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【発明の名称】 脱穀機
【発明者】 【氏名】仲谷 章一

【氏名】村田 充

【要約】 【課題】刈取り穀稈の全体を供給されて回動する扱胴によって扱き処理するように脱穀部を構成してある脱穀機において、脱穀部の排塵部から排出される処理物を揺動選別装置に落下しにくいように確実に機外に排出できるように、その割には、穀粒が塵埃と共に排出されにくいようにする。

【解決手段】脱穀部25の排塵部25aの後方に回転体31と案内部材32とを設けてある。回転体31は、排塵部25aからの処理物を排出口23に向けて飛ばす。案内部材32は、回転体31によって飛ばされた処理物を排出口23に向けて案内する。案内部材32に、穀粒が揺動選別装置41に落下する穀粒通路を備えてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取り穀稈の全体を供給されて回動する扱胴によって扱き処理する脱穀部と、この脱穀部からの処理物を脱穀部の下方に位置する揺動選別装置によって選別処理し、塵埃を揺動選別装置の後方に位置する排出口から機外に排出する選別部とを備えている脱穀機であって、前記脱穀部の排塵部の後方で機体横向きの軸芯まわりで回動して前記排塵部からの処理物を前記排出口に向けて飛ばす回転体と、この回転体の下方に位置して前記回転体からの処理物を前記排出口に向けて案内する案内部材とを備えてあるとともに、この案内部材に、前記排塵部からの処理物に混在している穀粒を前記揺動選別装置に向けて落下させる穀粒通路を備えてある脱穀機。
【請求項2】 前記扱胴として、機体横向きの軸芯まわりで回動する第1扱胴と、この第1扱胴の機体後方側で機体横向きの軸芯まわりで回動する第2扱胴とを備えてあるとともに、第1扱胴は、刈取り穀稈の全体を第1扱胴の上方に導入して第1扱胴の上方に位置する抵抗体とによって扱き処理するように構成し、第2扱胴は、第1扱胴からの処理物を第2扱胴の下方に導入して第2扱胴の下方に位置する受け網とによって扱き処理し、処理物を前記排塵部から排出するように構成してある請求項1記載の脱穀機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈取り穀稈の全体を供給されて回動する扱胴によって扱き処理する脱穀部と、この脱穀部からの処理物を扱胴の下方に位置する揺動選別装置によって選別処理し、塵埃を揺動選別装置の後方に位置する排出口から機外に排出する選別部とを備えている脱穀機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記脱穀機において、脱穀部から排出される塵埃が脱穀部下方の揺動選別装置に落下すると、揺動選別装置による選別処理に悪影響が出る。このため、従来、たとえば特開平5−38225号公報に示されるように、脱穀部の排塵部の後方に回転体を設け、脱穀部の排塵部から排出される処理物を回転体によって前記排出口に向けて飛ばすものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記回転体を備えた従来の脱穀機の場合、塵埃の排出口からの排出が効果的に行われるようにするには、回転体による放てき力を強くする必要があった。すると、脱穀部の排塵部から排出される処理物に混在している穀粒が塵埃と共に排出口に飛ばされて排出される事態が発生しやすくなっていた。本発明の目的は、脱穀部の排塵部から排出される塵埃を揺動選別装置に落下しないように排出しやすく、しかも、穀粒が塵埃と共に排出される穀粒損失を回避しやすい脱穀機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】〔構成〕刈取り穀稈の全体を供給されて回動する扱胴によって扱き処理する脱穀部と、この脱穀部からの処理物を脱穀部の下方に位置する揺動選別装置によって選別処理し、塵埃を揺動選別装置の後方に位置する排出口から機外に排出する選別部とを備えている脱穀機において、前記脱穀部の排塵部の後方で機体横向きの軸芯まわりで回動して前記排塵部からの処理物を前記排出口に向けて飛ばす回転体と、この回転体の下方に位置して前記回転体からの処理物を前記排出口に向けて案内する案内部材とを備えてあるとともに、この案内部材に、前記排塵部からの処理物に混在している穀粒を前記揺動選別装置に向けて落下させる穀粒通路を備えてある。
【0006】〔作用〕脱穀部の排塵部から排出された塵埃は、回転体による飛ばし作用と、案内部材による案内作用とによって排出口に送られて機外に排出される。これにより、回転体による放てきだけで機外に排出させるに比し、回転体による放てき作用を弱くしても、塵埃が揺動選別装置に落下しないで排出口に至って機外に排出される。すると、脱穀部から塵埃に混入して排出された穀粒は、塵埃から分離しやすくなり、分離した穀粒は案内部材の穀粒通路を通って揺動選別装置に落下する。
