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【発明の名称】 作業機
【発明者】 【氏名】山本 明

【要約】 【課題】簡単な構造で、作業ユニットを上下移動可能にするとともに、該作業ユニットを駆動する動力を車輪に伝動することができるようにする。

【解決手段】本発明の作業機としての剪葉機10は、左右の車輪間を繋ぐ枠フレーム13と、該枠フレーム13に平行リンク14を介して上下動可能に取り付けられた作業ユニットとしての剪葉ユニット15と、該剪葉ユニット15の動力源の動力を前記車輪に伝動する動力伝動機構16とを備え、該動力伝動機構16は、前記平行リンク14と平行かつ同一長さ(L)の支点間で前記剪葉ユニット15の動力を前記枠フレーム13側に伝動する第一動力伝動要素51を含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右の車輪間を繋ぐ枠フレームと、該枠フレームに平行リンクを介して上下動可能に取り付けられた作業ユニットと、該作業ユニットの動力源の動力を前記車輪に伝動する動力伝達機構とを備え、該動力伝動機構は、前記平行リンクと平行かつ同一長さの支点間で前記作業ユニットの動力を前記枠フレーム側に伝動する動力伝動要素を含んだ作業機。
【請求項2】 前記動力伝動要素は、作業ユニット側と枠フレーム側とにそれぞれ設けられた一対のスプロケットと、該両スプロケットに巻き掛けられたチェーンとを備えるとともに、該両スプロケットの芯間が前記平行リンクの支点間と平行かつ同一長さとなるように構成された請求項1記載の作業機。
【請求項3】 前記作業ユニットは、生育した各種作物の葉部を剪葉する剪葉ユニットである請求項1又は2記載の作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生育した各種作物の葉部を剪葉する剪葉ユニット等の作業ユニットを搭載した自走式の作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の作業機として、例えば、特許第2813249号公報に開示された剪葉機1を例示する。図6に示すように剪葉機1は、左右の車輪2A,2B間の機枠1aの略中央部に支持杆3が上下動自在に設けられるとともに、支持杆3の下端3aには、作業ユニットとしての電動機4で駆動する剪葉刃5が取り付けられている。この剪葉機1は畝の左右に敷設されたレールRに載せられる。そして、剪葉作業は、作業者が剪葉機1を押して前進させることにより行われる。
【0003】.なお、剪葉機を前進させるときの作業者の負担を軽減するために、車輪2A,2Bに動力を伝動して駆動するように構成されることが多い。この動力としては、剪葉刃5を駆動するための動力が利用されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、剪葉刃5を駆動する電動機4は、上下動自在な支持杆3を介して機枠1aに取り付けられているので、その動力を車輪2A,2Bに伝動するには、支持杆3の上下動に応じて伝動距離を調節することができる動力伝動要素(例えば、軸長さが伸縮自在に構成された駆動軸等)を採用する必要がある。このため、部品コストが増大するという問題がある。
【0005】また、機枠1aの略中央部に設けられた支持杆3だけでは電動機4や剪葉刃5等を十分な剛性で支持できないので、支持杆3以外にも支持手段を設ける必要がある。しかもこの支持手段は、支持杆3の上下の直線的なスライド移動に応じて移動したり伸縮したりするように構成する必要がある。この支持杆3や支持手段のような構成は、高精度な部品を使用する必要があるとともに、高精度に取り付ける必要があり、部品コスト及び組立コストが増大するという問題がある。
【0006】本発明の目的は、上記課題を解決し、作業ユニットを上下移動可能にするとともに、該作業ユニットを駆動する動力を車輪に伝動することができる簡単な構造の自走式の作業機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の作業機は、左右の車輪間を繋ぐ枠フレームと、該枠フレームに平行リンクを介して上下動可能に取り付けられた作業ユニットと、該作業ユニットの動力源の動力を前記車輪に伝動する動力伝動機構とを備え、該動力伝動機構は、前記平行リンクと平行かつ同一長さの支点間で前記作業ユニットの動力を前記枠フレーム側に伝動する動力伝動要素を含んでいる。
