トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 収穫機
【発明者】 【氏名】石田 伊佐男

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行装置Dと、作業走行中に作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取る抜取り搬送装置2と、該抜取り搬送装置2より上側で作物体Pを挟んで上方に搬送する上部搬送装置15とを設け、上部搬送装置15の搬送体16,16の搬送始端部S1が前記抜取り搬送装置2の搬送体17,17の搬送始端部S2と同位置或はそれより作業走行方向に対し後側に位置するよう設けたことを特徴とする収穫機。
【請求項2】走行装置Dと、作業走行中に作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場から抜取る抜取り搬送装置2と、該抜取り搬送装置2より上側で作物体Pを挟んで上方に搬送する上部搬送装置15とを設け、前記抜取り搬送装置2の搬送体を左右に並べて配置した搬送ベルト17,17で構成して、該搬送ベルト17,17の左右内側のベルト外周面を互いに接触或は近接させて設け、前記上部搬送装置15の搬送体を前記抜取り搬送装置2の上側で左右に並べて配置した搬送ベルト16,16で構成して、該搬送ベルト16,16の左右内側のベルト外周面を抜取り搬送装置2の搬送ベルト17,17の左右内側の間隔よりも広い間隔で互いに離間させて設けたことを特徴とする収穫機。
【請求項3】前記上部搬送装置15の左右搬送ベルト16,16のベルト外周面に複数のラグ16a・・・,16a・・・を設けたことを特徴とする請求項2記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地上部分に最終収穫物がついている枝豆等の作物体を圃場から抜取る収穫機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、枝豆等の収穫作業は、圃場に生育する作物体を作業者が直接抜取って行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の枝豆等の収穫作業は、人力によっていたので、非常に労力を要する作業であった。従って、本発明は、この作業の省力化を図ることを課題とするものである。なお、枝豆等の作物体は、作物体の地上部分に最終収穫物となる枝豆等がついているので、作物体を圃場から抜取るときに枝豆等の最終収穫物が落ちたり傷ついたりすることがないようにしなければならない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した。請求項1記載の発明は、走行装置Dと、作業走行中に作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取る抜取り搬送装置2と、該抜取り搬送装置2より上側で作物体Pを挟んで上方に搬送する上部搬送装置15とを設け、上部搬送装置15の搬送体16,16の搬送始端部S1が前記抜取り搬送装置2の搬送体17,17の搬送始端部S2と同位置或はそれより作業走行方向に対し後側に位置するよう設けたことを特徴とする収穫機としたものである。
【0005】請求項2記載の発明は、走行装置Dと、作業走行中に作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場から抜取る抜取り搬送装置2と、該抜取り搬送装置2より上側で作物体Pを挟んで上方に搬送する上部搬送装置15とを設け、前記抜取り搬送装置2の搬送体を左右に並べて配置した搬送ベルト17,17で構成して、該搬送ベルト17,17の左右内側のベルト外周面を互いに接触或は近接させて設け、前記上部搬送装置15の搬送体を前記抜取り搬送装置2の上側で左右に並べて配置した搬送ベルト16,16で構成して、該搬送ベルト16,16の左右内側のベルト外周面を抜取り搬送装置2の搬送ベルト17,17の左右内側の間隔よりも広い間隔で互いに離間させて設けたことを特徴とする収穫機としたものである。
【0006】請求項3記載の発明は、前記上部搬送装置15の左右搬送ベルト16,16のベルト外周面に複数のラグ16a・・・,16a・・・を設けたことを特徴とする請求項2記載の収穫機としたものである。
