| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 昇一
【氏名】矢吹 誠
|
| 【要約】 |
【課題】刈取変速操作レバー35の左右方向の必要スペースを減少させて脱穀クラッチ操作レバー33、刈取クラッチ操作レバー34及び刈取変速操作レバー35をこれらの配列を変更することなくコンパクトに配置する。
【解決手段】サイドコラム25の上面の左右方向部位に、脱穀クラッチ操作レバー33、刈取クラッチ操作レバー34及び刈取変速操作レバー35を設けたコンバインにおいて、脱穀クラッチ操作レバー33、刈取クラッチ操作レバー34及び刈取変速操作レバー35のそれぞれを共通の左右向き直状支点軸37回りへ揺動される構成となす。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操縦部の側部に形成されたサイドコラムの上面の左右方向部位に脱穀クラッチ操作レバー、刈取クラッチ操作レバー及び刈取変速操作レバーを設け、刈取変速操作レバーを前後向き縦面上で前後へのみ揺動されるように装着すると共に、この刈取変速操作レバーを前後揺動範囲の前位置と後位置のそれぞれの位置に適当保持力で保持させるためのレバー位置保持機構を設け、刈取変速操作レバーが前位置にあるときに刈取部が第一特定速度で刈取作動され、刈取変速操作レバーが後位置にあるときに刈取部が第二特定速度で刈取作動されるコンバインにおいて、脱穀クラッチ操作レバー、刈取クラッチ操作レバー及び刈取変速操作レバーのそれぞれを共通の左右向き直状支点軸回りへ揺動される構成となしたことを特徴とするコンバイン。 【請求項2】 左右向き直状支点軸をサイドコラムに回転自在に装着し、この支点軸の長さ途中に刈取クラッチ操作レバーを、そしてこの支点軸の一端部に刈取操作出力アームを固定し、また刈取クラッチ操作レバーの左右側となる前記支点軸部分に筒軸部材を回動可能に外挿してこれら左右の筒軸部材を結合部で同体状に結合し、一方の筒軸部材に脱穀クラッチ操作レバーを、そして他方の筒軸部材に脱穀操作出力アームを固定し、また前記支点軸の長さ方向の途中で左右の筒軸部材間箇所に刈取変速操作レバーを回動自在に外挿したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。 【請求項3】 脱穀操作出力アーム、刈取操作出力アーム及び刈取変速操作レバーのそれぞれの出力箇所にこれらの前後変位を他所へ伝達するための操作ワイヤなどの前後変位伝達部材を前後向き垂直面に沿った方向で連結すると共に、任意な1つの前記出力箇所に作用する引張力の作用線が、前記任意な1つの出力箇所の左右向き直状支点軸回りの揺動によりこの支点軸の中心を前後向き縦面上でその一側から他側へ超える構造としたレバー位置保持機構となされていることを特徴とする請求項2記載のコンバイン。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、刈取変速操作レバーを左右方向へ揺動させない構成としたコンバインに関する。 【0002】 【従来の技術】図12は従来のコンバインを示しており、この図に示すように、操縦部9の側部に形成されたサイドコラム25の上面の左右方向部位に、脱穀部12への回転動力供給を断続させる脱穀クラッチ操作レバー33、刈取部3への回転動力供給を断続させる刈取クラッチ操作レバー34、及び、刈取部3の刈取速度を変化させるための刈取変速操作レバー35とを設けたコンバインは存在している。 【0003】上記した脱穀クラッチ操作レバー33、刈取クラッチ操作レバー34及び刈取変速操作レバー35は刈取作業において互いに操作関連性を有するもので、上記のように装着することにより操縦部9の運転座席20に座した操縦者が便利に操作できるものとなる。 【0004】上記コンバインにおいて、脱穀クラッチ操作レバー33及び刈取クラッチ操作レバー34のそれぞれは単にその把手部を前後へ揺動操作することによりその揺動範囲内の前位置と後位置とに適当な大きさのスプリング力で位置保持され、各操作レバー33、34の揺動範囲内の前位置ではその対応する脱穀クラッチ又は刈取クラッチを続作動させ、一方、前記揺動範囲内の後位置ではその対応する脱穀クラッチ又は刈取クラッチを切作動させるようになされている。