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【発明の名称】 脱穀装置
【発明者】 【氏名】里路 久幸

【氏名】井原 靖

【氏名】宮本 章史

【要約】 【課題】脱穀装置の排稈チェンから排出される排稈の中に存在しているササリ粒の回収率を向上させるようにする。

【解決手段】扱胴1を有する扱室2の下方に揺動選別棚3を設けた脱穀装置4において、前記扱胴1の後方には、脱穀済みの穀稈に接触してササリ粒を回収する回転体5を設けたことを特徴とする脱穀装置の構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱胴1を有する扱室2の下方に揺動選別棚3を設けた脱穀装置4において、前記扱胴1の後方には、脱穀済みの穀稈に接触してササリ粒を回収する回転体5を設けたことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】 前記扱胴1の一側には、二番処理胴20を設けたことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置。
【請求項3】 前記二番処理胴20の後方には、前記扱室2の終端部から排出される被処理物を受け入れて処理する排塵処理胴18を設けたことを特徴とする請求項2に記載の脱穀装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンバインやハーベスタ等の脱穀装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の脱穀装置において、扱胴の後方に回転体を設ける構成のものはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のような脱穀装置では、次のような欠点がある。即ち、扱胴にて脱穀済みの穀稈群内に存在しているササリ粒は、回収されることなく脱穀装置の後方から圃場上へと排出されてしまうという不具合を生じていた。
【0004】本発明の課題は、前述のような不具合を防止する脱穀装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の構成によって達成される。すなわち、請求項1記載の発明では、扱胴1を有する扱室2の下方に揺動選別棚3を設けた脱穀装置4において、前記扱胴1の後方には、脱穀済みの穀稈に接触してササリ粒を回収する回転体5を設けたことを特徴とする脱穀装置としたものである。
【0006】請求項2記載の発明では、前記扱胴1の一側には、二番処理胴20を設けたことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置としたものである。請求項3記載の発明では、前記二番処理胴20の後方には、前記扱室2の終端部から排出される被処理物を受け入れて処理する排塵処理胴18を設けたことを特徴とする請求項2に記載の脱穀装置としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の脱穀装置4を搭載したコンバインが示されている。走行装置8を有する車台9の前方には植立穀稈を刈り取る刈取装置10を設け、車台9上には前記刈取装置10で刈り取った穀稈をフィードチェン11にて挾持搬送しながら脱穀選別する脱穀装置4と、コンバインを操作する操作部12と、前記脱穀装置4にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク13とを設けている。
【0008】また、グレンタンク13内下方には、一時貯溜している穀粒を機外へ排出する下部ラセン(図示せず)があり、該下部ラセンから搬送されてきた穀粒を引き継いでコンバインの機体上方へと搬送する縦オーガ14が車台9に対して旋回可能に設けられ、さらに、縦オーガ14には横オーガ15が昇降可能に設けられている。
【0009】前記脱穀装置4について、図2〜図5に基づいて説明する。図2と図3は脱穀装置4の側面図、図4は脱穀装置4の平面図である。また、線の重なり防止のため、図2は二番処理胴20,排塵処理胴18等を省略している。
