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【発明の名称】 穀物貯留設備
【発明者】 【氏名】岩下 正弘

【氏名】中村 慈光

【要約】 【課題】穀物貯留用の空間の数をできるだけ多くすることが望まれる場合にも対応することが可能でありながら、1つの穀物貯留用の空間における貯留量をできるだけ大きくさせることができる穀物貯留設備を、部材の共用化により低コストで提供する。

【解決手段】貯留ビン1を水平方向に複数並べて穀物を各貯留ビン1の上部側から、供給位置を穀物搬送方向に位置変更自在な移動ベルトコンベア4にて供給し、各貯留ビン1が、その穀物貯留用の空間を穀物搬送方向に沿って並ぶ複数の貯留領域に分けて使用できるように排出口69が複数設けられ、複数の貯留領域に対応させて、並び方向に沿って往復移動操作自在な移動体14とそれと交差する方向に並び垂下状態で支持される複数のスクリュー式の攪拌装置11とを備えた攪拌手段10が設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 側部周囲を囲う側壁部と床部とにより穀物貯留用の空間を形成した貯留体を水平方向に複数並べて貯留部が構成され、前記貯留部の上方側に位置して、穀物を各貯留体の並び方向に沿って搬送するとともに搬送する穀物を前記貯留部に上部側から供給するように構成され、且つ、搬送する穀物を供給する穀物供給位置を穀物搬送方向に沿って位置変更調整自在に構成された穀物供給手段が設けられ、前記各貯留体の床部には、貯留している穀物を外部に排出するための排出口が形成され、前記複数の貯留体のうちの少なくとも一部の貯留体の内部の穀物貯留用の空間には、貯留している穀物を攪拌する攪拌手段が設けられている穀物貯留設備であって、前記貯留体が、その穀物貯留用の空間を前記穀物搬送方向に沿って並ぶ複数の貯留領域に分けて使用できるように、前記複数の貯留領域の夫々に対応させて前記排出口を備えさせるように構成され、前記複数の貯留領域の夫々に対応させて前記攪拌手段が設けられ、各攪拌手段は、前記貯留部の上方側に位置して前記穀物搬送方向に沿って往復移動操作自在な移動体と、前記穀物搬送方向と交差する方向に並ぶ状態で前記移動体にて垂下状態で支持される複数のスクリュー式の攪拌装置とを備えて構成されている穀物貯留設備。
【請求項2】 前記各貯留体における床面の上部近くの空間を、前記複数の貯留領域に対応させて仕切る仕切り体が設けられている請求項1記載の穀物貯留設備。
【請求項3】 側部周囲を囲う側壁部と床部とにより穀物貯留用の空間を形成した貯留体を水平方向に複数並べて貯留部が構成され、前記貯留部の上方側に位置して、穀物を各貯留体の並び方向に沿って搬送するとともに搬送する穀物を前記貯留部に上部側から供給するように構成され、且つ、搬送する穀物を供給する穀物供給位置を穀物搬送方向に沿って位置変更調整自在に構成された穀物供給手段が設けられ、前記貯留体の床部には、貯留している穀物を外部に排出するための排出口が形成され、前記複数の貯留体のうちの少なくとも一部の貯留体の内部の穀物貯留用の空間には、貯留している穀物を攪拌する攪拌手段が設けられている穀物貯留設備であって、前記貯留体が、その穀物貯留用の空間を前記穀物搬送方向に沿って並ぶ複数の貯留領域に分けて使用できるように、前記複数の貯留領域の夫々に対応させて前記排出口を備えさせるように構成され、前記貯留体の穀物貯留用の空間を、前記複数の貯留領域に対応させた状態で、上下方向のほば全域にわたり仕切る仕切り壁が設けられ、前記各攪拌手段は、前記貯留部の上方側に位置して前記穀物搬送方向に沿って往復移動操作自在な移動体と、前記穀物搬送方向と交差する方向に並ぶ状態で前記移動体にて垂下状態で支持される複数のスクリュー式の攪拌装置とを備えて構成されている穀物貯留設備。
【請求項4】 前記攪拌手段は、前記各スクリュー式の攪拌装置が前記穀物搬送方向と直交する方向に往復移動操作自在に前記移動体に支持されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の穀物貯留設備。
【請求項5】 前記複数の貯留領域夫々における床部には、床下側から通風供給される穀物排出用気体を床上側に通過させて、床面上を前記排出口側に向けて流動するように案内する通気案内部が形成され、通風手段により通風される前記穀物排出用気体を前記床部の床下箇所に通気案内する通気案内手段が備えられ、前記通気案内手段が、前記通風手段にて通風される前記穀物排出用気体を、前記複数の貯留領域に対して選択的に供給させるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の穀物貯留設備。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、側部周囲を囲う側壁部と床部とにより穀物貯留用の空間を形成した貯留体を水平方向に複数並べて貯留部が構成され、前記貯留部の上方側に位置して、穀物を各貯留体の並び方向に沿って搬送するとともに搬送する穀物を前記貯留部に上部側から供給するように構成され、且つ、搬送する穀物を供給する穀物供給位置を穀物搬送方向に沿って位置変更調整自在に構成された穀物供給手段が設けられ、前記各貯留体の床部には、貯留している穀物を外部に排出するための排出口が形成され、前記複数の貯留体のうちの少なくとも一部の貯留体の内部の穀物貯留用の空間には、貯留している穀物を攪拌する攪拌手段が設けられている穀物貯留設備に関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成の穀物貯留設備は、多量の穀物を前記貯留部にて乾燥又は貯蔵のために貯留するための設備であるが、このような穀物貯留設備において、従来では、例えば図29に示すように、前記各貯留体1は、その内部の穀物貯留用の空間に設定量の穀物を貯留するように構成され、貯留している穀物を外部に排出するための排出口69は貯留体1の夫々に1個づつ形成されており、貯留されている穀物を外部に排出させる場合には、その1個の排出口69から排出される構成となっていた。