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【発明の名称】 刈払機に用いる刈払いヘッド
【発明者】 【氏名】杉原 秀雄

【氏名】富田 一

【要約】 【課題】操作部材の磨耗を抑制することができるとともに、部品点数を少なくして製造及び組み付け作業を容易に行うことができ、保護部材の脱落・飛散を防止することができる刈払機に用いる刈払いヘッドを提供する。

【解決手段】ケース17内にリール21を間欠的に相対回動可能に収容する。ボビン22の下端部に対しカッターコード23を巻き戻すための操作部材24を連結する。前記操作部材24を常にはケース17から突出する方向に付勢するバネ26を設ける。前記操作部材24を樹脂材により成形する際、その底部24bに金属材よりなる保護部材27をインサート成形し、該保護部材27のバネ受け片27cを前記底部24bの上面に延出してバネ26の受け座を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈払機の操作棹(11)の先端部に設けた回転軸(13)に対し、取り外し可能に装着されるケース(17)と、このケース(17)に装着された刈払い具(23,33)とを備えた刈払いヘッド(14)において、前記ケース(17)の底部(16,32)又は該底部(16,32)に設けられた接地部材(24,32a)を樹脂材により成形する際、その底部(16,32)又は接地部材(24,32a)に前記樹脂材よりも耐磨耗性に優れた材料よりなる保護部材(27)をインサート成形した刈払機に用いる刈払いヘッド。
【請求項2】 請求項1において、刈払いヘッド(14)は、前記ケース(17) 内に収容され、かつ刈払い具としてのカッターコード(23)を巻着したリール(21)と、上記リール(21)の中心部に位置して前記リール(21)をケース(17)に対し所定角度だけ相対回動させて、カッターコード(23)を巻き戻すようにした接地部材としての操作部材(24)と、前記操作部材(24)を常にはケース(17)から突出する方向に付勢する付勢手段(26)と、前記操作部材(24)の操作によりケース(17)に対するリール(21)の回動位相角を変更し得る位相角変更機構(28)を備え、前記操作部材(24)を樹脂材により形成し、その底部(24b)に耐磨耗性に優れた材料よりなる保護部材(27)をインサート成形した刈払機に用いる刈払いヘッド。
【請求項3】 請求項2において、前記保護部材(27)の一部は前記底部(24b)の上面に延出して付勢手段(26)の受け座(27c)を形成した刈払機に用いる刈払いヘッド。
【請求項4】 請求項2において、前記保護部材(27)の一部は前記底部(24b)を貫通してその上方に突出された複数の係止片(27e)と、その上端縁に形成され、かつ前記付勢手段としてのコイル状のバネ(26)を係止する係止爪(27f)とにより構成されている刈払機に用いる刈払いヘッド。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において、前記保護部材(27)は金属板をプレス成形したものである刈払機に用いる刈払いヘッド。
【請求項6】 請求項2〜4のいずれか一項において、前記保護部材(27)は操作部材(24)の底部(24b)の外表面に露出される保護板部(27a)と、該保護板部(27a)の外周に複数箇所に切り起こし形成された起立片(27b)と、各起立片(27b)の上端部に外側方へ折り曲げ形成され、かつ前記底部(24b)の上面に露出するようにした受け座としての複数のバネ受け片(27c)と、前記起立片(27b)の間において上方に折り曲げ形成され、かつ底部(24b)の外周面に露出する複数の側部カバー片(27d)とにより構成されている刈払機に用いる刈払いヘッド。
【請求項7】 請求項2〜4のいずれか一項において、前記保護部材(27)は操作部材(24)の底部(24b)の外表面に露出される保護板部(27a)と、該保護板部(27a)の外周に形成された筒状部(27b’)と、筒状部(27b’)の上端部において側方へ折り曲げ形成され、かつ前記底部(24b)の上面に露出するようにした複数のバネ受け片(27c)と、前記バネ受け片(27c)の間において折り曲げ形成され、かつ前記付勢手段としてのコイル状のバネ(26)を係止する係止片(27e)及び係止爪(27f)とにより構成されている刈払機に用いる刈払いヘッド。