また刈取変速操作レバー35はその把手部を前後方向及び左右方向へ揺動操作するものとなされており、前後揺動範囲内の前位置ではその位置をスプリング力で保持され、一方、前後揺動範囲内で単に後位置へ引いた状態ではスプリング力で前方へ復帰される状態であり、後位置に保持させるときは前位置から後位置まで操作してさらに左右揺動させて横向き溝p3の内方に嵌合させるのであり、これにより前方への変位を横向き溝p3により規制されてその後位置を保持されるのであり、前後揺動範囲内の前位置に位置されたとき刈取速度を高速となし、後位置に位置されたときそれを低速となすものとなされている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来のコンバインでは、刈取変速操作レバー35が左右方向へ変位される構造となっているため、サイドコラム25の左右巾を比較的大きく確保することが必要となって、スペース的に不利となるのである。 【0006】また脱穀クラッチ操作レバー33、刈取クラッチ操作レバー34及び刈取変速操作レバー35のそれぞれに対応した出力箇所にはスプリングで引張された状態の操作ワイヤが連結されるが、この操作ワイヤの引張力の作用線と各操作レバーの操作方向とが前後向きの一直線となっていないことが多いのであり、このことがレバー装着構造の左右巾を増大させると共にレバー操作の円滑性を損なわせるのである。 【0007】本発明は斯かる問題点を簡易に解消するものとしたコンバインを提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明では、請求項1に記載したように、操縦部の側部に形成されたサイドコラムの上面の左右方向部位に脱穀クラッチ操作レバー、刈取クラッチ操作レバー及び刈取変速操作レバーを設け、刈取変速操作レバーを前後向き縦面上で前後へのみ揺動されるように装着すると共に、この刈取変速操作レバーを前後揺動範囲の前位置と後位置のそれぞれの位置に適当保持力で保持させるためのレバー位置保持機構を設け、刈取変速操作レバーが前位置にあるときに刈取部が第一特定速度で刈取作動され、刈取変速操作レバーが後位置にあるときに刈取部が第二特定速度で刈取作動されるコンバインにおいて、脱穀クラッチ操作レバー、刈取クラッチ操作レバー及び刈取変速操作レバーのそれぞれを共通の左右向き直状支点軸回りへ揺動される構成となす。この際、第一特定速度と第二特定速度は大小の関係となし、何れを大となすも任意である。 【0009】この発明によれば、刈取変速操作レバーがその把手部を左右方向へ変位させる必要のないものとなるため、この操作レバーの左右方向の必要スペースが減少するのであり、これにより脱穀クラッチ操作レバー、刈取クラッチ操作レバー及び刈取変速操作レバーがこれらの配列を変更することなくコンパクトに配置されるのであり、このことが、サイドコラムの左右巾を減少させて操縦部の左右巾を十分に確保することを可能となし或いは機体の左右巾の減少化に寄与する。そして、これら操作レバーが共通の左右向き直状支点軸回りの回動自在に装着されるため装着構造が簡易となるほか、3つの操作レバーが左右方向の一線状に配列されるためレバー操作が便利に行えるようになる。 【0010】また請求項2に記載したように、左右向き直状支点軸をサイドコラムに回転自在に装着し、この支点軸の長さ途中に刈取クラッチ操作レバーを、そしてこの支点軸の一端部に刈取操作出力アームを固定し、また刈取クラッチ操作レバーの左右側となる前記支点軸部分に筒軸部材を回動可能に外挿してこれら左右の筒軸部材を結合部で同体状に結合し、一方の筒軸部材に脱穀クラッチ操作レバーを、そして他方の筒軸部材に脱穀操作出力アームを固定し、また前記支点軸の長さ方向の途中で左右の筒軸部材間箇所に刈取変速操作レバーを回動自在に外挿する。 【0011】これによれば、脱穀クラッチ操作レバー、刈取クラッチ操作レバー及び刈取変速操作レバーのそれぞれの左右方向位置の自在性が向上すると共に、これら操作レバーの配列を維持した上で各操作レバーの変位方向と、各操作レバーに連結される操作ワイヤなどの変位伝達部材の引張方向とが前後向きの同一直線上に位置された構成が容易に実現されるものとなる。 