トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 脱穀機の揺動選別体
【発明者】 【氏名】川村 芳弘

【要約】 【課題】チャフシーブ上を飛び跳ねた籾が、揺動選別体の後方部に斜設してなる二番流板の後端(上端)に衝突して飛散することを抑止する。

【解決手段】揺動選別体15の後方部に斜設してなる二番流板14の後端(上端)14aに、籾の衝突による跳ね返り(飛散)を抑止する緩衝部材30を取着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱胴(2a)の下方に形成された選別風路内に揺動選別体(15)を架設してなる脱穀機(1)において、前記揺動選別体(15)の後方部に斜設した二番流板(14)の後端(14a)に衝突する籾の飛散を抑止すべく、前記二番流板(14)の後端(14a)に緩衝部材(30)を取着したことを特徴とする脱穀機の揺動選別体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体に搭載される脱穀機の揺動選別体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、扱胴の後方に併設された処理胴を有し、これらの下方に形成された選別風路内に揺動選別体を架設してなる脱穀機においては、前記揺動選別体の前後揺動運動による比重選別作用と、選別風路を吹き抜ける選別風による風選作用とによって、処理物を一番物、二番物及び藁屑等の夾雑物とに選別分離し、一番物は一番樋に落下させたのち揚穀筒により籾タンクに回収し、二番物は二番樋に落下させたのち二番還元筒により揺動選別体に還元して再選に供し、藁屑類は吸引ファンにより吸引して機体後方の排塵口から機外へ放出するようにしたものが知られている。
【0003】そして、小稈、藁屑等を篩選別するチャフシーブ(振動篩)上を飛び跳ねた籾が、選別風路を吹き抜ける選別風により飛散し、そのまま吸引ファンにより吸引されて機体の排塵口から機外へ放出されてしまうことを防止するために、前記揺動選別体の後方部に斜設してなる二番流板の後端(上端)は、上方に向けて壁状に突出させて形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したようにチャフシーブ(振動篩)上を飛び跳ねた籾が、前記二番流板の後端(上端)に衝突して上方へ飛散した場合は、前記選別風路を吹き抜ける選別風と吸引ファンにより吸引されて機体後方の排塵口から機外へ放出されてしまうことが多かった。また、上記不具合を改良すべく、前記二番流板の後端(上端)を前方に傾斜させたものでは、衝突による籾の上方への飛散は減少するものの、他の藁屑類が掛着し易くなるという欠点を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような実状に基づく課題を解決することを目的として創案したものであって、扱胴の下方に形成された選別風路内に揺動選別体を架設してなる脱穀機において、前記揺動選別体の後方部に斜設した二番流板の後端に衝突する籾の飛散を抑止すべく、前記二番流板の後端に緩衝部材を取着したことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は図示しない走行機体に搭載された脱穀機であって、該脱穀機1に構成される扱室2に沿ってフィードチェン3を前後方向に張架すると共に、該フィードチェン3の終端部に藁搬送帯4を連設し、前記扱室2で脱穀した後の穀稈を走行機体の後部に配設した排稈処理装置(カッター)5に搬送するようにしている。
【0007】前記脱穀機1は、扱室2を構成する扱胴2a及び扱網2bの終端穂先側に、処理胴6a及び処理網6bを内装する処理室6を併設してある。そして、これらの下方には、波板状の無孔移送板7a及び開度可変なチャフシーブ8、また該チャフシーブ8の下方に無孔移送板7bを配設し、該無孔移送板7bの終端部から後方に向けて濾過体9を張設し、その下方に一番樋10に一番物を流下させる一番流板11を斜設すると共に、該一番流板11の後端部に多数のストローラック12を突設し、その下方に二番樋13に二番物を流下させる二番流板14を斜設して、これらを一体的に枠組みした揺動選別体15を形成している。そして、前記揺動選別体15は、その前後を支持リンク16と駆動機構(リンク)17等で構成する揺動支持機構により着脱可能に支持し、前記揺動選別体15の組み付け及び挿脱作業を簡単に行えるようにしてある。
