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【発明の名称】 コンバインの刈取部構造
【発明者】 【氏名】森山 浩二

【氏名】上田 康文

【要約】 【課題】穀稈の搬送詰まりを速やかに解消すること。

【解決手段】複数条の穀稈を刈り取る刈刃装置23と、該刈刃装置23より刈り取った穀稈を脱穀部4側へ搬送する上部搬送機構・下部搬送機構24・25とを具備し、上部搬送機構・下部搬送機構24・25により、刈り取った複数条の穀稈を合流部P・Qにて一旦合流させ、合流させた穀稈を脱穀部4側へ搬送するようにしたコンバインの刈取部3の構造において、下部搬送機構25の合流部P・Qに詰まった穀稈を取り除くために、左側下部搬送機構34を中途部から機体側方へ向けて回動できるように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数条の穀稈を刈り取り、脱穀部側へ搬送する構成において、刈取後の穀稈を合流部へ搬送する外側に位置する左右一側の下部搬送機構を、外側方へ回動可能に構成したことを特徴とするコンバインの刈取部構造。
【請求項2】 前記一側の下部搬送機構の終端部が該一側の下部搬送機構の中途部から外側方へ回動可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの刈取部構造。
【請求項3】 前記一側の下部搬送機構の搬送チェンの軌道を形成するためのガイド体を設け、該ガイド体を回動軸を中心として回動自在に構成し、ガイド体を搬送チェンに押圧した状態とそれを解除した状態に切り換えるための切換操作部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバインの刈取部構造。
【請求項4】 前記一側の下部搬送機構の終端部に位置し搬送チェンを巻回するスプロケット又はローラを穀稈巻付き防止板で支承し、該穀稈巻付き防止板をフレームに対し回動可能に構成し、穀稈巻付き防止板が前記ガイド体に当接するよう構成したことを特徴とする請求項3に記載のコンバインの刈取部構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの刈取部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンバインの刈取部の一形態として、複数条の穀稈を引起し、挟持搬送しながら刈り取る刈刃装置と、該刈刃装置により刈り取った穀稈を脱穀部側へ搬送する上部搬送機構・下部搬送機構・縦搬送機構とを具備し、上部搬送機構・下部搬送機構の後部では、刈り取った複数条の穀稈を合流部にて一旦合流させ、合流させた穀稈を脱穀部側へ搬送するようにしたものがある。ところが、上記したコンバインでは、合流部において、穀稈が搬送詰まりを起こして、円滑に脱穀部側へ搬送されず、搬送効率、さらには脱穀効率が低下することがある。しかも、搬送詰まりを起こした個所においては、上部搬送機構・下部搬送機構の構成部材に部分的に大きな負荷が作用して、該上部搬送機構・下部搬送機構の構成部材を損傷等させる虞れがある。従って、搬送詰まりが発生したことを検知して、速やかに詰まった穀稈を取り除く必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記搬送機構に詰まりが生じた場合、下部搬送機構は搬送チェンと挟扼体等により構成され、上部搬送機構の下方に位置しているために、穀稈の株元側が強固に挟持されて、詰まった穀稈を取り除くだけでも大変な労力を必要とし、更に、狭く下方に位置しているために作業もし辛かったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に、この課題を解決するための手段を説明する。
【0005】即ち、請求項1においては、複数条の穀稈を刈り取り、脱穀部側へ搬送する構成において、刈取後の穀稈を合流部へ搬送する外側に位置する左右一側の下部搬送機構を、外側方へ回動可能に構成したものである。
【0006】請求項2においては、前記一側の下部搬送機構の終端部が該一側の下部搬送機構の中途部から外側方へ回動可能に構成したものである。
【0007】請求項3においては、前記一側の下部搬送機構の搬送チェンの軌道を形成するためのガイド体を設け、該ガイド体を回動軸を中心として回動自在に構成し、ガイド体を搬送チェンに押圧した状態とそれを解除した状態に切り換えるための切換操作部材を備えたものである。