【0012】さらに請求項3に記載したように、脱穀操作出力アーム、刈取操作出力アーム及び刈取変速操作レバーのそれぞれの出力箇所にこれらの前後変位を他所へ伝達するための操作ワイヤなどの前後変位伝達部材を前後向き垂直面に沿った方向で連結すると共に、任意な1つの前記出力箇所に作用する引張力の作用線が、当該任意な1つの出力箇所の左右向き直状支点軸回りの揺動によりその支点軸の中心を前後向き垂直面上でその一側から他側へ超える構造としたレバー位置保持機構となす。 【0013】これによれば、脱穀操作出力アーム、刈取操作出力アーム及び刈取変速操作レバーのそれぞれが、大きな左右巾を必要としない簡易な構成により、その前後揺動操作範囲内の前位置と後位置のそれぞれの位置に、前記出力部材に作用する引張力に基づく適当大きさの保持力により保持されるものとなる。 【0014】 【発明の実施の形態】図1〜図11は本発明に係るコンバインに関し、図1は全体平面図、図2は前部の側面図、図3は図1のx−x部を示す断面図、図4は図3を上方から見た図、図5は操縦部の要部を右方から見た図、図6はサイドコラム後部の内方を上方から見た図、図7はサイドコラム後部の内方を前方から見た図、図8はシートコラムの一部を前方から見た断面図、図9はエンジンの回転伝達系統を示す図、図10は操作レバーの揺動途中の状態を示す側面視説明図、図11は前記操作レバーを前位置へ操作した状態を示す側面視説明図である。 【0015】図1及び図2において、1は走行部で左右一対のクローラ走行装置1a、1bからなっており、2はこれらクローラ走行装置1a、1bに支持された機台である。3は機台2の前方に配設された刈取部であり、この刈取部3は、機台2前部に横向き軸4を介して昇降可能に支持された刈取フレーム5と、この刈取フレーム5を前記横向き軸4回りへ昇降させるための図示しない伸縮シリンダ装置を備えている。そして、刈取フレーム5の最前部には分草板6が固定してあり、これら分草板6の後方の刈取フレーム5部分に引起こしケース7及び刈刃装置8等を設けている。 【0016】9は機台2上方の前部右側に設けられた操縦部であり、この操縦部9の後方には穀粒タンク10を、そして操縦部9及び穀粒タンク10左側には穀稈縦搬送部11及び脱穀部12を配設している。この脱穀部12はフィードチェーン13や扱胴13a及び処理胴13bを備えたものとなされている。そして脱穀部12と穀粒タンク10とは揚穀筒14を介して接続されている。 【0017】15は機台2の後方へ張出し状に設けられた排藁処理部で、内部には排藁を寸断するための切断要部15aを備えている。15bは脱穀部12から送り出された排藁を前記切断要部15aに供給するための排藁搬送装置である。 【0018】16は操縦部9の後部下方の機台2上に設けたエンジンで、17は機台2前部に固定したミッション装置であり、このミッション装置17の入力部にエンジン16から動力が伝達されるようになされている。そして、18は穀粒タンク10内の穀粒を外方へ排出するものとした穀粒排出オーガである。 【0019】上記のように構成されたコンバインは次のように作動する。即ち、エンジン16の回転がミッション装置17に入力され、続いてミッション装置17からクローラ走行装置1a、1bに伝達されるものとなり、この回転によりクローラ走行装置1a、1aが駆動され機体を走行させる。機体の走行中には、分草板6が条植された穀稈の隣接条間の絡みを掻き分け、刈刃装置8が引起こし装置7の引き起こした穀稈を刈り取り、穀稈縦搬送装置11が刈取穀稈を脱穀部12に搬送し、脱穀部12がこれを脱穀し、ここで得られた穀粒は揚穀筒14が穀粒タンク10内に送り込み、一方、脱穀により生じた排藁は排藁搬送装置15bが排藁処理部15の切断要部15aへ向け搬送し、切断要部15aはこの排藁を寸断して機外へ排出する。 【0020】次に上記操縦部9について説明する。