トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 茶園用乗用型作業機
【発明者】 【氏名】松村 鋼司

【氏名】加藤 勝也

【要約】 【課題】畝間間隔の広狭に拘らずいかなる茶園でも使用できる防除装置を装備した茶園用乗用型作業機を提供することができる。

【解決手段】車体フレーム2は、一方のクローラ走行装置3に前後の脚部2a,2bが連結されたメインフレーム2cと、他方のクローラ走行装置3に前後の脚部2d,2eが連結されたサブフレーム2fとの組合せ構造からなるもので、メインフレーム2cの前後の横フレーム部分2g,2gとサブフレーム2fの前後の横フレーム部分2h,2hとは、横フレーム部分2g,2g内に横フレーム部分2h,2hが摺動自在に嵌挿した状態で前後一対の伸縮シリンダ15,15を介して連結されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右一対のクローラ走行装置により茶畝を跨いでその両側の畝間を自走する乗用車体を備えた茶園用乗用型作業機において、上記乗用車体の車体フレームは上記左右一対のクローラ走行装置の一方に連結されたメインフレームと他方に連結されたサブフレームとからなり、上記メインフレームの横フレーム部分内に上記サブフレームの横フレーム部分が摺動自在に嵌挿した状態で各横フレーム部分が伸縮シリンダを介して連結される伸縮機構を備え、該伸縮機構を伸縮操作する伸縮レバーを上記横フレーム部分上に設けた運転席近傍に配設したことを特徴とする茶園用乗用型作業機。
【請求項2】 前記メインフレーム及びサブフレームは前後の脚部と前後の前記横フレーム部分とからなり、前記伸縮シリンダを前後一対に設けたことを特徴とする請求項1記載の茶園用乗用型作業機。
【請求項3】 前記メインフレーム側の横フレーム部分には、前記サブフレーム側の横フレーム部分の上面に沿って張り出す前後のカバーフレームがそれぞれ一体形成されており、該前側のカバーフレームには前側の前記横フレーム部分上面を転動するガイドローラが付設され、後側の横フレーム部分には後側のカバーフレームの下面を支持して転動するガイドローラが付設されていることを特徴とする請求項2記載の茶園用乗用型作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、茶畝を跨いでその両側の畝間を自走しつつ茶園作業を行う茶園用乗用型作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】このような茶園用乗用型作業機として、左右一対のクローラ走行装置により茶畝を跨いでその両側の畝間を自走する腰高の乗用車体に薬液タンク又は防除装置を装備したものが従来一般に知られている。
【0003】ここで、前記左右一対のクローラ走行装置は、エンジンにより駆動される油圧ポンプから圧油が供給されることで作動する油圧モータを駆動源とするものであり、この油圧モータの作動を制御して乗用車体の前進、停止、後退を制御すべく、運転席の操作パネルにはガイド孔に沿って前進位置,停止位置,後退位置の各位置に案内される走行レバーが設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような茶園用乗用型作業機によると、茶畝の畝間間隔には茶園によって150cm〜200cm程度のバラつきがあるが、前記従来の茶園用乗用型作業機は左右一対のクローラ走行装置の相互間隔が可変に構成されていないので、畝間間隔の大きく異なる茶園では使用ができない。このため、畝間間隔に広狭のあるあらゆる茶園に対応させるには、左右一対のクローラ走行装置の相互間隔を異ならせた複数の機種が必要となり、コスト高を来すという問題があった。
【0005】また、自走式等の非乗用型の茶園用作業機では、畝間に合わせた調整手段を有するものが提案されているが、一般に調整作業が煩雑であると共に、左右の畝間に対して同時に走行部の位置を確認することができないので精度の高い調整を行おうとすると左右両側を交互に確認する必要があり更に調整操作を煩雑にしていた。
