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【発明の名称】 脱穀機の伝動支持構造
【発明者】 【氏名】梅林 竜司

【要約】 【課題】揚穀筒22に脱穀伝動入力ギヤケース3を支持させることにより、このギヤケース3の支持構造の簡略化と剛性を向上させた脱穀機の伝動支持構造を提供する。

【解決手段】脱穀機1に立設した一番物の揚穀筒22に、脱穀伝動入力ギヤケース3を取付けた脱穀機の伝動支持構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀機1に立設した一番物移送用揚穀筒22に、脱穀伝動入力ギヤケース3を取付けてなる脱穀機の伝動支持構造。
【請求項2】 プーリ30を有する回転軸31を軸支した脱穀伝動入力ギヤケース3にベルト張り用のプーリ5aを有するタイトアーム5を回動可能に設けるとともに、該プーリ5aをクラッチ作動させるクラッチレバー5Lを取付ける取付部材7を、一番物移送用揚穀筒22と連結してなる請求項1記載の脱穀機の伝動支持構造。
【請求項3】 ベルト張り用のプーリ5aを有するタイトアーム5を取付ブラケット22aに回動可能に設けるとともに、該プーリ5aをクラッチ作動させるクラッチレバー5Lを取付ける取付部材7を、一番物移送用揚穀筒22と連結してなる請求項1記載の脱穀機の伝動支持構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀機の脱穀伝動入力ギヤケースの伝動支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンバイン等に搭載される脱穀機は、エンジンからベルト伝動される入力プーリを備えた伝動入力ギヤケースを脱穀機枠の側面に、取付ブラケット等の取付部材に支持しており、この伝動入力ギヤケースから二番樋の二番プーリをベルト伝動するとともに、ギヤ噛合させた伝動回転軸から扱胴をベルト伝動するように構成している。
【0003】また、エンジン側のベルトをクラッチレバーによって動力の入り切りをさせるテンションクラッチプーリのタイトアームを支持する支持軸、及び入力プーリをベルト張りするタイトプーリのタイトアームを支持する支持軸は、前記脱穀機枠の側面にいずれも個別の取付部材によってそれぞれ取付けている。
【0004】また、上記テンションクラッチプーリのクラッチレバーは、脱穀機枠又は操縦部から設けたレバーフレームに取付けて支持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の脱穀機は、一番物移送用の揚穀筒と脱穀動力の入力ギヤケースを別々に脱穀機枠に固定していたため、脱穀機枠側から十分な剛性枠となるように補強を行った構成にしなければならない等、構造が複雑でコスト高になるという問題がある。
【0006】また、前記構成では組立に時間がかかる上に、他の関連部材との間に取付誤差を発生し易く、また同様な理由から整備性も悪かった。
【0007】更に、クラッチレバーも支持ケースやテンションクラッチプーリとは別部材で取付ける構造を採用しているので、クラッチ操作時のベルト張り負荷等によって支持ケースとテンションクラッチプーリとの芯間に変動や狂いが生じ易い等の欠点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の伝動支持構造は、次のように構成されている。
【0009】1)脱穀機1に立設した一番物移送用揚穀筒22に、脱穀伝動入力ギヤケース3を取付けたことを特徴としている。
【0010】2)また、プーリ30を有する回転軸31を軸支した脱穀伝動入力ギヤケース3にベルト張り用のプーリ5aを有するタイトアーム5を回動可能に設けるとともに、該プーリ5aをクラッチ作動させるクラッチレバー5Lを取付ける取付部材7を、一番物移送用揚穀筒22と連結したことを特徴としている。
【0011】3)更に、ベルト張り用のプーリ5aを有するタイトアーム5を取付ブラケット22aに回動可能に設けるとともに、該プーリ5aをクラッチ作動させるクラッチレバー5Lを取付ける取付部材7を、一番物移送用揚穀筒22と連結したことを特徴をしている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の伝動構造につき説明する。
【0013】1は、コンバインやハーベスタ等の収穫機の機台1K(図3)に搭載される脱穀機であり、この脱穀機1は箱型状枠体の脱穀機枠1a内に扱胴軸2によって回転可能に軸支した扱胴2aと、この扱胴2aを収容する扱室2bの下方で図示しない揺動選別体を選別風路に揺動可能に支持している。
