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【発明の名称】 農作業機における制御装置
【発明者】 【氏名】残間 茂雄

【氏名】水倉 泰治

【氏名】中川 渉

【氏名】小山 智弘

【要約】 【課題】多数あるパルス入力系外部機器75の出力状態を選択的に表示できるようにする。

【解決手段】パルス入力系外部機器(車速センサ100、2番受樋スクリューコンベヤ回転センサ101、扱胴回転センサ113、処理胴回転センサ114、エンジン回転センサ119)及び出力系外部機器を接続したコントローラユニットC1〜C4と、液晶用コントローラユニット170とを通信配線コード70にて接続し、これに液晶パネル77及び切替えスイッチ151を接続する。切替えスイッチ151の切替え操作に応じて、観察したい作業部のセンサのパルス数等を液晶パネル77の画面に切替え表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農作業機における走行部、作業部、操作部等に設けたセンサ、設定器等の入力系外部機器と、アクチュエータ等の出力系外部機器と、前記各入力系外部機器又は出力系外部機器のいずれか一方もしくは双方との制御信号を授受して制御する複数のコントローラユニットと、各コントローラユニット間を接続する通信回線とを備えて、コントローラユニットの相互に制御データを転送して制御を実行するようにした農作業機における制御装置において、前記通信回線には、液晶パネルの表示機能を制御するための液晶パネル用コントローラユニットを接続し、該液晶パネル用コントローラユニットに接続した切替えスイッチの切替え操作により、前記複数のコントローラユニットに接続したパルス入力系外部機器の情報を、前記液晶パネルの表示画面に切替え表示できるように制御することを特徴とする農作業機における制御装置。
【請求項2】 前記パルス入力系外部機器は、パルス入力による回転センサであり、予め設定された設定回転数の範囲から外れたとき、警報報知し、または作業モードの変更を促する標識が前記液晶パネルの表示画面にされるように制御したことを特徴とする請求項1に記載の農作業機における制御装置。
【請求項3】 前記通信回線には、前記液晶パネル用コントローラユニットに接続するためのカプラを複数備えて、液晶パネルの配置位置を選択できるように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の農作業機における制御装置。
【請求項4】 前記液晶パネルは、文字、記号、画像等の情報を表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の農作業機における制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン等の農作業機における制御装置に係り、より詳しくは、複数のコントローラユニット間で連携を取りながら制御データを転送したり、入力系出力系の外部機器の制御を実行する制御装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のコンバイン等の農作業機では、制御目標としての、制御量の信号を制御手段に伝るためのセンサや設定器、例えば、走行機体のエンジンの出力(負荷)を制御するアクチュエータとしての電子式ガバナーの燃料噴射量検知センサ(燃料噴射用プランジャの位置調節のためのラック位置の検出センサ)、走行機体に対する走行部の左右の走行クローラの相対的高さを検出する走行部高さセンサ(車高センサ)、穀粒タンク内の穀粒を外部に排出するための排出オーガのコンベヤへの動力を継断するためのオーガクラッチの操作位置検知センサ、前記排出オーガの横筒の水平方向の向きや横筒先端の穀粒排出部の高さを指令(設定)するオーガ位置設定器、また、前記制御信号に応じて制御対象の作動量を検知するためのセンサ、例えば、農作業機の走行速度や、脱穀部の作業部の回転速度を検知する速度センサ、前記排出オーガの横筒の水平方向の向きセンサや高さセンサ等の入力系外部機器と、前記電子ガバナーでの燃料噴射用プランジャを駆動するための電磁ソレノイド、前記左右走行クローラの高さを調節するための油圧シリンダ、前記オーガクラッチを駆動するクラッチアクチュエータ、排出オーガを左右に旋回させるための駆動モータ、排出オーガにおける横筒の水平に対する俯仰角度を調整するための昇降用油圧シリンダ等の各種アクチュエータからなる出力系外部機器を備え、マイクロコンピュータ等の制御手段により、前記出力系外部機器の作動を制御することが通常行なわれている。