【請求項8】 請求項2〜4のいずれか一項において、前記保護部材(27)は上下方向から重ね合わせて連結された二つの構成要素からなり、第一の要素は、保護板部(27a)と、その外周縁に上方に折り曲げ形成された側部カバー片(27d)とからなり、第2の要素は保護板部(27a)と、その外周に上方に折り曲げ形成された筒状部(27b’)と、その上端周縁に外側方へ折り曲げ形成されたバネ受け片(27c)とにより構成されている刈払機に用いる刈払いヘッド。
【請求項9】 請求項2〜4のいずれか一項において、前記保護部材(27)は上下方向から重ね合わせて連結された三つの構成要素からなり、第一の要素は、保護板部(27a)と、その外周縁に上方に折り曲げ形成された側部カバー片(27d)とからなり、第2の要素は保護板部(27a)と、その外周に上方に折り曲げ形成された筒状部(27b’)と、その上端周縁に外側方へ折り曲げ形成されたバネ受け片(27c)とにより構成され、第3の要素は、保護板部(27a)と、その外周縁に複数箇所に上方に折り曲げ形成され、かつ前記付勢手段としてのコイル状のバネ(26)を係止するための係止片(27e)と、その上端縁に形成された係止爪(27f)とにより構成されている刈払機に用いる刈払いヘッド。
【請求項10】 請求項7〜9のいずれか一項において、前記筒状部(27b’)には、底部(24b)を形成する樹脂を内外から連結するための透孔(27i)が形成されている刈払機に用いる刈払いヘッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カッターを旋回させて草を刈る刈払機に用いる刈払いヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、カッターコード方式の刈払ヘッドは操作棹の先端部に設けたモータの回転軸に対し、取り外し可能に装着されたケースと、このケース内に収容されたカッターコードを巻着したリールとを備えている。前記リールの中心穴には操作部材が上下方向の移動可能に設けられ、この操作部材はコイル状のバネにより常にはケースから下方に突出するように付勢されている。さらに、前記操作部材の地面への打ち当て動作によりケースに対するリールの回動位相角を前記カッターコードの遠心力と協同して変更する位相角変更機構が設けられている。
【0003】従来のカッターコードを用いた刈払機は、作業時間が長くなると、カッターコードの先端が磨耗する。このため、草刈作業中に操作部材を地面に打ち当てたり、回転を停止して手動で操作部材を操作したりすることによりケースとリールとの間に設けられた位相角変更機構によりケースに対するリールの位相角を所定角度だけ相対回動させて、カッターコードを巻き戻し、カッターコードの長さを調節するようになっている。
【0004】上記の操作部材の構造として、従来次のようなものが提案されている。
(1)操作部材全体を合成樹脂で型成形する。
(2)合成樹脂製の操作部材の底部に開口を設け、その開口に金属製の保護部材を当接し、該保護部材に連結したネジを前記開口に挿通し、ナットにより保護部材を操作部材に締め付け固定する。(米国特許第4524515 参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来例(1)は、草刈作業に操作部材を地面接触させたり、操作部材の底部を地面に打ち当てる動作を繰り返したりしているうちに操作部材の底部が比較的早期に磨耗して、破損するという問題があった。
【0006】操作部材の底部が早期に磨耗すると、他の機能は正常であるにも係らず、部品全体を交換しなければならず、不経済であった。又、操作部材の底部を形成する樹脂の磨耗や飛散が多くなって、環境汚染の要因にもなっていた。
【0007】又、操作部材を下方に付勢するバネが操作部材の底部上面に接触しているので、底部上面がバネとの摺動により磨耗するという問題もあった。従来例(2)は、上記の操作部材の磨耗の問題を解消することができる反面、操作部材の打ち当て動作を繰り返し行うことにより、ネジが緩み、保護部材が脱落・飛散して非常に危険であるという問題があった。又、操作部材の底部バネ受け座の磨耗も進行し、保護部材の組み付けが面倒で難しいという問題があった。
【0008】本発明の目的は、操作部材の磨耗を抑制することができるとともに、部品点数を少なくして製造及び組み付け作業を容易に行うことができ、保護部材の脱落・飛散を防止することができる刈払機に用いる刈払いヘッドを提供することにある。
