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【発明の名称】 草刈型移動農機の騒音低減装置
【発明者】 【氏名】十亀 治光

【氏名】吉木 晋也

【要約】 【課題】草刈型乗用移動農機の騒音の低減。

【解決手段】操縦席15の前方にエンジン5を配置し、機体下方の前輪7と後輪12との間に草刈機2を配置し、操縦席15の後側下方に集草用のブロワ35を配置し、ブロワ35で上方に移送した草を機体後部のコレクタ40に収納する移動農機であって、操縦席15とブロワ40のブロワケース41とのすき間や、操縦席15とコレクタ40とのすき間を板体で閉鎖する。集草用のコレクタ40の底部にアミ53を配置し、アミ53の下方に分解可能な通風型の遮音パネル52を配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操縦席15の前方にはエンジン5を配置し、機体下方の前輪7と後輪12との間に草刈機2を配置し、操縦席15の後側下方に集草用のブロワ35を配置し、ブロワ35で上方に移送した草を機体後部のコレクタ40に収納する移動農機において、操縦席15とブロワ35のブロワケース36とのすき間を板体で閉鎖したことを特徴とする草刈型移動農機の騒音低減装置。
【請求項2】 草刈型移動農機の集草用のコレクタ40の底部に通気性板状体を配置し、この通気性板状体の下方に分解可能な通風型の遮音パネル52を装着したことを特徴とする草刈型移動農機の騒音低減装置。
【請求項3】 草刈型移動農機の集草用のコレクタ40における側板の一部を通気型遮音パネル52で構成し、該通気型遮音パネル52の内側に通気性板状体を配置したことを特徴とする草刈型移動農機の騒音低減装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、草刈型乗用移動農機の騒音低減装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】操縦席の前方にエンジンを配置し、機体下方の前輪と後輪との間に草刈機を配置し、操縦席の後側下方に集草用のブロワを配置し、ブロワで上方に跳ね上げ移送した草を機体後部のコレクタに収納する乗用型の移動農機がある。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】従来の乗用型移動農機にあっては、操縦席部分や集草するコレクタの排風部の騒音低減への配慮がなされていない現状に鑑み、この発明は操縦席の騒音をコストを低減しながら効果的に低減し、コレクタの排風部の騒音を排風機能を維持しながら低減しようとするものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】このような技術的課題を解決するために、この発明は次のように構成した。請求項1の発明は、操縦席15の前方にはエンジン5を配置し、機体下方の前輪7と後輪12との間に草刈機2を配置し、操縦席15の後側下方に集草用のブロワ35を配置し、ブロワ35で上方に移送した草を機体後部のコレクタ40に収納する移動農機において、操縦席15とブロワ35のブロワケース36とのすき間を板体で閉鎖したことを特徴とし、請求項2の発明は、草刈型移動農機の集草用のコレクタ40の底部に通気性板状体を配置し、この通気性板状体の下方に分解可能な通風型の遮音パネル52を装着したことを特徴とし、請求項3の発明は、草刈型移動農機の集草用のコレクタ40における側板の一部を通気型遮音パネル52で構成し、該通気型遮音パネル52の内側に通気性板状体を配置したことを特徴とする。
【0005】
【発明の作用及び効果】請求項1の発明では、操縦席15の前方にはエンジン5を配置し、機体下方の前輪7と後輪12との間に草刈機2を配置し、操縦席15の後側下方に集草用のブロワ35を配置し、ブロワ35で上方に移送した草を機体後部のコレクタ40に収納する移動農機にあっては、種々の方向から操縦席15に騒音が伝えられるところ、操縦席15の後側下方からの騒音が大きく、前方あるいは前側下方からの騒音は比較的小さいという知見に基づくものであって、操縦席15とブロワ35を内装しているブロワケース36とのすき間を板体で閉鎖し、板体の閉鎖面積を比較的小さくしてコストの低減を図りながら、騒音の低減効果を高めることができるものである。