【0008】請求項4においては、前記一側の下部搬送機構の終端部に位置し搬送チェンを巻回するスプロケット又はローラを穀稈巻付き防止板で支承し、該穀稈巻付き防止板をフレームに対し回動可能に構成し、穀稈巻付き防止板が前記ガイド体に当接するよう構成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は本発明に係るコンバインの刈取部の側面図、図4は同じく刈取部の平面図である。図5は縦フレームの側面一部断面図、図6は昇降シリンダの収納状態を示す側面図、図7は昇降シリンダと縦フレームの固定部を示す側面図、図8は同じく平面図、図9は詰まりセンサを具備する刈取部の平面図である。図10は第一実施例に係る左側下部搬送機構の平面図、図11は同じくロックを解除した左側下部搬送機構の平面図である。図12は第二実施例に係る左側下部搬送機構の平面図、図13は同じく図12おけるX矢視図、図14は同じくロックを解除した左側下部搬送機構の平面図、図15は第一実施例に係るロックレバーを示す図、図16は第二実施例に係るロックレバーを示す図である。
【0010】始めに、本実施例に係る六条刈り用のコンバインの全体構成について説明する。図1及び図2に示す如く、機体フレーム1の下方に左右一対のクローラ式の走行部2・2を設け、機体フレーム1の左側前端部に刈取部3を取付け、該刈取部3の直後方位置に脱穀部4を設け、該脱穀部4の直後方位置に排藁処理部5を設ける一方、機体フレーム1の右側前部に運転部6を設け、該運転部6の直後方位置に穀粒貯溜タンク7を設けている。8は、脱穀部4の左側上部に設けたフィードチェンである。
【0011】ここで、前記コンバインの刈取部3の構成について説明する。まず、前記刈取部3の各搬送機構を支持する刈取フレーム11の構成より説明する。図3に示す如く、刈取フレーム11後部に回動基部12が設けられ、該回動基部12は筒状のフレームで構成して左右一対の支柱10・10の上端間に枢支され、内部に図示せぬ駆動軸が軸支され、エンジンの動力がプーリを介して入力されている。前記回動基部12の右側より前下方に縦フレーム13を伸延し、該縦フレーム13下端に左右横方向に伸延する筒状の下側横フレーム14の途中部に連結し、該下側横フレーム14の左側端部より前上方へ向けて筒状の立ち上がりフレーム15を立ち上げると共に、下側横フレーム14の右側端部より前上方へ向けて図示せぬ支持フレームを立ち上げて、両フレーム15の上端間に上側横フレーム16を横架し、上側横フレーム16の左右途中部より後方に水平フレーム17を突設し、該水平フレーム17下面途中部より図示せぬフレームを前記縦フレーム13の途中部に固設している。さらに、前記下側横フレーム14の左右側部よりそれぞれ前方へ向けて左右一対の下側連結フレーム18・18を延設している。
【0012】上述の如く構成した刈取部3は、刈取フレーム11の縦フレーム13に固定した昇降シリンダ62のピストンロッド63が伸縮することで、回動基部12を中心として回動する。
【0013】図5に示す如く、前記縦フレーム13には昇降シリンダ62のピストンロッド63の取付部が形成されている。中空状に形成された縦フレーム13の中途部に、下方へ突出するようにしてストッパアーム64がブラケット67を介して取り付けられている。ストッパアーム64は、前記ブラケット67に回動自在に枢支されており、メンテナンス時に刈取部3を上昇させて、該ストッパアーム64を下方へ回動させて、機体フレーム1に設けられた図示せぬ係合部材にストッパアーム64の他端を係合させて、刈取部3が上昇位置で保持されるようにしている。さらに、前記ブラケット67には下限ストッパボルト受け65が上下回動自在に設けられている。該下限ストッパボルト受け65は、刈取部3が下限位置にある状態でピストンロッド63上部に設けられた下限ストッパボルト77の先端が当接することで、刈取部3が設定された下限位置より下方へ降下しないようにして刈高さの最低位置の調整できるようにしている。
【0014】また、同じく前記縦フレーム13の前記下限ストッパアーム64の直ぐ下方には、後述するピストンロッド63の先端に設けられた固定リンク69の回動軸69aを支持するための支点ブラケット76が、後下方へ突出する形状に固定されている。支点ブラケット76には、固定リンク69の回動軸69aを嵌合するための嵌合部76aが形成されている。そして、前記支点ブラケット76の縦フレーム13を介して上方には、固定リンク69と縦フレーム13を固定するための固定用孔13a・13bが該縦フレーム13に一体的に形成されている。