【0006】このような事情から、乗用型の茶園用作業機で走行中に運転席から降りることなく簡易に畝間に対する調整を行うものが求められていた。
【0007】本発明は、このような問題に対処するために提案されたものであって、畝間間隔の広狭に拘らずいかなる茶園でも使用でき、走行中に畝間に対する調整を行うことができる茶園用乗用型作業機を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明の各請求項に係る発明は以下の特徴を具備するものである。
【0009】請求項1に係る発明は、左右一対のクローラ走行装置により茶畝を跨いでその両側の畝間を自走する乗用車体を備えた茶園用乗用型作業機において、上記乗用車体の車体フレームは上記左右一対のクローラ走行装置の一方に連結されたメインフレームと他方に連結されたサブフレームとからなり、上記メインフレームの横フレーム部分内に上記サブフレームの横フレーム部分が摺動自在に嵌挿した状態で各横フレーム部分が伸縮シリンダを介して連結される伸縮機構を備え、該伸縮機構を伸縮操作する伸縮レバーを上記横フレーム部分上に設けた運転席近傍に配設したことを特徴とする。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1の茶園用乗用型作業機を前提として、前記メインフレーム及びサブフレームは前後の脚部と前後の前記横フレーム部分とからなり、前記伸縮シリンダを前後一対に設けたことを特徴とする。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項2の茶園用乗用型作業機を前提として、前記メインフレーム側の横フレーム部分には、前記サブフレーム側の横フレーム部分の上面に沿って張り出す前後のカバーフレームがそれぞれ一体形成されており、該前側のカバーフレームには前側の前記横フレーム部分上面を転動するガイドローラが付設され、後側の横フレーム部分には後側のカバーフレームの下面を支持して転動するガイドローラが付設されていることを特徴とする。
【0012】このような、特徴を有する茶園用乗用型作業機によると以下の作用を有する。
【0013】すなわち、従来自走式等の茶園用作業機においては畝間に合わせるための調整機構を設けたものが提案されているが、乗用型の茶園作業機ではそのような調整機構を備えたものは開発されていなかった。本発明は、乗用型の茶園作業機において、乗用車体の走行中に運転席の近傍に配設した伸縮レバーを操作することにより、車体フレームを左右一対のクローラ走行装置と共に幅方向に伸縮することを可能にするものであり、これによって、左右一対のクローラ走行装置の相互間隔をばらつきのある茶畝の畝間間隔に応じて調整可能にしたものである。
【0014】また、本発明によると、運転席を車体フレームにおける横フレーム部の上に設けているので、走行中の伸縮レバー操作に際して、畝の上から左右の畝間にあるクローラ走行装置の位置を確認しながら本体フレームの伸縮調整を行うことができる。したがって、畝間に合わせて精度の高い調整を行うことができる。
【0015】更には、この伸縮機構は、車体フレームをメインフレームとサブフレームで構成し、メインフレームの横フレーム部分内にサブフレームの横フレーム部分が摺動自在に嵌挿した状態で各横フレーム部分が伸縮シリンダを介して連結される構造とし、このメインフレームとサブフレームとを前後一対に設けて、メインフレーム側の横フレーム部分には、サブフレーム側の横フレーム部分の上面に沿って張り出す前後のカバーフレームをそれぞれ一体に設け、前側のカバーフレームには前側の横フレーム部分上面を転動するガイドローラを付設し、後側の横フレーム部分には後側のカバーフレームの下面を支持して転動するガイドローラを付設している。