【0009】本発明の別の目的は、上記の目的に加えて、バネ受け座の磨耗を抑制することができる刈払機に用いる刈払いヘッドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、刈払機の操作棹の先端部に設けた回転軸に対し、取り外し可能に装着されるケースと、このケースに装着された刈払い具とを備えた刈払いヘッドにおいて、前記ケースの底部又は該底部に設けられた接地部材を樹脂材により形成する際、その底部又は接地部材に前記樹脂材よりも耐磨耗性に優れた材料よりなる保護部材をインサート成形したことを要旨とする。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1において、刈払いヘッドは、前記ケース内に収容され、かつ刈払い具としてのカッターコードを巻着したリールと、上記リールの中心部に位置して前記リールをケースに対し所定角度だけ相対回動させて、カッターコードを巻き戻すようにした接地部材としての操作部材と、前記操作部材を常にはケースから突出する方向に付勢する付勢手段と、前記操作部材の操作によりケースに対するリールの回動位相角を変更し得る位相角変更機構を備え、前記操作部材を樹脂材により形成し、その底部に耐磨耗性に優れた材料よりなる保護部材をインサート成形したことを要旨とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記保護部材の一部は前記底部の上面に延出して付勢手段の受け座を形成したことを要旨とする。請求項4に記載の発明は、請求項2において、前記保護部材の一部は前記底部を貫通してその上方に突出された複数の係止片と、その上端縁に形成され、かつ前記付勢手段としてのコイル状のバネを係止する係止爪とにより構成されていることを要旨とする。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記保護部材は金属板をプレス成形したものであることを要旨とする。請求項6に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項において、前記保護部材 は操作部材の底部の外表面に露出される保護板部と、該保護板部の外周に複数箇所に切り起こし形成された起立片と、各起立片の上端部に外側方へ折り曲げ形成され、かつ前記底部の上面に露出するようにした受け座としての複数のバネ受け片と、前記起立片の間において上方に折り曲げ形成され、かつ底部の外周面に露出する複数の側部カバー片とにより構成されていることを要旨とする。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項において、前記保護部材は操作部材の底部の外表面に露出される保護板部と、該保護板部の外周に形成された筒状部と、筒状部の上端部において側方へ折り曲げ形成され、かつ前記底部の上面に露出するようにした複数のバネ受け片と、前記バネ受け片の間において折り曲げ形成され、かつ前記付勢手段としてのコイル状のバネを係止する係止片及び係止爪とにより構成されていることを要旨とする。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項において、前記保護部材は上下方向から重ね合わせて連結された二つの構成要素からなり、第一の要素は、保護板部と、その外周縁に上方に折り曲げ形成された側部カバー片とからなり、第2の要素は保護板部と、その外周に上方に折り曲げ形成された筒状部と、その上端周縁に外側方へ折り曲げ形成されたバネ受け片とにより構成されていることを要旨とする。
【0016】請求項9に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項において、前記保護部材は上下方向から重ね合わせて連結された三つの構成要素からなり、第一の要素は、保護板部と、その外周縁に上方に折り曲げ形成された側部カバー片とからなり、第2の要素は保護板部と、その外周に上方に折り曲げ形成された筒状部と、その上端周縁に外側方へ折り曲げ形成されたバネ受け片とにより構成され、第3の要素は、保護板部と、その外周縁に複数箇所に上方に折り曲げ形成され、かつ前記付勢手段としてのコイル状のバネを係止するための係止片と、その上端縁に形成された係止爪とにより構成されていることを要旨とする。
