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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】里路 久幸

【氏名】奥本 康治

【要約】 【課題】供給搬送装置から脱穀装置への穀稈の引継をスムーズに行うことができる構成を備えたコンバインを提供すること。

【解決手段】刈取装置で刈り取った穀稈を挟持して脱穀装置に引き継ぎ、刈取装置で刈り取った穀稈の扱ぎ深さを調節して脱穀装置に引き継ぐための供給搬送装置30を設け、該供給搬送装置30には扱ぎ深さ調節用の回動自在の穀稈搬送用の根元チェーンと該チェーンをガイドするチェンレール38と該チェンレール38に設けたステー62と該ステー62に取り付けたカバー60と該カバー60に取り付けたゴム製の入口漏斗51を備えている。短稈用に深扱ぎ調節する時に根元チェーンと入口漏斗51が一体でコンバイン進行方向に対して右側に動くので、根元チェーンから脱穀装置への穀稈の引継が安定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行部4と、該走行部4の上部に設けた穀稈を刈り取る刈取装置6と、刈り取った穀稈を挟持して脱穀・選別する脱穀装置15と、刈取装置6で刈り取った穀稈の扱ぎ深さを調節して脱穀装置15に引き継ぐための供給搬送装置30を備えたコンバインにおいて、前記供給搬送装置30には脱穀装置15での扱ぎ深さ調節用の回動自在の穀稈搬送用の根元チェーン31と、該根元チェーン31をガイドする取り付け位置可変型チェンレール38と、該チェンレール38に設けたステー62と、該ステー62に取り付けたカバー60と、該カバー60に取り付けた入口漏斗51を備えたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】 カバー60の一側面部に取り付けられた下向きに折り曲げられた傾斜面を有するガイドプレート52を設け、該ガイドプレート52の側面に入口漏斗51を取り付けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】 走行部4と、該走行部4の上部に設けた穀稈を刈り取る刈取装置6と、刈り取った穀稈を挟持して脱穀・選別する脱穀装置15と、刈取装置6で刈り取った穀稈の株元と穂先をそれぞれ支持・搬送する前部搬送装置22と該前部搬送装置22からの穀稈を扱ぎ深さを調節して脱穀装置15に引き継ぐための供給搬送装置30を備えたコンバインにおいて、前記供給搬送装置30には脱穀装置15での扱ぎ深さ調節用の回動自在の穀稈搬送用の根元チェーン31と、該根元チェーン31をガイドする取り付け位置可変型チェンレール38と、該チェンレール38に設けたステー62と、該ステー62に取り付けたカバー60と、該カバー60に取り付けた入口漏斗51を備え、また、前部搬送装置22にも前記入口漏斗51と上方から見て一部交錯する位置に入口漏斗53を取り付けたことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圃場において穀類の収穫作業を行う農業用のコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】コンバインは、機体フレームの下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラを有する走行部を配設し、機体フレームの前端側に刈取装置と供給搬送装置が設けられている。刈取装置は、植立穀稈を分草する分草具と植立穀稈を引き起こす引き起こしケースと、植立穀稈を刈り取る刈刃と、該刈刃により刈取られた穀稈を挟持して後方に搬送する株元搬送装置から構成されている。この株元搬送装置の後方には、該株元搬送装置から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送する供給搬送装置が設けられ、供給搬送装置からフィードチェンに穀稈を引き継がせ、脱穀装置に供給し、脱穀・選別を行っている。また脱穀装置で脱穀された穀粒は一時的にグレンタンクに溜められ、またグレンタンクの後部には縦オーガと横オーガとからなる排出オーガを設け、該排出オーガによりグレンタンク内に一時貯留してある穀粒をコンバインの外部に排出する。