【0016】このような伸縮機構によると、車体フレームはメインフレームとサブフレームとの連結部分で不用意に屈折することがなく、運転席を配備するのに十分なフレーム強度を有すると共に、伸縮シリンダの伸縮に応じて幅方向にスムースに伸縮できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付の図面を参照して具体的に説明する。ここでは多条用の起倒式ノズルパイプ及び左右一対の薬液タンクを有する防除装置を装備した茶園用乗用型作業機を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述の特徴を備えた全ての茶園用乗用型作業機を対象としている。
【0018】一実施形態の茶園用乗用型作業機は、図1ないし図3に全体構造を示すように、乗用車体1が正面視門型に形成された車体フレーム2の左右両脚部に左右一対のクローラ走行装置3,3を備えることで、茶畝を跨いでその両側の畝間を自走できる腰高のものであり、車体フレーム2上には全ての動力源となるエンジン4、このエンジン4に直結して回転駆動されることで油圧タンク5内の作動油を加圧供給する油圧ポンプ6、上記エンジン4にテンションクラッチ機構付きの駆動ベルト(図示省略)を介して伝動構成される動力噴霧機7などが搭載されている。また車体フレーム2の中央部には運転席8が設けられ、その前方には各種の操作レバーを有する操作ボックス9,10が配置されると共に、車体フレーム2の後部には門型の支柱フレーム11が立設されている。そしてこのような乗用車体1には、その前部に配置される注水装置12、その左右両側部に配置される一対の薬液タンク13,13、その後部に配置される3条用の起倒式ノズルパイプを有する噴霧装置14などからなる防除装置が装備されている。
【0019】前記車体フレーム2は、一方のクローラ走行装置3に前後の脚部2a,2bが連結されたメインフレーム2cと、他方のクローラ走行装置3に前後の脚部2d,2eが連結されたサブフレーム2fとの組合せ構造からなるもので、図4に示すように、メインフレーム2cの前後の横フレーム部分2g,2gとサブフレーム2fの前後の横フレーム部分2h,2hとは、横フレーム部分2g,2g内に横フレーム部分2h,2hが摺動自在に嵌挿した状態で前後一対の伸縮シリンダ15,15を介して連結されている。そしてメインフレーム2c側の横フレーム部分2g,2gには、サブフレーム2f側の横フレーム部分2h,2hの上面に沿って張り出す前後のカバーフレーム2i,2jがそれぞれ一体形成されており、前側のカバーフレーム2iには前側の横フレーム部分2hの上面を転動するガイドローラ16が付設され、後側の横フレーム部分2hには後側のカバーフレーム2jの下面を支持して転動するガイドローラ17が付設されている。このため、車体フレーム2は、メインフレーム2cとサブフレーム2fとの連結部分で不用意に屈折することがなく、十分なフレーム強度を有すると共に、伸縮シリンダ15,15の伸縮に応じて幅方向にスムーズに伸縮できるようになっている。なお、上記メインフレーム2c及びサブフレーム2fのコーナ部は、後端部のみが略直角をなし、それ以外の部分は45度の斜面に形成されている。
【0020】また、前記左右一対のクローラ走行装置3,3は、油圧モータ3a,3aによりそれぞれ回転駆動されるゴムクローラ3b,3bを有するもので、上記各油圧モータ3a,3aは、車体フレーム2上に搭載された前記油圧ポンプ6にそれぞれ流量制御弁及び電磁遮断弁(図示省略)を介して連通している。なお、油圧モータ3a,3aに供給された作動油は、エンジン4のラジエータ部分で冷却されて油圧タンク5内に戻されるようになっている。