【0017】請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか一項において、前記筒状部には、底部を形成する樹脂を内外から連結するための透孔が形成されていることを要旨とする。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明を具体化した刈払機に用いる刈払いヘッドの第1の実施形態を図1〜図9に従って説明する。
【0019】図1に示すように刈払機の操作棹11の先端部にはモータ12が下向きに固着されている。モータ12の回転軸13には、刈払いヘッド14が取り外し可能に装着されている。
【0020】刈払いヘッド14を構成する合成樹脂製の本体ケース15は、円筒部15aとその上端縁に一体形成された天板15bとにより有蓋円筒状に成形され、その下端開口部は例えば6ナイロン、66ナイロン等の合成樹脂製の蓋板16により閉鎖されている。前記本体ケース15と蓋板16によりケース17が構成されている。
【0021】前記本体ケース15の天板15bの中心部には前記回転軸13を貫通する挿通孔15cが設けられ、該挿通孔15cを囲繞するように天板15bの下面に一体形成した収容筒部15dには、ナット18が嵌合され、該ナット18に前記回転軸13が螺合されている。
【0022】図3に示すように前記本体ケース15の円筒部15a外周面には下端縁から二箇所(一箇所のみ図示)に係止片15eが切込み形成され、その下端外縁には係止爪15fが設けられている。一方、前記蓋板16は平板部16aとその外周縁に一体形成されたフランジ部16bとにより成形されている。前記平板部16aの中心部には穴16cが設けられ、前記フランジ部16bの内周面には前記本体ケース15側の係止爪15fを係止する係止凹部16dが形成されている。そして、前記回転軸13に本体ケース15を取り付け後に本体ケース15の円筒部15aの下端外周部に蓋板16を嵌合すると、係止爪15fがフランジ部16bにより押圧されて係止片15eが弾性変形され、係止凹部16dに係止爪15fが係合される。
【0023】前記ケース17内にはリール21が収容されている。このリール21を構成するボビン22は、前記本体ケース15の天板15bの下面に前記収容筒部15dと同心状に一体形成された軸筒部15hの外周面に対し回動可能に嵌合された円筒部22aと、その下端縁に一体形成された下側フランジ部22bと、上端縁に一体形成された上側フランジ部22cとにより構成されている。このボビン22の外周面には二条のカッターコード23が巻着され、それらの先端部は本体ケース15の円筒部15aに形成された穴15gに嵌合された口金25から外部に導出されている。
【0024】前記ボビン22の円筒部22a下端縁には、接地部材としての操作部材24が一体に形成され、前記蓋板16の平板部16aに設けた穴16cから下方に突出されている。この操作部材24は円筒部24aとその下端部に一体成形された底部24bとにより有底円筒状に形成されている。前記本体ケース15の天板15bの下面と前記操作部材24の底部24bの上面との間には、ボビン22及び操作部材24を常には下方に付勢するための付勢手段としてのコイル状のバネ26が介在されている。前記底部24bの上面はバネ26のバネ受け座24cとなっている。
【0025】図1,8,9に示すように、前記バネ26の上端リング部は収容筒部15dと軸筒部15hとの間に位置するように天板15bの下面に設けた係止片15jと係止爪15kにより係止されている。前記係止片15jは複数(例えば2)箇所に設けられ、各係止片15jと対応して天板15bには係止片15jの外側面及び係止爪15kの内側面の成形を行うための挿入孔19が形成されている。前記係止爪15kにバネ26の上端リング部を係止するには、該リング部を下方から係止爪15kの下端傾斜面に押圧する。すると、係止片15jが弾性変形されて、係止爪15kを乗り越えるので、バネ26の上端リング部が所定位置に係止されて下方へ分離されることはない。
【0026】前記操作部材24の底部24bには、例えばステンレススチール等の金属製の保護部材27がボビン22及び操作部材24の射出成形時にインサート成形されている。この保護部材27は図5〜7に示すように操作部材24の底部24bの下面に露出して磨耗を抑制するための平板状の保護板部27aを備えている。又、保護部材27は前記保護板部27aの外周に複数箇所に切り起こし形成された起立片27bと、各起立片27bの上端部に外側方へ折り曲げ形成され、かつ前記底部24bの上面、つまりバネ受け座24cに露出するようにした複数の受け座としてのバネ受け片27cとを備えている。さらに保護部材27は、前記起立片27bの間において上方に折り曲げ形成され、かつ底部24bの外周面に露出するようにした複数の側部カバー片27dを備えている。