【0003】脱穀装置は回転する扱胴を持ち、扱胴の扱歯によりフィードチェンで供給搬送されてきた穀稈から穀粒を脱穀し、排藁や塵埃などを分離し、扱胴の下部に設けた揺動棚、唐箕送風機、シーブなどの作用により穀粒の選別を行い、選別された穀粒をグレンタンクに一時貯留する。コンバインの走行、刈取、脱穀、穀粒排出運転などは、コンバインの車体フレーム上の運転席に搭乗するオペレータが運転席の操作装置を操作して行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】圃場に植立する穀稈は、品種や生育状況などにより背丈すなわち穀稈長さが変化する。したがって、オペレータが刈取装置を上下に操作して一定高さで刈り取るようにしても、脱穀装置に供給搬送される穀稈の長さは変化することになる。また、コンバインは平坦な圃場の穀稈を一定高さで刈り取るだけでなく、畦際など平面よりも上昇した枕地では、刈取装置の分草具を畦などの枕地に衝突させないように、刈取装置を上昇させて、いわゆる高刈りをする。高刈りした穀稈の長さは、通常の刈取穀稈よりも短いものとなる。
【0005】刈取した穀稈から高回収率で穀粒を脱穀して収穫するために、脱穀装置の扱胴に対して適切な位置になるように穀稈を供給搬送することが必要であり、このため穀稈センサにより検出した穀稈の長さに応じて、扱ぎ深さ調節装置で穀稈の長さに応じた自動調整を行い、穀稈の長さが短い時に供給搬送装置を深扱ぎ側に移動させる自動調整可能な構成になっている。
【0006】しかし、コンバインの製造コストを下げるために、穀稈センサの設置数を減らして、扱ぎ深さ調節装置だけで穀稈の長さに応じた自動調整を行い、供給搬送装置による扱ぎ深さ調節を手動で行うものがあり、この場合には脱穀する穀稈の長さが短いものと標準的なものとに分けて予め手動で供給搬送装置の扱ぎ深さ調節を行っている。
【0007】図17、図18に前部搬送装置22の先端部とその下方にある供給搬送装置30の従来例を斜視図で示す。供給搬送装置30の根元チェーン(図示せず)をガイドするチェンレール38は、その回動中心軸38aを中心に図17に示す脱穀する穀稈の長さが標準的な扱ぎ深さの場合と、図18に示す短い扱ぎ深さの場合とに分けて、予め手動でチェンレール38をその回動中心38aを支点にして回動させて供給搬送装置30の扱ぎ深さ位置調節を行っている。
【0008】このとき、供給搬送装置30から脱穀装置へ穀稈をスムーズに搬送するために、前部搬送装置22の下面に設けた支持部材22xと供給搬送装置30の根元チェーン(図示せず)をガイドするチェンレール38の回動中心軸38aにたてたタンプにそれぞれボルト締めで固定したカバー60’(供給搬送装置30を覆う大きさのもの)の側面にゴム製の入口漏斗51を取り付けている。
【0009】しかし、前記平面状の入口漏斗51は前部搬送装置22の下面に固定されているので、図18に示すように短稈用に供給搬送装置30のチェンレール38を破線位置から実線位置、つまり深扱ぎ側に予め移動させているときには前部搬送装置22は移動しないので、入口漏斗51も移動しない。そのため、該入口漏斗51がチェーンレール38に沿って搬送される穀稈の搬送の障害物となることがあった。
【0010】そこで、本発明は供給搬送装置から脱穀装置への穀稈の引継をスムーズに行うことができる構成を備えたコンバインを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、次の構成で解決される。
(1)走行部4と、該走行部4の上部に設けた穀稈を刈り取る刈取装置6と、刈り取った穀稈を挟持して脱穀・選別する脱穀装置15と、刈取装置6で刈り取った穀稈の扱ぎ深さを調節して脱穀装置15に引き継ぐための供給搬送装置30を備えたコンバインにおいて、前記供給搬送装置30には脱穀装置15での扱ぎ深さ調節用の回動自在の穀稈搬送用の根元チェーン31と、該根元チェーン31をガイドする取り付け位置可変型チェンレール38と、該チェンレール38に設けたステー62と、該ステー62に取り付けたカバー60と、該カバー60に取り付けた入口漏斗51を備えたコンバイン。ここで、前記カバー60の一側面部に取り付けられた下向きに折り曲げられた傾斜面を有するガイドプレート52を設け、該ガイドプレート52の側面に入口漏斗51を取り付けても良い。