【0007】
【作用】請求項1乃至請求項3記載の発明は、走行装置Dによって機体が圃場Gを走行し、そして、圃場Gの作物体Pを抜取るべく機体が作物体Pに向かって作業走行していくと、抜取り搬送装置2が、作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取る。また、その抜取り搬送装置2より上側に設けた上部搬送装置15は、作物体Pの根本側の茎部aより上側を挟んで上方に搬送する。
【0008】更に、請求項1記載の発明では、上部搬送装置15の搬送体16,16の搬送始端部S1が抜取り搬送装置2の搬送体17,17の搬送始端部S2と同位置或はそれより作業走行方向に対し後側に位置するので、作物体Pは、抜取り搬送装置2によってその根本側の茎部aが挟まれてから上部搬送装置15の搬送作用を受けることになる。
【0009】請求項2記載の発明では、前記抜取り搬送装置2の搬送体を左右に並べて配置した搬送ベルト17,17で構成して、該搬送ベルト17,17の左右内側のベルト外周面を互いに接触或は近接させて設けたので、抜取り搬送装置2の左右搬送ベルト17,17は、作物体Pの根本側の茎部aを適確に挟んで上方に搬送し作物体Pを圃場Gから確実に抜取る。しかも、前記上部搬送装置15の搬送体を前記抜取り搬送装置2の上側で左右に並べて配置した搬送ベルト16,16で構成して、該搬送ベルト16,16の左右内側のベルト外周面を抜取り搬送装置2の搬送ベルト17,17の左右内側の間隔よりも広い間隔で互いに離間させて設けたので、上部搬送装置15の左右搬送ベルト16,16は、作物体Pの根本側の茎部aより上側部分、即ち、最終収穫物Bが多く付いている部分を挟んで上方に搬送するが最終収穫物Bへの損傷は生じ難い。
【0010】請求項3に記載の発明は、上記請求項2記載の発明にあって更に、上部搬送装置15の左右搬送ベルト16,16に、該ベルト回転域の外方に突出するラグ16a・・・,16a・・・を複数設けたものなので、その複数のラグ16a・・・,16a・・・が作物体Pの茂った枝葉部分に入り込んで引っかかり、作物体Pの横幅の大小に関わらず適確に作物体Pを搬送できる。
【0011】
【発明の効果】請求項1乃至請求項3記載の発明は、枝豆等の作物体Pを圃場Gから抜取るという収穫作業を、従来人力によっていたものを機械によって行えるようになり、当該作業の省力化が図れる。しかも、抜取り搬送装置2が作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取るので、最終収穫物Bを挟んで損傷を与えることが少ない。また、作物体Pの根本側の茎部aは抜取り搬送装置2に挟まれて搬送されるが、その上側部分は、上部搬送装置15によって挟まれて搬送される。よって、作物体Pを適正な姿勢で抜取って上方に搬送できるようになり、抜取り搬送中に作物体Pが左右方向に或は前後方向に倒れることによって最終収穫物Bが抜取り搬送装置2や他の機体部材に引っかかって損傷を受けるという事態が生じ難くなる。
【0012】そして、請求項1記載の発明では、上部搬送装置15の搬送体16,16の搬送始端部S1が抜取り搬送装置2の搬送体17,17の搬送始端部S2と同位置或はそれより作業走行方向に対し後側に位置するので、抜取り搬送装置2によって作物体Pが抜取り作用を受ける前に上部搬送装置15によって上方に引き上げられて最終収穫物Bがそぎ落とされるという事態の発生を回避できる。
【0013】また、請求項2記載の発明では、抜取り搬送装置2の左右搬送ベルト17,17の左右内側のベルト外周面を互いに接触或は近接させて設けたので、作物体Pを圃場Gから確実に抜取ることができ、しかも、上部搬送装置15の左右搬送ベルト16,16の左右内側のベルト外周面を広い間隔で互いに離間させて設けたので、最終収穫物Bが多く付いている部分を挟んで上方に搬送しつつも最終収穫物Bへの損傷は生じ難いものとなる。
【0014】更に、請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明が奏する効果に加え、作物体Pの横幅の大小に関わらず適確に作物体Pを搬送できる。
【0015】
