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【発明の名称】 残稈処理装置
【発明者】 【氏名】井手 宣弘

【氏名】中矢 時広

【氏名】森田 聡

【氏名】川本 和義

【要約】 【課題】葉たばこ収穫後の茎稈等を細断処理する残稈処理装置において、植立残稈を上方から順次確実に切断するとともに、植立残稈の切断抵抗の変動を少くして、円滑で確実な切断を行わせる。

【解決手段】機体進行方向(B)に向け前傾して斜設する回転カッター面(C)に、上端から下端へ多段にわたって回転位相を順次遅らせて切刃31〜37,41〜47を配置し、植立残稈の上端より下端に向け順次切断可能とする残稈処理装置の構成。
【特許請求の範囲】
【請求項1】機体推進方向(B)に向け前傾して斜設する回転カッター面(C)に、上端から下端へ多段にわたって回転位相を順次遅らせて切刃を配置したことを特徴とする残稈処理装置。
【請求項2】前記カッター面の各段の切刃は、同複数枚等分角に配置したことを特徴とする請求項1に記載の残稈処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、残稈処理装置に関するもので、圃場に植立する残稈を短かく切断処理するもので、例えば、葉たばこ収穫後の植立残稈等の切断処理に利用できる。
【0002】
【従来の技術】上下方向のカッター軸の周りに多段の切刃を配置して、この回転によって植立残稈を案内させて短かく切断処理する形態の残稈処理装置は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カッター軸を植立残稈の方向に向けて設ける形態の残稈処理装置では、切断処理中で残稈に上下の切刃が同期作用すると、衝撃力が大きくなり、円滑な切断作用が行われ難くなることがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、機体推進方向Bに向け前傾して斜設する回転カッター面Cに、上端から下端へ多段にわたって回転位相を順次遅らせて切刃を配置したことを特徴とする残稈処理装置の構成とする。請求項2に記載の発明は、前記カッター面の各段の切刃は、同複数枚等分角に配置したことを特徴とする請求項1に記載の残稈処理装置のもである。
【0005】
【発明の作用及び効果】請求項1に記載の発明は、機体を植立の残稈条に沿って進行させながら、回転する切刃による残稈の切断処理を行わせると、この回転カッター面Cは前傾して斜設するものであるから、植立残稈の上端部を先に切断し、これから下段の切刃にわたって回転位相の遅れに伴って順次的に株元部側の切断が行われる。このため、残稈は植立の状態で上端部から下端部にわたって安定した状態に円滑に切断され、残稈の稈身の上部と下部とが同期して切断されることが少く、切断時の衝撃や切断抵抗の変動等も少くすることができる。又、切刃を上端から下端へ多段にわたって回転位相を順次遅らせて配置したものであるから、回転カッター面Cの前傾角度を小さくでき、その構成を簡単にできる。請求項2に記載の発明は、各段の切刃は、各々同じ複数枚で、等分角に配置されるため、残稈の上端部から下端部への順次的切断を一層円滑に的確に行わせて、切断抵抗の変動を少くすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明の一実施例を図1〜図4に基づいて説明する。この残稈処理装置1は、トラクタ2の前側に装着し、残稈切断後の土壌面Aを耕耘する耕耘装置3を後側に装着する。残稈処理装置1は、残稈4の稈長よりも高くして平面視で略コ字形態に形成したフレーム5を主体して、この左右両側部や、後側部、及び上側部をカバー6で覆っている。前側及び下側は開放して植立する残稈4を前側から案内させるカッター室7を形成する。
【0007】このカッター室7には中央部に上下方向のカッター軸8を、上下の軸受ブラケット9,10で軸支し、フレーム5上側部に搭載のエンジン11乃至モータによって、ギヤ12を介して伝動回転できる。このカッター軸8にはディスク13を介して切刃31〜37,41〜47を配置する。又、カッター室7の前部一側にはフレーム5に受刃51〜57を配置し、このカッター軸8回りに回転される切刃31〜37,41〜47と受刃51〜57との間で残稈を切断させる。フレーム5の前側には左右両側に開拡する形態の残稈ガイド14を有し、植立する残稈4をカッター室7内へ案内できる。