【0012】(2)走行部4と、該走行部4の上部に設けた穀稈を刈り取る刈取装置6と、刈り取った穀稈を挟持して脱穀・選別する脱穀装置15と、刈取装置6で刈り取った穀稈の株元と穂先をそれぞれ支持・搬送する前部搬送装置22と該前部搬送装置22からの穀稈を扱ぎ深さを調節して脱穀装置15に引き継ぐための供給搬送装置30を備えたコンバインにおいて、前記供給搬送装置30には脱穀装置15での扱ぎ深さ調節用の回動自在の穀稈搬送用の根元チェーン31と、該根元チェーン31をガイドする取り付け位置可変型チェンレール38と、該チェンレール38に設けたステー62と、該ステー62に取り付けたカバー60と、該カバー60に取り付けた入口漏斗51を備え、また、前部搬送装置22にも前記入口漏斗51と上方から見て一部交錯する位置に入口漏斗53を取り付けたコンバイン。
【0013】
【発明の効果】請求項1記載の構成により、供給搬送装置30の根元チェーン31をガイドするチェンレール38に設けたステー62にカバー60を取付け、該カバー60にゴムなどでできた入口漏斗51を取り付けたため、該入口漏斗51はチェンレール38と一体的に短稈用に深扱ぎ調節する時に根元チェーン31と入口漏斗51が一体でコンバイン進行方向に対して右側に動き、チェンレール38と入口漏斗51の配置関係が固定される。このように短稈の深扱ぎ位置に供給搬送装置30が移動しても、入口漏斗51がチェンレール38と共に移動するので、根元チェーン31で搬送される穀稈の障害物にならず、根元チェーン31からフィードチェーン14への穀稈の引継が安定する。
【0014】請求項2記載の構成により、カバー60の一側面部に取り付けられた下向きに折り曲げられた傾斜面を有するガイドプレート52の側面に、入口漏斗51を取り付けているので、入口漏斗51をコンバインの進行方向に対して後方に下向きの傾斜面を有することになり、脱穀装置15への入口(フィードチェン14)側へ穀稈を容易に案内することができ、かつ供給搬送装置30が深扱ぎ位置に移動している短稈の刈取時も入口漏斗51が穀稈の搬送時の障害になることはなく、そのため供給搬送装置30から脱穀装置15への穀稈の引継が乱されない。
【0015】請求項3記載の発明により、前部搬送装置22の穂先搬送ラグ22bのケース終端部にゴムなどでできた入口漏斗(右)53を取付け、また供給搬送装置30の根元チェーン31をガイドするチェンレール38に設けたステー62にカバー60を取付け、該カバー60に入口漏斗51を取り付けたため、短稈の深扱ぎ位置に供給搬送装置30の根元チェーン31を移動させた場合を含めて、全ての根元チェーン31の移動範囲で入口漏斗(右)53と入口漏斗(左)51が重なっているため、前記入口漏斗51を短稈の深扱ぎ位置へ移動させた時(根元チェーン31の短稈の深扱ぎ位置への移動時)にも入口漏斗(左)51がスムーズに入口漏斗(右)53と重なり合いながらスライドする。
【0016】また、根元チェーン31がどの位置にあっても穂先ラグ22bが左右の入口漏斗(右)53、(左)51の境界部でその基部を中心に回動して前部搬送装置22の内部に収納される。すなわち、穂先ラグ22bが入口漏斗(右)53と入口漏斗(左)51の間に入り込むとき入口漏斗(右)53と入口漏斗(左)51に当たりラグ22bが前記収納位置に変形するが、このとき、該ラグ22bに引っ掛かっていた藁くずがラグ22bから外れる。
【0017】このため、前記穂先ラグ22bの騒音発生防止効果とラグ22bの清掃効果が従来より向上する。また根元チェーン31と入口漏斗(左)51の配置関係が固定されるので、根元チェーン31からフィードチェーン14への穀稈の引き継ぎ効果が従来より向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面により説明する。図1に本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバイン1の側面図を示し、図2はその正面図であり、図3はその内部の刈取装置、脱穀装置の一部を示す側面略図であり、図4は図1の内部の刈取装置、脱穀装置の一部を示す平面略図である。
【0019】図1に示すコンバイン1の車体フレーム2の下部には、ゴムなどの可撓性材料材を素材として無端帯状に成型したクローラ3を駆動して走行する走行部4を備え、車体フレーム2の前部には刈取装置6を搭載し、車体フレーム2の上部には脱穀装置15を搭載する。脱穀装置15はフィードチェン14を有し、図示していないが、上側に扱胴を軸架した扱室を配置し、下側に選別室を設け、供給された刈取穀稈を脱穀選別する。