後部にエンジン16を覆う態様の箱形のシートコラム19が機台2上に設けてあり、このシートコラム19は前面壁19a、側面壁19b、上面壁19c及び後面壁19dを備えたものとなっており、側面壁19bの下端部と機台2の右側部とを前後一対のヒンジ部材20a、20bで結合し、全体が図3に仮想線k1で示すようにヒンジ部材20a、20b回りの外方へ揺動変位されてエンジン16周囲を開放するものとなされている。この際、上面壁19cの後部には左右向きの突出部19eを形成し、この突出部19eの内方をエンジン16の吸気スペースとなされており、また上面壁19cの上方で前記突出部19eの前方に運転座席20が設けてある。運転座席20の座部の上面外方側縁部には図3及び図4に示すように手先を挿し入れるための深さ5cm程度の凹み孔20aが形成してあり、この凹み孔20aは親指を除いた4本の指を挿し入れるのに十分な大きさの断面積となし、作業者が操縦部9に昇降する際に自身の身体支えのために使用する上で便利なものとなされている。 【0021】上記シートコラム19の前面壁19aから操縦部前縁jまでの間にはステップ面21が形成してあり、またステップ面21前部には丸形操向ハンドル22を支持したステアリングコラム23が起立させてある。24はステップ面21の外方側面の前部に設けた駐車ブレーキレバーである。 【0022】シートコラム19左横箇所からステップ面21の前部左横箇所に及ぶ範囲にはサイドコラム25が形成してあり、このサイドコラム25は上面板部25a及び右側面板部25bを有すると共に内方にこれら板部25a、25bを支持するための支持フレーム構造25c(図5参照)などを有しており、この際、支持フレーム構造25cは機台2に固定され、またサイドコラム25の左側面箇所25dや前面箇所25eは図示しないゴム垂れで覆われている。 【0023】上面板部25aの前部aには前後向きの2つのレバー孔26、27が形成されており、一方のレバー孔26には左右一対の走行クローラ1a、1bの回転速度を同調させて変化させ機体の走行速度を増減させるものとした主変速操作レバー28を挿通させ、他方のレバー孔27には主変速操作レバー28の操作位置で特定された回転速度をさらに一定比率で増減させるものとした副変速操作レバー29を挿通させている。 【0024】そして上面板部25aの後部bの左右方向部位には前後向きの3つのレバー孔30、31、32が形成してあり、右端のレバー孔30には脱穀部12への脱穀回転動力供給を断続させるための脱穀クラッチ操作レバー33を挿通させ、中央のレバー孔31には刈取部3への刈取動力供給を断続させるための刈取クラッチ操作レバー34を挿通させ、左端のレバー孔32には刈取部3などの刈取作動速度を複数段に変化させるための刈取変速操作レバー35を挿通させている。 【0025】上面板部25aの後部bの下方近傍直下箇所には、図3及び図4に示すように、左右側面部c1、c2とこれら側面部c1、c2の上縁部を結合した水平状結合面部c3とからなるレバー支持板36が配置してあり、このレバー支持板36は機台2から起立された支持棒37a、37bを介してその位置を固定させている。そして、水平状結合面部c3の上面にサイドコラム25の上面板部25aを支持させており、従ってレバー支持板36や支持棒37a、37bはサイドコラム25の支持フレーム構造25cの一部となしている。 【0026】上記左右側面部c1、c2間には図5及び図6に示すように左右向き直状支点軸37を回動自在に装着しており、この支点軸37の長さ途中に刈取クラッチ操作レバー34を、そしてこの支点軸37の一端部に刈取操作出力アーム39を固定し、また刈取クラッチ操作レバー34の左右側となる前記支点軸37部分に二つの筒軸部材39a、39bを回動自在に外挿してこれら左右の筒軸部材39a、39bを結合部40を介して同体状に結合し、一方の筒部材39aに脱穀クラッチ操作レバー33を、そして他方の筒軸部材39bに脱穀操作出力アーム42を固定し、また前記支点軸37の長さ方向の途中で左右の筒軸部材39a、39b間箇所に刈取変速操作レバー35を回動自在に装着している。 【0027】この際、刈取クラッチ操作レバー34及び刈取操作出力アーム39は筒部材44a、44bを介して左右向き直状支点軸37に固定させており、前記筒部材44a、44bは左右向き直状支点軸37の切欠部37a、37bに相対回転の規制された状態に外嵌させている。 