【0014】そしてこの揺動選別体の下方に一番物を機外に排出移送する一番樋20と、二番物を揺動選別体に移送還元する二番樋21(図4)を配設し、この一番樋20に対して前記脱穀機枠1aの側壁に沿って上下方向に強固に立設した揚穀筒22を連設し、移送される穀粒(一番物)を図示しない穀粒タンク内に排出するように構成している。
【0015】そして、この脱穀機1は、本発明に係る伝動構造を有する脱穀伝動入力ギヤケース3の入力プーリ30(図2、4)に、脱穀機1の前部に設置しているエンジン4の出力プーリ40からベルト41を巻き掛け、前記二番樋21の二番螺旋軸プーリ21aを伝動するように構成している(図4)。
【0016】そして、扱胴軸2の端部に固定されている扱胴プーリ23を同時に動力を分配して伝動するように構成し、その動力の入り切りを後述するベルト張り用のプーリ5a(図4、5に示すテンションクラッチプーリ)を、クラッチレバー5Lの入り切り操作で作動することによって行なうようにしている。
【0017】即ち、脱穀伝動入力ギヤケース3は、図2、7に示すように回転軸(入力軸)31を脱穀機枠1aに対して直交する横方向に軸支しているとともに、伝動プーリ32aをその端部に有する伝動回転軸32を脱穀機枠1aに沿わせ前方に向けて軸支し、脱穀伝動入力ギヤケース3内において両軸31、32にそれぞれ設けたギヤ31a,32bを噛合させている。
【0018】そして、上記回転軸31の軸端に前記入力プーリ30と、その外側にやや小径の出力プーリ33の2つのプーリを軸着し、この出力プーリ33は前記二番螺旋軸プーリ21a(図4)にベルト34を巻き掛けるとともに、このベルト34の下側に後述するベルト張り用のタイトプーリ6aを設けている。
【0019】そして、上記脱穀機伝動入力ギヤケース3は、図2、3及び図7に示すように、上下に2分割した対称形状の合せ型(割り型)の分割ケース3a,3aに形成している。この分割ケースは鋳造成工程を簡単で廉価に行なうようにするもので、これらの分割ケース3a、3aには図7に示すように、それぞれ固定孔3bと左右の取付孔3c,3cを開孔し、各孔に固定ネジ3dと取付ネジ3eをそれぞれ挿通して結着固定して合せ型の脱穀伝動入力ギヤケース3を構成している。
【0020】この脱穀伝動入力ギヤケース3は、図2及び図3に示すように先端部を揚穀筒22に固定されたブラケット22aに固定され、また、後部は脱穀機枠1a側に固定された取付ブラッケット1c(図6、図7)に抱かれたように固定されて安定な状態で支持されている。
【0021】また、図2に示すように前記脱穀機枠1aと揚穀筒22との間をブラケット22bで連結することによって揚穀筒22に支持を強固にしている。
【0022】また、図7に示すように、各分割ケース3a,3aの端部に位置する軸支部35の外周には、タイトアーム5の端部の取付孔に貫通する大径の円周面のタイトアーム取付部3gと、同様にタイトアーム6の端部の取付孔を貫通する小径の外周面のタイトアーム取付部3hとを、外径を異ならせて階段状に連ならせて形成している。
【0023】そしてこのタイトアーム取付部3hには、嵌挿されたタイトアーム6の軸方向への移動をガタつきなく阻止しながら抜け止めを行なうC型リング等の止め輪6pを係脱可能に係合させる止め溝3mを共に形成することによって、複数のタイトアーム5,6を脱穀伝動入力ギヤケース3の先端部の軸支部35に円滑に回動自在に支持することができ、また、精度よく加工できるようにしている。
【0024】前記のような2本のタイトアーム5、6の支持構造により、先ずタイトアーム5をタイトアーム取付部3gに嵌挿し、次いでタイトアーム6を小径のタイトアーム取付部3hに嵌挿し、更に止め輪6pを止め溝3mに係合させると、両タイトアーム5、6は同一軸芯に、しかも隣接した状態で回動可能に支持されることになる。
【0025】タイトアーム5は、タイトアーム取付部3g上でタイトアーム6との間の小間隙分だけ軸方向に自由になってその回動を円滑に行うことができるようにしている。また、タイトアーム6はタイトアーム取付部6hの一方の段部と他方の止め輪6pとの間で挟持規制された状態で支持されてガタつきのない回動を可能にして両タイトアーム5、6の位置決めと抜け止めを確実に行なっている。
【0026】脱穀機伝動入力ギヤケース3が一番物移送用の揚穀筒22に対して強固に支持されていることから両タイトアーム5、6も安定して支持されている。そして回転軸31や伝動回転軸32等は脱穀伝動入力ギヤケース3の軸支部35に支持されていると共に、この部分の外周にタイトアーム取付部3g,3hを段付状に形成している。