【0021】ここで、前記油圧モータ3a,3aを個別に回転制御して左右のクローラ走行装置3,3により乗用車体1の前進、停止、後退、旋回を制御する一対の走行レバー18,18が前記操作ボックス9に配設されている。この走行レバー18,18は、上記油圧モータ3a,3aと油圧ポンプ6との間に介設された一対の流量制御弁(図示省略)の開度を各操作ケーブルを介してそれぞれ可変制御するもので、左右対称に配置された同様の構成のものとなっている。そこで一方の走行レバー18を図5により代表して説明すると、走行レバー18の揺動支持軸19は操作ボックス9内に横架されて車体左右方向に延びており、この揺動支持軸19には、アーム20a及びブラケット20bを有するリンク部材20が回動自在に嵌合している。そしてこのリンク部材20のアーム20aの先端部には上記流量制御弁に一端部が接続された操作ケーブル21の他端部が接続されると共に、ブラケット20bには走行レバー18の下端部が車体左右方向に揺動自在に連結されている。こうして揺動支持軸19に前後,左右方向に揺動自在に支持された走行レバー18には、これを前後,左右の中立位置に復帰させる復帰バネ22が付設されている。
【0022】このような一対の走行レバー18,18を乗用車体1の前進位置,停止位置,後退位置に案内すべく、操作ボックス9の上面の操作パネル9aには、走行レバー18,18がそれぞれ貫通する左右一対のガイド孔9b,9bが形成されている。ここで、上記ガイド孔9b,9bは、全体として車体前後方向に延びる左右対称のクランク形にそれぞれ形成され、中間の車体左右方向に沿う短い屈折部分9c,9cに停止位置がそれぞれ設定されている。そしてこの屈折部分9c,9cから前方に延びる直線部分9d,9dに前進位置がそれぞれ設定され、屈折部分9c,9cから後方に延びる直線部分9e,9eに後退位置がそれぞれ設定されている。
【0023】また、前記走行レバー18,18をガイド孔9b,9bの屈折部分9c,9cに設定された停止位置にそれぞれロック可能とすべく、操作ボックス9内にはロック機構23が配設されている。このロック機構23は、対角線上に一対のカム部23a,23aが形成されたカム板23bと、このカム板23bに連結され、これを回動操作すべく操作パネル9a上に配置されたノブ23cと、上記カム板23bの左右両側に配置され、前端部がそれぞれ操作パネル9aに枢支されることが後端部が左右に開閉自在な左右一対のロックアーム23d,23dと、両ロックアーム23d,23d間に張設されてロックアーム23d,23dの内側辺をそれぞれ上記カム板23bに圧接させる付勢バネ23eとを有するもので、上記ロックアーム23d,23dの外側辺には停止位置にある走行レバー18,18に横方向から係合可能な係合溝23f,23fが形成されている。そしてこのロック機構23は、ノブ23cを回動操作してその矢印を操作パネル9a側の矢印に合わせると、カム板23bのカム部23a,23aが左右横向きとなって左右のロックアーム23d,23dを付勢バネ23eに抗して左右に押し開き、ロックアーム23d,23dの各係合溝23f,23fを走行レバー18,18に係合させることで、走行レバー18,18を停止位置にロックするようになっている。
【0024】前記ロック機構23には、その作動に連動して前記クローラ走行装置3,3を停止させる走行停止装置が付設されている。即ち、前記左右のロックアーム23d,23dには、その係合溝23f,23fが停止位置にある走行レバー18,18をロックする際に各走行レバー18,18に係合してオンするリミットスイッチ24,24が付設されている。このリミットスイッチ24,24は、前記油圧ポンプ6からクローラ走行装置3,3の各油圧モータ3a,3aに至る油路の途中に介設された前記電磁遮断弁を操作するものであり、リミットスイッチ24,24がオンすると、上記電磁遮断弁が油圧モータ3a,3aへの作動油の供給を遮断することで、クローラ走行装置3,3が停止するようになっている。
