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【発明の名称】 コンバイン用カッター装置
【発明者】 【氏名】角 力

【要約】 【課題】コンバイン用カッター装置の排稈処理切換板において、開閉作動アームの溶接誤差等に起因する開き角度のバラツキを吸収する。

【解決手段】カッター装置6に、排稈導入口9aを開いて排稈をカッター内部に導く切断処理姿勢と、前記排稈導入口9aを閉じて排稈の導入を規制する非切断処理姿勢とに回動変姿自在な排稈処理切換板12を設けるにあたり、該排稈処理切換板12の開き角度を、ストッパ28の位置調節に基づいて調節可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排稈搬送体から供給される排稈を、上部の排稈導入口から導入して切断処理するコンバイン用のカッター装置であって、該カッター装置に、前記排稈導入口を開いて排稈をカッター内部に導く切断処理姿勢と、前記排稈導入口を閉じて排稈の導入を規制する非切断処理姿勢とに回動変姿自在な排稈処理切換板を設けると共に、該排稈処理切換板の開き角度を調節する開き角度調節手段を設けたことを特徴とするコンバイン用カッター装置【請求項2】 請求項1において、前記排稈処理切換板の基端部に、排稈処理切換操作具に連繋される開閉作動アームを一体的に設けると共に、該開閉作動アームをストッパに接当させて排稈処理切換板の開き角度を規制し、さらに、前記ストッパの位置調節に基づいて排稈処理切換板の開き角度調節を行うことを特徴とするコンバイン用カッター装置
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀済みの排稈を切断処理するコンバイン用カッター装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種コンバイン用カッター装置のなかには、排稈導入口を開いて排稈をカッター内部に導く切断処理姿勢と、排稈導入口を閉じて排稈の導入を規制する非切断処理姿勢とに回動変姿自在な排稈処理切換板を備えるものがあり、この様なカッター装置を装着したコンバインでは、前記排稈処理切換板に連繋される排稈処理切換操作具の操作に基づいて排稈の処理方式を選択的に切換えることが可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の排稈処理切換板においては、開閉作動アームの溶接誤差等に起因し、開き角度にバラツキが生じる場合があり、このバラツキによって開き角度が小さくなると、排稈処理切換板が排稈の導入を阻害して排稈の詰りを発生させる可能性がある一方、開き角度が大きくなると、カッター装置の後方に配置されるノッター装置等に排稈処理切換板が干渉する可能性があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、排稈搬送体から供給される排稈を、上部の排稈導入口から導入して切断処理するコンバイン用のカッター装置であって、該カッター装置に、前記排稈導入口を開いて排稈をカッター内部に導く切断処理姿勢と、前記排稈導入口を閉じて排稈の導入を規制する非切断処理姿勢とに回動変姿自在な排稈処理切換板を設けると共に、該排稈処理切換板の開き角度を調節する開き角度調節手段を設けたことを特徴とするものである。つまり、排稈処理切換板の開き角度を調節可能にすることにより、開閉作動アームの溶接誤差等に起因する開き角度のバラツキを吸収でき、その結果、開き角度のバラツキによって排稈処理切換板が排稈の導入を阻害したり、ノッター装置に干渉する等の不都合を解消することができる。しかも、排稈処理切換板の開き角度を、作業条件に応じて任意に調節することができるため、例えば高速刈取作業時に、排稈処理切換板の開き角度を大きくして排稈の詰りを防止したり、或いは低速刈取作業時に、排稈処理切換板の開き角度を小さくして排稈の散乱を防止できる等の利点がある。また、前記排稈処理切換板の基端部に、排稈処理切換操作具に連繋される開閉作動アームを一体的に設けると共に、該開閉作動アームをストッパに接当させて排稈処理切換板の開き角度を規制し、さらに、前記ストッパの位置調節に基づいて排稈処理切換板の開き角度調節を行うことを特徴とするものである。つまり、ストッパを位置調節自在にするだけで排稈処理切換板の開き角度調節が可能になり、その結果、構造の複雑化やコストアップを伴わずに実施できる利点がある。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。図面において、1はコンバインであって、該コンバイン1は、茎稈を刈取る前処理部2、刈り取った茎稈から穀粒を脱穀し、かつ穀粒を選別する脱穀部3、選別済みの穀粒を貯溜する穀粒タンク4、脱穀済みの排稈を機体後部まで搬送する排稈搬送体5、該排稈搬送体5の終端部下方に装着されるカッター装置6、左右一対のクローラ走行体を備える走行部7、各種の操作具が配置される操作部8等で構成されている。
【0006】9は前記カッター装置6の外殻を形成するカッターケースであって、該カッターケース9は、上面が前高後低状に傾斜した左右に長い箱形状であり、その上部には、前記排稈搬送体5の終端部から落下した排稈をケース内に導入する排稈導入口9aが形成される一方、下部には、切断処理した排稈を排出する排稈排出口9bが形成されている。
【0007】前記カッターケース9は、所定間隔を存して複数の回転刃10が設けられる前後一対のカッター軸11を内部に備え、該一対のカッター軸11を左右の側板9c間で回動自在に支持している。一対のカッター軸11は、図示しない動力伝動機構に連動連結され、所定の周速差をもって逆方向に回転駆動される。これにより、排稈導入口9aから導入される排稈が両カッター軸11間で切断されることになる。