尚、この排出口69から穀物を外部に排出させるための排出手段としては、送風による排出構成やスクリュー等による機械的な搬送による排出構成等が利用されることになる。又、貯留している穀物を攪拌する攪拌手段10aは、穀物供給手段4による穀物の供給作動の邪魔にならないように穀物搬送方向と直交する方向に沿って振り分け配置され、例えば、スクリュー式の攪拌装置11aを支持する移動体14aを、前記穀物搬送方向と直交する方向に沿って移動操作自在に備える構成となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような穀物貯留設備に貯留される穀物は複数の生産者により適宜搬入されるものであり、同じ生産者による穀物であっても穀物の品種や品質、例えば、穀物の水分値や食味が異なる場合がある。そして、最近では、このような穀物貯留設備において、生産者別に穀物を仕分けすることに加えて、穀物の品種や品質等の違いに応じて異なる複数種の穀物に仕分けした状態で貯留できるように、穀物貯留用の空間の数をできるだけ多くすることが望まれることがある。又、上述したように区分けするための穀物貯留用の空間の数をそれほど多くさせる必要はないが、1つの穀物貯留用の空間における貯留量をできるだけ大きくさせることが望まれる場合もある。
【0004】そして、上記従来構成において、上記したように、穀物貯留用の空間の数をできるだけ多くさせるようにしながら、1つの穀物貯留用の空間における貯留量をできるだけ大きくさせるためには、各貯留体を大容量の大型のものに構成し、且つ、そのような大型の貯留体の個数を多くさせる必要がある。しかし、このようにすると、各貯留体が大型の装置となり、しかも、そのような大型の貯留体を多数備える必要があるので、設備全体として、コストの増大を招く不利があるとともに、大きな設置スペースが必要となる不利もある。
【0005】尚、貯留体の個数を多くさせるとともに各貯留体を小型のもので構成するようにした仕様のものと、各貯留体を大型のもので構成して貯留体の個数を少なくするようにした仕様のもの等、仕様の異なる複数種のものを用意するといったことも考えられるが、このようにすると、複数の異なる仕様のものを常に用意しなければならず、各仕様毎に使用される部材が異なり部材の共用化によるコストダウンを図ることができないといった不利がある。
【0006】そこで、このような要望を満たすための構成として、各貯留体を大型に構成しておいて各貯留体における内部の貯留空間を、例えば、複数の領域に分割させるように中間部に仕切り具を設けるようにして、貯留体の構成を利用しながら貯留空間の個数を増加させるようにすることが考えられる。つまり、図29に示すような従来構成において貯留空間を分割させる場合、穀物供給手段により各別に穀物を供給することができるように、貯留空間を貯留体の並設方向(図29の左右方向)に分割させることが考えられる。しかし、従来構成においては、排出口が1個であり、1対の攪拌手段が貯留空間を貯留体の並設方向と直交する方向(図29の上下方向)に振り分け配置されているので、貯留している穀物の排出処理や前記攪拌手段による攪拌処理を、分割した空間毎に行うことができないものとなる。
【0007】本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、合理的な構成によって、穀物貯留用の空間の数をできるだけ多くすることが望まれる場合にも対応することが可能でありながら、1つの穀物貯留用の空間における貯留量をできるだけ大きくさせることができ、且つ、攪拌処理や排出処理も適正に行うことが可能となる穀物貯留設備を、部材の共用化により低コストで提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、側部周囲を囲う側壁部と床部とにより穀物貯留用の空間を形成した貯留体を水平方向に複数並べて貯留部が構成され、前記貯留部の上方側に位置して、穀物を各貯留体の並び方向に沿って搬送するとともに搬送する穀物を前記貯留部に上部側から供給するように構成され、且つ、搬送する穀物を供給する穀物供給位置を穀物搬送方向に沿って位置変更調整自在に構成された穀物供給手段が設けられ、前記各貯留体の床部には、貯留している穀物を外部に排出するための排出口が形成され、前記各貯留体の内部の穀物貯留用の空間には、貯留している穀物を攪拌する攪拌手段が設けられている穀物貯留設備において、前記貯留体が、その穀物貯留用の空間を前記穀物搬送方向に沿って並ぶ複数の貯留領域に分けて使用できるように、前記複数の貯留領域の夫々に対応させて前記排出口を備えさせるように構成され、前記複数の貯留領域の夫々に対応させて前記攪拌手段が設けられ、各攪拌手段は、前記貯留部の上方側に位置して前記穀物搬送方向に沿って往復移動操作自在な移動体と、前記穀物搬送方向と交差する方向に並ぶ状態で前記移動体にて垂下状態で支持される複数のスクリュー式の攪拌装置とを備えて構成されていることを特徴とする。
【0009】すなわち、前記貯留体の穀物貯留用の空間を1つの領域として使用して穀物を貯留させる場合には、前記穀物供給手段によって供給して、その穀物貯留用の空間内のほぼ全域という大きな空間で貯留させることができる。このとき、複数の攪拌手段は穀物搬送方向に沿って移動させて供給の邪魔にならないようにできる。又、その穀物貯留用の空間に貯留される穀物は複数の攪拌手段によって良好に攪拌処理することができ、貯留している穀物を外部に排出する場合には、2つの排出口を通して排出させるようにしたり、あるいは、1つの排出口からのみ排出させることもできる。このように、そのときの使用状況に応じて、2つの排出口を通して排出させる状態と、1つの排出口からのみ排出させる状態とを選択することができるので、例えば、排出手段として、通風手段にて通風される風力を利用して排出させる構成とした場合であれば、通風手段による風を2つの排出口に対して同時に作用させるよりも1つの排出口に対して集中させて作用させることで風力を大きくして排出作業を能率よく行わせることが可能となる。