【0027】次に、前記ケース17とボビン22との間に設けられ、かつ回転軸13の回転軸線まわりでのケース17に対するボビン22の相対回動位相を変更し得る位相角変更機構を説明する。
【0028】前記ボビン22はケース17内で回転軸13の軸線方向に所定のストロークで往復動可能に収容されている。前記蓋板16の平板部16aの上面には図3に示すように係止突条16eが放射状に複数(例えば8)箇所に一体形成されている。これらの係止突条16eの間に形成された係合溝M1に係合されるようにボビン22の下側フランジ部22bの下面には、複数(例えば8)箇所に下側係止突条22dが一体に形成されている。前記ボビン22の上側フランジ部22cの上面には、回転軸13の軸線を中心とする円周方向に関して前記下側係止突条22dと同一位相になるように上側係止突条22eが複数(例えば8)箇所に放射状に一体形成されている。これらの上側係止突条22eと関連して本体ケース15の天板15bの下面には係止突条15iが複数(例えば8)箇所に放射状に一体形成されている。これらの係止突条15iの間に形成された係合溝M2には前記上側係止突条22eが係合可能となっている。前記回転軸13の軸線を中心とする円周方向に関する前記本体ケース15の係止突条15iと、蓋板16の係止突条16eの位相は相違するように設定されている。
【0029】図1に示すように、ボビン22がバネ26により下方に付勢されて、係止突条16eの間に下側係止突条22dが係合された状態では、ボビン22側の上側係止突条22eと、本体ケース15側の係止突条15iとの間に若干の隙間gが形成されるようになっている。又、各係止突条15i,16e,22d,22eの幅寸法は、各係合溝M1,M2の幅よりも狭く形成されている。
【0030】この実施形態では、前記本体ケース15の係止突条15i、蓋板16の係止突条16e、ボビン22の下側係止突条22d、上側係止突条22e、操作部材24、バネ26及び係合溝M1,M2等によりケース17に対するリール21の回動位相角を変更し得る位相角変更機構28が構成されている。
【0031】次に、前記のように構成した刈払機の刈払いヘッド14について、その動作を説明する。図1に示すように刈払いヘッド14の口金25からカッターコード23が引き出された状態において、モータ12が起動されると、回転軸13が回転されて、刈払いヘッド14が回転される。この回転によりカッターコード23が遠心力でケース17の半径方向に伸長され、カッターコード23により草刈作業が行われる。
【0032】草刈作業が長時間行われて、カッターコード23の先端が磨耗して短くなると、リール21からカッターコード23を繰り出す必要がある。このため、作業者は刈払いヘッド14が回転されている状態で、操作棹11を下方に移動して刈払いヘッド14の操作部材24を地面に打ち当てる。すると、ボビン22及び操作部材24がバネ26の付勢力に抗してケース17内で上方に相対的に持ち上げられ、係合溝M1に対する下側係止突条22dの係合が解除され、ボビン22の上側係止突条22eが係合溝M2に係合される。この係合溝M2内で上側係止突条22eがカッターコード23の遠心力により相対的に回動される。即ち、刈払いヘッド14のケース17とボビン22は共に回転しているが、ボビン22にはカッターコード23が連結されているので、そのカッターコード23の回転による遠心力によりケース17の回転速度よりもボビン22の回転速度が遅くなるので、前述した相対回動が生じる。その後、打ち当て動作を解除すると、バネ26の蓄勢力によりボビン22と操作部材24はケース17に対し相対的に下方に移動され、係合溝M2から上側係止突条22eが離れる。すると、今度はボビン22の下側係止突条22dが一つ隣の係合溝M1に係合される。この係合溝M2内でも下側係止突条22dがカッターコード23の遠心力により相対的に回動される。この結果、カッターコード23が口金25から少し巻き戻され、カッターコード23の長さが適正長さに調節される。
【0033】次に、前記のように構成した刈払いヘッド14について、その効果を構成と共に列記する。