【0025】つぎに、乗用車体1に装備される前記防除装置について説明すると、注水装置12は、図6にも示すように、乗用車体1の前部中央部に起立状態で設置され、上端部に左右のロックレバー12a,12aを有する接続金具12bが固定された注水パイプ12cと、この注水パイプ12cの下端部にT字管12dを介して接続されたコック12e,12eを有する左右の開閉バルブ12f,12fと、各開閉バルブ12f,12fにそれぞれ一端部が接続され、他端部がそれぞれ左右の薬液タンク13,13の前面上部に連通接続された左右の注水ホース12g,12gとを備えている。そしてこの注水装置12は、図7に示すように、貯水槽25に付設された開閉バルブ25a付きの供給ホース25bの先端金具25cにロックレバー12a,12aを介して接続金具12bを接続し、上記開閉バルブ25aを開き、かつ左右の開閉バルブ12f,12をコック12e,12eの操作で開くことにより、貯水槽25内の水が注水パイプ12c、左右の注水ホース12g,12gを介して左右の薬液タンク13,13内に注水されるようになっている。
【0026】薬液タンク13,13は、それぞれ300リットル程度の容量を有する上蓋13a,13a付きの合成樹脂製のものであり、その下部の左右内側には前記車体フレーム2のメインフレーム2c及びサブフレーム2fの45度の斜面をなす各コーナ部に沿う斜面が形成されている。そして一方の薬液タンク13は上記メインフレーム2cのコーナ部に配置されて固定バンド13bによりこのメインフレーム2cに固定され、他方の薬液タンク13は上記サブフレーム2fのコーナ部に配置されて固定バンド13bによりこのサブフレーム2fに固定されている。また、各薬液タンク13,13の前面には上下に延びる連通管13c,13cがそれぞれ付設されて各薬液タンク13,13内の薬液量を表示するようになっており、薬液タンク13,13の後面下部にはドレン13d,13dが付設されている。なお、図示省略したが、各薬液タンク13,13の内側面の下部には吸入パイプが接続されており、これらの吸入パイプを集合した1本の吸引パイプ26が図3に示すストレーナ27を介して前記動力噴霧機7の吸引側に接続されることで、薬液タンク13,13内の薬液が動力噴霧機7に吸引されるようになっている。
【0027】ここで前記薬液タンク13,13内には、図8,9に示すような波浪防止部材28がそれぞれ設置されている。この波浪防止部材28は、耐蝕性のある合成樹脂板を円筒状に巻いて端部を適宜固定したものであり、薬液タンク13の上蓋13aで覆われる上部開口より小さい直径に形成されることで、その上部開口から薬液タンク13に挿入される。そして薬液タンク13内に縦向きに挿入された例えば3個の波浪防止部材28は、例えばボルト・ナットにより上部が相互に連結されて前後方向に1列の3連状をなす。
【0028】一方、前記噴霧装置14は、乗用車体1の幅寸法に略一致して左右方向に延び、中央部が車体フレーム2のメインフレーム2c上に立設された前記支柱フレーム11に昇降シリンダ29を介して支持され、両端部がメインフレーム2cの後部に左右一対の平行リンク機構30,30を介して連結されることで、昇降シリンダ29の伸縮に応じ所定姿勢を保って昇降されるメイン支持フレーム14aと、その両端部にそれぞれ起倒自在に枢着され、メイン支持フレーム14aとの間に架設された起倒シリンダ31,31の伸縮に応じてそれぞれ個別に左右方向に起倒するサブ支持フレーム14b,14bとを有し、上記メイン支持フレーム14aには複数の噴口を有するメインノズルパイプ14cが茶畝の上面に沿うよう円弧状に湾曲した状態で長手方向に沿って支持され、上記各サブ支持フレーム14b,14bには同様に複数の噴口を有するサブノズルパイプ14d,14dがそれぞれ左右の茶畝の上面に沿うよう円弧状に湾曲した状態で長手方向に沿って支持されている。なお、上記メイン支持フレーム14aには、乗用車体1の幅方向内側に斜めに起立した左右のサブ支持フレーム14b,14bに当接してこれらを倒れを規制する左右一対のストッパステー14e,14eが立設されている。