【0010】そして、穀物貯留用の空間を穀物搬送方向に沿って並ぶ複数の貯留領域に分けて使用できるようにそれらの複数の貯留領域を区分けするような仕切りを設けると、複数の貯留領域夫々が単独で貯留可能な空間として利用できる。このように仕切られた夫々の貯留領域内に、穀物供給位置を穀物搬送方向に沿って位置変更調整自在に構成された穀物供給手段によって、各別に仕分けした状態で供給することが可能である。又、複数の攪拌手段は、複数の貯留領域の夫々に対応させて設けられ、各攪拌手段は、複数のスクリュー式の攪拌装置を垂下状態で支持する移動体が、穀物搬送方向に沿って往復移動操作自在に設けられるので、穀物供給手段による穀物供給を邪魔しない位置に退避移動でき、しかも、夫々の攪拌手段によって、各貯留領域に貯留されている穀物に対して各別に攪拌処理を行うことができる。又、複数のスクリュー式の攪拌装置を共通の移動体にて支持するので、複数のスクリュー式の攪拌装置の夫々に各別に移動体を備えるものに比べて部材の共用化により構成を簡素にできる。更に、各貯留領域に貯留されている穀物は、複数の貯留領域の夫々に対応させて備えた排出口より各別に外部に排出させることができるのである。
【0011】例えば各貯留体を大型のもので構成しておくと、貯留体の穀物貯留用の空間のほぼ全域を使用して穀物を貯留させることにより、1つの穀物貯留用の空間における貯留量をできるだけ大きくさせることができる。そして、複数の貯留領域を区分けして使用すると、貯留体の個数をそれほど多くしなくても、穀物貯留用の空間の数をできるだけ多くすることが望まれる場合にも対応することが可能となり、しかも、貯留体の穀物貯留用の空間のほぼ全域を使用する状態と、複数の貯留領域を区分けして使用する状態とが、中間の仕切りの有無によって変更できるので、その他の部材は共用することにより、部材の共用化によるコストダウンが可能となるのである。
【0012】従って、穀物貯留用の空間の数をできるだけ多くすることが望まれる場合にも対応することが可能でありながら、1つの穀物貯留用の空間における貯留量をできるだけ大きくさせることができ、且つ、攪拌処理や排出処理も適正に行うことが可能となる穀物貯留設備を、部材の共用化により低コストで提供できるに至った。
【0013】請求項2によれば、前記各貯留体における床面の上部近くの空間を、前記複数の貯留領域に対応させて仕切る仕切り体が設けられていることを特徴とする。
【0014】すなわち、前記仕切り体によって、床面の上部近くの空間が複数の貯留領域に対応させて仕切られるので、貯留体の穀物貯留用の空間のほぼ全域を使用して穀物を貯留させる場合において、1つの排出口からのみ穀物を排出させるときに、仕切り体によって他の貯留領域における穀物により影響を受けない状態で、排出作動を円滑に行えるものとなる。特に、通風手段にて通風される風を利用して排出させる構成とした場合には、風が他の貯留領域に供給されることを仕切り体により防止して円滑な排出作動を行えるものとなる。このようにして請求項1を実施するのに好適な手段が得られる。
【0015】請求項3によれば、側部周囲を囲う側壁部と床部とにより穀物貯留用の空間を形成した貯留体を水平方向に複数並べて貯留部が構成され、前記貯留部の上方側に位置して、穀物を各貯留体の並び方向に沿って搬送するとともに搬送する穀物を前記貯留部に上部側から供給するように構成され、且つ、搬送する穀物を供給する穀物供給位置を穀物搬送方向に沿って位置変更調整自在に構成された穀物供給手段が設けられ、前記貯留体の床部には、貯留している穀物を外部に排出するための排出口が形成され、各貯留体の内部の穀物貯留用の空間には、貯留している穀物を攪拌する攪拌手段が設けられている穀物貯留設備において、前記貯留体が、その穀物貯留用の空間を前記穀物搬送方向に沿って並ぶ複数の貯留領域に分けて使用できるように、前記複数の貯留領域の夫々に対応させて前記排出口を備えさせるように構成され、前記貯留体の穀物貯留用の空間を、前記複数の貯留領域に対応させた状態で、上下方向のほば全域にわたり仕切る仕切り壁が設けられ、前記各攪拌手段は、前記貯留部の上方側に位置して前記穀物搬送方向に沿って往復移動操作自在な移動体と、前記穀物搬送方向と交差する方向に並ぶ状態で前記移動体にて垂下状態で支持される複数のスクリュー式の攪拌装置とを備えて構成されていることを特徴とする。
【0016】すなわち、前記貯留体の穀物貯留用の空間が前記仕切り壁にて仕切られた複数の貯留領域内に、穀物供給位置を穀物搬送方向に沿って位置変更調整自在に構成された穀物供給手段によって各別に仕分けした状態で穀物を供給して貯留することができる。複数の攪拌手段は、複数の貯留領域の夫々に対応させて設けられ、各攪拌手段は、複数のスクリュー式の攪拌装置を垂下状態で支持する移動体が、穀物搬送方向に沿って往復移動操作自在に設けられるので、夫々の攪拌手段によって、各貯留領域に貯留されている穀物に対して各別に攪拌処理を行うことができる。複数のスクリュー式の攪拌装置を共通の移動体にて支持するので、複数のスクリュー式の攪拌装置の夫々に各別に移動体を備えるものに比べて部材の共用化により構成を簡素にできる。更に、各貯留領域に貯留されている穀物は、複数の貯留領域の夫々に対応させて備えた排出口より各別に外部に排出させることができるのである。