【0020】図4に示すように、脱穀装置15にはフィードチェン14の内側に沿わせて補助フィードチェン17を設け、始端部をフィードチェン14から伝動される伝動スプロケット17aに巻回し,終端部を脱穀装置15内の扱室への供給口の近くまで延長して設け、後述する供給搬送装置30から受け継いだ穀稈をフィードチェン14と共同して、又は、単独で脱穀装置15内の扱室へ供給する。また、車体フレーム2の上部側部で刈取装置6と脱穀装置15との間に操縦席20を設ける構成としている(図1参照)。
【0021】刈取装置6は、図3に示すように車体フレーム2の前部に設けた刈取支持台7に前方下方へ延長した刈取支持フレーム13の後部を上下に回動自由に枢着して、この刈取支持フレーム13に刈刃11や後述の各穀稈搬送、調節装置を装着している。
【0022】刈取装置6は、前端下部に分草具8を、その背後に傾斜状にした穀稈引起装置9を、その後方底部には刈刃11を配置し、さらに図4に示すように、その刈刃11と前述のフィードチェン14及び補助フィードチェン17の始端部との間に、掻込搬送装置21(21a、21b)と、前部搬送装置22と、扱深さ調節装置26と、供給搬送装置30とを順次穀稈の受継搬送と扱深さ調節とができるように配置して、かつ前述の刈取支持フレーム13に取り付けて伝動可能に構成している。
【0023】掻込搬送装置21は、図3と図4に示すように、下部の掻込輪体21aと上部の掻込無端帯21bとからなり、各刈取穀稈条列ごとに前記刈刃11の上方に設け、穀稈を後方へ掻込搬送する構成としている。前部搬送装置22は、株元搬送チェン22aと穂先搬送ラグ22bとからなり、その始端部を前記掻込搬送装置21の終端部に受継可能に臨ませ、多条の刈取穀稈を後方上方へ搬送して終端部分において左右の搬送穀稈を合流させる構成としている。前記穂先搬送ラグ22bは平面視において、進行方向に向かって前部の右側からフィードチェン14の始端部側に傾斜して設けた一方側を刈取装置6の後部まで延長して設け、連続状態で穀稈穂部を搬送する構成としている。
【0024】扱深さ調節装置26は、始端部を前記前部搬送装置22の株元搬送チェン22aの終端部に搬送穀稈の株元を受継可能に臨ませて設け、後方上方に延長して終端部を後述する供給搬送装置30の始端部に臨ませて設けている。該扱深さ調節装置26は始端部を刈取支持フレーム13に枢着して終端側が搬送穀稈の稈身方向に沿って上下に揺動する構成としている(図3参照)。扱深さ調節装置制御アクチュエータM1は、図4に示すように前記扱深さ調節装置26の近傍で上側に装備しており、連杆27を介してその扱深さ調節装置26に連動可能に連結して設け、(図示しない制御装置からの操作信号に基づいて)扱深さ調節装置26による扱深さ調節を行う構成としている。
【0025】供給搬送装置30は図3、図4に示すように、根元チェーン31と挟持杆32とによって穀稈を挟持して搬送するように設け、扱深さ調節装置26の終端部から受け継いだ穀稈をフィードチェン14および補助フィードチェン17の始端部に受け渡して供給調節を行う構成としている。
【0026】従来技術で説明したように、脱穀装置15の扱胴に対して適切な位置になるように穀稈を供給搬送するために各種穀稈センサにより検出した穀稈の長さに応じて、扱ぎ深さ調節装置26で穀稈の長さに応じた自動調整を行い、穀稈の長さが短い時に供給搬送装置30を深扱ぎ側に移動させる自動調整可能な構成になっている。しかし、廉価なコンバインを提供するために扱ぎ深さ調節装置26だけで穀稈の長さに応じた自動扱ぎ深さ調整を行い、供給搬送装置30による扱ぎ深さ調節を手動で行うものが本発明の対象とするコンバインである。このようなコンバインは、脱穀する穀稈の長さが短いものと標準的なものとに分けて、予め手動で供給搬送装置30の扱ぎ深さ調節を行っている。
【0027】このような供給搬送装置30をより具体的に説明すると、図4〜図7に示すように供給搬送装置30は前述の刈取支持フレーム13の基部からフィードチェン14および補助フィードチェン17側へ位置している供給装置フレーム36内に設けた図示しない伝動ボックスに軸架した駆動スプロケット37と、根元チェーン31の搬送側を内面から案内するための三日月状のプレートを備えたチェンレール38の先端に軸架した転輪39と、それらよりコンバイン1の進行方向前方に位置してテンション機能を持つテンションローラ40とに根元チェーン31を巻回して構成している。