【0010】脱穀装置4内には、扱網16を有する扱胴1を扱胴軸1aで軸架した扱室2と、該扱室2の一側には、扱室2からの処理物を受け入れて処理する排塵処理網17を有する排塵処理胴18を排塵処理胴軸18aで軸架した排塵処理室19が設けられている。そして、扱室2と排塵処理室19の下方には揺動選別棚3を設けている。
【0011】また、排塵処理胴18の前方には、二番処理胴20と二番処理胴受樋21(網や格子状のものでもよい。)からなる二番処理室22が構成されている。二番処理胴20は、本実施例では扱胴1の一側であって、排塵処理胴18の前方に設けられていて、基本的には二番物を処理するものである。さらに、図5は図4にて示すS1―S1断面であるが、扱網16から漏れた被処理物は二番処理室22内に取り込まれる構成であるので、前記二番処理胴20は二番物の他に、扱室2内から入り込んできた被処理物も一緒に処理する構成となっている。前記扱網16と二番処理胴受樋21(網や格子状でもよい)と排塵処理網17は、それぞれ扱胴1と二番処理胴20と排塵処理胴18の下方に設けられている。
【0012】前記扱室2と二番処理室22と排塵処理室19の下方には、落下してくる被選別物を受けて選別する揺動選別棚3が設置されていて、該揺動選別棚3の下方には、選別風送り方向始端側に唐箕23を設け、該唐箕23から送風される選別風の送り方向下手側には一番ラセン24を設け、該一番ラセン24の選別風送り方向下手側には二番ラセン25を設けている。
【0013】揺動選別棚3の構成について説明する。揺動選別棚3は、選別送り方向の始端側から順番に、落下した脱穀物を後方に移送する移送棚3a,脱穀物を選別するグレンシーブ3b,二番物を選別するチャフシーブ3c,排塵を機外に移送して放出するストローラック3dとから構成されている。該ストローラック3dの下方は、二番物を二番ラセン25内へ案内する二番棚先25aで構成されていて、この二番棚先25aの終端部近傍まで前記排塵処理胴18が延出している構成である。横断流ファン7は、選別室26内の軽い塵埃を機外に排出するためのもので、ストローラック3dの上方に設けられている。
【0014】前述のごとく構成された脱穀装置4を搭載したコンバインにおいて、エンジン(図示せず)からの動力を走行伝動装置27に入力して、任意の速度に変速して走行装置8を駆動する。すると、コンバインは前進を開始する。刈取脱穀作業を行なうには、さらに、刈取装置10,供給搬送装置28及び脱穀装置4に、エンジンからの動力を伝達駆動して作業を行なう。このような状態でコンバインが前進すると、植立穀稈は分草具29により分草されて、引起しケース30の引起しラグ31にて引き起こされる。その後、刈刃32にて刈り取られ、刈り取られた穀稈は、株元搬送装置33により後方の供給搬送装置28の始端部に向かって搬送される。
【0015】そして、株元搬送装置33の終端部まで搬送された穀稈は、後方の供給搬送装置28の始端部に引き継がれる。その後、供給搬送装置28の終端部まで搬送された穀稈は、脱穀装置4のフィードチェン11の始端部に引き継がれると共に、該フィードチェン11に引き継がれた穀稈は、後方に搬送されながら、扱胴1と扱網16により脱穀される。脱穀された脱穀物の一部は揺動選別棚3上に落下して、該揺動選別棚3の揺動作用と唐箕23からの風選作用により選別され、一番ラセン24内へと取り込まれていく。該一番ラセン24に取り込まれた穀粒は、グレンタンク13内に一時貯溜され、脱穀後の排稈はフィードチェン11の終端部から、排稈チェン34の始端部に引き継がれて搬送されていく。その後、カッター35に送られて切断されて、下方の圃場上に放出されていく。
【0016】扱室2内の残りの脱穀物は、後方へと搬送されていくが、その途中において一部の脱穀物は二番処理室22内に取り込まれていく。該二番処理室22内に取り込まれた脱穀物は、選別風送り方向上手側に搬送されながら、二番処理胴20と二番処理胴受樋21との相互作用で脱穀(特に、枝梗粒が処理される)されて、下方の揺動選別棚3上に落下していく。扱胴1と二番処理胴20と排塵処理胴18は、共に選別風上手側から下手側を見た状況(脱穀装置4の正面視)において、時計回りで回転する構成であるので、従って、二番処理胴20の処理歯20aの向きは、脱穀物を選別風送り方向の上手側方向に送るような向きに固着しておく必要がある。