【0017】そして、前記仕切り壁を取り外すことにより貯留体の穀物貯留用の空間のほぼ全域を使用して穀物を貯留させる状態にさせることが可能である。そのような状態では、その穀物貯留用の空間内のほぼ全域という大きな空間で貯留させることができる。又、その穀物貯留用の空間に貯留される穀物は複数の攪拌手段によって良好に攪拌処理することができ、貯留している穀物を外部に排出する場合には、複数の排出口夫々を通して同時に排出させるようにしたり、あるいは、1つの排出口からのみ排出させることも可能となる。このように複数の排出口を通して同時に排出させたり1つの排出口からのみ排出させたりするなど、各種の使用状態を選択することができるので、例えば、排出手段として、通風手段にて通風される風力を利用して排出させる構成とした場合であれば、通風手段による風を複数の排出口に対して同時に作用させるよりも1つの排出口に対して集中させて作用させることで風力を大きくして排出作業を能率よく行うことも可能となる。
【0018】従って、貯留体の穀物貯留用の空間を複数の貯留領域に区分けして使用することにより、穀物貯留用の空間の数をできるだけ多くさせることができ、しかも、仕切り壁を取り外して使用すると、貯留体の穀物貯留用の空間のほぼ全域を使用して穀物を貯留させることにより、1つの穀物貯留用の空間における貯留量をできるだけ多くさせることが望まれる場合にも対応することが可能となり、しかも、貯留体の穀物貯留用の空間のほぼ全域を使用する状態と、複数の貯留領域を区分けして使用する状態とが、中間の仕切り壁の有無によって変更できるので、その他の部材は共用することにより、部材の共用化によるコストダウンが可能となるのである。
【0019】従って、穀物貯留用の空間の数をできるだけ多くすることが望まれる場合にも対応することが可能でありながら、1つの穀物貯留用の空間における貯留量をできるだけ大きくさせることができ、且つ、攪拌処理や排出処理も適正に行うことが可能となる穀物貯留設備を、部材の共用化により低コストで提供できるに至った。
【0020】請求項4によれば、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記攪拌手段は、前記各スクリュー式の攪拌装置が前記穀物搬送方向と直交する方向に往復移動操作自在に前記移動体に支持されていることを特徴とする。
【0021】移動体が穀物搬送方向沿って往復移動操作され、且つ、その移動体に対して、各スクリュー式の攪拌装置が前記穀物搬送方向と直交する方向に往復移動操作されることによって、スクリュー式の攪拌装置が穀物搬送方向及びそれと直交する方向の夫々に移動するので、少ない台数のスクリュー式の攪拌装置であっても貯留用の空間のほぼすべての部分に対して攪拌処理を行うことが可能となる。尚、このような構成に代えて、スクリュー式の攪拌装置を前記穀物搬送方向と直交する方向に沿って位置固定状態で多数並列配備させる構成も考えられるが、このようにするとスクリュー式の攪拌装置の台数が多くなり攪拌手段の構成が複雑になるが、上記構成によれば、少ない数のスクリュー式の攪拌装置による簡単な構成で、貯留されている穀物をほぼすべての領域において攪拌させることが可能となり、請求項1〜3のいずれかを実施するのに好適な手段が得られる。
【0022】請求項5によれば、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記複数の貯留領域夫々における床部には、床下側から通風供給される穀物排出用気体を床上側に通過させて、床面上を前記排出口側に向けて流動するように案内する通気案内部が形成され、通風手段により通風される前記穀物排出用気体を前記床部の床下箇所に通気案内する通気案内手段が備えられ、前記通気案内手段が、前記通風手段にて通風される前記穀物排出用気体を、前記複数の貯留領域に対して選択的に供給させるように構成されていることを特徴とする。
【0023】すなわち、通風手段により通風される穀物排出用気体が、通気案内手段により複数の貯留領域夫々における床部の床下箇所に通気案内され、その床部に形成された通気案内部を床上側に通過して床面上を排出口側に向けて流動するように案内される。この床面上を流動案内される穀物排出用気体によって穀物が排出口に向けて流動案内されて排出される。そして、前記通気案内手段が、前記穀物排出用気体を複数の貯留領域に対して選択的に供給させるように構成されているので、例えば、複数の貯留領域の夫々に穀物排出用気体を流動させて各貯留領域の穀物を同時に排出させる状態と、複数の貯留領域のいずれかにのみ穀物排出用気体を流動させてその貯留領域のみの穀物を排出させる状態とに切り換えて使用するなど使用状況に応じて使い分けが可能となる。特に、前記貯留体の穀物貯留用の空間を1つの領域として使用して穀物を貯留させる形態において穀物を外部に排出させる場合、通風手段による風を複数の排出口に対して同時に作用させるよりも1つの排出口に対して集中させて作用させることで風力を大きくして排出作業を能率よく行わせることができる利点がある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る穀物貯留設備の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1に示すように、穀物処理設備は、納入者が穀物の荷受け処理を行う荷受け部A、穀物を貯留するとともに乾燥処理する貯留部D、穀物の籾摺調整を行う籾摺調整部E及び出荷処理を行う出荷部F等を備えて構成されている。ここで、前記貯留部Dは、側部周囲を囲う側壁部と床部とにより穀物貯留用の空間としての貯留空間を形成した貯留体としての貯留ビン1を水平方向に複数並べて構成されている。