【発明の実施の態様】本発明の一実施態様として最終収穫物が枝豆である作物体を圃場から抜取って収穫する収穫機を、以下に詳細に説明する。この収穫機1は、図に示すように、走行装置Dと、作業走行中に作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取る抜取り搬送装置2を設けたものとなっている。走行装置Dによって機体が圃場Gを走行し、そして、圃場Gの作物体Pを抜取るべく機体が作物体Pに向かって作業走行していくと、抜取り搬送装置2が、作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取る。
【0016】走行装置Dの一例として、圃場Gに形成された畝Uの両側の谷部分Vを走行する駆動回転する左右一対の車輪3,3を設けて、機体が自走するよう構成している。この車輪3,3は、機体後部側に配置されたエンジン4から動力が伝動されて駆動回転する。具体的には、エンジン4の動力が、エンジン4の前側に配置されエンジン4に連結するミッションケース5内の変速伝動機構に伝動し、該変速伝動機構を経て、ミッションケース5の左右両側部に固着した車輪伝動ケース6,6内の伝動機構に伝動し、該車輪伝動ケース6,6の下部の左右方向外側方に突出する車軸7,7に伝動して該車軸7,7に取り付けている前記車輪3,3が駆動回転する構成となっている。なお、走行装置Dは車輪式に換えてクローラ式に構成することもできる。
【0017】また、機体の操縦部Oとして歩行型の操縦ハンドル8をその左右のグリップ部9,9が機体後端に位置するように機体後部に設けている。操縦ハンドル8のグリップ部9,9から前側に延びるハンドルフレーム10は下方に傾斜して前方に延び基部がミッションケース5に固着している。また、操縦ハンドル8のグリップ部9,9には、操縦者の握り操作により操作されるサイドクラッチレバー11,11を左右に設けていて、これにより左右の車輪3,3への伝動を個々に遮断することができ機体の旋回が容易に行える。更に、抜取り搬送装置2への伝動を断接するクラッチの操作を行う操作レバー12や、エンジン4からミッションケース5への伝動を断接するクラッチの操作を行う操作レバー13を配置した操作部14を操縦ハンドル8のグリップ部9,9の近傍に設けている。
【0018】次に、作業部Wについて説明する。作業部Wには、作業走行中に作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取る抜取り搬送装置2と、該抜取り搬送装置2より上側で作物体Pを挟んで上方に搬送する上部搬送装置15とを設けている。
【0019】従って、走行装置Dによって機体が圃場Gを走行し、そして、圃場Gの作物体Pを抜取るべく機体が作物体Pに向かって作業走行していくと、抜取り搬送装置2が、作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取る。また、その抜取り搬送装置2より上側に設けた上部搬送装置2は、作物体Pの根本側の茎部aより上側を挟んで上方に搬送する。よって、枝豆等の作物体Pを圃場Gから抜取るという収穫作業を、従来人力によっていたものを機械によって行えるようになり、当該作業の省力化が図れる。しかも、抜取り搬送装置2が作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取るので、最終収穫物Bを挟んで損傷を与えることが少ない。また、作物体Pの根本側の茎部aは抜取り搬送装置2に挟まれて搬送されるが、その上側部分bは、上部搬送装置15によって挟まれて搬送される。よって、作物体Pを適正な姿勢で抜取って上方に搬送できるようになり、抜取り搬送中に作物体Pが左右方向に或は前後方向に倒れることによって最終収穫物Bが搬送装置や他の機体部材に引っかかって損傷を受けるという事態が生じ難くなる。
【0020】なお、抜取り搬送装置2と上部搬送装置15とは作物体Pを機体に対して斜め後上方へ搬送するが、両搬送装置2,15の搬送速度は略同速度となるよう設定する。また、両搬送装置2,15の斜め後上方への搬送速度のうち機体後方水平方向の速度成分の大きさは、走行装置Dによる機体前方水平方向への作業走行速度の大きさと略同じ大きさとなるよう設定する。このように設定すると、作業走行中、作物体Pは、抜取り搬送装置2と上部搬送装置15によって、圃場Gに対して前後に倒れないで略垂直上方向きに搬送されるようになる。