【0029】ここで、前記車体フレーム2を幅方向に伸縮する前後一対の伸縮シリンダ15,15、噴霧装置14を昇降する昇降シリンダ29、サブ支持フレーム14b,14bを左右方向に起倒する左右一対の起倒シリンダ31,31は、それぞれ伸縮レバー32、昇降レバー33、起倒レバー34,34の操作に応じて伸縮動作するように前記油圧ポンプ6に油圧回路構成されるもので、上記伸縮レバー32、昇降レバー33、起倒レバー34,34は、前記操作ボックス9の隣の操作ボックス10に集合配置されている。
【0030】また前記噴霧装置14のメインノズルパイプ14c及びサブノズルパイプ14d,14dは、それぞれ対応するコック35a,35b,35c及びメインコック35dを有する開閉バルブ35を介して前記動力噴霧機7の吐出側に管路構成されており、上記開閉バルブ35は運転席8近傍の例えばエンジン4上に配置されている。
【0031】なお、図1ないし図3において、符号7aは前記動力噴霧機7の作動,停止を切換え制御するテンションクラッチレバー、符号36はエンジン4の吸気系を構成するエアクリーナ、符号37はクローラ走行装置3,3の外側部に添設されたガイドパイプ、符号38はエンジン4の燃料タンク、符号39は車体フレーム2の前部に付設された作業者の乗降用ステップ、符号40は操作ボックス9に付設されたエンジン4のスロットルレバーをそれぞれ示している。
【0032】次に、以上のように構成された本実施形態の茶園用乗用型作業機につき、その作用を説明する。本実施形態の茶園用乗用型作業機は、エンジン4を始動することで油圧ポンプ6が作動し、操作ボックス9の走行レバー18,18を操作パネル9aのガイド孔9bに沿って停止位置から前進位置へ傾動操作することで左右一対のクローラ走行装置3,3の油圧モータ3a,3aが回転駆動されて乗用車体1が前進走行する。そしてこの乗用車体1の前進走行中に操作ボックス10の伸縮レバー32を操作すると、前後一対の伸縮シリンダ15,15が伸縮動作することで車体フレーム2のメインフレーム2cとサブフレーム2fとがガイドローラ16,17の転動により小さい抵抗で円滑に左右方向に接離し、これに伴い左右のクローラ走行装置3,3の相互間隔が可変制御される。そこで、乗用車体1を茶園の枕地から茶畝の左右の畝間に進入させる際には、その畝間間隔に合わせて左右のクローラ走行装置3,3の相互間隔を調整する。なお、この調整作業は、乗用車体1が左右の畝間を走行している間は必要に応じて何時でもできる。
【0033】また、本実施形態の茶園用乗用型作業機は、操作ボックス10の昇降レバー33を操作すると、昇降シリンダ29が伸縮動作してメイン支持フレーム14aと共に噴霧装置14の全体が所定姿勢を保って昇降し、操作ボックス10の左右の起倒レバー34,34を操作すると、起倒シリンダ31,31が伸縮動作して左右のサブ支持フレーム14b,14bが個別に起倒する。そこで、乗用車体1を茶畝の左右の畝間に進入させたら、昇降レバー33の操作によりメイン支持フレーム14aを茶畝の上方所定位置に位置決めしてメインノズルパイプ14cを茶畝上面の円弧面に沿ってその上方に臨ませる。続いて左右の起倒レバー34,34の操作により左右のサブ支持フレーム14b,14bを左右の茶畝側に倒伏して各サブノズルパイプ14d,14dを左右の茶畝の上面に沿ってその上方に臨ませる。この作業は運転席8から後方を振り向いて行う必要があることから、乗用車体1を一旦停止して行う。
【0034】ここで、乗用車体1を一旦停止するには、操作ボックス9の走行レバー18,18を操作パネル9aのガイド孔9b,9bに沿って前進位置から停止位置へ傾動操作する。即ち、各走行レバー18,18をガイド孔9b,9bの直線部分9d,9dに沿って後方に傾動操作するのである。すると走行レバー18,18は、屈折部分9c,9cにてそれ以上の傾動操作が規制されることで、確実に停止位置となり、左右のクローラ走行装置3,3が停止して乗用車体1が停止する。