【0003】ところで、前記入力系外部機器及び出力系外部機器の種類や数が多い場合、最近の制御装置としては、例えば、特開平2−219506号公報、特開平6−233614号公報及び実開平7−19059号公報等に開示されているように、マイクロコンピュータ式等の電子制御式のコントローラユニットを複数使用し、各コントローラユニットが互いに連携を取りながら、且つ前記入出力系外部機器を分散させて制御することが開示されている。
【0004】そのためには、1つのコントローラユニットを主制御装置(マスターコントローラ)と他のコントローラユニットを従制御装置(スレーブコントローラ)とするか、主従関係がないピア・ツウ・ピア形にて通信回線用配線コードを介して相互のコントローラユニット間を接続する一方、各入出力系の外部機器とコントローラユニットとはデータや電源のための配線コードで電気的に接続していた。
【0005】ところで、農作業機においては、オペレータが作業状態を把握できるようにするため、例えば、エンジンの回転数や、扱胴の回転数を視覚的に認識できるうよにするため、各種の表示計器や、液晶パネルを設け、これにて複数の作業部の状態情報(データ)を把握できるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記液晶パネルによる表示であっても、当該液晶パネルの表示面積に限りがあるため、予め定められた複数の作業部の情報しか表示できないように設定されていた。特に、回転数センサをパネル信号でコントローラユニットに入力するような入力系外部機器の信号は、時々刻々変動するものであるため、その情報を認識できないと、作業部の詳細な作業状態を把握しきれないという問題があった。
【0007】他方、前記液晶パネルなどの表示装置は、従来は、運転室内の予め定められた箇所に位置固定的に配置していたが、作業の種類やメインテナンス時に、その作業状態(点検)を確認し易い箇所に液晶パネルを配置してほしいというユーザーの希望があった。
【0008】本発明は、従来技術におけるこの種の問題を解決するためになされたものであって、作業状態を確実に把握できるようにした農作業機における制御装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の農作業機における制御装置は、農作業機における走行部、作業部、操作部等に設けたセンサ、設定器等の入力系外部機器と、アクチュエータ等の出力系外部機器と、前記各入力系外部機器又は出力系外部機器のいずれか一方もしくは双方との制御信号を授受して制御する複数のコントローラユニットと、各コントローラユニット間を接続する通信回線とを備えて、コントローラユニットの相互に制御データを転送して制御を実行するようにした農作業機における制御装置において、前記通信回線には、液晶パネルの表示機能を制御するための液晶パネル用コントローラユニットを接続し、該液晶パネル用コントローラユニットに接続した切替えスイッチの切替え操作により、前記複数のコントローラユニットに接続したパルス入力系外部機器の情報を、前記液晶パネルの表示画面に切替え表示できるように制御することを特徴とするものである。
【0010】そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の農作業機における制御装置において、前記パルス入力系外部機器は、パルス入力による回転センサであり、予め設定された設定回転数の範囲から外れたとき、警報報知し、または作業モードの変更を促する標識が前記液晶パネルの表示画面にされるように制御したことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の農作業機における制御装置において、前記通信回線には、前記液晶パネル用コントローラユニットに接続するためのカプラを複数備えて、液晶パネルの配置位置を選択できるように構成したものである。
【0012】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の農作業機における制御装置において、前記液晶パネルは、文字、記号、画像等の情報を表示可能に構成されているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明を具体化した実施形態について説明すると、図1はコンバインの左側面図、図2はコンバインの右側面図、図3は正面図、図4は動力伝動系のスケルトン図、図5は油圧回路図、図6は運転部の上面図、図7(a)は液晶パネルの第1表示画面を示し、図7(b)は第2表示画面を示す図、図8は主変速レバーの握り部に設けた各種操作レバー等を示す斜視図、図9〜図12は各コントローラユニットに接続する入出力外部機器の種類を示す機能ブロック図、図13は本発明に係る制御装置の接続状態を示す機能ブロック図である。