【0008】この構成により、前記動力伝動要素は、相対上下動する前記枠フレームと前記作業ユニットとの間を、両者の相対位置に関わらず一定間隔で連結して動力を伝動することができる。従って、構造が簡単化でき、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単なので軽量となり、取扱が容易になる。
【0009】前記動力伝動要素としては、特に限定されないが、チェーンとスプロケットとによる態様、ベルトとプーリとによる態様、ロープとロープ車による態様、2以上の歯車による態様、2以上の摩擦車による態様、両端部に斜交軸継手を備えた駆動シャフトによる態様等を例示できる。
【0010】前記チェーンとスプロケットとによる態様として、具体的には、作業ユニット側と枠フレーム側とにそれぞれ設けられた一対のスプロケットと、該両スプロケットに巻き掛けられたチェーンとを備えるとともに、該両スプロケットの芯間が前記平行リンクの支点間と平行かつ同一長さとなるように構成された態様を例示できる。
【0011】前記作業ユニットとしては、特に限定されないが、次の態様を例示できる。
(1)生育した各種作物の葉部を剪葉する剪葉ユニットである態様。
(2)薬液を噴霧する薬液噴霧ユニットである態様。
【0012】
【発明の実施の形態】図1〜図5は本発明を具体化した一実施形態の自走式の作業機としての剪葉機10を示している。この剪葉機10は、左右に間隔をおいて配設された一対の車輪11a,11bと、該各車輪11a,11bの後方にそれぞれ配設された方向転換自在の支持輪12a,12bと、該車輪11a,11b及び支持輪12a,12bを繋ぐ枠フレーム13と、該枠フレーム13に平行リンク14を介して上下動可能に取り付けられた作業ユニットとしての剪葉ユニット15と、該剪葉ユニット15の動力源の動力を車輪11a,11bに伝動する動力伝動機構16とを備えている。なお、本書において、左又は右というときは、剪葉機10の進行方向を向いた状態を基準にいう。
【0013】枠フレーム13は、各車輪11a,11bをそれぞれ回転可能に支持する左右一対の下部縦フレーム20と、該各下部縦フレーム20の上側内側面からそれぞれ上方に延設された左右一対の上部縦フレーム21と、両上部縦フレーム21の上端部を繋ぐ横フレーム22と、各上部縦フレーム21の高さ方向の中間部側面から後方に延設された前後フレーム23a,23b,23c(右側の上部縦フレーム21に前後フレーム23a,23bが、左側の上部縦フレーム21に前後フレーム23aが、それぞれ設けられている。)と、上部縦フレーム21から斜め後方に延設されて支持輪12a,12bを支持する補助フレーム24とを備えている。上部縦フレーム21の内側面から延設された左右の前後フレーム23b,23cの先端部には、それぞれ上下に延びるリンク支持部材25が取り付けられている。右側の上部縦フレーム21から延設された2本の前後フレーム23a,23bの先端部には、略U字状に形成された操作ハンドル26が取り付けられている。後側に向けて延設されたこの操作ハンドル26の両端部には、グリップ部30と、車輪11a,11bへの動力伝動を操作するためのクラッチレバー31とがそれぞれ設けられている。さらに、右側のグリップ部30の前方には、剪葉ユニット15のエンジン37の回転数を操作するためのアクセルレバー32が設けられている。なお、下部縦フレーム20、上部縦フレーム21、及び横フレーム22には、後述する動力伝動機構16の動力伝動要素が内蔵されている。また、各下部縦フレームの上端部外側面には、クラッチレバー31の操作に応じて車輪11a,11bへの動力の伝動を入切するためのクラッチ33が設けられている。
【0014】剪葉ユニット15は、剪葉フレーム36を備え、該剪葉フレーム36には、原動機としてのエンジン37と、剪葉動力伝動機構65を介して該エンジン37によって駆動される剪葉刃38及び送風機39と、剪葉した作物の葉部を収穫する網40を載置するための収穫棚41と、剪葉対象の作物を剪葉刃38に導くデバイダー42とが支持されている。
【0015】剪葉刃38は、剪葉フレーム36のほぼ全幅に渡って取り付けられている。この剪葉刃38は、受け刃と刈刃で構成されており、エンジン37により駆動されるクランク機構(図示略)によって刈刃が駆動されるようになっている。
【0016】送風機39は、剪葉フレーム36のほぼ全幅に渡って延びる直管状の送風管39aを備えている。送風管39aは、剪葉刃38の前方かつ上方に配設されている。送風管39aには、多数の送風口39bが剪葉フレーム36のほぼ全幅に渡って列設されている。各送風口39bは、剪葉刃38のすぐ上側に向けて送風を排出するようになっている。