【0017】即ち、該処理歯20aには被処理物を選別風送り方向上手側に搬送する作用があり、さらに、被処理物を処理する作用も併せ持っている。即ち、処理歯20aは螺旋の一部であり、また、その円周方向の先端部と二番処理胴受樋21との間の相互作用にて被処理物を処理する構成となっている。二番処理胴20の搬送終端部に設けられている羽根20bは、被処理物を揺動選別棚3上に強制的に送り出すようにする。
【0018】前記排塵処理胴18の排塵処理歯18bは、脱穀物を選別風送り方向の下手側方向に送るような向きに固着しておく必要がある。本実施例では、該排塵処理歯18bは、排塵処理胴18の外周面に巻回いされているラセン形状となっている。
【0019】しかし、本実施例では、排塵処理網17の目合いが荒い(格子状)ので、一部の短い藁屑は揺動選別棚3上に落下して、落下しなかった長い藁屑は排塵処理室19の終端部まで搬送されて、排塵処理胴18の終端部の羽根36にてストローラック3d上に強制的に排出される。そして、このように被処理物が排塵処理室19内にて搬送される間に、排塵処理胴18と排塵処理網17との相互作用で、さらに脱穀されるとともに、脱穀物はほぐされて中に混在している穀粒(いわゆるササリ粒)が取り出されて、下方の揺動選別棚3上に落下して、さらに、二番ラセン25内へと回収されていく。
【0020】前述のように、扱室2内の脱穀物で、揺動選別棚3上に落下せず、二番処理室22内にも取り込まれなかった残りの脱穀物は、扱室1の終端部まで搬送される。この扱室1の終端部まで搬送されてきた脱穀物は、排塵処理室19内に取り込まれ、取り込まれた脱穀物は、選別風送り方向下手側に搬送されていく。
【0021】扱室2内の終端部から排塵処理室19内に脱穀物を送る際において、脱穀物が詰まらないように、扱室2から排塵処理室19への引継ぎ部分においても、排塵処理胴18の外周にラセン形状の排塵処理歯18bを設けていて、該排塵処理歯18bの送り作用で引継ぎ部に脱穀物が詰まらないようにしている。
【0022】このような、揺動選別棚3の揺動作用と唐箕23からの選別風の作用にもかかわらず、一番ラセン24内に取り込まれなかった残りの穀粒は、他の排塵物と共にさらに後方に送られ、二番ラセン25内へと取り込まれていく。該二番ラセン25内に取り込まれた二番物は、二番揚穀筒37にて前記二番処理室22の選別風送り方向下手側に還元されて、扱室2からの脱穀物と合流し、その後、選別風送り方向の上手側に搬送されながら、二番処理胴受樋21との相互作用で脱穀処理されながら搬送され、終端部の羽根20bにより下方の揺動選別棚3上に強制的に落下させられていく。
【0023】このような一連の作業を行う脱穀装置4において、扱胴1の後方には、脱穀済みの穀稈に接触してササリ粒を回収する回転体5を設ける構成とする。図6から図8には、この回転体5の構成が示されている。もちろん、回転体5を設けるにあたっては、前記二番処理胴20と排塵処理胴18を設けていない脱穀装置でもよい。
【0024】フィードチェン11にて搬送されながら扱胴1にて脱穀された穀稈は、フィードチェン11にて、さらに後方へと搬送されて排稈チェン34へと引継ぎ搬送されていくが、該排稈チェン34へと引継ぎ搬送される排稈の中には、穀粒(ササリ粒)が残っているので、このササリ粒の回収率の向上が望まれている。排稈チェン34の穂先側には、穂先送りラグ34aを設けているが、ササリ粒の回収に対しては、ほとんど効果がない。
【0025】そこで、扱胴1の後方であって、排稈チェン34の前方に回転体5を設ける構成とする。該回転体5は、扱胴1を回転駆動している扱胴軸1aと同軸にて回転駆動している。また、排稈チェン34は、前記扱胴軸1aからベルトプーリ群34b,ベベルギヤ34cを介して駆動されている。図7は、図6のS2ーS2断面である。このように、排稈は回転体5に接触してたたかれることにより、ササリ粒が回収されるようになる。従って、作業能率が向上するようになる。
【0026】図8は、穀稈の流れを示しているが、扱胴1の終端の後板と扱網16との間には、空間部39を構成している。これにより、扱室2内の藁屑は、前記空間部39から下方へと落下するので、扱室2内の藁屑が回転体5に影響を与えることを防止でき、回転体5はフィードチェン11にて搬送される排稈のみに対してササリ粒落しの作用を与えることができるので、回収率が向上するようになる。