【0015】一方、図3に示す如く、昇降シリンダ62は機体フレーム1の前端部に前方へ突出する状態に設けられている。該昇降シリンダ62は機体フレーム1に対して、昇降シリンダ62の基部に形成された回動軸62aを中心に上下回動自在に枢支されていて、刈取部3をコンバイン本機側から取り外したときに、図6に示す如く、昇降シリンダ62を下方へ回動させ、該昇降シリンダ62のピストンロッド63前端に設けられた固定リンク69が走行部2の最前端部に位置してクローラの回動ローラを支承する走行ファイナルパイプ2aに嵌合した状態に収納して、昇降シリンダ62が前上方へ突出した状態とならないようにしている。
【0016】前記昇降シリンダ62のピストンロッド63は伸縮するよう構成されており、該ピストンロッド63の先端には固定リンク69が回動自在に枢支されている。固定リンク69は、同型状の二枚のプレート部材69b・69bで縦フレーム13を左右から挟持する形状のものであって、プレート部材69b・69bは側面視でL字状に形成されている。該プレート部材69b・69bの一端はピストンロッド63と縦フレーム13とを固定するための固定部材68を貫入するための固定用孔69c・69dが形成されており、同じく他端は縦フレーム13に固定されたブラケット67で支承されているストッパアーム64の回動軸67aに係合するための切欠69eが形成されている。なお、ストッパアーム64の回動軸67aは、該ストッパアーム64の幅より左右方向に延設されており、その延設部分で前記切欠69eと係合する。さらに、該固定リンク69の二枚のプレート部材69b・69bにストッパ69fが架設されていて、該ストッパ69fで縦フレーム13を昇降シリンダ62のピストンロッド63に安定して固定できるようにしている。
【0017】上述の如く構成した昇降シリンダ62のピストンロッド63と縦フレーム13とを固定した状態では、図6及び図7に示す如く、固定リンク69の回動軸69aが縦フレーム13に設けられた支点ブラケット76に形成された嵌合部76aに嵌合した状態で、固定リンク69の一端に形成された切欠69eに下限ストッパアーム64の回動軸67aが係合するまで該固定リンク69を後方へ回動し、縦フレーム13に一体的に形成された固定用孔13a・13bと固定リンク69の固定用孔69c・69dとを固定部材68で貫通している。本実施例においては、固定部材68としてロックレバー78とボルト70a及びナット70bを採用している。ロックレバー78は固定リンク69の二枚のプレート部材69b・69bを貫通した状態で、該ロックレバー78に一体的に形成されたフランジ78aにより係止し、該フランジ78aと固定リンク69のプレート部材69b・69bの片方とをボルト70a及びナット70bで締結してロックレバー78の抜け止めをする。
【0018】上述の如く昇降シリンダ62のピストンロッド63と縦フレーム13とを固定リンク69で固定することで、刈取部3をコンバイン本機側から着脱する際に、固定部材68であるロックレバー78を走行部2のクローラより上方で抜差操作するので、作業者が無理の無い姿勢で作業することができるため作業性が向上する。また、昇降シリンダ62を機体フレーム1の前側に配設することができるので、昇降シリンダ62の組み付け作業が簡易となり、また、機体フレーム1の構造を簡易化することができる。
【0019】次に、前記刈取フレーム11に支持された各搬送機構について説明する。上述の如く構成された刈取フレーム11には、図3及び図4に示す如く、左右幅方向に一定の条間隔を開けて計七個配置されて植立する六条の穀稈を分草する分草板20・20・・・と、各分草板20・20・・・により分草された六条の穀稈を引き起こす穀稈引起し装置21と、該穀稈引起し装置21により引き起こされた六条の穀稈の株元を掻込む穀稈掻込み装置22と、該穀稈掻込み装置22により掻込まれた穀稈の株元を刈り取る刈刃装置23と、該刈刃装置23により刈り取られた六条の穀稈の下部を脱穀部4側へ搬送する下部搬送機構24と、該穀稈の上部を脱穀部4側へ搬送する上部搬送機構25と、該穀稈の穂先部を搬送する穂先搬送機構26と、上部搬送機構25・下部搬送機構24から脱穀部4のフィードチェン8へ穀稈を受渡すための補助をする補助搬送機構27を取り付けている。
