| 【発明の名称】 |
動力農機の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉邨 文夫
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| 【要約】 |
【課題】コントローラと入出力系を結ぶハーネスの長さを短くして重量の軽減化と配索の容易化を図ることを目的とする。
【解決手段】個々の制御機能に応じた複数個のコントローラを機体に搭載して設け、これらのコントローラ間を高速通信回線で接続する一方、センサあるいはスイッチ類の入力信号系の一部と、リレーあるいはソレノイド等の出力信号系の一部とをそれらの制御機能に関係なく近くのコントローラに接続する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】個々の制御機能に応じた複数個のコントローラを機体に搭載して設け、各コントローラは制御機能に関係する自コントローラ用の信号と制御機能に関係のない他コントローラ用信号とを取り込むように構成すると共に、取り込んだ他コントローラ用の信号を高速通信回線を介して他コントローラに送信すべく構成したことを特徴とする動力農機の制御装置。 【請求項2】 各コントローラから送信されるデータに固有の識別子が設けられていることを特徴とする請求項1 記載の動力農機の制御装置。 【請求項3】少なくとも1つのコントローラと、表示装置を有するメータとを低速若しくは高速の通信ラインを介して接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動力農機の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン、トラクター、田植機等の動力農機の制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、動力農機においては、走行部や作業部部の作動を制御するための制御装置が設けられ、これらは複数個のコントローラで制御されることが多い。その場合、各コントローラには夫々の機能に応じたセンサやスイッチ類、アクチュエータ類が接続され、又コントローラ同士は通信により相互にデータを交換しあうように構成している。 【0003】例えば、コンバインにおいては、車体水平制御を司るコントローラの入力側に機体の傾きを検知する傾斜センサを接続すると共に、出力側には車体の姿勢を水平に制御する油圧シリンダ等のアクチュエータ類を接続し、さらにグレンタンクに収容されている穀粒を機外に排出するオーガの姿勢を制御するコントローラの入力側にはオーガの長さを検出するオーガストロークセンサやオーガ旋回角度を検出するポテンショメータといった各種センサ類が接続され、出力側にはオーガの姿勢やオーガ伸縮長さをコントロールするアクチュエータ類が接続されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来のコンバインにあっては、制御機能別に複数個のコントローラを機体の適所に設け、これらのコントローラには夫々その制御機能に応じた各種センサーやアクチュエータ類を接続する形態を採用していた。 【0005】例えば、機体の適当な個所に設置された方向制御用のコントローラには機体の進行方向のずれを検出する方向センサや機体の向きを修正するサイドクラッチ制御用の油圧シリンダを接続し、また、別のオーガ制御用のコントローラにはそのオーガ制御だけに利用するセンサやアクチュエータを接続する構成を採用していた。 【0006】このように、従来は、機能別に区分された複数個のコントローラとそれに対応する入力系及び出力系を長いハーネスで結ぶ方式を採用していたので、コントローラを配置する場所によっては、コントローラから入力系を構成するセンサまでの距離が長くなり、あるいは出力系を構成するアクチュエータまでの距離が必要以上に長くなることがあり、この結果、ハーネスが長くなってその重量が重くなったりまた配索自体も複雑になるといった不具合があったのである。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は、このような問題点を解消するために提案するものであって、次のような技術的手段を講じた。即ち、請求項1記載の本発明では、個々の制御機能に応じた複数個のコントローラを機体に搭載して設け、各コントローラは制御機能に関係する自コントローラ用の信号と制御機能に関係のない他コントローラ用信号とを取り込むように構成すると共に、取り込んだ他コントローラ用の信号を高速通信回線を介して他コントローラに送信すべく構成したことを特徴とする動力農機の制御装置の構成とした。 【0008】また、請求項2記載の本発明では、各コントローラから送信されるデータに固有の識別子が設けられていることを特徴とする請求項1 記載の動力農機の制御装置の構成とした。また、請求項3の発明では、少なくとも1つのコントローラと、表示装置を有するメータとを低速若しくは高速の通信ラインを介して接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動力農機の制御装置とした。 【0009】 【作用】エンジンを始動して作業を開始すると機体に搭載した各コントローラは自コントローラの機能に応じた制御を開始する。即ち、オーガ制御を司るコントローラはオーガの旋回制御やオーガズームの伸縮制御を実行し、脱穀・車体水平・旋回制御を司るコントローラは脱穀選別制御、車体水平制御、スピンマイルド制御を各々実行する。