【0014】本発明のコンバインにおける走行機体1は、左右一対の走行クローラ2a式の走行部2に対して後述する走行部昇降駆動手段を介して昇降可能に構成されている。走行機体1の進行方向に向かって左側には作業部としての脱穀装置3を搭載し、走行機体1の前部に配置された作業部としての刈取前処理装置4は、昇降フレーム14を介して走行機体1に対して上下昇降回動可能に支持され、該昇降フレーム14と走行機体1との間に装着された刈取部昇降アクチュエータとしての単動式の刈取部昇降油圧シリンダ9により昇降動可能に構成されている。
【0015】刈取前処理装置4の下部フレームの下部側にはバリカン式の刈刃装置5を、前方には6条分の穀稈引起装置6が配置され、穀稈引起装置6と脱穀装置におけるフイードチェン7前端との間には穀稈搬送装置8が配置され、穀稈引起装置6の下部前方には分草体10が突出している。走行機体1の右側前部に運転室11が配置され、その後側に穀粒タンク12が配置されている。
【0016】運転室11の後方下部等に備えたエンジン15からの動力の一部は、図4に示すように、オーガクラッチ16を介して穀粒タンク12内の底スクリューコンベヤ17、排出オーガ28内の縦横スクリューコンベヤ18a,18bに伝達される一方、動力分岐ミッション19を介して走行部2の油圧ポンプ・油圧モータ式(HTS式)走行駆動部24の脱穀部3の扱胴3aや唐箕21、一番受樋のスクリューコンベヤ22a、二番受樋のスクリューコンベヤ22bやフイードチェン7、穀粒タンク12への揚穀スクリューコンベヤ23等を回転駆動させる。刈取前処理装置4への動力伝達は、走行速度を同期するときには前記走行駆動部24からの出力軸26を介して実行され、同期しないときには前記動力分岐ミッション19からの分岐動力とクラッチ25aとにより駆動される。
【0017】図1及び図2に示すように、穀粒タンク12内の穀粒を機外に排出するための排出オーガ28は、穀粒タンク12の下部に設けた底スクリューコンベヤ17から走行機体1の後端に配置した縦パイプ28bと、その上端に上下回動可能に連設された横パイプ28aとからなり、各パイプ内にスクリューコンベヤ18a等を内装している。そして、縦パイプ28bは、駆動モータ64bとギヤ機構57とにより縦軸回りに旋回可能であり、横パイプ28aは縦パイプ28bとの間に装架された排出オーガ用油圧シリンダ64aと、リンク機構58とにより傾斜角度を変更可能に構成されている。
【0018】そして、駆動モータ64bに設けたロータリエンコーダ等の角度センサ85にて縦パイプ28bの水平旋回角度、ひいては横パイプ28aの旋回位置を検出することができ、リンク機構58もしくは油圧シリンダ64aの箇所に設けたポテンショメータ等の角度センサ86にて横パイプ28aの俯仰角度、ひいては横パイプ28aの先端の排出部の高さ位置を検出することができる。なお、排出オーガ28を使用しないときには、穀粒タンク12の上面等に設けたレスト台87等に横パイプ28aの中途部が載置される。さらにこのレスト台87には前記横パイプ28aが載置されたか否かを検知するための接触センサ等のレスト検出器88が設けられている。
【0019】走行部2は左右一対のトラックフレーム50,50の前後端に各々配置した駆動輪51と従動輪52とトラックフレーム50の下面中途部に配置された複数の転動輪53との外周に巻回された走行クローラ2aからなり、左右トラックフレーム50,50と走行機体1とは、左右の昇降制御用油圧シリンダ54a,54bと前後位置の側面視L字状の前後レバーを同時に作動させるように連結する連結杆等とからなる走行部昇降駆動手段を介して連結され、左右の昇降制御用油圧シリンダ54a,54b(図5参照)は互いに独立的に作動させることにより、左右の走行部2,2を走行機体1の左右に対して独立的に昇降させる。
【0020】従って、左右両側の昇降制御用油圧シリンダ54a,54bのピストンロッドを同時に突出させると、走行機体1は左右両側の走行部2,2に対して上方に離れて(上昇し)、走行機体1の走行部2,2に対する相対高さ(車高)は高くなる。逆に、前記ピストンロッドを同時に後退させると、走行機体1は左右両側の走行部2,2に対して下方に離れて(下降し)、走行機体1の走行部に対する相対高さ(車高)は低くなる。