【0017】収穫棚41は、平板状に形成されており、剪葉刃38の後側に上下に傾動可能に支持されており、剪葉作業時には、後述する連結フレーム43から延出する留め具44で水平姿勢に維持されるようになっている。この収穫棚41は、その下面側に後方への突出長さを調整可能に複数のポール49が所定間隔を置いて配設されており、種々の大きさの網40に対応することができるようになっている。
【0018】デバイダー42は、剪葉ユニット15の前端部両側より前方へ末広がりに突出するように取り付けられている。
【0019】平行リンク14は、剪葉機10の両側において、枠フレーム13のリンク支持部材25と、剪葉フレーム36との間をそれぞれ連結しており、これにより枠フレーム13に対して剪葉ユニット15が上下動するようになっている。各平行リンク14における上側リンク14aの後端部は、互いに連結フレーム43で連結されている。この連結フレーム43には前述した収穫棚41の留め具44の上端側が取り付けられている。
【0020】この平行リンク14は位置調節部45によって枠フレーム13に対する位置を調節することができるようになっている。この位置調節部45は、枠フレーム13の前後フレーム23bの長さ方向略中央に回動可能に取り付けられたナット部46と、該ナット部46に螺合されるとともに、下端部が平行リンク14の下側リンク14bの長さ方向略中央に連結されたボールネジ47と、該ボールネジ47の上端部に設けられた回転ハンドル48とを備えている。そして、回転ハンドル48を回転させると、その回転方向に応じて枠フレーム13に対する平行リンク14の位置を調節し、もって枠フレーム13に対する剪葉ユニット15の上下位置を調節することができるようになっている。図1、図2、図4及び図5は剪葉ユニット15の高さを最も低く調節した状態を示し、図3は剪葉ユニット15の高さを最も高く調節した状態を示している。
【0021】なお、本例では、枠フレーム13の前部側に剪葉ユニット15を配設し、枠フレーム13の後部側に平行リンク14を配設するように構成している。このため、前後方向の重量バランスが良く、安定が良い。また、平行リンク14を枠フレーム13の後部側に設けることにより、位置調節部45を操作ハンドル26付近に配設することを可能にしている。このため、操作ハンドル26を持つ作業者が、片手を前方に伸ばすだけで位置調節部45を操作することができ、剪葉ユニット15の上下位置を適宜容易に調節することができる。
【0022】動力伝動機構16は、ベルト伝動機構50及びミッション57を介してミッション57の出力軸57aから取り出されたエンジン37の動力を、車輪11a,11bに伝動する第一〜第六動力伝動機構51〜56を備えている。まず、第一動力伝動要素は、ケース58に内蔵されており、ミッション57の出力軸57aの動力を枠フレーム13側の入力軸60に伝動する。本例では、この第一動力伝動要素51は、平行リンク14と平行かつ同一長さの支点間で剪葉ユニット15の動力を枠フレーム13側に伝動するようになっている。具体的には、第一動力伝動要素51は、剪葉ユニット15側と枠フレーム13側とにそれぞれ設けられた一対のスプロケット51a,51bと、該両スプロケット51a,51bに巻き掛けられたチェーン51cとを備えており、該両スプロケット51a,51bの芯間が平行リンク14の支点間と平行かつ同一長さ(L)となるように構成されている。
【0023】枠フレーム13側の入力軸60に伝動された動力は、右側の上部縦フレーム21に内蔵された第二動力伝動要素52によって右側のクラッチ軸61に伝動される。右側のクラッチ軸61に伝動された動力は、右側の下部縦フレーム20に内蔵された第三動力伝動要素53によって右側の車輪11aに伝動される。この右側のクラッチ軸61は、右側のクラッチ33を作動させると、第三動力伝動要素53への動力の伝動を入切することができるようになっている。
【0024】また、右側のクラッチ軸61に伝動された動力は、右側の上部縦フレーム21に内蔵された第四動力伝動要素54によって横フレーム22に内蔵された横軸62に伝動される。次いで横軸62に伝動された動力は左側の上部縦フレーム21に内蔵された第五動力伝動要素55によって左側のクラッチ軸63に伝動される。次いで、左側のクラッチ軸63に伝動された動力は、左側の下部縦フレーム20に内蔵された第六動力伝動要素56によって左側の車輪11bに伝動される。この左側のクラッチ軸63は、左側のクラッチ33を作動させると、第六動力伝動要素56への動力の伝動を入切することができるようになっている。