【0006】請求項2の発明は、集草用のコレクタ40の底部に例えばアミ53を張設し、このアミ53の下方には左・右半体53d,53eで分割構成し分解可能な通気型遮音パネル52を配置したので、アミ53により草の通気型遮音パネル型52への流れが阻止され通気型遮音パネル52の草の詰まりを少なくし、また、通気型遮音パネル52に草が詰まった場合にも、コレクタ40内の草の取り出し時に、左・右半体53d,53eを分解することにより通気型遮音パネル52を容易に清掃することができ、遮音効果を安定して維持することができる。
【0007】請求項3の発明は、コレクタ40の側板の一部を通気型遮音パネル52により構成したので、構成部材を少なくしながら、コレクタ40内のブロワ35による集草騒音を低減し、通気型遮音パネル52の詰まりを少なくできて遮音効果を長時間にわたり維持することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の形態について説明する。トラクタ等の移動農機1の前後中間下部に芝や草類を地表面から刈り取る草刈機2を昇降自在に取り付け、草刈機2で刈り取った草を機体後部のコレクタ40に集草するものにおいて、移動農機1の操縦席15の低騒音化に関するものであって、以下これにつき説明する。
【0009】移動農機1は図示のように乗用四輪型のトラクタであり、機体下部に左右一対の前後方向の主フレーム3,3を配設している。主フレーム3,3は前部上方にエンジン5を搭載している。主フレーム3,3の前側下部にフロントアクスル6をセンターピポット回りに左右揺動自在に取り付け、このフロントアクスル6の両端部にキングピンを介して左・右前輪7,7を操舵自在に取り付けていて、ステアリングハンドル8により左・右前輪7,7を操舵する。
【0010】また、左右の主フレーム3,3の後部間には左右の後車軸9,9を軸架したリヤーアクスル10、及び、走行用伝動ケース11が取り付けられている。そして、左右の後車軸9,9の両端部に左・右後輪12,12を取り付けている。エンジン5の外周部をボンネット13やサイドカバー14で被覆し、ボンネット13の後部上方に前記ステアリングハンドル8を配置している。主フレーム3,3の左・右後輪12,12間の上方には、フェンダ16を配置し、フェンダ16の左右方向中央部に操縦席15を取り付け、フェンダ16の前縁部と前記サイドカバー14との空間部に、主フレーム3,3を覆うようにステップ17を設けている。
【0011】次に、図1及び図2に基づき動力伝動系について説明する。エンジン5はクランク軸を後下がりに前後方向に沿わせて配置し、エンジン5の前部には前方に突出した取出軸を設けて駆動プーリ18を取り付け、後部にはに走行用の第1PTO軸19を設けている。また、フロントアクスル6の左右中間部を軸支するセンターピポット軸20の軸心方向を前記クランク軸と平行状態とし、センターピポット軸20の前端部に従動プーリ21を取り付け、その後端部を作業機駆動用の第2PPTO軸20aとして、後方に向けて突出している。駆動プーリ18と従動プーリ21との間にベルト等の回転伝達具22を巻き掛け、クラッチ(図示省略)を介して第2PPTO軸20aの回転を入/切操作している。
【0012】草刈機2におけるデッキ23の中央部上方に設けられている作業伝動ケース24の作業入力軸25と、前記第2PPTO軸20aとの間を自在継手26を介して伝動している。機体には左右の前・後昇降リンク31,31の前端を軸支して、前・後昇降リンク27,27,…の後端に前記草刈機2のデッキ23に軸支し、後昇降リンク27の一方をリフトアーム28とリフトリンク29により支持し、昇降用アクチュエータである油圧シリンダ30の伸縮により草刈機2を昇降操作する構成である。草刈機2の前後左右には、下降接地時のデッキ23の高さを調節するゲージ車輪31,31,…が首振り自在に左右一対設けられている。