【0021】そして、左側の油圧シリンダ54aのピストンロッドを突出させる、または右側の油圧シリンダ54bのピストンロッドを後退させると(もしくはこの両方の動作を同時に実行しても)、右側の走行部2に対する走行機体1の車高は低くなり(左側の走行部2に対する走行機体1の車高は高くなり)、走行機体1は右下がりに傾斜する。逆に、右側の油圧シリンダ54bのピストンロッドを突出させる、または左側の油圧シリンダ54aのピストンロッドを後退させる、(もしくはこの両方の動作を同時に実行しても)、左側の走行部2に対する走行機体1の車高は低くなり(右側の走行部2に対する走行機体1の車高は高くなり)、走行機体1は左下がりに傾斜するのである。
【0022】左右の昇降制御用油圧シリンダ54a,54bのピストンロッドの突出量を検出することにより、走行機体1の左右各走行部2,2に対する相対高さ(車高)を検出するためのロータリエンコーダ式等の車高検出センサ72a,72bが、前記連結杆に連設した連結ロッドやリンク機構を介して連動するように構成されている。
【0023】また、走行機体1の左右の傾斜程度を検出するための傾斜検出センサ74は、振り子式(重力式)等にて構成され、走行機体1の任意の位置例えば運転室11内等に配置されている。なお、刈取前処理装置4と圃場面との対地高さを検出して刈高さを検出するための刈高さセンサとしての超音波センサ20a,20bは、図3に示すように、刈取前処理装置4の左右両側端の前記穀稈引き起こし装置6の裏面側に設けたブラケット(図示せず)に配置し、各超音波センサ20a,20bにおける発信器の発信部(ホーン部)と受信器の受信部とを圃場面に向けるように配置する。各超音波センサ20a,20bの設置高さと刈刃5の設置高さとが異なる場合には、超音波センサ20a,20bの検出値から所定の換算により、刈高さ検出値を求めるようにしている。
【0024】また、走行機体1と刈取前処理装置4との相対高さを検出するための昇降ポジションセンサ71は、前記昇降フレーム14の回動角度を検出することより求めることができるように構成されている。
【0025】図5は、前記昇降用油圧シリンダ54a,54b等のための油圧回路を示し、油圧ポンプ60からの吐出する圧油を分流する分流弁63を介して分岐し、その一方の吐出路から前記刈取前処理装置4を昇降させる刈取部昇降アクチュエータとしての油圧シリンダ9と、右側(運転室11側)の昇降制御用油圧シリンダ54bとに対する第1油圧回路61へ送る。分流弁63の他方の吐出路からは、排出オーガ28の横パイプ28aの縦パイプ28bに対する傾斜角度を変更するための排出オーガ昇降用油圧シリンダ64aと、左側の昇降制御用油圧シリンダ54aとに対する第2油圧回路62へ送るように構成され、それぞれの油圧シリンダ9、64a、54a、54bに対する電磁制御弁65、66、67、68や逆止弁、リリーフ弁等が接続されている。
【0026】次に、運転室11に備わる各種操作用のレバー、スイッチ類の構成について、図6〜図9を用いて説明する。運転室11の操縦座席146の前方には、走行機体1を操向操作する操向丸ハンドル147と、アクセルレバー195とを備え、操縦座席146の左方には、前後に長いサイドコラム148を配置している。
【0027】図6に示すように、前記サイドコラム148の前端部位には、自動モード及び手動モードの如何に拘らず、車高制御の場合の走行機体1の高さ(車高)を変更調節操作できる手動可変操作部としての車高調節レバー73と、走行機体1の左右傾斜角度を設定するための傾斜設定器74aとが配置されている。その後部位には後に詳述する液晶パネル77が配置されている。その近傍には、警告ブザー停止スイッチ133が配置され、さらにその後部位には車速を無段階変速させる主変速レバー149と、作業状態に応じてHST式走行駆動部19の出力及び回転数を所定範囲に設定保持する副変速レバー160とが左右に平行状に配置され、それぞれのレバー149、160が前後方向に回動するように構成されている。副変速レバー160より右寄りのサイドコラム148上には、刈取自動昇降スイッチ131と、刈高さ調節ボリューム150が配置されている。