【0008】ここに、前記カッター軸8は、機体進行方向Bに向け前傾状に軸装されて、このカッター軸8周りの切刃31〜37,41〜47に回転によって形成される仮想円筒状の回転カッター面Cが機体の進行方向Bに対して同方向に傾斜される。この回転カッター面Cは、カッター軸8周りの仮想円筒状の形態で、この回転カッター面Cの沿って切刃31〜37、及び切刃41〜47が螺旋形態に配置される。この配置形態は、上端から下端にわたって適宜間隔にディスク13を配置固定し、この各段のディスク13の周縁に切刃31〜37の一枚と、切刃41〜47の一枚とを180度の位相を維持させて二枚宛て配置している。しかも、各切刃31〜37、及び切刃41〜47は、最上段の切刃31,41から最下段の切刃37,47にわたって一定の回転位相を順次遅らせて全体として二条の螺旋状に配置する。このため、図例では7段のディスク13に対して一条の7板の切刃31〜37の各切刃相互間の回転位相角度を約22.5度に設定し、更に、次条の切刃41〜47の位相角度を同じく22.5度に設定し、又、各条間の切刃37と41間及び47と31間の位相角度は45度に若干大きく設定してある。なお、一条の切刃31〜37間は、少なくとも180度以下に配置する必要があり、又、ディスク13に切刃を三枚宛設ける場合は120度以下に設置する。又、上段部の切刃31〜34,41〜44は三角形状の三角刃形態とするが、下段部の切刃35〜37,45〜47は鋸刃縁を形成して切断性を高める形態にしている。前記受刃51〜57は、各段のディスク13によって回転される切刃31〜37、及び切刃41〜47の回転面に接近させて、フレーム5の一側部の受刃フレーム15に取付配置される。16はこの受刃フレーム15に固定の受刃ブラケットである。
【0009】前記回転カッター面Cの前傾傾斜については、この回転カッター面Cが土壌面Aに対して所定の傾斜角度を形成するもので、トラクタ2車体に対して傾斜姿勢に設定する形態とするもよくトラクタ2車体に対して取付けたときヒッチ19等の取付角度で傾斜姿勢となるように設定するもよく、又、トラクタ2車体に対してリフトリンクを介して昇降可能に設けて、下降によって作業姿勢にしたとき傾斜姿勢となるように設定することもできる。更に、例えば残稈処置装置1を装着するリフトリンクのうちロワリンクに対してトップリンクの長さを伸縮制御することによって、回転カッター面Cの傾斜角度を変更調整することもできる。前記残稈処理装置1は、トラクタ3前部のヒッチ17に装着される。このフレーム5の後側には、ハンドル18の操作で前記傾斜に沿って昇降される作業ヒッチ19が設けられて、この作業ヒッチ19の高さ調節によって、畝土壌面Aの高さに応じた装着高さを決めることができる。29はフレーム5の下端部のソリである。トラクタ2は、乗用四輪走行形態で、前車輪20、後車輪21、運転席22、ステアリングハンドル23を有し、ボンネット24下にはエンジン25を搭載する。車体後部には、リフトリンク26を介してロータリ耕耘装置3が連結されて、耕耘爪27の回転によって残稈4処理後の株元28が残る土壌面Aを同時耕耘処理することができる。
【0010】前記エンジン11の駆動でカッター軸8を回転させた状態でトラクタ2を前進Bさせて、畝土壌面A上の残稈4をカッター室7へ案内させる。このときカッター軸8及び円筒形状の回転カッター面Cは、前傾の姿勢で進行Bされるため、畝土壌面A上に垂直状に植立の残稈4は上端側で早く接近して交差する状態となる。このため、植立残稈4は、上端部の切刃31、又は切刃41から先に作用されて、順次下段の切刃32,33,・・・37、又は切刃42,43,・・・47へと作用される。これら各切刃31〜37、及び切刃41〜47の作用を受ける。残稈4は、上端部が先にこれらの切刃31、又は切刃41に係合されて受刃51との間で切断され、続いて、この下段の切刃32,・・・37、又は切刃42,・・・47により受刃52,・・・57との間で切断される。従って各切刃31〜37や切刃41〜47による残稈4の切断は、上段位から下段位にわたって一定の回転位相差を有して順次的に行われる。このため、残稈4が屈曲しないで、直立形態である限り、回転カッター面Cに平行状に案内されたり、又は下部から先に案内させることがなく、切断負荷の変動を少くして円滑な切断作用を行わせせることができる。このようにしてカッター室7で切断された残稈片30は、切断と同時に落下されて畝土壌面A乃至溝面Dに拡散される。又、切断された残稈4の残株28は、トラクタ2後方に装着の耕耘装置3によって耕耘処理される。
【0011】図5において、上例と異なる点は、カッター軸8を上下垂直状に設け、各切刃31〜37,41〜47を配置する各段のディスク13を、上端側で大径に形成し、下端側を順次小径として、全体として回転径が円錐形態となるように構成され、これらのディスク13に配置される切刃31〜37,41〜47による円錐形状の回転カッター面Cを形成するものである。又、受刃51〜57もこの円錐形状の回転カッター面Cの前部一側に沿わせて受刃フレーム15に配置する。このような構成では、カッター軸8の回りに回転する切刃31〜37,41〜47は、案内する残稈4に対して上例と同様に上端側で先に作用し、下端側で遅れて順次的に作用して切断作用が行われる。この形態ではカッター軸8が垂直状に軸支されるため、伝動機構を簡単化できる。
【0012】
【出願人】 【識別番号】000144980
【氏名又は名称】株式会社アテックス
【出願日】 平成13年5月31日(2001.5.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−354923(P2002−354923A)
【公開日】 平成14年12月10日(2002.12.10)
【出願番号】 特願2001−165303(P2001−165303)