【0020】穀稈引起し装置21は、左右に隣接する分草板20・20間の直後方位置に上下方向に伸延する引起しケース30を計六個立設し、各引起しケース30の上部と前記上側横フレーム16との間に計6個の引起し駆動ケース66を介設している。そして、各引起しケース30の直後方位置に、タイン付掻込みベルト32とスターホイル33とを上下に対向させて配置し、穀稈掻込み装置22を構成している。
【0021】下部搬送機構24は、図4及び図9に示す如く、左側二条分の穀稈の下部を挾扼して内側後方の合流部Pへ搬送する左側下部搬送機構34と、中央二条分の穀稈の下部を挾扼して内側後方の合流部Qへ搬送する中央下部搬送機構35と、右側二条分の穀稈の下部を挾扼して内側後方の合流部Qへ搬送する右側下部搬送機構36と、これら搬送機構34・35・36により搬送されて合流部Pで合流した穀稈の下部を挾扼してフィードチェン8へ搬送する縦搬送機構37とを具備している。そして、これら搬送機構34・35・36は、基本的に搬送チェン34a・35a・36aと、これら搬送チェン34a・35a・36aの各穀稈搬送路と対向させて配置した挾扼体34b・35b・36bとから構成しており、縦搬送機構37も同様に構成している。
【0022】前記挾扼体34bは、図9及び図10に示す如く、刈取フレーム11に固定した固定板に、側面視門型に形成した連結体71を搬送チェン34aに対して進退位置調節自在に取付け、該連結体71に側面視門型に形成した取付体72を上下方向にスライド位置調節自在に取付け、該取付体72に一対の挾扼レール支持アーム73・73を、両挾扼レール支持アーム73・73の先端間に横架した挾扼レール74の伸延方向にスライド自在に取り付けている。なお、他の搬送機構35・36・37の各挾扼体も、上記挾扼体34bと同様に構成している。
【0023】図4及び図9に示す如く、前記下部搬送機構24の上方に位置する上部搬送機構25は、左側二条分の穀稈の上部を掻上げて内側後方の合流部Pへ搬送する左側上部搬送機構38と、中央二条分の穀稈の上部を掻上げて内側後方の合流部Qへ搬送する中央上部搬送機構39と、右側二条分の穀稈の上部を掻揚げて内側後方の合流部Qへ搬送する右側上部搬送機構40とを具備し、該右側上部搬送機構40は、前側搬送体41と後側搬送体42とに二分割して形成している。そして、これら搬送機構38・39、及び前後搬送体41には、多数の搬送タインを前後方向に回行可能に取付け、各搬送タインは、後方移動時に進出し、かつ、前方移動時に退入するよう構成し、後側搬送体42も同様に構成している。
【0024】また、左側上部搬送機構38は左側下部搬送機構34と、中央上部搬送機構39は中央下部搬送機構35と、前側搬送体41は右側下部搬送機構36と、後側搬送体42は縦搬送機構37と、それぞれ上下に対向させて配置して、穀稈の上下部を確実に保持して搬送するようにしている。さらに、前側搬送体41は、該前側搬送体41の下方に配置した下部搬送機構24が具備する右側下部搬送機構36と略平行させて配置されて、前側搬送体41と右側下部搬送機構36による穀稈の挾扼位置を一定に保持すると共に、穀稈の搬送姿勢を良好に確保している。そして、後側搬送体42は上部搬送機構25・下部搬送機構24と脱穀部4との間に配置した補助搬送機構27と略平行させて配置して、該補助搬送機構27と協働して穀稈をスムーズにフィードチェン8へ受渡すことができるようにしている。
【0025】穂先搬送機構26は、左側部穂先搬送機構43と中央部穂先搬送機構44と右側部穂先搬送機構45とを具備しており、これら穂先搬送機構43・44・45は、スターホイル33の直後方位置において、左側上部搬送機構38と中央上部搬送機構39と前側搬送体41の各上方で、かつ、これらの各穀稈搬送路を間に挟んで各搬送機構38・39及び前側搬送体41と対向する位置に配置して、それぞれ二条分の穀稈の穂先部を搬送するようにしている。また、左側部穂先搬送機構43と中央部穂先搬送機構44も、上記した右側部穂先搬送機構45と基本的に該一の構成としているが、各穂先搬送タインの回行方向を、各上部搬送機構38・39との位置関係上、反対方向としている。
【0026】上述の如く構成された刈取部3では、刈刃装置23によって根元を刈り取られた刈取穀稈は、スターホイル33・35、掻込ベルト36・36より穂先を上部搬送機構25へ搬送される。さらに、右側下部搬送機構36、中央下部搬送機構35及び左側下部搬送機構34終端位置で合流した六条分の刈取穀稈の株元側が縦搬送機構37に受け継がれ、六条分の刈取穀稈の穂先側が右側上部搬送機構39の後半部で挟持して搬送する。そして、前記縦搬送機構37の送り終端部の補助搬送機構27に受け継ぎ、フィードチェン8に適正姿勢で刈取穀稈を受け継ぎ、穂先を脱穀部4に供給して脱穀処理するように構成している。