【0028】また、前記副変速レバー160の後方には、刈取と脱穀との作業のための作業レバー152は前後回動可能に配置されており、作業レバー152を最前傾させるときには、刈取スイッチ134及び脱穀スイッチ135の両方がOFF、後傾するときの第1段階で刈取スイッチ134がONで且つ脱穀スイッチ135がOFF、第2段階で刈取スイッチ134及び脱穀スイッチ135の両方がONとなるように構成されている。
【0029】前記主変速レバー149の握り部140aには、右側面にオートリフトスイッチ137とオートセットスイッチ138とが設けられ、前側面には、後傾すると刈取前処理装置4が上昇し、前方に倒すと下降する刈取り昇降レバー139が配置され、その左側には、後傾すると最深方向になる扱深さ調節レバー140が配置されている(図8参照)。
【0030】前記液晶パネル77は、文字、記号、図画、画像等の情報が表示できるカラーのドットマトリックス形のもの、例えば、TFTカラー液晶ディスプレイ等を用いられるが、白黒型であっても良い。表示切替え等制御のための液晶パネル用コントローラユニット170を、液晶パネル77の裏面に配置し、ケース77aに収納させて一体化させ、設置位置を任意に変更可能なように構成されている(図7(a)等参照)。そして、該ケース77aの表面等には液晶パネル77の表示画面を切替えるための切替えスイッチ151を設ける。なお、図7(a)は、コンバインの各種制御の実行状況等の情報を表示する第1の表示画面を示し、図7(b)は第2の表示画面を示す。また、図6に示す実施形態では、液晶パネル77をサイドコラム148上面のうちの前端寄り部位に配置したものである。
【0031】また、前記液晶パネル用コントローラユニット170には、後述する各コントローラユニットC1,C2,C3,C4とデータ通信でき、且つ各コントローラユニットC1〜C4に接続された全ての入力系外部機器75及び出力系外部機器76の入出力を管理・制御できるアプリケーションソフト(プログラム)を格納している。さらに、作業モードにおける複数のパルス入力系外部機器の作業状態の表示切替えのための切替えスイッチ151が液晶パネル用コントローラユニット170に接続されている(図13参照)。
【0032】パルス入力系外部機器としては、車速センサ100、2番受樋スクリューコンベヤ回転センサ101、扱胴回転センサ113、処理胴回転センサ114及びエンジン回転センサ119がある(図13参照)。これらのセンサは、ロータリエンコーダ等を使用するからである。
【0033】図13は、走行機体1の走行速度、姿勢及び車高、排出オーガ28の排出位置等コンバインの操作全般を制御すると共に複数の入力系外部機器75の動作状態の表示を切り替えて1つの液晶パネル77にて表示するための制御装置の機能ブロック図を示し、図14は、前記液晶パネル77の設置箇所を複数の箇所に配置替えできるようにするため、通信回線としての通信配線コード70に、液晶パネル接続のための分岐線70a,70bを複数箇所に設け、その先端のカプラ152,152に接続可能にした構成を示す。該制御装置は、マイクロコンピュータ等の電子式制御装置であり、図9〜図12に示す複数個(実施形態では4つ)のコントローラユニットC1,C2,C3,C4と、前記液晶パネル用コントローラユニット170と、これらの間を接続するデータバス、コントロールバス、アドレスバスを含むLAN通信等の通信回線からなり、この通信回線は、2本の心線を対縒りに縒り合わせたものや、中心線のまわりに絶縁体を介して外装線(網線または金属テープ)にて被覆した同軸線等からなる通信配線コード(通信ケーブルともいう)70であって、本実施形態では、LAN(Local Area Network)用のものであって、バス形状トポロジー(接続形態)を採用する(図13参照)。
【0034】各コントローラユニットC1〜C4、及び液晶パネル用コントローラユニット170は図示しないが各種演算処理や制御を実行するための中央処理装置(CPU)や、制御プログラムを記憶させた読み出し専用メモリ(ROM)、各種の検出値、データ等を一時的に記憶させる随時読み書き可能メモリ(RAM)、電気的に消去及び書込み可能な不揮発性メモリとしてのEEPROM、タイマ機能としてのクロック、インターフェイス及びLAN(Local Area Network) プロトコルまたはCAN(Controller Area Network)プロトコルを用いる通信のための通信回路等の制御部等を備える。