【0013】次に、第1PTO軸19からの左・右後輪12,12の駆動構成について説明する。主フレーム3,3の後部の内側には走行用伝動ケース11を右側にオフセットして取り付けている。走行用伝動ケース11の前側にはポンプとモータからなる所謂HST装置を内装したHSTケース32を取り付けている。HSTケース32の上部には前方に向けて走行用入力軸33を突出し、エンジン5から後方に向けて突出している第1PTO軸19から走行用自在継手26aを介して走行用入力軸33に動力が伝達される。この走行用入力軸33でポンプを駆動し、斜板の調節によりモータを所定の回転数に変速出力して、走行用伝動ケース11内の各種歯車群に伝動し、前後進や高低速の変速をして、左・右後輪12,12に伝達し走行する構成である。
【0014】主フレーム3,3の後端部に設けた左右支柱34,34間には、ブロワ35を内装したブロワケース36を取り付け、ブロワケース36におけるブロワ35前方に対向する前壁部から前方に向けて吸気筒37を斜め下方に向けて設けている。吸気筒37の前端の吸気口37aは正面視幅広の四角形状に開口していて、草刈機2のデッキ23の後部から断面幅広の四角形状のシュータ38を後方に向けて突出して設け、シュータ38の後端部を吸気筒37の吸気口37aに接続している。このシュータ38の前端はデッキ23の後部にヒンジを介して上下回動自在に取り付け、デッキ23の昇降に伴いシュータ38も昇降する。
【0015】ブロワケース36の上部には搬送筒39を上方に向けて取り付け、搬送筒39の先端を収納容器であるコレクタ40の上部に連通している。ブロワケース36の後壁面には、ブロワ35駆動用の伝動装置を覆うカバーケース41を取り付けている。カバーケース41内には、プーリ,ベルトからなる伝動装置42を内装し、ブロワケース36の上部からブロワ入力軸43を前方に向けて突出するように軸架し、走行用伝動ケース11の後上部から後方に向けてブロワ駆動軸44を軸架し、ブロワ駆動軸44とブロワ入力軸43との間をブロワ用自在継手26bを介して伝動している。しかして、ブロワ35の回転により吸気筒37内は負圧となり、シュータ38も負圧になり、デッキ23内の刈り取った芝草をブロワ35により吸引し、搬送筒39からコレクタ40へ搬送する。コレクタ40に収納された芝草が満杯になると、蓋体40aを開け所定の場所に排出する。
【0016】次に、草刈機2について説明する。主フレーム3,3の前輪8,8、後輪4,4間下方には、左右の前・後昇降リンク27,27,…4本を介して草刈機2を昇降自在に取り付け、この草刈機2には中央駆動軸45a、左・右駆動軸45b,45cを夫れ夫れ縦方向に軸架し、中央駆動軸45aを頂点とし、左・右駆動軸45b,45cを略二等辺三角形に配置し、夫れ夫れの駆動軸の下端部に回転刈刃46,46,…を取り付け草刈装置としている。
【0017】そして、これらの回転刈刃46,46,…の周囲に所定間隙を介して外周壁47を設けて、刈り取った草を中央の排出口48に送るようにし、回転刈刃46,46,…及び外周壁47をデッキ23で被覆している。デッキ23の排出口48にはデッキ後風路49を接続し、その終端部を前記シュータ38に接続し、切断した芝草をデッキ後風路49からシュータ38を経てブロワケース36に送り込む構成である。
【0018】次に、図5に基づき操縦席15の騒音低減構成について説明する。操縦席15の前方にはエンジン5を、下方には草刈機2を、後方には集草用のブロワ35や集草用のコレクタ40を配した移動農機にあっては、操縦席15には種々の方向から騒音が伝達される。しかし、操縦席15に伝わる騒音を調べると、操縦席15の後側下方からの騒音が前方あるいは前側下方からの騒音に比較して大きいことが判った。
【0019】そこで、この実施例では、操縦席15の後側下方の開口部をゴム板やスリットゴム板51で閉鎖している。即ち、操縦席15付きのフェンダ16とブロワケース36の前側面、コレクタ40の前側面との間のすき間を、ゴム板やスリットゴム板51で閉鎖し、騒音の低減を図るものである。
【0020】このように、操縦席15の後側下方の騒音の大きなすき間をゴム板やスリットゴム板51で閉鎖するので、閉鎖面積を比較的小さくしてコストの低減を図りながら、騒音の低減効果を高めることができる。次に、図6について説明する。この実施例は、集草用のコレクタ40の底部に通気型遮音パネル52を装着して遮音すると共に、この通気型遮音パネル52を分解できる構成とし、内部のゴミを容易に清掃できるようにするものである。