【0027】前述のごとく、回転体5にて排稈をたたくと、基本的には穀粒のみ下方の揺動選別棚3上に落下するが、品種等によっては、藁屑が下方へと落下する場合があったり、枝梗付の枝梗粒が多い場合がある。このような場合においては、扱胴1の一側(本実施例では、グレンタンク13側)に二番処理胴20を設ける構成とする。該二番処理胴20は、前述のような作用効果を奏するので、ササリ粒を回収した際にも、枝梗粒の処理において大きな威力を発揮する。これにより、ササリ粒の回収率が向上すると共に、枝梗粒の処理がスムーズにできるので、一番の選別性能が向上するようになる。
【0028】また、ササリ粒を回収しても、扱室2からの被処理物が揺動選別棚3上に落下すると、前記二番処理胴20に多きな負荷が作用してしまい、その結果、枝梗粒の処理がスムーズに実行できなくなってしまう。そこで、前述したように、二番処理胴20の後方には、扱室2内の被処理物を取り込んで処理する排塵処理胴18を設ける構成とする。これにより、扱室2内の被処理物は、揺動選別棚3上に落下したササリ粒に対しては影響を与えることがないので、二番処理胴20にてスムーズに処理されていく。
【0029】次に、図9と図10について説明する。排稈チェン34の始端側であって、排稈の穂先側には、傾斜板40を設けると共に、該傾斜板40には長穴40aを設ける構成とする。本実施例においては、前述の回転体5は設けていないので、ササリ粒の回収が実行されないのであるが、前記傾斜板40を設けることにより、簡易的に、しかもコスト的にも安くササリ粒の回収が可能となる。即ち、図10のに示すように、排稈チェン34にて搬送される排稈の穂先部分は、傾斜板40に当接するので、搬送中の排稈に抵抗が作用する。これにより、ササリ粒の回収が可能となり、作業能率が向上するようになる。
【0030】回収されたササリ粒は、排塵処理室19内へと落下して、該排塵処理室19内の被処理物と合流する。そして、排塵処理胴18にて処理作用を受けて、下方の揺動選別棚3上へと落下していき、選別作用を受けて二番ラセン25内へと取り込まれていく。そして、二番揚穀筒37から二番処理室22内へと送られて、二番処理胴20にて処理作用を受ける。
【0031】次に、図11について説明する。前述の構成では、排稈チェン34の穂先側に穂先送りラグ34aを設けていたが、該穂先送りラグ34aには搬送中の排稈からササリ粒を回収する能力はない。そこで、穂先送りラグ34aの替わりに、穂先送り回転体41を設ける構成とする。
【0032】排稈チェン34は、扱胴軸1aからベルトプーリ群34b,ベベルギヤ34cを介して回転駆動されている。また、穂先送り回転体41についても、扱胴軸1aからベルトプーリ群41a,ベベルギヤ41bを介して回転駆動されている構成である。前記穂先送り回転体41には、処理歯41cが設けられている。該処理歯41cの作用は、排稈チェン34にて搬送される排稈の穂先部分をたたいてササリ粒を回収することである。これにより、ササリ粒の回収率が向上して作業能率が向上するようになる。回収されたササリ粒は、複数の長穴42から下方の揺動選別棚3上へと落下していく。
【0033】前記処理歯41cにおいては、単に排稈をたたくだけでもよいが、搬送される排稈が多い場合には、反って排稈の搬送の抵抗となりすぎてしまう。そこで、処理歯41cは、穂先送り回転体41に対して送り作用を持つように配置する。即ち、従来の連続した送りラセンの一部となるように、処理歯41cを配置するように構成する。これにより、ササリ粒の回収ができると共に、排稈の送りもスムーズに実行可能となる。
【0034】次に、図12について説明する。前記排稈チェン34の構成について、該排出チェン34を前側排稈チェン43と後側排稈チェン44とから構成するようにする。しかも、前側排稈チェン43の搬送速度V1は、後側排稈チェン44の搬送速度V2よりも速い構成とする。
【0035】これにより、前側排稈チェン43にて搬送される排稈の層厚は薄くなるので、排稈の中に存在しているササリ粒は、搬送中に下方へと自由落下していき、ササリ粒の回収率が向上するようになる。また、後側排稈チェン44にて搬送される排稈の層厚は厚くなるので、この時点で排稈の搬送姿勢が良くなり、カッター35に正常な姿勢で投入されるので、カッター35の切断性能の低下を防止できるようになる。