【0021】また、上部搬送装置15の搬送体16,16の搬送始端部S1,S1が抜取り搬送装置2の搬送体17,17の搬送始端部S2,S2と同位置或はそれより作業走行方向dに対し後側に位置するよう設けている。ここで、上部搬送装置15の搬送体16,16の搬送始端部S1,S1は、上部搬送装置15が作物体Pを機体前方側から後方側に搬送するときの搬送体16,16の搬送作用状態が始まる箇所であり、抜取り搬送装置2の搬送体17,17の搬送始端部S2,S2は、抜取り搬送装置2が作物体Pを機体前方側から後方側に搬送するときの搬送体17,17の搬送作用状態が始まる箇所である。従って、作物体Pは、抜取り搬送装置2によってその根本側の茎部aが挟まれてから上部搬送装置15の搬送作用を受けることになる。よって、抜取り搬送装置2によって作物体Pが抜取り作用を受ける前に上部搬送装置15によって上方に引き上げられて最終収穫物Bがそぎ落とされるという事態の発生を回避できる。
【0022】更に、抜取り搬送装置2の搬送体17,17を左右に並べて配置した搬送ベルトで構成して、該搬送ベルト17,17の左右内側のベルト外周面を互いに接触或は近接させて設け、上部搬送装置15の搬送体16,16を抜取り搬送装置2の上側で左右に並べて配置した搬送ベルトで構成して、該搬送ベルト16,16の左右内側のベルト外周面を抜取り搬送装置2の搬送ベルト17,17の左右内側の間隔よりも広い間隔で、具体的には、作物体Pの茎部aの横幅よりは広く作物体全体の横幅よりは若干狭い間隔で、互いに離間させて設けている。
【0023】従って、抜取り搬送装置2の左右搬送ベルト17,17は、作物体Pの根本側の茎部aを適確に挟んで上方に搬送し作物体Pを圃場Gから確実に抜取る。しかも、上部搬送装置15の搬送体16,16は、作物体Pの根本側の茎部aより上側部分b、即ち、最終収穫物Bが多く付いている部分を挟んで上方に搬送するが最終収穫物Bへの損傷は生じ難いものとなる。
【0024】また、上部搬送装置15の左右搬送ベルト16,16のベルト外周面に複数のラグ16a・・・;16a・・・を設けている。従って、その複数のラグ16a・・・;16a・・・が作物体Pの茂った枝葉部分に入り込んで引っかかり、作物体Pの横幅の大小に関わらず適確に作物体Pを搬送できる。
【0025】以下、作業部Wの具体的な構成を説明する。作業部Wは、機体前部に配置していて、ミッションケース5の前部から斜め前側上方に延びる左右2本の伝動フレーム18,18と、ミッションケース4の前部から斜め前側下方に延びる左右2本の支持フレーム19,19との各先端部に取り付けている。
【0026】抜取り搬送装置2は、上側のプーリ20,20と下側のプーリ21,21、そしてテンションプーリ22,22;22,22に搬送ベルト17,17を巻き掛け、上側のプーリ20,20の駆動回転により左右の搬送ベルト17,17が駆動回転する構成としている。左右の搬送ベルト17,17は、その左右内側のベルト外周面が前側から後側へ移動する方向に回転する。この左右の搬送ベルト17,17を駆動回転する伝動構成を説明すると、まず、ミッションケース5内の動力が、前記左右伝動フレーム18,18内の駆動軸23,23に伝動し、該駆動軸23,23の先端側部分に一体回転するよう取り付けた抜取り搬送装置2の上側のプーリ20,20が回転する。該プーリ20,20から上方に突出した駆動軸23,23の先端部が、抜取り搬送装置2の上面(上下のプーリ20,20;21,21と搬送ベルト17,17の上面側を覆う平板部材の上面)に固定した第一伝動ケース24,24内に入り込んで、その先端部にスプロケット25,25を一体回転するよう取り付けている。左右の第一伝動ケース24,24は、駆動軸23,23から左右斜め外側上方に延びるよう設けていて、その上端側部分の上面に、伝動軸26,26を内装し上方に延びる第二伝動ケース27,27を固定している。該第二伝動ケース27,27内の伝動軸26,26の下端部は第一伝動ケース24,24内に入り込んで、その下端部にスプロケット28,28を一体回転するよう取り付け、該スプロケット28,28と前記駆動軸23,23先端部のスプロケット25,25とに伝動チェン29,29をかける。伝動軸26,26の上端部には、上部搬送装置15の上側のプーリ30,30を一体回転するように取り付ける。