【0021】コレクタ40の底部には多孔板あるいはアミ53を張設し、アミ53の下方に通気型遮音パネル52を配置している。この通気型遮音パネル52は、例えば図6(4)に示すように、閉鎖部53a、透過音部53b、音の隠る音隠部53cを対向配置して構成されている公知のものである。この通気型遮音パネル52を左・右半体53d,53eに分割構成し、例えば、図6(2)に示すように、左・右半体53d,53eの一端を枢支して他側を開閉できる構成とし、他側部に連結部53fを構成し、左・右半体53d,53eを嵌合連結できるに構成している。また、図6(3)に示すように、左・右半体53d,53eの一端部を嵌合連結できる連結部53fに構成し、他端部を締め付け連結具54で連結する構成である。
【0022】コレクタ40の底部に設けた通気型遮音パネル52は、刈り取った草を送るための空気を排出する箇所であるため、通気型遮音パネル52の内部に埃が詰まる。しかし、前記のように左・右半体53d,53eで分解できる構成としたので、コレクタ40内の草の取り出し時に、遮音パネル52を容易に分解して清掃することができ、遮音効果を安定して維持することができる。
【0023】なお、コレクタ40を開閉し草を排出する際に、コレクタ40の開閉作動に関連して通気型遮音パネル52も分解開閉し埃を落下させ清掃する構成としてもよい。また、図7に示すように、コレクタ40における下部のアミ53に対向する底板部分を通気型遮音パネル52で構成し、上側板40b、左・右側板40c,40d、前・後側板40e,40f及び底板を構成する通気型遮音パネル52で、コレクタ40を構成し、前側板40eに対して上側板40b、左・右側板40c,40d、後側板40f及び底板の通気型遮音パネル52の部分を開閉できる構成としてもよい。
【0024】前記のように構成することにより、コレクタ40内のブロワ35による集草騒音を通気型遮音パネル52により排風しながら低減することができ、また、通気型遮音パネル52の上方にアミ53を設けているので、通気型遮音パネル52の草の詰まりを少なくして遮音効果を長時間にわたり維持することができる。
【0025】なお、図8に示すように、コレクタ40の適宜位置に通気型遮音パネル52を設置し、ブロワ35による跳ね上げ移送風を通気型遮音パネル52から排出し、遮音する構成としてもよい。また、図9に示すように、コレクタ40の各側板には、その内側面あるいは外側面に例えば多孔質樹脂で構成した吸音材54を接着し、コレクタ40の外部に出る騒音を低減してもよい。
【0026】また、図10に示すように、吸気筒37の前端の吸気口37aにシュータ38の後端部を接続するにあたり、吸気口37aの内周面とシュータ38の外周面との間隙部に、ゴム等の変形部材で構成したチューブ状の円形部材55を装着し、ブロワ35の騒音が前方に逃げるのを防止し、騒音の低減を図ってもよい。
【0027】また、図11に示すように、前記シュータ38の上面に次のように構成した点検用の開閉板56を設けてもよい。シュータ38の上面に開口支持部38aを構成し、開閉板56の下手側端部に嵌合支持部56aを構成し、開閉板56の上手側端部を側面視で上側に少し屈折して連結面部56bを構成する。しかして、開閉板56を開口支持部38aに載置し、開閉板56を左側に移動することにより、嵌合支持部56aを下手側の開口支持部38aに嵌合装着し、開閉板56の上手側の連結面部56bを開口支持部38aに載置状態で閉鎖することができ、開閉板56が草の流れを阻害することなく円滑に搬送できる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成13年4月17日(2001.4.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−305930(P2002−305930A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−118386(P2001−118386)