【0036】前記後側排稈チェン44は、穂先送りラグ34a側に設けているが、その反対側でも問題はない。また、穂先送りラグ34aについては、高速の前側排稈チェン43が作用する部分については、設けない方がよい。これは、かえってササリ粒の回収に対してほとんど効果がないからである。しかしながら、前側排稈チェン43を高速状態に構成したのと同様に、前側の穂先送りラグを独立して設けて、高速状態で駆動するようにしてもよい。
【0037】次に、図13と図14について説明する。前記後側排稈チェン44の配置は、前記前側排稈チェン43に対して所定角度Aを設けて配置構成するようにする。しかも、後側排稈チェン44は、排稈がカッター35の軸芯35aに対して略平行状態で投入されるように配置する。穂先送りラグ34aについては、前述のごとく、後側排稈チェン44の穂先側のみに設ける構成とする。前側排稈チェン43は、扱胴軸1aからベルトプーリ群34b,ベベルギヤ34cを介して駆動される構成である。また、後側排稈チェン44と穂先送りラグ34aは、排塵処理胴18の排塵処理胴軸18aの終端から、ベベルギヤ46,軸47を介して駆動される構成である。
【0038】これにより、搬送される排稈は、前側排稈チェン43から後側排稈チェン44へと引き継がれる際において開くので、排稈の中に存在しているササリ粒は下方へと自由落下していく。そして、長穴42から下方の揺動選別棚3上へと落下していくので、ササリ粒の回収率が向上するようになる。
【0039】また、このような構成において、前述したように後側排稈チェン44の搬送速度V2に対して、前側排稈チェン43の搬送速度V1を速くなるように構成してもよい。これにより、排稈は前側排稈チェン43にて搬送される間においては、排稈の層厚が薄くなるので、前側排稈チェン43で搬送される間にもササリ粒は回収されることとなり、より一層ササリ粒の回収率が向上するようになる。
【0040】図14は図13の別実施例であるが、後側排稈チェン44と穂先送りラグ34aとは、カッター35の軸芯35aに対して所定角度Bの状態に傾いていてもよい。この所定角度Bは、排稈の切断性能に影響を与えない程度であればよい。次に、図15〜図17について説明する。
【0041】図に示すように、排稈チェン34を上側排稈チェン48と下側排稈チェン49との上下2段にて構成するようにする。図16は、図15のS4ーS4断面を示している。前記上側排稈チェン48と下側排稈チェン49の駆動は、扱胴1の扱胴軸1aの終端からベルトプーリ群34bとベベルギヤ34cを介して駆動される構成である。ベベルギヤ34cに伝達されている動力は、先ず、軸48aから上側排稈チェン48へと伝達される。該軸48aには歯車50が固定されていて、下側排稈チェン49を回転させる軸49aに固定の歯車51と噛み合っている構成である。しかも、歯車50から歯車51への動力伝達の際には、増速するように構成されている。
【0042】これにより、下側排稈チェン49は上側排稈チェン48に対して速い速度で駆動するようになる。従って、搬送される穀稈は、回転しながら後方のカッター51へと搬送されていくので、この搬送中において、排稈の中に存在しているササリ粒は自由落下して、長穴42から下方の揺動選別棚3上へと落下していく。これにより、ササリ粒の回収率が向上するようになる。
【0043】前述の構成では、下側排稈チェン49は上側排稈チェン48に対して速い速度で駆動する構成であったが、その逆の構成でも作用効果は同じである。このような構成において、穂先送りラグ34aを設けると、該穂先送りラグ34aは、回転しながら搬送される排稈の抵抗となるので、設けないほうがよい。しかしながら、搬送穀稈の後方への搬送に対して、穂先送れの状態となる場合には、穂先送りラグ34aを設けてもよい。この時、穂先送りラグ34aは、その先端部が少し搬送穀稈に当接する程度でよい。また、穂先送りラグ34aは、図16に示すように、下側排稈チェン49から駆動してもよいし、上側排稈チェン48から駆動してもよい。
【0044】次に、図18と図19の別実施例について説明する。前述のような脱穀装置4にて脱穀選別された穀粒は、グレンタンク13内へと一時貯留されるが、該グレンタンク13が穀粒で満杯状態となると、縦オーガ14,横オーガ15を使用して横オーガ15の穀粒排出口52からトラック等の荷台である機外へと排出していく。
