ放出するようになっている。尚、一番樋10に落下した籾は、揚穀筒21により穀粒タンク(図示せず)に揚上搬送され、二番樋13に落下した二番物は、二番還元筒22を介して揺動選別体15上に還元されるようになっている。
【0012】また、図2に示すように、前記揺動選別体15は、機体後部と前部の夫々揺動自在に設けられた駆動リンク23と従動リンク24により、機体の前後方向に揺動自在に支持されている。前記揺動選別体15を、機体後方から前方に押し込んで装着するには、先ず、該揺動選別体15の幅方向の左右両側に固定されたレールガイド25を、左右の機体側板26,26に夫々固定されたガイドレール27a,27bの上面に載置した状態で、該ガイドレール27a,27bに沿って前方に摺動させ、次いで、前記レールガイド25がガイドレール27bから離脱した位置で、前記揺動選別体15を駆動リンク23と従動リンク24に係着させるように構成してある。
【0013】また、前記揺動選別体15の左右の側壁28,28の前端側には、楔形の切り欠き部29を有するガイドプレート30,30を固設し、前記揺動選別体15を機体後方から前方に押し込んで装着する際、前記ガイドプレート30の切り欠き部29と、前記従動リンク24,24を連結する連結軸31が係止し、前記従動リンク24が前方に押されながら揺動するように構成してある。そして、機体前端側の左右の機体側板26間に横架したストッパープレート32と前記従動リンク24が当接した状態で揺動選別体15と従動リンク24が係着するように構成してある。
【0014】図3及び図4に示すように、前記揺動選別体15後部の左右の側壁28,28には、その外側からベアリングを内挿してなるベアリングホルダ33,33を固着した補強板34L,34Rを取着すると共に、前記ベアリングホルダ33,33によって揺動選別体15の揺動受動軸35を軸承させてある。そして、前記補強板34L,34Rは、揺動選別体15内に張設されている網状の濾過体9を支持する取付け板9aとボルトB2で共締めしてあり、前記補強板34L,34Rの取付け部の強度を向上させている。また、前記揺動受動軸35の後側斜め下方位置の左右の機体側板26,26には、ベアリングを内挿してなるベアリングホルダ36,36を取着し、該ベアリングホルダ36,36によって揺動駆動支点軸37を軸承している。そして、前記揺動受動軸35に、従来例の左右のリンクメタル(駆動リンク)51に相当する平板状の揺動アーム23a,23aの一側を溶接して一体化すると共に、該揺動アーム23a,23aの他側をボルトB1及びナットNで揺動駆動支点軸37に取着することによって、前記揺動選別体15の駆動リンク23を極めて簡単で安価なものとすることが可能となり、かつ強固な枠体状の一体構成とすることができるので、従来の左右のリンクメタル51で駆動リンクを構成したものよりも更に軽量化が図れる。
【0015】上述の如く、一体的に構成した揺動選別体15の駆動リンク23の揺動駆動支点軸37は、揺動アーム38及び連結アーム39に連結してあり、前記揺動アーム38を揺動すべく、前記二番樋13の螺旋軸(図示せず)と上方のプーリ40間には図示しないベルトを巻回してある。そして、前記プーリ40の偏心軸41と揺動アーム38とは、前記連結アーム39とピン42を介して連結してあるので、前記プーリ40の回転に伴い揺動アーム38が揺動駆動支点軸37を中心として前後に揺動する。
【0016】また、前記揺動受動軸35に溶接して一体化する平板状の揺動アーム23a,23aは、カラー43,43を介して左右の位置めが可能となるように溶接位置を寸法管理してあり、前記左右のベアリングホルダ33,33に軸承されている揺動受動軸35を段付き加工することが不要となってコスト低減が図れる。また、前記揺動受動軸35を揺動選別体15後部の左右の側壁28,28に装着するには、先ず、前記両ベアリングホルダ33,33にカラー43,43を介して揺動受動軸35を軸承させて仮組み状態とし、しかる後に、前記両ベアリングホルダ33,33を固着してなる補強板34L,34Rを、前記揺動選別体15後部の左右の側壁28,28の外側に装着すればよいので組み立て作業性もよくなる。
【0017】尚、上述した従来例のリンクメタル(駆動リンク)51は、ベアリング50を軸装して揺動受動軸52を軸承すると共に、前記リンクメタル51の端部には、嵌合突起53,53を前後に有する平坦面状の取付面54が形成され、該取付面54を機体に軸支した断面四角形状の揺動駆動軸55の平坦面56に嵌着させるように構成してあり、前記左右のリンクメタル(駆動リンク)51,51を揺動駆動軸55に着脱する際、前記両リンクメタル(駆動リンク)51,51が別々に揺動するので、前記嵌着部に拗れが生じて組み立て作業性が悪くなる等の問題もあった。しかし、本発明においては、図4に示すように、前記揺動受動軸35に溶接して一体化した平板状の揺動アーム23a,23aを、前記揺動駆動支点軸37よりも延出させて把持部Hを形成し、しかも、上述した従来例のような嵌着部を形成しておらず、前記平板状の揺動アーム23a,23aの一方の把持部Hを把持して、前記受動軸35を揺動操作すると、前記両揺動アーム23a,23aは同時に揺動するので、該両揺動アーム23a,23aの揺動駆動支点軸37への着脱操作は無理なく行えるようになる。
【0018】また、上述した駆動リンク23の実施形態では、揺動受動軸35に平板状の揺動アーム23a,23aの一側を溶接して一体化したものについて説明したが、逆に、該揺動アーム23a,23aの一側と揺動駆動支点軸37を溶接して一体化したものでもよく、更に、前記揺動受動軸35と揺動駆動支点軸37の両者と揺動アーム23a,23aを溶接して一体化した構成を採用したものであってもよい。
【0019】
【発明の効果】本発明は前述したように、揺動選別体15の駆動リンク23を、機体側板26,26に軸承した揺動駆動支点軸37、及び揺動アーム23a,23aを一体に形成してなる揺動受動軸35で構成すると共に、該揺動受動軸35を、前記揺動選別体(15)に軸承したことによって、前記駆動リンク23を極めて簡単で安価なものとすることが可能となり、かつ前記駆動リンク23を強固な枠体状の一体構成とすることができるので、従来のリンクメタル51で駆動リンクを構成したものよりも更に軽量化が図れる。そして、前記揺動アーム23a,23aを平板で形成して、前記揺動駆動支点軸37に取着してあるので、従来のリンクメタル51のような揺動駆動軸55に対する嵌着部もなく、組み立て時に拗れが生じて作業性が悪くなることもない。そして、前記揺動選別体15の側壁28,28に着脱可能な補強板34L,34Rを介して、前記揺動受動軸35を軸承したことによって、前記揺動選別体15の側壁28,28の剛性を向上させると共に、前記揺動受動軸35を、前記補強板34L,34Rに軸承させて仮組み状態とし、しかる後に、該両補強板34L,34Rを、前記揺動選別体15の左右の側壁28,28に装着すればよいので組み立て作業性もよくなる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成13年2月1日(2001.2.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−223625(P2002−223625A)
【公開日】 平成14年8月13日(2002.8.13)
【出願番号】 特願2001−25808(P2001−25808)