【0028】そして、チェンレール38は図5、図6に示すように根元チェーン31の搬送側を内面から案内するもので、供給装置フレーム36に軸架した回動中心軸38aを中心に回動自由に支持して設け、先端部の前記転輪39側が、補助フィードチェン17の始端部に対して遠近移動できる構成としている。図5(a)に供給装置フレーム36に設けた短稈扱ぎ時にチェンレール38を支持固定する短稈用穴36aを示し、図5(b)に供給装置フレーム36に設けた標準扱ぎ時にチェンレール38を支持固定する標準用穴36bを示すが、チェンレール38の回動は手動で行い、コンバイン1の運転の前に予め短稈用穴36a又は標準用穴36bを用いて調整しておく。
【0029】さらに、テンションローラ40は、テンションアーム43の一端に回転自由に取り付けられている。又、このテンションアーム43の他端は、前記供給装置フレーム36から斜め前方側に突出して延長した固定の支持部材(図示せず)に回動自由に枢着されている。前記テンションアーム43の最端部にはテンションスプリング44の一端が取り付けられており、該テンションスプリング44によってテンションアーム43は外側(根元チェーン31を張る方向)に張圧されている。
【0030】また図6(供給搬送装置30の深扱ぎ時の平面図)、図7(供給搬送装置30の標準扱ぎ時の平面図)、図8(供給搬送装置30の終端部側の側面図)及び図9(供給搬送装置30の終端部側の標準扱ぎ時の搬送時の斜視図)、図10(供給搬送装置30の終端部側の短稈扱ぎ時の搬送時の斜視図)に示すように、供給搬送装置30の終端部側に供給搬送装置30の根元チェーン31をガイドするチェンレール38を設け、該チェンレール38にさらにステー62を取付け、該ステー62に取り付けたカバー60の一側面にゴムなどでできた入口漏斗51を一体的に取付ける。
【0031】こうしてチェンレール38と入口漏斗51が一体で左右に動き、チェンレール38と入口漏斗51の関係が固定されるので、深扱ぎ位置に供給搬送装置30が移動しても入口漏斗51がチェンレール38に沿って搬送される穀稈の搬送の障害物にならず、又、根元チェーン31からフィードチェーン14への穀稈の引継が安定する。
【0032】また、図8に示すようにカバー60の一側面部に取り付けられた下向きに折り曲げられた傾斜面を有するガイドプレート52の側端部に入口漏斗51を取り付けている構成にすると、入口漏斗51がコンバイン1の進行方向に対して後方に下向きの傾斜面を有することになり、脱穀装置15への入口(フィードチェン14)側へ穀稈を容易に案内することができ、かつ短稈の刈取時も入口漏斗51が穀稈の抵抗となり搬送を乱すようなおそれは無くなる。
【0033】また、図11の平面図(供給搬送装置30が標準扱ぎ側に移動した状態)と図12の平面図(供給搬送装置30が深扱ぎ側に移動した状態)と図13の側面概略図に示す実施の形態のように、前部搬送装置22の矢印Aの方向に動く穂先搬送ラグ22bが入口漏斗(右)53(ゴム製)に接触すると、今まで搬送方向に直交する方向に立っていた穂先搬送ラグ22bがその基部を中心に矢印Bに回動して前部搬送装置22内に収納状態になるように、入口漏斗(右)53(ゴム製)を穂先搬送ラグ22bの支持フレーム(図示せず)に取付けても良い。また図9、図10に示すように供給搬送装置30の根元チェーン31をガイドするチェンレール38にステー62を取付け、該ステー62に取り付けたカバー60の一側面にゴムなどでできた入口漏斗51を一体的に取付ける。
【0034】この構成により、短稈の深扱ぎ位置に供給搬送装置30の根元チェーン31を移動させた場合を含めて全ての根元チェーン31の移動範囲で入口漏斗(右)53と入口漏斗(左)51が重なりあい、前記入口漏斗51を短稈の深扱ぎ位置への移動時(根元チェーン31の短稈の深扱ぎ位置への移動時)にも入口漏斗(左)51がスムーズに入口漏斗(右)53と重なり合いながらスライドする。
【0035】また、根元チェーン31がどの位置にあっても穂先ラグ22bが左右の入口漏斗(右)53、(左)51の境界部でその基部を中心に回動して前部搬送装置22の内部に収納される。すなわち、穂先ラグ22bが入口漏斗(右)53と入口漏斗(左)51の間に入り込むとき入口漏斗(右)53と入口漏斗(左)51に当たりラグ22bが前記収納位置に変形するが、このとき、該ラグ22bに引っ掛かっていた藁くず(イ)(図11)がラグ22bから外れる。このため、前記穂先ラグ22bの騒音発生防止効果とラグ22bの清掃効果が従来より向上する。