【0008】12は前記排稈導入口9aを開閉する排稈処理切換板であって、該排稈処理切換板12は、排稈導入口9aの後端縁部に支軸13を介して上下回動自在に支持されている。つまり、排稈処理切換板12は、排稈導入口9aを開いて排稈の導入を許容する切断処理姿勢と、排稈導入口9aを閉じて排稈の導入を規制する非切断処理姿勢とに回動変姿自在であるが、切断処理姿勢における排稈処理切換板12は、所定の開き角度に保持され、その下面で排稈の導入を案内する一方、非切断処理姿勢における排稈処理切換板12は、その上面傾斜によって排稈をカッター後方位置(ノッター等の装着位置)まで案内するガイド部材としても機能している。
【0009】排稈処理切換板12の基端部は、パイプ部材で形成される前記支軸13に一体的に溶着されており、さらに支軸13の外端部には、側板9cの外側面に沿って下方に延出する開閉作動アーム15が一体的に溶着されている。開閉作動アーム15の先端部には、コイルバネ16および操作ワイヤ17を介して排稈処理切換レバー18(排稈処理切換操作具)が連繋されており、該排稈処理切換レバー18を切断処理位置側に操作した場合には、開閉作動アーム15が前方に引かれるのに伴って排稈処理切換板12が開き側に回動する一方、非切断処理側に操作した場合には、排稈処理切換板12が自重によって閉じ側へ回動するように構成されている。上記排稈切換処理レバー18は、操作部8の適所に設けられており、回動支軸19を支点とする前後回動操作に応じて操作ワイヤ17を押し引きするように構成されている。尚、図面において、20は操作ワイヤ17が挿通されるアウタチューブ、21は排稈処理切換レバー18側のアウタ受け、22は開閉作動アーム15側のアウタ受けである。
【0010】23は排稈導入口9aの前端縁部に支軸24を介して上下回動自在に設けられる導入ガイド板であって、該導入ガイド板23は、排稈導入口9aの前端部からカッター内方に傾斜状に延出して排稈を導入案内する切断処理姿勢と、排稈導入口9aの前端部を閉じて排稈処理切換板12の先端部を接当支持する非切断処理姿勢とに回動変姿自在に構成されている。導入ガイド板23の基端部は、前記支軸24に一体的に溶着されており、さらに支軸24の外端部には、側板9cの外側面に沿って下方に延出する連結作動アーム26が一体的に固着されている。連結作動アーム26の先端部は、連結リンク27を介して前記開閉作動アーム15の中間部に連結されている。これにより、排稈処理切換レバー18の操作に伴って排稈処理切換板12および導入ガイド板23が連動状態で開閉作動することになる。
【0011】28は前記側板9cの外側面に設けられるストッパであって、該ストッパ28は、排稈処理切換板12が開き側に回動した際に、開閉作動アーム15の中間部に接当して排稈処理切換板12の開き角度を規制する。ストッパ28は、側板9cの外側面に一体的に溶着されるL字状の取付板29と、該取付板29の立上り部29aに重合状に取付けられるストッパプレート30と、該ストッパプレート30を取付板29の立上り部29aに締付け固定するボルト31とで構成されている。ストッパプレート30のボルト貫通孔は、前後方向を向く長孔30aに形成されており、ボルト31を緩めた状態では、取付板29に対するストッパプレート30の取付位置を所定の範囲において調節することができ、それに伴って開閉作動アーム15との接当位置が変化することになる。つまり、ストッパプレート30の位置調節に基づいて排稈処理切換板12の開き角度(切断処理姿勢の保持角度)を調節でき、該開き角度調節によって溶接誤差等に起因する開き角度のバラツキを補正することが可能になる。
【0012】叙述の如く構成されたものにおいて、排稈搬送体5から供給される排稈を、上部の排稈導入口9aから導入して切断処理するカッター装置6に、排稈導入口9aを開いて排稈をカッター内部に導く切断処理姿勢と、前記排稈導入口9aを閉じて排稈の導入を規制する非切断処理姿勢とに回動変姿自在な排稈処理切換板12を設けるにあたり、該排稈処理切換板12の開き角度を調節自在にしたため、開閉作動アーム15の溶接誤差等に起因する開き角度のバラツキを吸収でき、その結果、開き角度のバラツキによって排稈処理切換板12が排稈の導入を阻害したり、ノッター装置に干渉する等の不都合を解消することができる。しかも、排稈処理切換板12の開き角度を、作業条件に応じて任意に調節することができるため、例えば高速刈取作業時に、排稈処理切換板12の開き角度を大きくして排稈の詰りを防止したり、或いは低速刈取作業時に、排稈処理切換板12の開き角度を小さくして排稈の散乱を防止できる等の利点がある。
【0013】また、前記排稈処理切換板12の基端部に、排稈処理切換レバー18に連繋される開閉作動アーム15を一体的に設けると共に、該開閉作動アーム15をストッパ28に接当させて排稈処理切換板12の開き角度を規制し、さらに、ストッパ28の位置調節に基づいて排稈処理切換板12の開き角度調節を行うようにしたため、複雑な機構を用いることなく、ストッパ28を位置調節自在にするだけで排稈処理切換板12の開き角度調節が可能になり、その結果、構造の複雑化やコストアップを伴わずに実施できる利点がある。
【0014】尚、本発明は、前記実施形態に限定されないものであることは勿論であって、ストッパとしては、任意の構造のものを採用することができる。例えば、図5および図6に示す他例のように、側板9cに螺着される取付ボルト32と、該取付ボルト32によって側板9cに取付けられ、ボルト弛緩状態では回動自在となるパイプ33と、該パイプ33に一体的に溶着される側面視L字状のストッパプレート34とで構成されるストッパ35を採用しても良い。このものでは、取付ボルト32を緩めてパイプ33を回動させることにより、ストッパプレート34の接当規制位置を開閉作動アーム15に対して進退方向に位置調節することができるため、前記実施形態と同等の作用効果を奏することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開2002−136217(P2002−136217A)
【公開日】 平成14年5月14日(2002.5.14)
【出願番号】 特願2000−336130(P2000−336130)