【0035】また、前記実施形態のコントローラユニットC1〜C4のROMの各々には、それぞれに対応するアプリケーション制御プログラム(ソフト)S1,S2,S3,S4を予め記憶(格納)している。ここで、アプリケーション制御プログラムとは、後述センサや設定器等の入力系外部機器75からの入力データ(制御信号)に基づいてアクチュエータ等の出力系外機器置76を作動させるための制御プログラムをいう。
【0036】アプリケーション制御プログラムS1は、脱穀装置3及び刈取前処理装置4の各種アクチュエータ(例えば刈取昇降用油圧シリンダ9等)を作動させる制御プログラムとし、アプリケーション制御プログラムS2は、刈取昇降用油圧シリンダ9及び走行機体1の左右の昇降用油圧シリンダ54a,54bを作動させて、刈取前処理装置4の刈高さ制御や走行機体1の姿勢及び車高制御を実行するための制御プログラムとする。アプリケーション制御プログラムS3は、エンジン12の出力を制御するための制御プログラムとし、アプリケーション制御プログラムS4は、排出オーガ28における駆動モータ64b及び上下回動用油圧シリンダ64aの作動を制御するための制御プログラムとする。
【0037】各コントローラユニットC1〜C4は、目安として、入力系外部機器75及び出力系外部機器76のハーネスの長さがなるべく短くなるように組み合せてそれらを制御するようにしており、それぞれの配置箇所でコントローラボックス(図示せず)内に格納されている。
【0038】例えば、コントローラユニットC1は、運転室11における床板の下面側に設置されている(図1、図2、図3参照)。当該コントローラユニットC1の入力インターフェイスには、入力系外部機器75として、昇降ポジションセンサ71、刈取前処理装置4において刈取穀稈を搬送しているか否かを検出する穀稈搬送センサ96、搬送中の刈取穀稈の長さを検出する穀稈長さセンサ97、扱深さセンサ98、オーガクラッチモータスイッチ99、超音波センサ44a,44b、車速センサ100、2番受樋スクリューコンベア回転センサ101、操向丸ハンドルリミットスイッチ102等が各々接続されている(図9参照)。
【0039】コントローラユニットC1の出力インターフェイスには、出力系外部機器76として、扱深さ制御モータにおけるリレーユニット等の制御回路部103、オーガクラッチモータにおけるリレーユニット等の制御回路部104、脱穀クラッチを駆動させるための電磁ソレノイド105等がそれぞれ接続されている(図9参照)。
【0040】コントローラユニットC2は、図1、図2及び図3に示すように、刈取前処理装置4の上部でかつ運転室11に近い箇所に設置されている。当該コントローラユニットC2の入力インターフェイスには、入力系外部機器75として、燃料センサ106、傾斜センサ43、車高センサ41a,41b、選別装置の流穀板における籾流量センサ107、選別装置各部での籾の有無を検出する籾センサ108、排藁カッタ詰まりセンサ109、旋回角センサ85、横オーガ筒17の先端部に設けて排出オーガ13の水平旋回等を操作する排出オーガ先端操作部110、上下回動角センサ86、オーガクラッチセンサ111、排出オーガ過負荷センサ112、搖動選別過負荷センサ113、扱胴回転センサ114、処理胴回転センサ115等がそれぞれ接続されている(図10参照)。
【0041】コントローラユニットC2の出力インターフェイスには、出力系外部機器76として、搖動選別駆動モータ116、FCクラッチ駆動回路部117、排出オーガ28の縦オーガ筒28bを水平旋回させるための駆動モータ64b、排出オーガブレーキ118、上下回動用油圧シリンダ64aに対する電磁制御弁66の電磁ソレノイド66a、走行機体1の左側の昇降用油圧シリンダ54aに対する電磁制御弁67の電磁ソレノイド67a、走行機体1の右側の昇降用油圧シリンダ38bに対する電磁制御弁68の電磁ソレノイド68a、刈取昇降用油圧シリンダ9に対する電磁制御弁65の電磁ソレノイド65a等がそれぞれ接続されている(図10参照)。
【0042】コントローラユニットC3は、図1、図2及び図3に示すように、運転室11における操縦座席46の後部に設置されている。当該コントローラユニットC3の入力インターフェイスには、入力系外部機器75として、エンジン回転数センサ119、エンジンオイル量センサ120、エンジン水温センサ121、エンジン12の出力(負荷)を制御する電子ガバナ付き燃料噴射ポンプのラック位置を検出するための燃料噴射ポンプラック位置センサ122、エンジンスタータスイッチ123、排出オーガ13の水平旋回位置を予め記憶させるためのオーガセット位置ダイヤル124、運転室11に設けて排出オーガ13の水平旋回等を操作する排出オーガ操作部125、刈取クラッチモータリミットスイッチ126等がそれぞれ接続されている(図11参照)。