【0027】ところが、前記下部搬送機構24の合流部P及び合流部Qでは、刈取穀稈が合流するために搬送詰まりが起こりやすい。そこで、図9及び図10に示す如く、左側下部搬送機構34と中央下部搬送機構35に搬送詰まりを検出するための詰まりセンサ82・87が備えられている。すなわち、中央下部搬送機構35の終端部と、前側搬送体41の中途部とが近接して対向する位置に、四条の穀稈が合流する合流部Qを形成しており、中央下部搬送機構35の搬送チェン支持フレーム35cの後端部に、穀稈の巻付きを防止するための穀稈巻付き防止板86を取付け、該穀稈巻付き防止板86上に詰まりセンサ87を取り付けている。さらに、左側下部搬送機構34の終端部と、前側搬送体41の終端部とが近接して対向する位置に、六条の穀稈が合流する合流部Pを形成しており、左側下部搬送機構34の搬送チェン支持フレーム34cの後端部に、穀稈の巻付きを防止するための穀稈巻付き防止板81を取付け、該穀稈巻付き防止板81上に詰まりセンサ82を取り付けている。
【0028】詰まりセンサ82・87は何れも同様の構造であって、検出スイッチ83を合流部P又は合流部Qに向けて取付け、該検出端子85を穀稈巻付き防止板81・86の内側位置にて周縁に沿わせて弯曲状に伸延させた検出端子85の先端部85aを、上記検出スイッチ83と合流部P又は合流部Qとの間に位置するように配設している。
【0029】このようにして、合流部P又は合流部Qにおいて穀稈が搬送詰まりを起こした場合、すなわち検出端子85の先端部85aに穀稈が作用した場合には、検出スイッチ83がONして、その検出結果をオペレータにブザーやランプ等の報知手段により報知するようにしている。従って、オペレータは、エンジンを停止させて、合流部P又は合流部Qの穀稈の詰まりを解消する等の処置を採ることができる。その結果、上部搬送機構25・下部搬送機構24の構成部材に搬送詰まりによる部分的に大きな負荷が作用するのを防止することができて、該上部搬送機構25・下部搬送機構24が損傷等されるのを回避することができる。
【0030】穀稈の詰まりを解消する処置として、合流部P又は合流部Qで詰まっている穀稈を取り除かなければならない。このとき、穀稈は下部搬送機構24の搬送チェン34a・35a・36aに強固に挟まった状態にあるため、大きな力でもって穀稈を引きぬかなければ、搬送チェン34a・35a・36aから外れない。そこで、本発明に係るコンバインの刈取部3では、左側下部搬送機構34の搬送チェン34aを外側に向かって回動できるように構成して、該左側下部搬送機構34、中央下部搬送機構35及び右側下部搬送機構36の終端部が近接した状態から解除することによって、合流部P又は合流部Qに詰まった穀稈を容易に取り除くことができるようにしている。以下に、左側下部搬送機構34の第一実施例を挙げる。
【0031】図10に示す如く、左側下部搬送機構34の搬送チェン34aを巻回する複数のローラ及びスプロケットは搬送チェン支持フレーム34cに支持されており、前述の如く、該搬送チェン34aには、搬送チェン34aとの間に穀稈を挾扼して搬送するための挾扼体34bが備えられている。そして、該挟扼体34bの挟扼レール74と搬送チェン34aを介して対峙する位置に、搬送チェン34aのガイド体となるガイドアーム55が搬送チェン34aと略平行に設けられている。
【0032】前記ガイドアーム55はブラケット55cを介して搬送チェン支持フレーム34cに対し回動自在に設けられており、ガイドアーム55の回動支点55aと反対側端に該ガイドアーム55の搬送チェン34aへの押圧状態を切り換えるための切換操作部材であるロックレバー54がガイドアーム55に設けられた回動軸54aを中心として回動自在に設けられている。そして、図15に示す如く、ロックレバー54の回動基部54gはレバーの回動方向に対し大幅となっていて、回動軸54a上をロックレバー54の回動基部54gが摺動できるように構成されている。従って、ロックレバー54は回動軸54aを中心として、ガイドアーム55は回動支点55aを中心として略同方向へ回動し、ロックレバー54はガイドアーム55に対して直角方向に移動することができる。