【0007】〔効果〕したがって、脱穀部の排塵部から排出される塵埃を揺動選別装置に落下しにくくしながら機外に排出して揺動選別装置による選別処理を能率よく行わせられる。その割には、脱穀部の排塵部から塵埃に混入して排出された穀粒が塵埃から分離して揺動選別装置に落下しやすく、穀粒が塵埃と共に機外に排出される穀粒損失を回避して有利に収穫できる。
【0008】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0009】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記扱胴として、機体横向きの軸芯まわりで回動する第1扱胴と、この第1扱胴の機体後方側で機体横向きの軸芯まわりで回動する第2扱胴とを備えてあるとともに、第1扱胴は、刈取り穀稈の全体を第1扱胴の上方に導入して第1扱胴の上方に位置する抵抗体とによって扱き処理するように構成し、第2扱胴は、第1扱胴からの処理物を第2扱胴の下方に導入して第2扱胴の下方に位置する受け網とによって扱き処理し、処理物を前記排塵部から排出するように構成してある。
【0010】〔作用〕大豆やそばなどの刈取り穀稈を供給すると、第1扱胴と抵抗体とによって扱き処理されて脱粒する。麦などの刈取り穀稈を供給すると、まず第1扱胴と抵抗体とによって扱き処理されて脱粒するとともに、さらに第2扱胴と受け網とによって再度扱き処理されて脱粒するものである。
【0011】〔効果〕したがって、大豆やそばなど脱粒しやすいものと、麦など脱粒しにくいもとのいずれも脱穀できるように利用面で有利なものになる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に示すように、回転リール11やバリカン形刈取り装置12を有する刈取り部10を、クローラ式走行装置1や運転キャビン2を備える自走機体の機体フレーム3の前端部に位置する支持部4にリフトシリンダ5によって軸芯Pまわりで昇降操作できるように連結するとともに、刈取り部10からの刈取り穀稈を脱穀処理する脱穀機20、この脱穀機20からの穀粒を貯留する穀粒タンク6を前記自走機体に設けて、コンバインを構成してある。このコンバインは、大豆やそば、麦などを収穫するものであり、詳しくは次の如く構成してある。
【0013】図1に示すように、刈取り部10は、自走機体の前記支持部4に上端側が前記軸芯Pまわりで回動自在に連結しているフィーダ13、このフィーダ13の内部に位置するフィーダコンベア14、このフィーダコンベア14の搬送終端側に位置するビータ15、前記フィーダ13の前端側に後端側が連結しているプラットホーム16、このプラットホーム16の上面側に位置するプラットホームオーガ17のそれぞれを備えている刈取り穀稈搬送装置と、前記プラットホーム16の前端部に位置する前記刈取り装置12と、前記フィーダ13の前端側の上部から延出しているリール支持アーム18の先端側に駆動回動自在に支持されている前記回転リール11とによって構成してある。
【0014】すなわち、回動する回転リール11のタイン11aによって植立穀稈の穂先側をプラットホーム16の上方に掻き寄せながら、植立穀稈の株元を刈取り装置12によって切断する。この刈取り装置12からの刈取り穀稈の株元側端から穂先までの全体をプラットホームオーガ17によってプラットホーム16の上面に沿わせてフィーダ13の前端側の前方に搬送し、プラットホームオーガ17が備えている掻き込みフィンガ17aによってフィーダ13の前端側に送り込む。プラットホームオーガ17からの刈取り穀稈の全体をフィーダコンベア14によってフィーダ13の搬送面に沿わせてフィーダ13の後端側に搬送し、フィーダコンベア14からの刈取り穀稈の全体をビータ15によって機体後方側に掻き込んで脱穀機20の機体内部に供給する。
【0015】図1に示すように、脱穀機20には、刈取り部10の前記ビータ15の下方に搬送始端側が位置する無端回動ベルトで成る供給ベルト21と、この供給ベルト21の搬送終端側の上方に位置する回転ローラ22と、前記供給ベルト21の後方に機体前後方向に並んで位置している2つの扱胴26,27を有する脱穀部25と、この脱穀部25の機体後方側の方の第2扱胴27の後側近くに位置する回転体31を有する脱穀処理物排出部30と、前記脱穀部25の下方に位置する駆動揺動自在な揺動選別装置41を有する選別部40とを備えてある。
【0016】供給ベルト21は、刈取り部10のビータ15から送り込まれた刈取り穀稈の株元側端から穂先までの全体を搬送始端側で受け止めて機体後方向きに搬送し、ローラ22との協働によって第1扱胴26の前側に供給する。
【0017】脱穀部25は、図1に示す如く構成してある。すなわち、前記供給ベルト21からの刈取り穀稈の株元側端から穂先までの全体を、前記2つの扱胴26,27のうちの機体前方側に位置するとともに機体横向きの軸芯まわりで矢印方向に回動する第1扱胴26によってこれの上方に導入し、第1扱胴26の上方に第1扱胴26に沿って位置している抵抗板に第1扱胴26の周方向に並べて備えてある複数の抵抗体28と、第1扱胴26の扱歯とによって扱き処理し、脱穀粒を第1扱胴26を構成している部材どうしの間などから前記揺動選別装置41に落下させ、その他の脱穀処理物を第1扱胴26によって機体後方側の第2扱胴27の前側に供給する。第1扱胴26からの脱穀処理物を、機体横向きの軸芯まわりで矢印方向に回動する第2扱胴27によってこれの下方に導入し、第2扱胴27の下方に第2扱胴27に沿って位置している受け網29と、第2扱胴27の扱歯とによって扱き処理し、脱穀粒を受け網27を構成している縦桟や横桟の間から前記揺動選別装置41に落下させ、脱穀排稈などその他の脱穀処理物を第2扱胴27の後方に位置する排塵部25aから機体後方側に排出する。