【0043】コントローラユニットC3の出力インターフェイスには、出力系外部機器76として、エンジン12の回転数が所定の回転数となるように燃料噴射ポンプのラック位置を調節するための燃料噴射ポンプラックアクチュエータ127、エンジンスタータリレー128、警報ブザー129等がそれぞれ接続されている(図11参照)。
【0044】コントローラユニットC4は、運転室11のサイドコラム48内に設置されている(図1、図2及び図3参照)。当該コントローラユニットC4の入力インターフェイスには、入力系外部機器75として、アクセルレバー95の操作位置を検出するアクセルレバーセンサ95a、車高調節レバー73、車高制御切替スイッチ78、傾斜設定器74a、扱深さ自動制御スイッチ130、刈取自動昇降スイッチ131、刈取前処理装置4が所定の刈高さまで下降すると自動的に当該刈取前処理装置4へ動力伝達するための刈取オートクラッチスイッチ132、警告ブザー停止スイッチ133、刈取作業を実行するための刈取スイッチ134、脱穀作業を実行するための脱穀スイッチ135、選別装置における穀粒の選別状態を調節するための選別調節ダイヤル136、刈取前処理装置4を強制的に上昇させるオートリフトスイッチ137、刈取前処理装置を所定の刈高さまで強制的に下降させるオートセットスイッチ138、刈取前処理装置4の昇降動を手動操作するための刈取昇降レバー139、扱深さ調節レバー140、副変速レバー160、走行機体1を後退動させるための後退スイッチ141、電源スイッチ142等がそれぞれ接続されている(図12参照)。
【0045】コントローラユニットC4の出力インターフェイスには、出力系外部機器76として、車高制御を自動モードに切り換えたときに点灯する車高制御切替えスイッチランプ143及び扱深さ自動制御モードに切り換えたときに点灯する扱深さ自動制御スイッチランプ144等が接続されている(図12参照)。
【0046】次に、図13を参照しながら、パネル入力系外部機器の作動状態の標識(情報)を切替える制御について説明する。図7(a)及び図7(b)に示すごとく、切替えスイッチ151の一回押下毎に液晶パネル77の表示画面のうち、パネル入力系外部機器の表示部画面154の表示が変更される。例えば、第1回目の切替えスイッチ151の押下により、図7(a)に示す画面となる。こここでは、エンジンの回転数表示部180と、エンジンの負荷モニター部181と、燃料計と扱深さとの切替え表示部183とが前記表示部画面154に表れる。他の表示部である、穀粒タンク12内の穀粒集積量表示部182、バッテリチャージ表示部184、油圧パイロットランプ185、エンジン冷却水の水温パイロットランプ186、刈取り部の穀稈詰まりモニター部187、扱胴・処理胴の詰まり状態を検知するモニター部188は、切替えスイッチ151の押下によって変化しないものとする。
【0047】そして、第2回目の切替えスイッチ151の押下により、図7(b)に示す画面となり、ここでは、第1表示部189に文字等にて現在選択されているパルス入力系外部機器が何であるかを表示し、第2表示部190には、そのパルス入力系外部機器の現在の作動状態を示す情報(データ)を棒グラフや図形等にて表示するのである。従って、切替えスイッチ151の押下ごとに、例えば、パルス入力系外部機器として、エンジン回転センサ119→車速センサ100→2番受樋スクリューコンベヤ回転センサ101→扱胴回転センサ113→処理胴回転センサ114→エンジン回転センサ119というように循環表示されることになる。
【0048】なお、各パルス入力系外部機器の作動状態が標準値もしくは設定値の所定範囲から外れた時には、警報ブザー129を作動させて報知するか、液晶パネル77の所定箇所に作業モードを切替えることを催促する表示を出すようにして、オペレータの注意を促すことが好ましい。
【0049】図14は、前記の構成の液晶パネル77の設置位置を変更できる構成であり、運転者の好みで見易い箇所、例えば、運転室11内のうち、前記サイドコラム84の他、丸ハンドル149の前方の右側位置やフロントウインドウの上部寄り位置に設けても良いし、さらには、例えば、エンジンが運転室11から遠く離れた後端寄りに配置されているときの、エンジンのメインテナンス作業が容易になるような箇所に配置替え可能とするのである。そのため、通信配線コード70の分岐線70a,70bを前記の配置可能な箇所まで延長させ、該各分岐線の先端に、液晶用コントローラユニット170のコネクタ153と接続すべきカプラ152を予め装着しておくのである。なお、各コネクタ153に電源コード154、155を接続して、液晶用コントローラユニット170及び液晶パネル77に電力を供給できるように構成することはいうまでもない。