この場合において、各コントローラには自コントローラ専用のスイッチ、センサ類、アクチュエータといった入出力系だけでなく他コントローラ用の入出力系が接続されている。このため、他コントローラから送信されてくる制御データのうち、自コントローラに必要なデータのみを高速通信回線を介して他コントローラから読み込む。同時に自コントローラに接続されているスイッチやセンサが得た制御データのうち、他コントローラ用のものは高速通信回線を介して他コントローラに送信する。 【0010】 【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明に係るコンバイン1を示しており、このコンバイン1の機体フレーム2の下部に左右一対のクローラ式の走行部3,3 を配設し、機体フレーム2の前端に刈取部4を昇降自在に取付けるとともに、同刈取部4の直後方位置に脱穀部5を設け、同脱穀部5の直後方位置に排藁処理部6を設ける一方、機体フレーム2の右側前部に運転部7を設け、同運転部7の直後方位置にグレンタンク8を設けている。9は脱穀部5の左側上部に設けたフィードチェンである。刈取部4で刈り取られた穀稈は縦搬送装置、フィードチェン9を介して脱穀部5に送られ、ここで脱穀された穀粒はグレンタンク8内に回収され、排藁は排藁処理部6で処理されて機外に排出される。 【0011】グレンタンク8内に収容されている穀粒は昇降及び左右旋回可能且つ伸縮長さ調整可能なオーガ10によってトラックの荷台や穀粒袋に回収される。図2はコンバイン1に搭載されるコントローラと各種センサ、アクチュエータとの関係を説明したブロック図である。 【0012】同図により具体構成を説明すると、コンバイン1の機体フレーム2上には機体の前側からこの順で前部コントローラ12、中間部コントローラ14、後部コントローラ16が搭載されている。前部コントローラ12は扱ぎ深さ制御や機体の方向制御、刈高さ制御、エンジンの回転制御を司るコントローラで、この前部コントローラ12には、この前部コントローラ12による制御だけでなく、中間部コントローラ14と後部コントローラ16の制御に必要なソレノイドバルブ17と、前記3つのコントローラ12,14,16の制御に必要な操作席スイッチ18が接続されている。この操作席スイッチ18の中にはオーガ10を旋回させたり上下させるスイッチが含まれる。即ち、後部コントローラ16に関連するスイッチもこの前部コントローラ12に接続されている。さらに、刈取部センサ19、刈取部リレー20、操作席部リレー21、メータ22がこの前部コントローラ12に接続されている。なお、この前部コントローラ12と表示装置を有するメータ22とは低速通信回線24を介して接続される。 【0013】機体の中央部に配設された中間部コントローラ14は脱穀制御、車体水平制御、スピンマイルド制御を司るコントローラでこの中間部コントローラ14には脱穀部センサ26、脱穀制御用リレー27、車体水平用センサ28が接続されている。脱穀部センサ26の中には選別センサやシーブの角度を検出するポテンショメータ等が含まれ、脱穀制御用リレー27にはシーブ角度を調整するモータリレー等がある。 【0014】そして、機体後部には後部コントローラ16が搭載され、この後部コントローラ16にはオーガ10を制御するためのオーガ部センサ29とオーガ用リレー30が接続されている。3つのコントローラ12,14,16は高速通信回線33を介して接続される。 【0015】図3は1つのコントローラの構成を示すものである。前部コントローラ12、中間部コントローラ14、後部コントローラ16はいずれも同一の通信機能を持つ。コントローラの構成は3つとも同じハード構成のため前部コントローラ12についてのみ説明を行なう。この前部コントローラ12にはCPUを有するマイクロコンピュータ34が設けられ、マイクロコンピュータ34には入力インタフェース35と出力インタフェース36が接続され、入力インタフェース35にはセンサ類が、また出力インタフェース36には制御アクチュエータ類が接続されている。さらに前記マイクロコンピュータ34には通信データを一時的に蓄えておく通信データ用バッファ37と通信コントローラ38が接続されている。 【0016】通信コントローラ38には送信バッファ39を介して送信ライン41に接続され、受信ブッファ40を介して受信ライン42と接続されている。図4は各コントローラ12,14,16間の通信処理に関するメインの制御フローチャートであり、図5は通信バッファ読込みのフローチャート、図6は通信バッファ書出しのフローチャートである。 【0017】図4におけるコントローラの処理について説明すると、各コントローラ12,14,16ではマイクロコンピュータ34に接続されているセンサやスイッチ類の状態が読み込まれ(ステップS1)、通信データ用バッファ37に格納されているデータの読込と他のコントローラに送信するデータの書出しが行なわれる(ステップS2,S3)。続いて、そのコントローラによる制御がなされ、例えば後部コントローラ16であればオーガ旋回制御やオーガズーム制御が行なわれ(ステップS4)、出力インタフェース36からオーガ旋回モータやリレーに対して制御用の出力信号が出される(ステップS5)。 【0018】図7は各コントローラ12,14,16の送受信データの区分を示したものである。いずれのコントローラのデータのヘッド部には識別子が付与されていて、この識別子といっしょに制御データや各種データを送信すると共に送信データの誤りをチェックするCRCを送信する構成としている。 