上部搬送装置15は、上側のプーリ30,30と下側のプーリ31,31に搬送ベルト16,16を巻き掛け、上側のプーリ30,30の駆動回転により左右の搬送ベルト16,16が駆動回転する構成としている。従って、ミッションケース5内の動力が駆動軸23,23を介して抜取り搬送装置2に伝動し、これにより上側のプーリ20,20が駆動回転されて搬送ベルト17,17が駆動回転される。また、駆動軸23,23を伝動する動力は、第一伝動ケース24,24及び第二伝動ケース27,27内の前記伝動手段(スプロケット25,25;28,28、伝動チェン29,29、伝動軸26,26)を介して上部搬送装置15に伝動し、これによりその上側のプーリ30,30が駆動回転されて搬送ベルト16,16が駆動回転される。上部搬送装置15の下側のプーリ31,31は、抜取り搬送装置2の下部上面に固定された支持部材32,32に支持されている。
【0027】なお、前記のように、上部搬送装置15の搬送体16,16の左右内側のベルト外周面を抜取り搬送装置2の搬送ベルト17,17の左右内側の間隔よりも広い間隔で互いに離間させて設けているので、上部搬送装置15の上側のプーリ30,30の駆動軸となる伝動軸26,26は、抜取り搬送装置2の上側のプーリ20,20を駆動回転する駆動軸23,23より左右外側に配置されることになる。そして、抜取り搬送装置2の上側のプーリ20,20を駆動回転する駆動軸23,23から左右外側方向に伝動する第一伝動部と上方向に伝動する第二伝動部とを介して上部搬送装置15の上側のプーリ30,30に伝動する構成とすれば、上部搬送装置15の駆動構成は簡略なものとなる。さらに、左右外側方向に伝動する第一伝動部(上例では第一伝動ケース24,24)を抜取り搬送装置2の上面側に設け、その第一伝動部の上面側に第二伝動部(上例では第二伝動ケース27,27)を連設する構成とすることで、図5に示すように、搬送される作物体Pが通過する空間を充分に確保でき、第一伝動部(第一伝動ケース24,24)及び第二伝動部(第二伝動ケース27,27)が作物体Pの通過時に妨げにならず、作物体Pが良好に搬送されるようになって、作業が良好に行える。
【0028】また、上記の如く構成した上部搬送装置15の搬送体16,16の搬送始端部S1,S1、即ち、上部搬送装置15が作物体Pを機体前方側から後方側に搬送するときの搬送体16,16の搬送作用状態が始まる箇所は、上部搬送装置15の下側の左右プーリ31,31の各支軸32,32の軸心を左右に互いに結ぶ線と、左右中央側の搬送ベルト16,16の外周面とが交差する部分となる。ここから左右中央側の搬送ベルト16,16は略同間隔で斜め上方後方へ移動し、作物体Pを挟んで搬送する。また、抜取り搬送装置2の搬送体17,17の搬送始端部S2,S2、即ち、抜取り搬送装置2が作物体Pを機体前方側から後方側に搬送するときの搬送体17,17の搬送作用状態が始まる箇所は、抜取り搬送装置2の下側の左右プーリ21,21の各支軸33,33の軸心を左右に互いに結ぶ線と、左右中央側の搬送ベルト17,17の外周面とが交差する部分となる。ここから左右中央側の搬送ベルト17,17が互いに接触或は近接して斜め上方後方へ移動し、作物体Pの根本側の茎部aを挟んで搬送する。
【0029】抜取り搬送装置2の左右の搬送ベルト17,17の下端部は、畝Uの上面の上方近傍に位置するように配置し、機体が走行装置Dによって畝Uを跨いだ状態で前進すると、抜取り搬送装置2の左右の搬送ベルト17,17の両下端部(搬送始端部S2,S2)間に、圃場Gの畝U上に生育する作物体Pの地上部分の根本側の茎部aが入り込んで挟まれ保持されるようになる。この状態で、機体が走行装置Dによって前進しながら左右の搬送ベルト17,17の作物体Pを挟んでいる部分が斜め上方後方に移動するように駆動回転され、これにより畝U上に生育する作物体Pが圃場Gから抜取られて上方に搬送されていくことになる。