【0025】荷受け部Aは、穀物を受け入れる荷受けホッパー21、荷受けホッパー21からの穀物を横送りする荷受けコンベア22、穀物を揚送する第1揚送コンベア23、穀物を一旦貯留する流量調整タンク24、穀物から藁屑等の異物を除去するための粗選機25、精選処理時には粗選機25から排出される穀物を精選別する精選機26、荷受け処理時には粗選機25から排出される穀物を計量し、精選処理時には精選機26から排出される穀物を計量する荷受け用計量機27、粗選機25から排出される枝梗付き籾等から枝梗等を除去する脱芒機28、精選機26から排出される脱ぷ米を貯留する脱ぷ米タンク29等を備えている。又、籾摺調整部Eには、調整タンク61、籾摺調整装置62、石抜機63等が備えられ、出荷部Fには、計量タンク64、出庫用計量機65、自動給袋機66等が備えられている。前記貯留部Dの上方側には、荷受け用計量機27から排出され第2揚送コンベア2によって揚送され、さらに、横送りコンベア3によって横送りされた穀物を貯留ビン1の並び方向に沿って搬送するとともに搬送する穀物を貯留部Dに上部側から供給するように構成され、且つ、搬送する穀物を供給する穀物供給位置を穀物搬送方向に沿って位置変更調整自在に構成された穀物供給手段としての移動ベルトコンベア4が設けられている。この移動ベルトコンベア4は、図24、図25に示すように、支持レール80上を複数の輪体81、82が転動しながら貯留ビン1の並び方向に沿って移動自在に支持される構成であり、輪体82を電動モータ83にて駆動することで移動するように構成されている。この移動ベルトコンベア4によって貯留ビン1の並び方向に沿って搬送された穀物は、その先端部に備えられた分配器4aによって左右に分配させた状態で貯留空間内に供給され、貯留ビン1のいずれかに穀物が貯留されることになる。そして、貯留ビン1に貯留されて乾燥処理された穀物は、各下端部の排出口69から後述のように送風によって排出されて横送りコンベア70及び各搬送コンベアにより、籾摺調整部Eに供給され、更に、出荷部Fを通して出荷されるようになっている。尚、貯留部Dの上方側部分は屋根Gで覆われる構成となっている。
【0026】次に各貯留ビン1の構成について説明する。図2に示すように、前後方向に5個の貯留ビン1が並列配置されて1組の乾燥貯留部が構成され、その乾燥貯留部が2組並列配置される状態で設けられている。そして、図12に示すように、各組の貯留ビン1の夫々に対して多孔状で通気可能な床部31の下方側から導入して貯留ビン1の上部から排出するように通風させる送風機32が設けられ、送風機32による通流空気を、各貯留ビン1全ての床部31に導入する状態と、複数の貯留ビン1のうちから選択された領域の下方側に導入する状態とに切り換え自在に構成されている。又、貯留ビン1夫々の上部に対して排気作用する排風機33を設けている。
【0027】詳述すると、貯留ビン1の床部31と下方側の底部37との間を隔壁38により上下二つに仕切り、隔壁38と底部37との間を、隔壁39により貯留ビン1の並設方向と直交する方向に仕切ってある。隔壁38の下方に隔壁39によって仕切られる一方の空間は、送風機32からの空気を床部31の下方側から貯留空間に導入するための導風路42を形成している。導風路42を形成する空間と、貯留ビン1内において床部31と隔壁38とによって仕切られる空間との間には、送風機32からの送風をその貯留ビン1内に供給する連通状態と、送風を遮断する状態とに切り換えるための通風制御用ダンパ46を設けてある。又、隔壁38の下方に隔壁39によって仕切られる一方の空間には、穀粒排出用の横送りコンベア70を配置してある。
【0028】そして、図13に示すように、貯留ビン1における穀物貯留空間の床部31は、金属板を打ち抜いて多数の通気孔31aを形成するとともに、打ち抜きの際に舌片31bが形成され、下方側から供給される空気を上方側に通過させるとともに、排出口69側に向きを変更して送風するように構成している。尚、前記各排出口69の下方側には、その排出経路を開閉操作自在な排出用シャッター36が備えられている。
【0029】前記各貯留ビン1の内部の貯留空間には、穀物を上下方向に移動しながら攪拌する攪拌手段10を設けてある。この攪拌手段10は、上下方向に沿う軸芯周りで回転しながら前記貯留空間に貯留される穀物を攪拌処理するスクリュー式の攪拌装置としての攪拌スクリュー11が平面視にて略直交する2方向夫々に移動操作自在に設けられて構成されている。詳述すると、図16、図17に示すように、支持枠12にて上下方向に沿う軸芯周りで回転自在に一対の攪拌スクリュー11が支持されるとともに、この支持枠12が貯留ビン1の並設方向(以下、Y方向という)並びにそれと略直交する方向(以下、X方向という)夫々に沿って移動操作自在に構成されている。つまり、支持枠12にX方向に沿って適宜間隔をあけて一対の攪拌スクリュー11が上下方向に沿う軸芯周りで回転自在に支持されるとともに、各攪拌スクリュー11を各別に回転駆動する回転用電動モータM1が夫々設けられている。又、前記支持枠12の上部側ガイド部12aが、X方向に沿って設けられる長尺状の支持レール14にガイドローラ15にて移動操作自在に支持されるとともに、第1移動用電動モータM2の動力が減速機構16を介して駆動輪17を駆動することで支持レール14上をX方向に沿って移動するように構成されている。一方、支持レール14は、長手方向両端側に備えられたガイドローラ18がY方向に沿って設けられる長尺状の固定ガイドレール19に転動案内される構成となっており、第2移動用電動モータM3の動力が減速機構20を介してガイドローラ18を駆動することにより、支持レール14、支持枠12、及び、各攪拌スクリュー11の夫々が一体的にY方向に沿って移動するように構成されている従って、回転用電動モータM1を駆動させて各攪拌スクリュー11夫々を回転させながら、第1移動用電動モータM2及び第2移動用電動モータM3を正逆方向に駆動させて、貯留空間Diの略全域にわたって貯留されている穀物を上下方向に攪拌移動させることができるように構成してある。
【0030】尚、前記固定ガイドレール19に沿うように、図示しない点検用の入り口から作業者が入り込んで歩行移動することが可能なようにメンテナンス用の通路tuが形成されるとともに、前記支持枠12には前記上部側ガイド部12aから下方側にむけてハシゴ12bが形成され、その下部には点検用架台12cが連設されている。従って、作業者は、前記通路tuからハシゴ12bを利用して点検用架台12cまで移動し、この点検用架台12cにて前記回転用電動モータM1等の点検作業を行えることになる。