【0028】結合部40は左右の筒軸部材39a、39bに固定された結合アーム40a、40bと、一端を一方の結合アーム40bに固着され他端の細径部dを結合アーム40aの先端部に形成された透孔に嵌挿された横向き結合棒40cとからなっている。 【0029】刈取変速操作レバー35は左右向き直状支点軸37に外挿されるU字形部35aに連続して、一部を刈取変速操作出力箇所eとなされた基端側アーム部35bを形成し、次に横折り部35cを形成し、この横折り部35cに連続して先端側アーム部35dを形成したものとなしている。 【0030】右側の筒軸部材39aには牽制部材としての屈曲棒部材45が固着してあり、この棒部材45の先端部を刈取クラッチ操作レバー34の前側に位置させ、刈取クラッチ操作レバー34と脱穀クラッチ操作レバー33とが前記棒部材45による特定関係の下で作動するように連係させている。 【0031】各操作レバー33、34、35は図7に示すようにレバー支持板36の水平状結合面部c3に形成された前後向きの三つのレバー孔30a、31a、32aを通じて上方へ導かれており、これらレバー孔30a、31a、32aはサイドコラム25の上面板部25aのレバー孔30、31、32に対応したものとなされ、各操作レバー33、34、35がレバー孔30a、31a、32aにより規定される図5に示した後位置p1と前位置p2の間で前後方向へのみ揺動することを許容するものとなされている。各操作レバー33、34、35の上端部は把手部33a、34a、35aとなされている。38は脱穀クラッチ操作レバー33が前位置p2に位置したことを検出するための検出スイッチである。 【0032】図3及び図4に示すようにレバー支持板36の右側面部c2の外面上部と、シートコラム19の上面壁19cの後部寄り箇所との間にはシートコラム19の図1及び図2などに示す閉鎖状態を固定的に維持させるものとした係止具46が設けてある。この係止具46は図3、図4及び図8に示すように、上面壁19cにボルト固定された基礎部材47に支点軸47aを介して揺動部材48の左端部を枢着し、且つ、この揺動部材48の右端部の前後側面に平面視開放環状の掛止棒部材49の開放箇所を前後向き軸50回りの揺動可能に係着するほか、揺動部材48の右端に操作摘み部48aを左張出状に形成し、一方ではレバー支持板36の右側面部c2の外面上部に掛止棒部材49の先部を掛け止めるためのフック部材51を固着した構成となしてある。 【0033】上記係止具46の使用について説明すると、シートコラム19をヒンジ部材20a、20b回りへ揺動させてエンジン16周囲を開放させる際は、図8に実線で示すような固定状態の係止具46の操作摘み部48aを上方へ移動させて揺動部材48を仮想線k2で示すように前記支点軸37回りへ変位させることにより、掛止棒部材49の先部をフック部材51から外した後、シートコラム19を図3に仮想線k1で示すように外方へ揺動させるようになし、またシートコラム19を閉鎖状態に固定する際は、シートコラム19を図5に実線で示す状態に復帰させた後に掛止棒部材49の先部をフック部材51に引っ掛け、その後に操作摘み部48aを前記支点軸47a回りへ押し下げて当初状態に復帰させるようにする。 【0034】次にエンジン16の回転伝達系統の一部について、図9を参照して説明する。エンジン16の回転は脱穀クラッチ52を経て脱穀部12に伝達され、次に脱穀部12からベルト伝動装置53を経て刈取駆動ケース54に伝達され、この刈取駆動ケース54からフィードチェン13と刈取クラッチ55との二系統に分岐されて伝達されるのであり、刈取クラッチ55に伝達された回転は刈取回転入力ケース56に伝達され、この入力ケース56から刈取部3要部と穀稈縦搬送部11とに伝達されるようになっている。 【0035】この際、脱穀クラッチ52はエンジン16の出力軸16aに固定されたプーリ57と脱穀部12の入力軸58に固定されたプーリ59に無端状の伝動ベルト60を掛け回すと共に、この伝動ベルト60を緊張弛緩させるための脱穀操作入力部61を形成してなるベルトテンションクラッチとなし、この入力部61に結合された操作ワイヤ62を引張変位させることにより動力伝達の断続が行われるものとなしてある。 