【0019】他のコントローラから送信されたデータを受信する際には、受信側は予め受信設定した識別子のデータのみを必要なデータとして通信データバッファ37に書き込み、その取り込んだデータを受信側のコントローラで制御するようにしている。図8は3つのコントローラ12,14,16のデータ送信の様子を示したものである。横軸に時間を取り、各時点で優先順位の高いデータが各コントローラから送信されるようにしている。 【0020】なお、先にも述べたように各コントローラ12,14,16は同一の通信ハードウェア構成を持つように設定したので、通信プログラムを略同一にすることができ、開発コストの削減に寄与できる。そして、データには識別子が付与されているために、他のコントローラから送信されてきたデータのうち、自コントローラに必要なデータのみを簡単に識別して通信データバッファ37に取り込むことができ、制御処理に大きな負担をかけることなく且つ高い信頼性のもとに通信処理を迅速に行なうことができるものである。 【0021】また、各コントローラ12,14,16を高速通信回線で結んで個々の制御を実行させると共に、前部コントローラ12には低速通信回線24を介してメータ22に接続しているので、コストを抑えた表示システムの構築が可能である。なお、メータ22を液晶表示タイプのもので構成し、表示切替を速く行なう場合には、メータ22と前部コントローラ12とを高速回線で結べばよい。 【0022】次に図8乃至図13に基づいて他の実施例の構成について説明する。以下に示す例は電話回線網を利用して動力農機の状態に関する情報を施設や農機センタに設置したパソコン等に伝えるようにしたものである。図8において、コンバイン1には3個のコントローラ45,46,47が搭載されており、コントローラ同士は車内LAN48で結ばれ、コントローラ45にはGPS受信装置44がと回線接続装置49が接続されている。 【0023】この回線接続装置49と農機センタに設置したパソコン50とは回線網51を介して接続されている。図9はコントローラ45のブロック図である。このコントローラ45のマイクロコンピュータ52部には入力インタフェース53を介してセンサ55、スイッチ56及びGPS受信装置44が接続される。この入力インタフェース53とは別に設けたLANインタフェース54を介してコントローラ46,47が接続される。マイクロコンピュータ52の出力側には出力インタフェース58を介してソレノイド59やリレー60が接続される。 【0024】このようにコンバイン1にGPS受信装置44が搭載されると共にその位置情報が回線網51を介してセンタのパソコン50に入力されるようにしているので、簡単にコンバイン1の位置を知ることができて便利である。図11はコンバイン1からセンタに送信する際のデータである。送信するデータの中には燃料に関するもの、位置に関するもの、その他故障の原因と故障個所を示す故障情報、コンバインの製造番号が設定されており、センタとコンバイン1とを回線網51を介して接続すると、センタ側でそのコンバイン1を直ちに識別できると共にそのコンバイン1に関する過去のデータ、例えば、修理や点検整備に関する情報をセンタでタイムリーに検索することができるのである。 【0025】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、請求項1記載の発明では、個々の制御機能に応じた複数個のコントローラを機体に搭載して設け、各コントローラは制御機能に関係する自コントローラ用の信号と制御機能に関係のない他コントローラ用信号とを取り込むように構成すると共に、取り込んだ他コントローラ用の信号を高速通信回線を介して他コントローラに送信すべく構成したことを特徴とする動力農機の制御装置としたので、制御機能に関係なく機体の各所に設けられたスイッチやセンサをそれらに近いコントローラに接続すれば良く、これによりハーネスも短くなって重量も軽くなり、配索も簡単になる。また、請求項2の発明は、各コントローラから送信されるデータに固有の識別子が設けられていることを特徴とするものであるから、受信する側のコントローラでは予め受信設定した識別子のデータのみを取り込み、このデータを通信データバッファ37に取り込めばよいので、制御処理にあまり負担を掛けることなく通信処理を良好に行なうことができる。また、請求項3の発明は、少なくとも1つのコントローラと表示装置を有するメータとを低速若しくは高速の通信ラインを介して接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動力農機の制御装置としたものであるから、低速通信回線を利用すればあまり高速性を要求されないメータの表示システムを廉価に構築できる特徴があり、高速通信回線を利用すれば複雑な液晶表示でも瞬時に切換えが行なえる特徴がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−291316(P2002−291316A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月8日(2002.10.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−100915(P2001−100915) |
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