【0036】またチェンレール38と入口漏斗(左)51の配置関係が固定されるので、根元チェーン31からフィードチェン14への穀稈の引き継ぎ効果が従来より向上する。
【0037】従来は入口漏斗(左)51は図17、図18に示すように供給搬送装置30の機体に取付けてあったので、その取付け位置は固定されていて、短稈側(深扱ぎ側)にセットすると入口漏斗(左)51が図12の破線で示す位置まで出っ張った状態となり、この入口漏斗(左)51に搬送中の穀稈が当たり、穀稈の搬送性能が悪くなっていた。
【0038】しかし、本発明の上記図11〜図13に示す実施の形態では供給搬送装置30の根元チェーン31をガイドするチェンレール38の支持部材(チェンレール38と一体のカバー60側部)に入口漏斗(左)51を一体的に取付け、根元チェーン31と入口漏斗(左)51が一体的に左右に動き、根元チェーン31と入口漏斗(左)51の関係が固定されるので、図10に示すように短稈搬送時に入口漏斗(左)51が穀稈の搬送の障害にはならず、根元チェーン31からフィードチェーン14への穀稈の引継が安定する。
【0039】また、入口漏斗(左)51のコンバイン1の進行方向後側の左端コーナー部を平面視で突出した形状にしているので、図12に示すように入口漏斗(左)51を深扱側(短稈方向;実線)へ移動させても、入口漏斗(左)51の左端コーナー部は、標準扱ぎ側(点線)に比べて図12の長さS分だけ脱穀装置15に近づくことになり脱穀装置15から離れて、籾が圃場にこぼれ落ちるようなことはない。
【0040】本発明の実施の形態では、供給搬送装置30の根元チェーン31のチェンレール38を前方に設けた回動軸38aを中心として左右に回動自在とする構成しているが、従来は根元チェーン31の給油ノズル56’を図14(図14(a)は平面図、図14(b)は側面図)の供給搬送装置30部分の平面図の点線で示す位置に配置していた。この給油ノズル56’の配置位置は、根元チェーン31が標準扱ぎ時の実線位置から深扱ぎ時の点線位置と異なる位置にあるため、給油ノズル56’から根元チェーン31にうまく注油ができないことがあった。
【0041】そこで、本発明の実施の形態では、給油ノズル56(図14(a)の実線位置)を比較的根元チェーン31の移動が少ない位置である供給搬送装置30の後端部側に配置する。
【0042】このため、チェンレール38が短稈を搬送中で深扱ぎ位置(コンバイン進行方向に向かって右側)に移動した場合(図14の点線位置)でも給油ノズル56がある位置はチェンレール38の移動量が少ない所であるので、根元チェーン31への注油を安定して行うことができる。
【0043】図9、図10、図15(a)の平面図(供給搬送装置30が標準扱ぎ側に移動した状態)と図15(b)の平面図(供給搬送装置30が深扱ぎ側に移動した状態)と図16の供給搬送装置30の側面図に示すように、供給搬送装置30の上面全域を覆うカバー60を設け、該カバー60が全域にわたり下方に向け傾斜面を有するようにすることで、供給搬送装置30に籾、藁くず、稈くずが溜まることを防止する。しかも、供給搬送装置30が深扱ぎ時から標準扱ぎ時まで移動する際に、カバー60は根元チェーン31と一体的に移動し、かつ、該カバー60は傾斜面を形成しるため、籾、藁くず等の除去性能が安定する。
【0044】また図15(a)に示すように、挟持杆32は供給調節が行われる根元チェーン31の穀稈搬送面に常時沿って張圧状態で搬送穀稈を挟持できるように、スプリングホルダ46の2つの張圧ばね46a、46bによって張圧させる構成にしている。前側の張圧ばね46aは、後側の張圧ばね46bより張圧ストロークを長くして挟持杆32の調節距離が長く取れるようにして、根元チェーン31前部で穀稈の移動に充分追従できる構成としている。
【0045】このスプリングホルダ46の上面に図16の側面図に示すように傾斜面を持った屋根46cを設けることで、籾、稈クズがスプリングホルダ屋根46c上に溜まることを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成13年4月17日(2001.4.17)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義
【公開番号】 特開2002−305938(P2002−305938A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−118718(P2001−118718)