【0045】前記縦オーガ14と横オーガ15の駆動について説明する。エンジン53の出力軸53aにはプーリ54が設けられている。該プーリ54にはベルト55が巻き回いされていて、該ベルト55の動力は、プーリ56へと伝達されていく。該プーリ56の軸から、ベベルギヤ57を経由して軸58へと駆動されていく。該軸58には、プーリ59が固定されていて、該プーリ59には、グレンタンク13内の下部ラセン61の軸61aの端部に固定のプーリ60との間にベルト62が巻き回いされていて、さらに、該ベルト62には、テンションクラッチ63が設けられている。前記下部ラセン61が回転すると、搬送下手側のベベルギヤ64により、縦オーガ内のラセン14aが回転して、さらに、横オーガ15内のラセン15aが回転するので、グレンタンク13内の穀粒は機外へと排出されていく。
【0046】従って、コンバインの操作部12に設けられている穀粒排出クラッチレバー(図示せず)を入り状態とすると、エンジン53からの動力が前記下部ラセン61へと伝達されていき、また、穀粒排出クラッチレバーを切り状態とすると、エンジン53からの動力が断たれるので、グレンタンク13内の穀粒排出が停止する。
【0047】このように、通常はエンジン53からの動力により、グレンタンク13内の穀粒を機外へと排出するのであるが、濡れ扱ぎ状態の時においては、穀粒が湿っているので、搬送力が必要となり、エンジン53に負荷が作用して該エンジン53の回転が下がってしまっていた。また、無理にエンジン53の回転を上げると、穀粒が損傷してしまうという不具合が発生していた。
【0048】そこで、縦オーガ14の搬送上手側始端部にブロア65からの風を送風可能に構成する。該ブロア65の駆動は、エンジン53から取ってもよいし、また、電気的に駆動する構成でもよい。また、ブロア65の位置は、コンバインに搭載可能な位置であれば、どこでもよい。
【0049】前述のように、穀粒排出時に穀粒の搬送抵抗によりエンジン53の回転が下がると、ブロア65を駆動して、穀粒の搬送をアシストするようにする。これにより、穀粒が湿っている状態において、穀粒をスムーズに機外へと排出することが可能となる。また、ブロア65から送風された風は、ラセン14a,ラセン15a斜面上に沿って流れていくので、より、穀粒の搬送がスムーズに実行可能となる。また、縦オーガ14と横オーガ15が故障しても、ブロア65により穀粒を機外へと排出できるので、作業能率が向上するようになる。
【0050】次に、図20について説明する。図20は、グレンタンク13内の下部ラセン61と縦オーガ14との引継ぎ部分の拡大図を示している。即ち、前記エンジン53からの動力は、下部ラセン61までとして、搬送下手側の縦オーガ14内のラセン14aと、横オーガ15内のラセン15aは駆動せずに固定の構成としてもよい。この場合、下部ラセン61の下手側まで搬送された穀粒は、ブロア65の風による搬送能力のみで機外へと排出するようにする。
【0051】これにより、縦オーガ14,横オーガ15は駆動しないので騒音が下がると共に、ブロア65の風は、縦オーガ14内のラセン14aと横オーガ15内のラセン15aの斜面上に沿ってスムーズに搬送されていくので、穀粒もスムーズに機外へと搬送されていく。従って、穀粒の詰りや搬送能力の低下を防止できるようになる。
【0052】
【発明の効果】本発明は上述のごとく、請求項1記載の発明においては、排稈は回転体5に接触してたたかれることにより、ササリ粒が回収されるようになる。従って、作業能率が向上するようになる。
【0053】請求項2記載の発明においては、ササリ粒の回収率が向上すると共に、枝梗粒の処理がスムーズにできるので、一番の選別性能が向上するようになる。請求項3記載の発明においては、扱室2内の被処理物は、揺動選別棚3上に落下したササリ粒に対しては影響を与えることがないので、二番処理胴20にてスムーズに処理されていく。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成12年11月1日(2000.11.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−136216(P2002−136216A)
【公開日】 平成14年5月14日(2002.5.14)
【出願番号】 特願2000−334717(P2000−334717)