【0036】刈取駆動ケース54はこれの入力軸63に伝達された回転を通常速度としての第一特定速度である低速と第二特定速度である高速に切り換えるための変速機構64を備え、この変速機構64により変速された回転をフィードチェン13用出力軸65と刈取部3用出力軸66とに伝達するものとなしてあり、また変速機構64は変速操作入力部64aを備え、この入力部64aに結合された操作ワイヤ67を引張変位させることにより前記出力軸65、66の回転速度が高低に切り換えられるものとなされる。 【0037】刈取クラッチ55は刈取駆動ケース54の刈取部3用出力軸66に固定されたプーリ68と刈取回転入力ケース56の入力軸69に固定されたプーリ70に無端状の伝動ベルト71を掛け回すと共に、この伝動ベルト71を緊張弛緩させるための刈取操作入力部72を形成してなるベルトテンションクラッチとなし、この入力部72に結合された操作ワイヤ73を引張変位させることにより動力伝達の断続が行われるものとなしてある。 【0038】次に各操作レバー33、34、35と、脱穀クラッチ52、刈取クラッチ55及び刈取変速機構64との関連構成について図5〜図7、図9〜図11を参照して説明する。脱穀クラッチ52、刈取クラッチ55及び刈取変速機構64の各入力部61、72、64aに連結される操作ワイヤ62、73、67を摺動変位自在に挿通され案内するものとした撓曲自在なワイヤ案内管74、75、76を、各入力部61、72、64aと、各操作レバー33、34、35との間に配設しており、各ワイヤ案内管74、75、76の各操作レバー33、34、35側の端部74a、75a、76aはその対応する操作レバー33、34、35の左右位置に合致させている。 【0039】各端部74a、75a、76aから外方へ導かれた操作ワイヤ62、73、67と各操作レバー33、34、35との間には、各操作レバー33、34、35をその揺動範囲内の後位置p1と前位置p2のそれぞれの位置に適当大きさの保持力で保持させるためのレバー位置保持機構77a、77b、77c(図5及び図6参照)を形成している。 【0040】この位置保持機構77a、77b、77cは次のようなものとなすのであって、即ち、脱穀操作出力アーム42、刈取操作出力アーム39及び刈取変速操作レバー35にそれぞれの対応する操作ワイヤ62、73、67の一端を特定形状部材78a、78b、78c及び引張スプリング79a、79b、79cなどの変位伝達部材を介して連結すると共に、任意な1つの操作ワイヤ62、73、67の連結近傍部62a、73a、67aに作用する引張力の作用線が、その任意な1つの操作ワイヤ62、73、67の連結された1つの操作レバー33、34、35の前後揺動操作により、左右向き直状支点軸37の中心を前後向き垂直面上の一側から他側へ超える構造となされている。 【0041】この際、特定形状部材78a及び引張スプリング79aが脱穀クラッチ操作レバー33の位置保持機構77aをなし、特定形状部材78b及び引張スプリング79bが刈取クラッチ操作レバー34の位置保持機構77bをなし、特定形状部材78c及び引張スプリング79cが刈取変速操作レバー35の位置保持機構77cをなしている。 【0042】各特定形状部材78a、78b、78cの側面視形状はワイヤ案内管74、75、76の端部74a、75a、76aと、脱穀操作出力アーム39、刈取操作出力アーム42又は刈取変速操作レバー35の一部でこの特定形状部材78a、78b、78cの装着される箇所(出力箇所)と、左右向き直状支点軸37との相対位置に基づいて決定される。 【0043】各操作レバー33、34、35に対しワイヤ案内管74、75、76の端部74a、75a、76aの前後位置や高さは任意に変更して差し支えないが、レバー位置保持機構77a、77b、77cを形成する上で、そのワイヤ案内管74、75、76に対応した特定形状部材78a、78b、78cの側面視形状を適宜に変形することが必要となる。 【0044】次に上記したコンバインの要部の使用例や作用について説明する。機体を走行させて通常の刈取作業を行う場合は、運転座席20に座した作業者が脱穀クラッチ操作レバー33をその把手部35aを握ってその揺動範囲内の後位置p1から前位置p2まで揺動操作する。