【0033】そして、前記ガイドアーム55はロックレバー54が保持部材57に係止されることで、挟扼体34bの挟扼レール74側に押しつけられた状態にロックされている。保持部材57は、回動可能に設けられた支持フレーム56に設けられ、また、保持部材57はU字状の切欠が形成された板状部材であって、該切欠でロックレバー54のシャフト部を係止できるように構成されている。
【0034】また、左側下部搬送機構34の終端部に位置するスプロケット52及びローラ53の上方及び下方から挟み込むようコ字状に形成された穀稈巻付き防止板81が設けられて、該穀稈巻付き防止板81の上面には前記詰まりセンサ82を保持するセンサブラケット51が固定されている。そして、穀稈巻付き防止板81には前記ガイドアーム55の回動基部と反対側端が当接するよう配置されて、ガイドアーム55が回動すると該ガイドアームに押圧されて穀稈巻付き防止板81が回動するよう構成している。なお、穀稈巻付き防止板81はテンションボルト91によって、その位置を微調整してガイドアーム55の位置を微調整して搬送チェン34aのテンションを調節できるようにしている。
【0035】そして、搬送チェン支持フレーム34cに設けられたリンク前記搬送チェン支持フレーム34cに設けられた支持ブラケット60に遊結された支持アーム58に、搬送チェン保護フレーム59が架設した状態で枢結されている。搬送チェン保護フレーム59は断面コ字状であって、その内側に搬送チェン34aが位置するようにして該搬送チェン34aの軌道を保ち、また、搬送チェン34aを保護している。
【0036】上述の如く構成された左側下部搬送機構34では、ロックレバー54を保持部材57から外してロックを解除すると、該左側下部搬送機構34の終端部に位置するスプロケット52及びローラ53を伴って搬送チェン34aが機体外側へ回動して、合流部Pに詰まった穀稈を容易に取り除くことができる。すなわち、図11に示す如く、ロックが解除されると、ガイドアーム55が回動支点55aを中心に回動して穀稈巻付き防止板81を押圧し、該穀稈巻付き防止板81及びセンサブラケット51が回動し、穀稈巻付き防止板81に支承されている左側下部搬送機構34の終端部に位置するスプロケット52及びローラ53もガイドアーム55に連動するので、搬送チェン34aはその中途部から機体外側へ回動し穀稈通路が拡げられた状態(90a)となる。このとき、センサブラケット51に枢結された搬送チェン保護フレーム59も連動するため、搬送チェン34aが穀稈通路が拡げられた状態となっても該搬送チェン34aは該搬送チェン保護フレーム59によって良好に保護される。
【0037】従って、穀稈の合流部P又は合流部Qにて詰まりが発生した場合、ロックレバー54でロックを解除すると、左側下部搬送機構34、中央下部搬送機構35及び右側下部搬送機構36の終端部が近接した状態(90)から、左側下部搬送機構34の終端部の搬送チェン34aが機体外側へ回動して穀稈通路が拡げられた状態(90a)となって、詰まった穀稈を除去作業に必要以上に大きな力を要さずとも除去することができ、メンテナンス性が改善される。
【0038】また、左側下部搬送装置34の別形態を第二実施例として挙げる。第二実施例においても前記第一実施例と同様に左側下部搬送機構34の終端部の搬送チェン34aが機体外側へ回動して穀稈通路が拡げられた状態(90a)とすることができるようにしている。
【0039】第二実施例に係る左側下部搬送機構34は、図12及び図13に示す如く、左側下部搬送機構34の搬送チェン34aを巻回する複数のローラ及びスプロケットは搬送チェン支持フレーム34cに支持されており、該搬送チェン34aには、搬送チェン34aとの間に穀稈を挾扼して搬送するための挾扼体34bが備えられている。そして、該挟扼体34bの挟扼レール74と搬送チェン34aを介して対峙する位置にガイドアーム55が搬送チェン34aと略平行に設けられている。そして、ガイドアーム55の上方に位置調節アーム92が固定部材93・93で該ガイドアーム55に固定されている。位置調節アーム92にはテンションボルト91の回動軸91aが設けられている。
【0040】前記ガイドアーム55はブラケット55cを介して搬送チェン支持フレーム34cに対し回動自在に設けられており、ガイドアーム55の回動支点55aと反対側端では穀稈巻付き防止板81が当接している。ガイドアーム55に固定された位置調節アーム92は、該ガイドアーム55と同様に同期して回動支点55aを中心として回動する。従って、位置調節アーム92に備えられたテンションボルト91を操作することによって搬送チェン34aへのガイドアーム55の押圧程度を調節して該搬送チェン34aのテンションを加減することができるようにしている。