【0008】また、前記揺動選別体15の下方には、唐箕18、一番流板11等からなる選別風路19が形成され、揺動作動する揺動選別体15に向く下方からの選別風Aにより一番物を風選し、かつ前記選別風路19の後方に配設した補助唐箕20から送風する選別風Bにより、ストローラック12上の二番物を風選するように構成し、更に選別分離した夾雑物を吸引ファン21を介して機体後方の排塵口22から機外へ放出するようになっている。尚、一番樋10に落下した籾は、揚穀筒23により穀粒タンク(図示せず)に揚上搬送され、二番樋13に落下した二番物は、二番還元筒24を介して揺動選別体15上に還元されるようになっている。
【0009】また、図2に示すように、従来より揺動選別体15の後方部に斜設してなる二番流板14の後端(上端)14aは、上方に向けて壁状に突出させてある。つまり、上記形状によって、小稈、藁屑等を篩選別するチャフシーブ(振動篩)8上を飛び跳ねた籾が、選別風路を吹き抜ける選別風により飛散し、そのまま吸引ファン21により吸引されて機体の排塵口22から機外へ放出されてしまうことを防止しようとするものである。ところが、図2に示す如く、前記チャフシーブ(振動篩)8上を飛び跳ねた籾が、前記二番流板14の後端(上端)14aに衝突して上方へ飛び上がった場合は、前記選別風路を吹き抜ける選別風と吸引ファン21によって、前記籾が吸引されて機体後方の排塵口22から機外へ放出されてしまうことがあった。
【0010】しかし、本発明においては図3に示すように、前記二番流板14の後端(上端)14aの内側に、籾の衝突による跳ね返り(飛散)を抑止するための緩衝部材30を接着剤または両面接着テープ等を用いて貼着したことによって、前記チャフシーブ(振動篩)8上を飛び跳ねた籾が、前記緩衝部材30に衝突しても上方へ大きく飛び上がることがなくなり、前記緩衝部材30に衝突した籾はそのまま落下して二番流板14に沿って流下する。したがって、前記緩衝部材30に衝突した籾が、選別風路を吹き抜ける選別風と吸引ファン21により吸引され、機体後方の排塵口22から機外へ放出されることはない。
【0011】本発明で用いる緩衝部材30は、籾が衝突すると籾の衝突方向に歪曲しながら籾の衝突エネルギーを吸収し、しかる後に元の状態に実質的に回復する弾性を有しているものであればその材質を特に制限するものではない。具体的には、ウレタンフォーム、スチレン−ブタジエンラバー(SBR)フォーム、ポリビニルアセタール系スポンジ等の高分子発泡体や軟質ゴム等が挙げることができる。また、不織布、織物、編み物等の繊維を用いて緩衝効果が得られるようにしても良い。そして、前記緩衝部材30の断面を、図4に示すような内部空孔30aを有するように成形し、エアークッション的な緩衝効果が得られるようにしても良い。
【0012】尚、本実施形態では、前記緩衝部材30を二番流板14の後端(上端)14aの内側に貼着したが、緩衝部材30を更に広範囲に貼着すれば、二番流板14に衝突する籾が上方へ飛び上がることは殆どなくなる。また、前記二番流板14の後端(上端)14a自体を、前記緩衝部材30で形成しても良く、その場合は該緩衝部材30を二番流板14の端部に螺設できるように構成しておけば良い。
【0013】
【発明の効果】本発明は前述したように、揺動選別体15の後方部に斜設してなる二番流板14の後端(上端)14aに、籾の衝突による跳ね返り(飛散)を抑止する緩衝部材30を取着したことによって、前記チャフシーブ(振動篩)8上を飛び跳ねた籾が、前記緩衝部材30に衝突しても上方へ大きく飛び上がることがなくなるので、緩衝部材30に衝突した籾はそのまま落下して二番流板14に沿って流下する。したがって、前記緩衝部材30に衝突した籾が、選別風路を吹き抜ける選別風と吸引ファン21により吸引され、機体後方の排塵口22から機外へ放出されることはない。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−209430(P2002−209430A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−11522(P2001−11522)