【0027】従って、この伝動構造を形成している脱穀伝動入力ギヤケース3は、タイトアーム取付部3g,3hの形成と支持する部材を兼用しており、そのために、両タイトアーム5、6を安定よく軸支することができる。
【0028】その上、別の取付部材を必要としないので、部品点数も少なくなり伝動構造の構成を簡潔なものにすることができ、脱穀機1の軽量化を図ることができる等の利点がある。
【0029】また、上記のような脱穀伝動入力ギヤケース3の先端部に軸支されるタイトアーム5,6は、この脱穀伝動入力ギヤケース3の下方においてアームの長さを異ならせ、更に方向を異ならせた経路を有するベルト41,34の間に位置させ、これらのベルト41,34を簡単な構成によりベルト張りを行ない、伝動を良好に行なうことができる(図4、5)。
【0030】即ち、タイトアーム5は、円弧状に形成してアーム長さを長くした先端部にテンションクラッチプーリ5aを軸支し、ベルト41の緩み側の中途部を接離可能に転接するようにしているとともに、クラッチレバー5Lのベルト張り用のスプリング50の設置代を十分にとることができるように、タイトアーム5の形状を半月状に形成している。
【0031】また、タイトアーム5は、上記スプリング50を係止させてクラッチレバー5Lの操作リンク51と連結させることにより、図4、5の実線で示すクラッチ入り状態から、クラッチレバー5Lの矢印方向への切り操作によって、同図の点線状態にスプリング50を緩めてクラック切り作動させるようにしている。
【0032】またこのとき、テンションクラッチプーリ5aは切り方向に自重を利用して確実に退動させることができるようにしている。
【0033】先端部にテンションクラッチプーリ5aを軸支しているタイトアーム5は前記のように脱穀伝動入力ギヤケース3に支持させるようにするのが最も適しているが、構造によってはこのタイトアーム5を取付ブラケット22a側に支持させることも可能である。
【0034】そしてタイトプーリ6aは、図4、5に示すように、タイトアーム5の半分程度の長さに短くしたタイトアーム6の先端部に、前記テンションクラッチプーリ5aの移動する範囲を越える長さを有する支軸6bによって、ベルト34の張り側を巻き掛け角を大きくするように軸支している。
【0035】また、タイトアーム6の上方の揚穀筒22部分に取付ブラケット22cを突設し(図4、5)、この取付ブラケット22cに調節ネジ51を設け、これの下端にベルト張り用のスプリング52を支持し、このスプリング52の下端を前記タイトアーム6に連結して前記スプリング52の張り長さを調節可能にしている。
【0036】この構成によれば、スプリング52と調節ネジ51は、揚穀筒22を強固な取付部材としてコンパクトに設置することができ、更にタイトプーリ6aをベルト張り方向に適正に張圧しながらベルト伝動を良好に行なうことができる。
【0037】また、タイトアーム6は、脱穀伝動入力ギヤケース3の先端部のタイトアーム取付部3hに止め輪6pによってガタつきなく支持されているので、タイトプーリ6aを常時張圧しても、その振動や揺れ等を抑制することができる等の特徴がある。
【0038】次に前記クラッチレバー5Lの支持構造等について説明する。
【0039】クラッチレバー5Lは図3、4及び図5に示すように、エンジン4の前方側で機台1Kから後方側に向けてL形に屈曲させたレバーフレーム7を取付部材として、このレバーフレーム7の後部に突設したレバー軸70に回動可能に軸支し、レバー位置を図示しないレバーガイドによって切換え可能に位置決め係止させている。
【0040】そして図示例においては、上記レバーフレーム7の後部を揚穀筒22から着脱可能に設けた杆状の連結部材71と連結することにより補強支持するとともに、レバーフレーム7と連結部材71と揚穀筒22と機台1Kとによって閉成した方形状の枠体を形成する剛体枠構造を構成している。なお、上記連結部材71に前記取付ブラケット1c(図7)を連結すると、脱穀伝動入力ギヤケース3をより安定して支持することができる。
【0041】従って、この構成によれば、揚穀筒22と連結したレバーフレーム7は、稈状の枠体で十分な剛性を有する簡単な構成で、振動等による揺れ等を抑制することができ、クラッチレバー5Lを安定よく支持することができる。
【0042】また、クラッチレバー5Lの入り切り操作を行なうとき、テンションクラッチプーリ5aのベルト張り力やスプリング50の引張り力がレバーフレーム7に繰返し荷重として加えられるが、これを連結部材71が分担して支持するので、脱穀伝動入力ギヤケース3とクラッチレバー5Lとの芯間の変動や狂いを長期間にわたって防止でき、その結果、クラッチ操作を良好に行なうことができるとともに、ベルト張り力を一定に維持することができてベルト伝動を良好に行なうことができる等の特徴がある。