【0035】こうして噴霧装置14のメインノズルパイプ14c及び左右のサブノズルパイプ14d,14dを左右の茶畝を含めた合計3条の茶畝の上方に臨ませたら、テンションクラッチレバー7aを操作して動力噴霧機7を作動させ、開閉バルブ35のメインコック35d及び各コック35a,35b,35cを開く。すると、動力噴霧機7によりストレーナ27,吸引パイプ26を介して吸引された左右の薬液タンク13,13内の薬液が、メインノズルパイプ14c及び左右のサブノズルパイプ14d,14dの各噴口から噴出される。そこで、操作ボックス9の走行レバー18,18を再び前述のように停止位置から前進位置へ傾動操作して乗用車体1を前進走行させるのであり、この乗用車体1の前進に伴い左右の茶畝を含めた合計3条の茶畝に対して薬液が噴霧される。
【0036】ここで、乗用車体1の左右のクローラ走行装置3,3が走行する畝間が直線状ではなく、湾曲したり蛇行して曲がっている場合には、その曲がりの内側となるクローラ走行装置3に対応した一方の走行レバー18のみをガイド孔9bの直線部分9dに沿って停止側に必要量だけ傾動操作し、曲がりの内側となるクローラ走行装置3のみを低速とする。こうすることで1本の走行レバー18のみを低速側に操作するという簡単な操作でありながら、乗用車体1を畝間の曲がりの大小に応じて円滑かつ正確に追従走行させることができる。
【0037】このような乗用車体1の走行中、左右のクローラ走行装置3,3が走行する畝間に凹凸や段差があると乗用車体1は前後傾斜し、これに伴い左右の薬液タンク13,13内の薬液も液面が傾斜する。また、乗用車体1が発進する際や停止する際にも、左右の薬液タンク13,13内の薬液は慣性力により前後方向に移動して液面が傾斜する。しかしこのような場合であっても、左右の薬液タンク13,13内には、縦向きの円筒状をなす3連の波浪防止部材28,28,28がそれぞれ設置されているので、薬液の液面はこれらの波浪防止部材28,28,28により細かく区分され、大きく傾斜することがない。即ち、薬液タンク13,13内の薬液は液面が大きく傾斜して波浪を起こすことがないのであり、乗用車体1はバランスを崩すことなく安全に走行することができる。
【0038】各茶畝に対する薬液噴霧の作業の進行に伴い、乗用車体1の噴霧装置14が茶畝の端部に達したら、開閉バルブ35のメインコック35dを閉めてメインノズルパイプ14c及びサブノズルパイプ14d,14dからの薬液の噴霧を停止し、かつ左右の起倒レバー34,34の操作により左右のサブ支持フレーム14b,14bを起立させる。ここで上記開閉バルブ35や左右の起倒レバー34,34は運転席8の近傍に配置されているので、乗用車体1の走行中に無理なく操作することができる。
【0039】こうして乗用車体1が茶園の枕地に到達したら、左右の走行レバー18,18の一方のみをガイド孔9bの直線部分9dから屈折部分9cを経て直線部分9eに後方傾動し、これを後退位置にする。すると、左右のクローラ走行装置3,3は一方が後退駆動され他方が前進駆動されることで、乗用車体1は所望方向に急旋回するのであり、枕地が狭くても簡単に旋回することができる。
【0040】ここで、薬液タンク13,13内の薬液の残量が少なくなった場合には、図7に示すように、乗用車体1を運転して茶園用乗用型作業機を貯水槽25付近に停車させ、注水装置12を用いて貯水槽25の供給ホース25bから薬液タンク13,13内に注水する。即ち、上記供給ホース25bの先端金具25cに注水装置12の接続金具12bをロックレバー12a,12aを介して接続し、貯水槽25側の開閉バルブ25aを開くと共に、注水装置12側の左右の開閉バルブ12f,12fをコック12e,12eの操作で開くのであり、そうすることで、貯水槽25内の水が注水パイプ12c、左右の注水ホース12g,12gを介して左右の薬液タンク13,13内に短時間に注水される。そして薬液タンク13,13内への注水が完了したら、上記左右の開閉バルブ12f,12fをコック12e,12eの操作で閉じ、また上記開閉バルブ25aを閉じるのであり、その後ロックレバー12a,12aの操作により接続金具12bを供給ホース25bの先端金具25cから取り外す。なお、この注水作業に先だって、薬液タンク13,13内には所要量の薬剤を予め投入しておく。