【0025】なお、本例では、第二〜第六動力伝動要素52〜56も第一動力伝動要素51と同様にチェーン伝動によって動力を伝動するようになっている。なお、本例では、ケース58が開閉可能になっており、第一動力伝動要素51が他のギヤ比のものと交換可能に構成されている。特に限定されないが、例えば、これと同様に他の動力伝動要素52〜56を交換可能に構成することもできる。
【0026】次に、この剪葉機10による剪葉作業を説明する。まず、剪葉機10の左右の車輪11a,11bを畝Uの左右の畝間Pに配置した状態で剪葉フレーム36前端の剪葉刃38の高さを剪葉する作物の剪葉寸法の基準に合わせて調整する。例えば、剪葉する作物がシソSであれば、35cm〜40cmに生育したシソの先端高さより5cm〜6cm程度の葉部を刈り取るようにされる。剪葉刃38の高さを圃場の表土Hから前記刈り取る高さとなるように、回転ハンドル48を回転して調節する。この状態でエンジン37を始動して、剪葉刃38と送風機39を駆動するとともに、両側の車輪11a,11bを駆動して剪葉機10を前進させる。
【0027】剪葉機10の前進に伴って剪葉刃38で連続的にシソSの葉部が剪葉される。剪葉された葉部は送風口39bから排出される送風により収穫棚41に装着された網40内へ順次送られる。このように剪葉された葉部は、送風によって確実に収穫され、圃場損失がほとんど生じない。なお、収穫された葉部は、留め具44を外して収穫棚41を下方に傾斜させると、すべての葉部が網40の中に落下して行き、剪葉した葉部の収穫作業を容易に行うことができる。
【0028】剪葉機10の前進中は、アクセルレバー32を操作することによりエンジン37の回転数を調節し、それにより車輪11a,11bの回転速度、即ち剪葉機10の進行速度を調節する。このとき、車輪11a,11bに動力が伝動されるので、作業者は剪葉機10をほとんど押す必要がない。畝間Pの表土状況等により進行方向がずれたときは、右又は左側のクラッチレバー31を操作することにより方向を修正する。例えば、左側に向いたときは、右側のクラッチ33を切るようにクラッチレバー31を操作すると、左側の車輪11bのみに動力が伝動されて、方向が修正される。このときも、作業者は剪葉機10をほとんど押す必要がない。また、畝Uの両端の枕地等で方向転回をするときもこれと同様にクラッチレバー31を操作することにより行うことができる。
【0029】以上のように構成された本発明の作業機としての剪葉機10によれば、左右一対の車輪11a,11b間を繋ぐ枠フレーム13に平行リンク14を介して上下動可能に剪葉ユニット15を取り付け、該平行リンク14と平行かつ同一長さ(L)の支点間で剪葉ユニット15の動力を前記枠フレーム13側に伝動する第一動力伝動要素51を介して車輪11a,11bに伝動するように構成している。このため、第一動力伝動要素51は、相対上下動する枠フレーム13と剪葉ユニット15との間を、両者の相対位置に関わらず一定間隔(L)で連結して動力を伝動することができる。従って、構造が簡単化でき、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単なので軽量となり、取扱が容易になる。
【0030】なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)剪葉ユニット15を適宜他の作業用の作業ユニットに変更すること。
(2)各動力伝動要素を別の構造のものに適宜変更すること。
(3)剪葉ユニット15の動力源の動力を車輪11a又は車輪11bの一方にのみ伝動するように構成すること。
(4)第一動力伝動要素51を平行リンク14を構成するいずれかのリンクと一体に構成すること。
【0031】
【発明の効果】本発明の作業機によれば、簡単な構造で、作業ユニットを上下移動可能にするとともに、該作業ユニットを駆動する動力を車輪に伝動することができるという優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
【出願日】 平成13年5月23日(2001.5.23)
【代理人】 【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一
【公開番号】 特開2002−335732(P2002−335732A)
【公開日】 平成14年11月26日(2002.11.26)
【出願番号】 特願2001−154629(P2001−154629)