【0030】作業部Wの前部下側左右には、作業部Wを圃場Gに支持させる支持体(ここでは転動自在な支持輪)34,34を設けている。この支持体34,34を設けたことにより、抜取り搬送装置2が畝U上に生育する作物体Pを挟んで上方に搬送することによって作物体Pを畝Uから抜取るときに作業部Wが下降しようとするのを、この支持体34,34で突っ張るようにして作業部Wを支持することができる。これにより、抜取り搬送装置2の搬送始端部S2,S2の畝Uに対する高さを設定高さに保持でき、抜取り搬送装置2の搬送ベルト17,17の搬送始端部S2,S2間に挟まれる作物体Pの個所を設定個所に保持できて、作物体Pを挟み込んで上方に搬送し抜取っていく作業が良好に行える。また、上記支持体34,34は、機体前後方向で搬送ベルト17,17の搬送始端部S2,S2と同位置或はその近傍個所で圃場面に接地するので、搬送装置2の搬送始端部S2,S2の畝Uに対する高さを設定高さに保持するのが適確に行える。更に、この支持体34,34は、操縦部Oの操縦ハンドル8の近傍に設けた操作具35で高さ調節可能に構成している。具体的には、支持フレーム19,19に回動自在に支持した横軸36の左右両端部にアーム37,37を固着し、このアーム37,37の先端部に支持輪34,34を回転自在に取り付けている。そして、前記横軸36の左右中間部に下方に延びるアーム38を固着し、このアーム38の下端部にロッド39を連結している。ロッド39は操縦ハンドル8に向かって延び、その後端部をハンドルフレーム10に固着した支持部材40にて摺動自在に支持している。ロッド39の後端部の外周面はネジ切りしており、これに支持部材40に対して軸心方向には移動不能で軸心周りには回転自在とした調節ロッド41の軸心側中空部内面に形成したねじ切り部が嵌合している。調節ロッド41の後端部に回転ハンドルの態様に形成した操作具35を取り付けている。この操作具35を回転操作して調節ロッド41をそのロッド軸心周り回転すると、前記ロッド39の後端部が調節ロッド41のねじ嵌合部に出入りし、よって、前記アーム38が前後に回動して横軸36、前記アーム37,37が回動し、支持輪34,34が上下高さ調節される。
【0031】なお、走行装置Dの左右車輪3,3は、互いに異なる高さに調節可能に構成しており、傾斜地で機体の左右方向の姿勢を適宜修正することができるようになっている。図示例では、操作レバー42にて手動で行えるように構成しているが、油圧シリンダ等の駆動装置を用いて調節するように構成してもよい。
【0032】また、図示例では、上部搬送装置15の上側に作物体Pの左右を支持する支持体43を設けている。この支持体43は、具体的には、上部搬送装置15の左右の搬送ベルト16,16の上側面を覆う平板状のカバー体の上面に固着されて起立する支持部材44,44に、上部搬送装置15の左右の搬送ベルト16,16の左右中央側部分の上方位置で上部搬送装置15の搬送方向に延びる棒状の支持体フレーム45,45を取付けて設けている。この支持体43の支持体フレーム45,45は、作物体Pにあって上部搬送装置15に挟まれている部分より更に上側部分を左右から支持する。よって、作物体Pが背の高い状態であっても作物体Pの上部が搬送中に左右に倒れることがなく良好に作物体Pが搬送され、能率良く作業が行える。また、左右の支持体フレーム45,45は、その前部がそれぞれ左右外側方に屈曲した形状に形成していて、円滑に作物体Pが支持体フレーム45,45間に入っていくようになっている。また、後部は、機体側方、この実施例では、左側方に屈曲した形状に形成していて、抜取り搬送装置2から排出される作物体Pが機体側方に排出されやすいようになっている。
【0033】また、抜取り搬送装置2の先端部の上側を覆うように前下り姿勢の左右ガイド体46,46を設けている。この左右ガイド体46,46の前端部は、抜取り搬送装置2の先端部より前側且つ下方に延びていて、作業走行時には、作物体Pの根本側の茎部aの左右側方に入り込んで、その茎部aの左右側の作物体Pの下部側を左右ガイド体46,46の上面板部分47,47にて持上げていくようになっている。これにより、抜取り搬送装置2が作物体Pの根本側の茎部aを挟むときに圃場面近くの最終収穫物Bを一緒に挟まないようになり、抜取り搬送装置2による最終収穫物Bの損傷が生じにくくなる。
【0034】抜取り搬送装置2から排出される作物体Pは、機体側方に屈曲する支持体フレーム45,45の後部に案内されて機体側方の圃場Gに落ちていくか、抜取り搬送装置2の後部に設けた受け台48上に受けられていく。受け台48上に作物体Pがたまった場合は、作業者が手で圃場G上に落としていく。