【0031】そして、上記構成の各貯留ビン1は、夫々、図4、図5に示すように、貯留空間を、移動ベルトコンベア4による穀物搬送方向、すなわち、前記Y方向に沿って並ぶ2つの貯留領域Q1,Q2に分けて使用できるように、2つの貯留領域Q1,Q2の夫々に対応させて排出口69を備えさせるように構成され、2つの貯留領域Q1,Q2の夫々に対応させて攪拌手段10が設けられ、各攪拌手段10における移動体としての支持レール14が、貯留部の上方側に位置して前記Y方向に沿って往復移動操作自在に設けられ、移動ベルトコンベア4による穀物搬送方向と交差する方向、すなわち、前記X方向に並ぶ状態で一対の攪拌スクリュー11(スクリュー式の攪拌装置)が備えられる構成となっている。しかも、前記2つの貯留領域Q1,Q2の床部31に対して各別に前記通風制御用ダンパ46が備えられるとともに、送風機32からの送風を選択的に供給させることができるように通風経路が構成されている。
【0032】図14、図15に示すように、各送風機32、排出用シャッター36、ダンパ46、各電動モータ等の作動を制御する制御装置53と、作動内容を指令する操作盤54とが備えられている。そして、制御装置53は、切換スイッチ54aにて通風モードが指令されると、図15に示すように、全ての排出用シャッター36を閉じ状態とし、選択スイッチ54bにて選択された貯留ビン1に対して通風制御用ダンパ46を開状態とするとともに、送風機32、各電動モータを作動させて、通風乾燥が行われる。そして、排出モードが指令されると、図14に示すように、選択スイッチ54cにて選択された貯留ビン1の排出用シャッター36及び通風制御用ダンパ46のみ開状態として、他の全ての排出用シャッター36及び通風制御用ダンパ46を閉じ状態とする。このようにして、送風機32の通流空気を選択された貯留ビン1の床部31の下方側から導入して、その空気によって穀物を排出口側に流動させることにより、貯留ビン1内の穀物を全て排出することができる。しかも、その排出モードにおいては、切換指令スイッチ54dにより、選択された一つの貯留ビン1における一対の排出口69から夫々同時に排出させる両側排出状態と、一対の排出口69のうちのいずれか一方の排出口69からのみ排出させる片側排出状態のうちのいずれかを選択することができるように構成されている。図14では、第1番目の貯留ビン1が片側排出状態であることを示している。このようにして、送風機32による通流空気を、2つの貯留領域Q1,Q2に供給して均等に穀物を排出させる状態と、1つの貯留領域のみに集中して供給することで排出作動を能率よく行わせる状態とを選択することができ、使用状況に応じて使い分けができる。
【0033】しかも、貯留ビン1の内部における床面の上部近くの空間を、2つの貯留領域Q1,Q2に対応させて仕切る仕切り体100が設けられており、前記片側排出状態において、他方側の排出口に向けて誤って搬送されるなどの不利を回避して、極力無駄の無い状態で搬送させることができるようにしている。
【0034】次に、上記貯留ビン1の各穀物の貯留空間Diを形成するための構成について説明する。上記貯留ビン1は、図5、図6に示すように、複数の柱部材5とそれら柱部材5同士を連結する梁部材6とによって、パネル組付用の矩形状の枠部分が区画形成され、その枠部分の内部に中空の矩形形状に形成されたパネルPが組付けられて、乾燥又は貯蔵のために穀物を貯留する貯留空間の側壁部が構成されている。すなわち、柱部材5、梁部材6及びパネルPが設置箇所において組付けられて、それらによって平面視で略四角形状の周壁部が形成されるとともに、周壁部にて囲まれる領域に乾燥又は貯蔵のために穀物を貯留する穀物の貯留空間Diが形成される。尚、各貯留空間Diの下方側に、前記乾燥用の送風を行う導風路42等を配置させるための床枠部UKが形成される。
【0035】ここで、前記枠部分にパネルPを組み付けた状態では、パネルPに対しては、上下方向並びに横方向での荷重がほとんどかからず、貯留穀物によるパネル厚さ方向での圧力だけがかかるようにして、後述のように中空状態にして軽量化したパネルPでも、要求される強度を充分に確保できるようにしてある。尚、隣接して配置された複数の貯留空間Di同士で、柱部材5、梁部材6及びパネルPが共用されている。
【0036】次に、図7、図8に基づいて、パネルPについて説明する。このパネルPは、パネル厚さ方向に間隔を隔てて位置して平坦面状の一対のパネル表面部を形成するように矩形中空状に構成されている。つまり、横断面形状が略コの字形になるように屈曲成形した一対の板状部成形材7同士を、平坦状のパネル形成面7aが外方側に位置する状態で張り合わせて、中空状になるように構成されている。説明を加えると、板状部成形材7の外周部を横断面形状が略コの字形になるように屈曲成形して屈曲部7bと鍔部7cとで形成される内部空間に、上下方向に4個、左右方向に3個の断面形状が略L形の補強材8を、適宜間隔をあけて配置して溶接接続してあり、板状部成形材7に補強材8を溶接した状態では、補強材8の外方側の面が板状部成形材7の鍔部7cの外方側の面と略同一面を形成するとともに、補強材8が板状部成形材7の両側の鍔部7c間の略全長にわたる状態となるようにしてある。そして、一対の板状部成形材7を、夫々の鍔部7c同士、補強材8同士夫々を当付けた状態で対向させて、一対の板状部成形材7夫々の屈曲部7b同士を溶接接続して1枚の矩形中空状のパネルPを構成してある。