【0043】またレバーフレーム7を揚穀筒22と連結部材71を介して連結することにより、枠体を構成する部材を小分化できるので、枠体の加工や組付け等の作業を簡単にすることができる等の利点がある。なお、この構成の変形としてレバーフレーム7と連結部材71とは一体的な枠体に形成することができる。
【0044】次に、図1及び図2を参照して前記伝動回転軸32を介して扱胴2aを回転駆動するベルト伝動構造について説明する。
【0045】伝動プーリ32aとその側方に位置する扱胴プーリ23との間にベルト8を巻き掛けるとともに、このベルト8の内側と外側にそれぞれ脱穀機枠1aに軸支したタイトプーリ80,81,82を設けてベルトラインを形成し、図1に示すように伝動プーリ32aと扱胴プーリ23との巻き掛け角を適正に維持することにより、脱穀機伝動ギヤケース3から扱胴2aへの伝動を的確に行なうことができるようにしている。
【0046】以上のように構成した脱穀機1は、クラッチレバー5Lを図4の反矢印方向のクラッチ操作で実線位置にすると、テンションクラッチプーリ5aでベルト41に押接して、エンジン4から脱穀伝動入力ギヤケース3に軸支されている回転軸31に入力する。そして出力プーリ33と入力プーリ30を同時に駆動し、更に伝動回転軸32と伝動プーリ32aと、ベルト8を介して扱胴2aを円滑に駆動して脱穀作業を行なうことができる。
【0047】この際、脱穀機1は、その脱穀機枠1aに立設して確実に固定されている揚穀筒22に、プーリ30を有する回転軸31を軸支した脱穀伝動入力ギヤケース3を取付けている。従って脱穀機枠1aに強固に立設されている揚穀筒22を、脱穀伝動入力ギヤケース3の取付部材として兼用しているので、この脱穀伝動入力ギヤケース3を安定よく支持することができ、更に支持構造を簡単な構成とすることができる。
【0048】また、脱穀伝動入力ギヤケース3を揚穀筒22に予め部品組みした状態で脱穀機枠1aに組付けることもできるので、この脱穀伝動入力ギヤケース3及びこのギヤケース3に取付けられるテンションクラッチプーリ5a、並びにタイトプーリ6a等の組立性も向上させることができる。
【0049】前記のように脱穀伝動入力ギヤケース3を、テンションクラッチプーリ5aを支持するタイトアーム5の支持部材とするのが最も良いが、このタイトアーム5の回動支点を、支持軸を支持する部材を揚穀筒22に固定した取付ブラケット22aに取付けることも可能である。
【0050】そしてテンションクラッチプーリ5aをクラッチ作動させるクラッチレバー5Lを、揚穀筒22と連結したレバーフレーム7からなる剛体枠構造として支持させているので、テンションクラッチプーリ5aのクラッチ操作やタイトプーリ6aによるベルト張り等を円滑に行なうことができる等の特徴がある。
【0051】また、揚穀筒22に脱穀伝動入力ギヤケース3の取付座とベルトのテンションスプリング50の取付座を設けることによって、揚穀筒22に脱穀伝動入力ギヤケース3の組立体を組付けた状態で、脱穀機枠1aに組付けが可能となる。
【0052】
【発明の効果】本発明の脱穀機の伝動支持構造は、脱穀機1に立設した一番物移送用揚穀筒22に、脱穀伝動入力ギヤケース3を取付けたことを特徴としている。
【0053】従って、揚穀筒22に脱穀機伝動入力ギヤケース3を組付けた状態で脱穀機枠1aに固定することもできるので、組立性や整備性が著しく向上する。
【0054】また、前記のように脱穀伝動入力ギヤケース3を揚穀筒22に固定するので、この固定が確実となる。
【0055】更に、ベルト張り用のプーリ5aを有するタイトアーム5を取付ブラケット22aに回動可能に設けるとともに、このプーリ5aをクラッチ作動させるラッチレバー5Lを取付ける取付部材7を、一番物移送用揚穀筒22と連結したことを特徴としており、このタイトアーム5の支持構造が強固になり、動作を正確に行わせることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成13年4月12日(2001.4.12)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2002−305946(P2002−305946A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−113893(P2001−113893)