【0035】以下、収穫機1の作用を説明する。この収穫機1は、走行装置Dによって機体が圃場Gを走行し、そして、圃場Gの作物体Pを抜取るべく機体が作物体Pに向かって作業走行していくと、抜取り搬送装置2が、作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取る。また、その抜取り搬送装置2より上側に設けた上部搬送装置15は、作物体Pの根本側の茎部aより上側を挟んで上方に搬送する。
【0036】更に、上部搬送装置15の搬送体16,16の搬送始端部S1が抜取り搬送装置2の搬送体17,17の搬送始端部S2と同位置或はそれより作業走行方向に対し後側に位置するので、作物体Pは、抜取り搬送装置2によってその根本側の茎部aが挟まれてから上部搬送装置15の搬送作用を受けることになる。
【0037】また、前記抜取り搬送装置2の搬送体を左右に並べて配置した搬送ベルト17,17で構成して、該搬送ベルト17,17の左右内側のベルト外周面を互いに接触或は近接させて設けたので、抜取り搬送装置2の左右搬送ベルト17,17は、作物体Pの根本側の茎部aを適確に挟んで上方に搬送し作物体Pを圃場Gから確実に抜取る。しかも、前記上部搬送装置15の搬送体を前記抜取り搬送装置2の上側で左右に並べて配置した搬送ベルト16,16で構成して、該搬送ベルト16,16の左右内側のベルト外周面を抜取り搬送装置2の搬送ベルト17,17の左右内側の間隔よりも広い間隔で互いに離間させて設けたので、上部搬送装置15の左右搬送ベルト16,16は、作物体Pの根本側の茎部aより上側部分、即ち、最終収穫物Bが多く付いている部分を挟んで上方に搬送するが最終収穫物Bへの損傷は生じ難い。
【0038】そして、上部搬送装置15の左右搬送ベルト16,16に、該ベルト回転域の外方に突出するラグ16a・・・,16a・・・を複数設けたものなので、その複数のラグ16a・・・,16a・・・が作物体Pの茂った枝葉部分に入り込んで引っかかり、作物体Pの横幅の大小に関わらず適確に作物体Pを搬送できる。
【0039】よって、この収穫機1は、枝豆等の作物体Pを圃場Gから抜取るという収穫作業を、従来人力によっていたものを機械によって行えるようになり、当該作業の省力化が図れる。しかも、抜取り搬送装置2が作物体Pの根本側の茎部aを挟んで上方に搬送して作物体Pを圃場Gから抜取るので、最終収穫物Bを挟んで損傷を与えることが少ない。また、作物体Pの根本側の茎部aは抜取り搬送装置2に挟まれて搬送されるが、その上側部分は、上部搬送装置15によって挟まれて搬送される。よって、作物体Pを適正な姿勢で抜取って上方に搬送できるようになり、抜取り搬送中に作物体Pが左右方向に或は前後方向に倒れることによって最終収穫物Bが抜取り搬送装置2や他の機体部材に引っかかって損傷を受けるという事態が生じ難くなる。
【0040】そして、上部搬送装置15の搬送体16,16の搬送始端部S1が抜取り搬送装置2の搬送体17,17の搬送始端部S2と同位置或はそれより作業走行方向に対し後側に位置するので、抜取り搬送装置2によって作物体Pが抜取り作用を受ける前に上部搬送装置15によって上方に引き上げられて最終収穫物Bがそぎ落とされるという事態の発生を回避できる。
【0041】また、抜取り搬送装置2の左右搬送ベルト17,17の左右内側のベルト外周面を互いに接触或は近接させて設けたので、作物体Pを圃場Gから確実に抜取ることができ、しかも、上部搬送装置15の左右搬送ベルト16,16の左右内側のベルト外周面を広い間隔で互いに離間させて設けたので、最終収穫物Bが多く付いている部分を挟んで上方に搬送しつつも最終収穫物Bへの損傷は生じ難いものとなる。
【0042】更に、上部搬送装置15の左右搬送ベルト16,16に、該ベルト回転域の外方に突出するラグ16a・・・,16a・・・を複数設けたものなので、作物体Pの横幅の大小に関わらず適確に作物体Pを搬送できる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成13年4月2日(2001.4.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−291317(P2002−291317A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−103524(P2001−103524)