【0037】そして、パネルPは、左右両側縁部において、パネルPの外周部から外方側に向けて突出するように固定状態でフランジ部としての取付け用板材71が設けられる構成としている。つまり、断面が略T字形となるように取付け用板材71と取付け用の台座72と溶接固定され、台座72が矩形中空状のパネルの左右両側の端面部に溶接固定され、取付け用板材71がパネルPの外周部から左右横外方側に向けて突出するように固定状態で設けられる構成となっている。この取付け用板材71は複数のボルト挿通孔73が形成されている。尚、前記パネルPは、その中空部内部に補強材8を縦方向並びに横方向に略等間隔で並設してあり、そのことによって、パネル幅方向の全体において同じ強度になるように補強するように構成してある。上記補強材8の個数は必要とする強度に応じて適宜変更してもよい。
【0038】図5、図6、図9を参照しながら、柱部材5、梁部材6、及び、パネルPの組み付け構造について説明を加える。尚、貯留空間の床面の下方側には、上記したような導風路42や横送りコンベア70等の設置用の空間を確保する床枠部UKを形成しながら、各柱部材5や梁部材6及びパネルPを順次組み付けていくことになる。このような組み付け作業は、設備の外周側に位置させた状態で高い位置での締結作業を行えるようにするために作業用の足場が組まれることになる。各柱部材5は、夫々、横断面形状が角型中空状となる角筒材、具体的には、引き抜き加工による市販の角形鋼管が予め工場にて適宜長さに切断して加工された角筒材にて構成され、床枠部UKの上部側から上端部まで上下方向に沿って連なる一体形状として構成されている。又、各梁部材6は、各柱部材5を横方向に連結するように各パネルPの横方向の幅にほぼ対応する長さに形成され、上下方向中間部及び上方箇所の夫々に位置する梁部材6は、長手方向中間部分が、柱部材5と同様な断面形状が角型中空状となる角筒材からなる角筒部6aにて構成され、長手方向両端側箇所は、断面形状がH形の鋼材からなるH形部6bにて構成され、それらが予め溶接にて連結されて構成されている。尚、床面を支持する部材を兼ねる下側の梁部材6は、全域にわたりH形の鋼材にて構成されている。
【0039】図9に示すように、柱部材5の外周面における梁部材6との連結箇所には、横側方に向けて突出する状態で縦向きの連結板75が溶接固定され、梁部材6のH形部6bと連結板75とをボルト連結することで、柱部材5と梁部材6とが連結される構成としている。又、矩形状の枠部分の内周面における左右両側部を構成する柱部材5の外周面には、枠部分の内方側に向けて突出する状態で枠部分の上下方向ほぼ全域にわたり、フランジ部としての縦向きの取付板77が溶接固定されている。この取付板77には、パネル締結用の複数のボルト挿通孔78が形成されている。そして、前記パネルPが、その上下縁部を非連結状態とし、その左右縁部を柱部材5に締結手段にて連結する形態で枠部分に組付けられ、前記枠部分が、複数枚のパネルPを上下方向に並べて取り付けるように区画形成されて、その枠部分の内部に、パネルPが、上下方向に並ぶ状態で組付けられる構成であり、複数のパネルPとしては全て同仕様のものが用いられる。そして、隣接する柱部材5同士の間には上下方向に並べて2つの枠部分が形成されて、各枠部分において上下に並べて取り付け可能なパネル数を、上方側のものの方が下方側のものよりも多くなる状態で形成されて、それら枠部分の内部に、パネルPが、上下方向に並ぶ状態で組付けられている。すなわち、床面の支持部材を兼ねる最下段の梁部材6と中間部の梁部材6との間には、3枚のパネルPが上下に並べて取り付けられ、中間部の梁部材6と上部側の梁部材6との間には4枚のパネルPが上下に並べて取り付けられている。尚、図5においては、平面視で矩形状の貯留空間を形成する側壁部における周囲4面のうちの1面(パネル、中間の柱部材等)を切り欠いた状態を示している。
【0040】パネルPの取付け構造について説明すると、図10に示すように、パネルPの左右両側部における取付け用板材71を、柱部材5に取付けられている取付板77とを重なるように当て付けた状態で、夫々に形成された複数のボルト挿通孔73、78にわたって貫通装着されるネジ式締結具としてのボルト・ナット79にて締め付けることで、柱部材5に対してパネルPを連結固定する構成としている。
【0041】そして、貯留空間内部において、図18に示すように、パネルPの上下縁部と、それに隣接する隣接物としての梁部材6又は他のパネルPとの間を、それらが貯留空間の内外方向で相対移動することを許容する状態でシールするシール手段Sが設けられている。このシール手段Sは、金属製の帯板状で、且つ、幅方向の両端側に貼着部を備えかつ両貼着部の間にそれらが相対移動することを許容する融通部を備える状態で形成された帯状シートにて構成されており、その帯状シートSが、パネルPの上下縁部とそれに隣接する隣接物、つまり、他のパネルPや梁部材6とに亘り、パネルPの上下縁部の長手方向に沿って貼着されている。説明を加えると、シール手段Sは、ステンレス材の薄い帯板状のシールにて構成され、その片方の面には、幅方向の両端側に接着材が塗布された貼着部tが形成され、それらの両貼着部t、tの間には、例えば図19(イ)に示すように、融通部yとして折り返し部を形成することにより、両貼着部t、tが相対移動することを許容する構成となっており、パネルPの上下縁部の長手方向に沿って、パネルPの上下縁部とそれに隣接する隣接物とに両貼着部t、tが夫々貼着される構成となっている。尚、前記融通部yとしては、図19(ロ)に示すように、断面が波板状に屈曲形成させる構成のもの等でもよい。
【0042】このようにして、貯留空間に穀物が貯留されることにより、その貯留される穀物による荷重が掛かり、パネルPが貯留空間の内外方向に撓むことがあっても他のパネルPや梁部材6との間での相対移動を許容するようにしながら、それらの間に隙間が発生して穀物が入り込んだりすることを有効に回避できるようにしている。ところで、梁部材6の厚さはパネルPの厚さよりも少し大きくなっているが、図20に示すように、梁部材の角部分は円弧状に形成されて、穀物が堆積することなく下方に落下案内される構成としている。