【0018】図2などに示すように、脱穀処理物排出部30は、脱穀部25の前記排塵部25aの後方側に位置する前記回転体31と、この回転体31の下方に位置する案内部材32とによって構成してある。
【0019】回転体31は、機体横向きの軸芯まわりで矢印方向に回動する回転体本体と、この回転体本体の周囲の周方向と回転軸芯方向の両方向に並ぶ複数箇所に一体回転自在に取付けるとともに板厚方向が回転体31の回転軸芯に沿う方向の板体で成る羽根体31aとで成り、前記排塵部25aから排出される処理物を羽根体31aによってほぐし処理するとともに、脱穀機体の前記揺動選別装置41の後方に位置する排出口23に向けて飛ぶように放てきする。
【0020】図3などに示すように、案内部材32は、前記受け網29の後端側によって支持される取付け部材33の機体横方向での複数箇所から機体後方向きに延出している丸棒製の案内杆33aによって構成してある。これにより、案内部材32は、前記回転体31によって前記排出口23に向けて飛ばされた処理物を排出口23に至るように案内し、さらに、回転体31によってほぐし処理された処理物から出た穀粒を前記揺動選別装置41に落下させる穀粒通路34を案内杆34aどうしの間に備えている。
【0021】選別部40は、図1に示すように構成してある。すなわち、第1扱胴26の下方に位置するグレンパン41a、このグレンパン41aの搬送下手側に位置するチャフシーブ41b、このチャフシーブ41bの搬送下手側に位置するストローラック41cを備えている前記揺動選別装置41と、この揺動選別装置41の後端側から落下する処理物を受け止め、穀粒を流下させながら塵埃を揚送することによって穀粒と塵埃とを選別する選別コンベア42と、揺動選別装置41の前端側の下方に位置する唐箕43が供給する機体後方向きの選別風とによって前記第1扱胴26や受け網29や案内部材32から落下する脱穀粒などの脱穀処理物を穀粒と塵埃とに選別する。揺動選別装置41や選別コンベア42からの穀粒を1番スクリューコンベア44に落下させ、この1番スクリューコンベア44によって脱穀機体の横外側に搬出して、穀粒タンク6に穀粒供給する揚送コンベア7の搬送始端部に供給する。揺動選別装置41や選別コンベア42からの2番処理物を2番スクリューコンベア45に落下させ、この2番スクリューコンベア45によって脱穀機体の横外側に搬出して、2番処理物を脱穀部25に還元する揚送コンベア8の搬送始端部に供給する。揺動選別装置41や選別コンベア42からの塵埃を選別風と共に脱穀機体の後部に位置する前記排出口23から脱穀機体の外部に排出する。
【0022】これにより、脱穀機20は、刈取り部10からの刈取り穀稈の株元端から穂先までの全体を供給ベルト21とローラ22とによって脱穀部25の第1扱胴26に供給してこの第1扱胴26と抵抗体28とによる扱き作用と、第2扱胴27と受け網29とによる扱き作用とによって脱穀処理し、脱穀処理物を選別部40と脱穀物排出部30とに供給して、揺動選別装置41と選別コンベア42とによる比重選別と、回転体31によるすぐりと、選別風による風選別とによって穀粒と塵埃とに選別し、穀粒を1番スクリューコンベア44によって穀粒タンク6に向けて搬送し、塵埃を脱穀物排出部30の回転体31と案内部材32とによる排出作用と、選別部40の揺動選別装置41と選別風とによる排出作用とによって排出口23から機外に排出する。
【0023】脱穀部25の前記受け網29は、前端部と後端部とにおいて脱穀機体に着脱自在に取付けてある。すなわち、大豆やそばなどを収穫する際、第1扱胴26から第2扱胴27と受け網29との間に供給されて過剰に扱き処理されることが回避できるように、受け網29を容易に取外して作業できるようにしてある。
【0024】〔別実施形態〕図4は、別実施形態を備える脱穀物排出部30の回転体31を示し、この回転体31は、機体横向きの軸芯まわりで回動する回転体本体と、この回転体本体の周方向に並ぶ複数箇所に板体31aを介して一体回転自在に取付けた板体で成る羽根体31bとによって構成してある。各羽根体31bは、脱穀部25から排出される処理物を羽根体31bの側面によって排出口23に向けて放てきする。
【0025】脱穀物排出部30の案内部材32としては、前記丸棒製の案内杆33aで成るものを採用する他、帯板製の案内杆で成るものや、穀粒通路を形成するスリットを有する板体で成るものを採用して実施してもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2002−218837(P2002−218837A)
【公開日】 平成14年8月6日(2002.8.6)
【出願番号】 特願2001−18277(P2001−18277)