【0041】また、左側下部搬送機構34の終端部に位置するスプロケット52及びローラ53の上方及び下方を挟むようにして断面コ字状の穀稈巻付き防止板81が設けられて、該穀稈巻付き防止板81の上面には前記詰まりセンサ82を保持するセンサブラケット51が固定されている。さらに、該穀稈巻付き防止板81にはロックレバー54の回動軸54aを枢支するレバーブラケット81aが設けられている。図16に示す如く、ロックレバー54の回動軸54aには、回動部材54eが貫装されて、該回動部材54eに更なる回動部材54fが枢結されて、ロックレバー54は二方向に回動可能に構成されている。そして、上側の回動部材54fにロックレバー54のシャフトが連結されて、該ロックレバー54は搬送チェン支持フレーム34c端に固設された保持部材57のU 字状の切欠57bで係止され、ロックレバー54がこの状態にあるとき、ガイドアーム54は搬送チェン34aに押圧された状態となるようにロックされている。
【0042】そして、搬送チェン支持フレーム34cに設けられた支持ブラケット60に遊結された支持アーム58に、搬送チェン保護フレーム59が架設した状態で支承されている。搬送チェン保護フレーム59は断面コ字状であって、その内側に搬送チェン34aが位置するようにして該搬送チェン34aの軌道を保ち、また、搬送チェン34aを保護している。
【0043】上述の如く構成した、左側下部搬送機構34は、ロックレバー54を保持部材57から外してロックを解除した状態とすると、図14に示す如く、ガイドアーム55が回動軸54aを中心として機体側方へ向かって回動し、左側下部搬送機構34、中央下部搬送機構35及び右側下部搬送機構36の終端部が近接した状態(90)から、左側下部搬送機構34の終端部の搬送チェン34aが機体外側へ回動して穀稈通路が拡げられた状態(90a)となり、第二実施例においても第一実施例と同様の効果が得られる。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0045】即ち、請求項1に示す如く、複数条の穀稈を刈り取り、脱穀部側へ搬送する構成において、刈取後の穀稈を合流部へ搬送する外側に位置する左右一側の下部搬送機構を、外側方へ回動可能に構成したので、穀稈の穀稈通路が拡げられた状態で搬送詰まりした穀稈を取り除くことができるので搬送詰まり解消のための作業が簡易になる。
【0046】請求項2に示す如く、前記一側の下部搬送機構の終端部が該一側の下部搬送機構の中途部から外側方へ回動可能に構成したので、他の搬送機構の搬送チェンとの咬合を良好な状態で保持した状態で左側下部搬送機構の終端部だけが回動するので、メンテナンス毎の搬送チェンの咬合調整が不要となりメンテナンスが簡易となり作業時間や手間を削減することができる。
【0047】請求項3に示す如く、前記一側の下部搬送機構の搬送チェンの軌道を形成するためのガイド体を設け、該ガイド体を回動軸を中心として回動自在に構成し、ガイド体を搬送チェンに押圧した状態とそれを解除した状態に切り換えるための切換操作部材を備えたので、切換操作部材であるロックレバーによる操作でガイド体であるガイドアームが搬送チェンに押圧した状態から解除して左側下部搬送機構を外側方へ回動することができるので、搬送詰まり解消のためのメンテナンス作業が簡易となる。
【0048】請求項4に示す如く、前記一側の下部搬送機構の終端部に位置し搬送チェンを巻回するスプロケット又はローラを穀稈巻付き防止板で支承し、該穀稈巻付き防止板をフレームに対し回動可能に構成し、穀稈巻付き防止板が前記ガイド体に当接するよう構成したので、搬送チェンが緊張を保持した状態で左側下部搬送機構の終端部を回動させることができるので、メンテナンス時に搬送チェンを脱着したり調整したりする必要が無く、メンテナンス作業が簡易となる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成13年5月23日(2001.5.23)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2002−335737(P2002−335737A)
【公開日】 平成14年11月26日(2002.11.26)
【出願番号】 特願2001−154208(P2001−154208)