【0043】そして、図10、図21に示すように、平面視で略四角形状に形成される周壁部の四隅の角部夫々において、その貯留空間の角部を非貯留状態にするために仕切る板状仕切り体97が、隣接する壁部に亘る状態で、かつ、壁部の高さ方向全体に位置する状態で設けられている。従って、パネルPと柱部材5との連結箇所が貯留空間と遮断されており穀物が存在しない領域となる。このような周壁部の四隅の角部は、その領域にも穀物を貯留できるようにすると、図22に示すように、攪拌スクリュー11による未攪拌域になってしまうので、上記したように仕切り板97を設けて貯留空間と遮断することで攪拌されない領域に穀物が貯留されるのを未然に防止できることになる。
【0044】前記攪拌スクリュー11による未攪拌域としては、平面視にて周壁部の四隅の角部に対応する個所だけでなく、図23に示すように、側面視における下端側の角部においても攪拌されない領域が生じるので、上記縦方向の仕切り板97と同様に、図21に示すように、斜め姿勢の横方向の仕切り板98を設けて、貯留空間と遮断することで攪拌されない領域に穀物が貯留されるのを未然に防止するようにしている。この仕切り板98には、送風機32による通流空気を通流させる通気孔98aが形成されている。尚、図5、図10に示すように、組み立て作業が終了した後に、点検用のハシゴHaが設けられる。これは、この設備が使用された後に、例えば、床面の清掃等のメンテナンスや点検作業等を行うために作業者が昇降するためのものである。
【0045】次に、上記穀物貯留設備(以下、第1設備という)の構成のうちの多くの部材を共用しながら、穀物貯留用の空間の数を20個にさせて、穀物の仕分け処理数を多くさせることが可能な穀物貯留設備(以下、第2設備という)について説明する。この第2設備においては、貯留部の構成だけが上記した第1設備とは異なり、他の構成については同一であり、以下、異なる構成について説明し、同一構成については説明は省略する。
【0046】図26〜図28に示すように、この設備における貯留部は、前記貯留ビン1における仕切り体100の代わりに、前記貯留ビンの穀物貯留用の空間を2つの貯留領域Q1,Q2に対応させた状態で、上下方向のほば全域にわたり仕切る仕切り壁200が設けられる構成となっている。説明を加えると、前記貯留ビン1の穀物貯留用の空間の中央位置に、他の柱部材5と同様な構成の柱部材5を設けるとともに、この柱部材5と、貯留ビンの並び方向と直交する方向の両側に位置する柱部材との間に、上記したような取付け構造と同様な取付け構造により梁部材6及び複数のパネルPを取付けて、前記仕切り壁200を形成する構成となっている。従って、2つの貯留領域Q1,Q2は夫々独立した空間として構成されることになる。尚、一つの貯留領域の貯留容量は約50トンであり、貯留部全体での総貯留量は約1000トンである。
【0047】そして、各貯留領域Q1,Q2には、攪拌手段10が各別に備えられるとともに、排出口69も各別に形成されることになり、しかも、上記したように送風機32にて通風される穀物排出用空気を複数の貯留領域に対して選択的に供給させることができるように構成されている。従って、仕切り壁200にて仕切られた各貯留領域において、独立して穀物を仕分けした状態で、穀物の供給、乾燥処理及び排出処理を行うことができるのであり、結果的に穀物貯留用の空間の数をできるだけ多くすることができる。しかも、仕切り壁200を除くその他の構成は上記第1設備と同じであり、部材の共用化によるコストダウンを図ることができる。尚、第1設備や第2設備における穀物貯留量(100トン及び50トン)は、一例に過ぎず、このような貯留量に限定されるものではない。
【0048】〔別実施形態〕次に別実施形態を説明する。
【0049】(1)上記実施形態においては、貯留体としての貯留ビンが、その穀物貯留用の空間を前記穀物搬送方向に沿って並ぶ2つの貯留領域に分けて使用できるように構成されるものを例示したが、このような構成に限らず、一つの穀物貯留用の空間を3個以上の貯留領域に分けて使用できるように構成してもよく、その複数の貯留領域に対応して前記攪拌手段や前記排出口を設ける構成としてもよい。
【0050】(2)上記実施形態においては、第1設備において前記各貯留体における床面の上部近くの空間を、前記複数の貯留領域に対応させて仕切る仕切り体が設けられる構成としたが、このような仕切り体を設けない構成としてもよい。
【0051】(3)上記実施形態においては、前記攪拌手段が、各スクリュー式の攪拌装置が穀物搬送方向と直交する方向に往復移動操作自在に移動体(支持レール14)に支持される構成としたが、このような構成に限らず、スクリュー式の攪拌装置を前記穀物搬送方向と直交する方向に沿って位置固定状態で多数並列配備させる構成としてもよい。
【0052】(4)上記実施形態においては、並設して設けられる複数の貯留体としての貯留ビンの全てのものに攪拌手段が備えられる構成を例示したが、このような構成に限らず、複数の貯留ビンのうちの一部のものにだけ攪拌手段を備えて、その他の残りの貯留ビンには攪拌手段を備えない構成としてもよい。
【0053】(5)上記実施形態においては、隣接配置された複数の貯留空間Diを備えて、それら隣接する貯留空間Di同士で、柱と梁とパネルとを共用するようにしたが、このような形態に限るものではなく、種々の形態で構成することができる。例えば、単一の貯留空間を備えるようにしたり、あるいは、複数の貯留空間を隣接させない状態で備えるようにしてもよく、これらの場合には、上記柱部材等は共用されない。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成13年1月18日(2001.1.18)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2002−209435(P2002−209435A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−10076(P2001−10076)