【0050】パルス入力系外部機器75及び出力系外部機器76(出力系操作手段)が多数あっても、それらの信号は各コントローラユニットC1,C2,C3,C4及び前記通信回線(通信配線コード70)を介して前記液晶用コントローラユニット170に伝達できるから、従来のように、全ての入出力系外部機器に直接繋がる配線コードを液晶パネルに結線する必要がなくなり、配線コード(ハーネス)の省線化を図ることができる。なお、液晶用コントローラユニット170内に点検(検査)用のアプリケーションソフトを内蔵すれば、前記全ての出力系外部機器76を点検(検査)するシステムを構築することも可能となる。
【0051】本発明における通信回線は、LAN(Local Area Network) プロトコルを用いたり、CAN(Controller Area Network)プロトコルを用いても良い。また、コンバインばかりでなく耕作用のトラクタや田植機等の走行農作業機についても適用できるものであることは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載の発明の農作業機における制御装置は、農作業機における走行部、作業部、操作部等に設けたセンサ、設定器等の入力系外部機器と、アクチュエータ等の出力系外部機器と、前記各入力系外部機器又は出力系外部機器のいずれか一方もしくは双方との制御信号を授受して制御する複数のコントローラユニットと、各コントローラユニット間を接続する通信回線とを備えて、コントローラユニットの相互に制御データを転送して制御を実行するようにした農作業機における制御装置において、前記通信回線には、液晶パネルの表示機能を制御するための液晶パネル用コントローラユニットを接続し、該液晶パネル用コントローラユニットに接続した切替えスイッチの切替え操作により、前記複数のコントローラユニットに接続したパルス入力系外部機器の情報を、前記液晶パネルの表示画面に切替え表示できるように制御することを特徴とするものである。
【0053】従って、複数のパルス入力系外部機器の作動状態を選択的に任意に観測できることになり、複数の作業部の作業状態を詳細且つ正確に把握できるという効果を奏する。
【0054】そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の農作業機における制御装置において、前記パルス入力系外部機器は、パルス入力による回転センサであり、予め設定された設定回転数の範囲から外れたとき、警報報知し、または作業モードの変更を促する標識が前記液晶パネルの表示画面にされるように制御したことを特徴とするものであるから、請求項1に記載の発明による効果に加えて、作業者(オペレータ)に異常状態を認識させて正常に戻す機会を迅速に与えることができる効果を奏する。
【0055】また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の農作業機における制御装置において、前記通信回線には、前記液晶パネル用コントローラユニットに接続するためのカプラを複数備えて、液晶パネルの配置位置を選択できるように構成したものであるから、オペレータが最も見易い箇所に液晶パネルを設置でき、通常の作業やメインテナンスの能率を向上させることができるという効果を奏する。
【0056】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の農作業機における制御装置において、前記液晶パネルは、文字、記号、画像等の情報を表示可能に構成されているものであるから、オペレータに伝達できる情報量が正確且つ詳細で多くなり、作業修正の判断資料が豊富になるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成13年4月17日(2001.4.17)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
【公開番号】 特開2002−305941(P2002−305941A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−118059(P2001−118059)