【0041】前記注水装置12の接続金具12bは、トラックに搭載された2000リットル程度の大型薬液タンクに付設された供給ホースの先端金具にも対応するものであり、この先端金具に接続金具12bを接続することで、上記大型薬液タンク内からポンプにより供給ホースを介して圧送される薬液が注水装置12を介して薬液タンク13,13内に注入される。
【0042】ここで、薬液タンク13,13内に注水あるいは薬液注入する際などには、エンジン4を運転したままで乗用車体1は完全に停止させることが好ましく、その場合には、走行レバー18,18を操作パネル9aのガイド孔9bに沿って停止位置に操作した後、ノブ23cを略90度回動操作してその矢印を操作パネル9a側の矢印に合わせる。すると、前述のようにロック機構23の左右のロックアーム23d,23dの各係合溝23f,23fが走行レバー18,18に係合して走行レバー18,18を停止位置にロックすると共に、走行停止装置のリミットスイッチ24,24がオンして電磁遮断弁が油圧モータ3a,3aへの作動油の供給を遮断するのであり、クローラ走行装置3,3が確実に停止することで乗用車体1は完全に停止する。
【0043】また、本実施形態の茶園用乗用型作業機では、乗用車体1の前進走行中または後退走行中、これを停止するには、走行レバー18,18をガイド孔9b,9bの前進位置または後退位置から中間の停止位置に向かって傾動操作するのであるが、上記ガイド孔9b,9bは全体として前後方向に延びるクランク形に形成されており、中間の停止位置は左右方向の屈折部分9c,9cに設定されているので、走行レバー18,18を停止位置に傾動操作すると、上記屈折部分9c,9cにて走行レバー18,18はそれ以上の傾動が規制されて確実に停止位置となる。従って、作業者は乗用車体1の後方を振り向いた状態でも走行レバー18,18を目視確認することなく確実に停止位置に操作することができるのであり、このような作業が頻繁に発生する防除作業には好適である。
【0044】なお、本実施形態における乗用車体1は、茶葉摘採装置を装備する乗用型摘採機の乗用車体に適用することも可能である。この場合、前述したように、走行レバー18,18を停止位置に操作した後、ノブ23cを略90度回動操作してその矢印を操作パネル9a側の矢印に合わせると、走行レバー18,18が停止位置にロックされると共にクローラ走行装置3,3が確実に停止して乗用車体1が完全に停止するので、エンジン4を運転したまま乗用車体1を停止して茶袋を交換する作業が必要となる乗用型摘採機には非常に有効である。
【0045】また、本実施形態における左右一対のクローラ走行装置3,3においては、金属製又は樹脂製のクローラを採用することができ、また、左右のクローラ走行装置はエンジン4から適宜のミッション装置を介して駆動するようにしてもよい。
【0046】さらに、エンジン4により駆動される発電機およびこれに回路構成されるバッテリなどを乗用車体1に搭載してもよく、この場合には、前記伸縮シリンダ15,15、昇降シリンダ29、起倒シリンダ31は、電動式ねじシリンダとすることもできる。
【0047】
【発明の効果】本発明はこのように構成されるので、畝間間隔の広狭に拘らずいかなる茶園でも使用でき、走行中に畝間に対する調整を行うことができる茶園用乗用型作業機を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000250270
【氏名又は名称】落合刃物工業株式会社
【出願日】 平成7年3月10日(1995.3.10)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳 (外1名)
【公開番号】 特開2002−354925(P2002−354925A)
【公開日】 平成14年12月10日(2002.12.10)
【出願番号】 特願2002−115161(P2002−115161)