これにより脱穀操作出力アーム42が脱穀クラッチ操作レバー33に連動して操作ワイヤ62を引張し脱穀クラッチ52を続作動させる。そして、刈取部3を圃場に植立した穀稈条列に適合させた後、作業者が刈取クラッチ操作レバー34の把手部34aを握ってこの操作レバー34の揺動範囲内の後位置p1から前位置p2まで揺動操作する。これにより刈取操作出力アーム39が刈取クラッチ操作レバー34に連動して操作ワイヤ73を引張し、刈取クラッチ55を入り作動させる。 【0045】この際、脱穀操作出力アーム42や刈取操作出力アーム39に連結された操作ワイヤ62、73の連結部近傍部62a、73aに作用する引張力の作用線は左右向き直状支点軸37の中心を前後向き垂直面上の後側から前側へ超えるため、脱穀クラッチ操作レバー33及び刈取クラッチ操作レバー34は操作ワイヤ62、73の引張力により前位置p2に保持された状態となる。 【0046】刈取部3の刈刃8、引起こし装置7、7及び穀稈縦搬送装置11や、フィードチェン13を通常速度である第一特定速度(低速)で作動させる際は、刈取変速操作レバー35の揺動範囲内の後位置p1に位置させるのであり、この位置p1にある刈取変速操作レバー35は操作ワイヤ67の引張力によりその位置を保持される。 【0047】一方、刈刃8、引起こし装置7、7及び穀稈縦搬送装置11や、フィードチェン13を第二特定速度(高速)で作動させる際は、刈取変速操作レバー35の揺動範囲内の前位置p2に位置させる。この際、刈取変速操作レバー35に連結された操作ワイヤ67の連結部近傍部67aに作用する引張力の作用線は左右向き直状支点軸37の中心をその後下側から前上側へ超えるため、刈取変速操作レバー35は操作ワイヤ67の引張力により前位置p2に保持された状態となる。 【0048】以上の操作により、刈取部3や脱穀部12はエンジン16の回転を伝達されて刈取作動及び脱穀作動し、機体の走行中、刈取部3は植立穀稈を刈り取り、穀稈縦搬送装置11は刈り取られた穀稈を脱穀部12に搬送し、脱穀部12は搬送された穀稈を脱穀処理する。 【0049】このような通常の刈取作業中に刈取部3や脱穀部12の作動を停止させる際は、刈取クラッチ操作レバー34及び脱穀クラッチ操作レバー33をその揺動範囲内の前位置p2から後位置p1へ揺動させる。これにより、刈取操作出力アーム39及び脱穀操作出力アーム42が刈取クラッチ操作レバー34及び脱穀クラッチ操作レバー33に連動して操作ワイヤ73、62を戻し変位させて、刈取クラッチ55及び脱穀クラッチ52を切り作動させ、刈取部3や脱穀部12へのエンジン16の回転伝達は断たれる。 【0050】この際、刈取操作出力アーム39及び脱穀操作出力アーム42に連結された操作ワイヤ73、62の連結部近傍部73a、62aに作用する引張力の作用線は左右向き直状支点軸37の中心をその前側から後側へ超えるため、刈取操作出力アーム39及び脱穀操作出力アーム42は操作ワイヤ73、62の引張力により後位置p1に保持された状態となる。 【0051】上記したところでは、通常の刈取作業を行うとき脱穀クラッチ操作レバー33を前位置p2へ操作した後に、刈取クラッチ操作レバー34を前位置p2へ操作したが、これに代えて、先に刈取クラッチ操作レバー34を前位置p2へ操作すると、刈取クラッチ操作レバー34は屈曲棒部材45を介して脱穀クラッチ操作レバー33を前位置p2へ向けて連動させるものとなり、刈取部3と脱穀部12の双方が脱穀クラッチ操作レバー33を手操作しないでも作動した状態となる。従って、刈取部3の作動が脱穀部12の作動より先に開始されることは阻止され、刈取部3で刈り取られた穀稈は必ず、作動中の脱穀部12に供給されるものとなる。 【0052】刈取部3や脱穀部12の作動を停止させる場合には、刈取クラッチ操作レバー34を前位置p2から後位置p1へ操作した後に、脱穀クラッチ操作レバー33を前位置p2から後位置p1へ操作するのが通常である。これによれば、刈取クラッチ操作レバー34の操作により刈取部3のみの作動が停止され、次に脱穀クラッチ操作レバー33の操作により脱穀部12のみの作動が停止されるようになる。 【0053】このような操作に代えて、刈取クラッチ操作レバーより先に脱穀クラッチ操作レバー33を後位置p1に移動させてもよいのであり、この場合は、脱穀クラッチ操作レバー33に連動して屈曲棒部材45が後方へ揺動し、刈取変速操作レバー34を後位置p1に押し移動させるものとなる。 【0054】従って、刈取部3の作動中に脱穀部12の作動が停止されることはなくなるのであり、換言すれば、刈取部3で刈り取られた穀稈が作動を停止された脱穀部12に搬送されることはなくなるのである。 【0055】次に刈取部3を停止させた状態で脱穀部12のみを作動させて脱穀処理を行う際は、脱穀クラッチ操作レバー33を手操作により前位置p2に移動させ、刈取クラッチ操作レバー34は後位置p1に位置させた状態とする。この際、刈取変速操作レバー35は後位置p1にあっても前位置p2にあっても差し支えない。これにより刈取部3は作動しない状態の下で、脱穀部12が作動して、脱穀処理の行える状態となるのであり、機体は必要に応じて適宜に走行させればよい。この作動状態の下で、作業者は圃場に集められた穀稈を脱穀部12の穀稈供給口へ手作業により供給する。 【0056】上記のような各操作レバー33、34、35の前後への揺動操作において、各操作ワイヤ62、73、67はその対応する脱穀操作出力アーム42、刈取操作出力アーム39又は刈取変速操作レバーの出力箇所により左右方向へ斜め引きされることなく、脱穀操作出力アーム42、刈取操作出力アーム39又は刈取変速操作レバー35の揺動方向である前後方向へ移動されるものとなり、従って、三つの操作レバー33、34、35及びこれに関連したサイドコラム25内の構造は、各操作ワイヤ62、73、67が各操作レバー33、34、35の前後揺動操作により斜め引きされる場合に較べて、サイドコラム25の左右方向の巾を減少させ、また各操作レバー33、34、35の操作効率を向上させるものとなる。 【0057】 【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果が得られる。即ち、請求項1に記載した発明によれば、刈取変速操作レバーの左右方向の必要スペースを減少させてサイドコラムにおける脱穀クラッチ操作レバー、刈取クラッチ操作レバー及び刈取変速操作レバーをこれらの配列を変更することなくコンパクトに配置することができ、ひいてはサイドコラムの左右巾を減少させて操縦部の左右巾を十分に確保することを可能となし或いは機体の左右巾の減少化に寄与するものであり、また脱穀クラッチ操作レバー、刈取クラッチ操作レバー及び刈取変速操作レバーの装着構造を簡易となすことができるほか、これら操作レバーが正確な左右方向の一線状に配列されるため、各操作レバーの操作を便利に行うことが可能となる。 【0058】請求項2に記載したものによれば、脱穀クラッチ操作レバー、刈取クラッチ操作レバー及び刈取変速操作レバーのそれぞれの左右方向装着位置の自在性を向上させることができ、またこれら操作レバーの配列を維持した上で、各操作レバーを前後揺動操作したときの脱穀操作出力アーム、刈取操作出力アーム又は刈取変速操作レバーの変位方向と、脱穀操作出力アーム、刈取操作出力アーム又は刈取変速操作レバーに連結される操作ワイヤの引張方向とを正確に同一の前後向き直線に合致させることができる。 【0059】請求項3に記載したものによれば、脱穀操作出力アーム、刈取操作出力アーム及び刈取変速操作レバーのそれぞれを、大きな左右巾を必要としない簡易な構成により前後揺動範囲内の前位置と後位置のそれぞれに適当大きさの保持力で保持させることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005164 【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2002−315423(P2002−315423A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月29日(2002.10.29) |
| 【出願番号】 |
特願2001−122481(P2001−122481) |
|