(1)前記実施形態では、操作部材24の底部24bに保護部材27をインサート成形により一体的に組み込み、保護板部27aを外部に露出するようにした。このため、操作部材24の磨耗を抑制することができるとともに、保護部材27の脱落・飛散を防止することができ、部品点数を少なくして製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
【0034】(2)前記実施形態では、保護部材27のバネ受け片27cをバネ受け座24cに露出し、バネ26を支持するようにした。このため、バネ受け座24cの磨耗を抑制することができる。
【0035】(3)前記実施形態では、前記保護部材27を次のように構成した。すなわち、操作部材24の底部24bの外表面に露出される保護板部27aと、該保護板部27aの外周に複数箇所に切り起こし形成された起立片27bと、各起立片27bの上端部に外側方へ折り曲げ形成され、かつ前記底部24bの上面に露出するようにした複数のバネ受け片27cと、前記起立片27bの間において上方に折り曲げ形成された複数の側部カバー片27dとにより構成した。このため、保護部材27全体を金属板によりプレス成形して容易に製造することができるとともに、保護部材27の重量を軽減することができ、ひいては刈払いヘッド14の回転を円滑に行うことができる。
【0036】(4)前記実施形態では、天板15bの下面にバネ26の上端部を係止する係止片15j及び係止爪15kを設けたので、蓋板16及びリール21を本体ケース15から分離した際、バネ26が本体ケース15から脱落するのを防止することができる。このため、バネ26の紛失を気にすることなくカッターコード23の交換作業を容易に行うことができる。
【0037】(第2の実施形態)以下、本発明を具体化した刈払機の第2の実施形態を図10〜図15に従って説明する。この第2の実施形態において、第1の実施形態の構成と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
【0038】この第2の実施形態では、本体ケース15に対しボビン22が相対回動可能に、かつ軸線方向の相対移動不能に収容されている。又、ボビン22と操作部材24は別体に構成され、操作部材24の円筒部24aの中間外周部には環状段差部24dが形成され、操作部材24の穴16cからの最大突出長さを規制している。円筒部24aの上端部には係合突部24eが複数(例えば4)箇所に切り欠き形成されている。
【0039】一方、本体ケース15の天板15bの下面には、バネ26の上端を受けるバネ受け座を形成するボス部15lが一体に形成されている。該ボス部15lには前記操作部材24の係合突部24eを該操作部材24の軸線方向への移動可能に、かつ相対回動不能に係合する係合凹部15mが形成されている。
【0040】前記操作部材24の円筒部24aの外周面には複数(例えば8)箇所に係止突起24fが形成されている。一方、前記ボビン22の円筒部22aの内周面には下側係止突条22d及び上側係止突条22eが上下方向に互いに平行に一体形成され、係合溝M1,M2が形成されている。
【0041】前記操作部材24の底部24bにインサートされた保護部材27は、図12〜図15に示すように形成されている。すなわち、前記保護部材27は前記保護板部27aと、その外周に形成された筒状部27b’と、筒状部27b’の上端部において側方へ折り曲げ形成され、かつ前記底部24bの上面に露出するようにした複数のバネ受け片27cとを備えている。又、保護部材27は前記バネ受け片27cの間において折り曲げ形成され、かつ前記バネ26を係止する係止片27e及び係止爪27fを備えている。
【0042】第2の実施形態では、図10に示す刈払いヘッド14が回転中に操作部材24が地面に打ち当てられると、本体ケース15に対し操作部材24が相対的に持ち上げられる。このとき、係止突起24fが係合溝M1から離れて係合溝M2に移動し、打ち当て動作が解除されると、係止突起24fが係合溝M2から係合溝M1に戻される。この過程でボビン22は本体ケース15に対して相対回動され、カッターコード23が所定長さだけ口金25から繰り出される。
【0043】この第2の実施形態では、保護部材27に対し係止片27e及び係止爪27fを設けたので、本体ケース15から操作部材24を取り外したとき、バネ26が操作部材24から外れることはなく、カッターコード23の交換動作を容易に行うことができる。その他の効果は前記第1の実施形態の効果と同様である。
【0044】なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図16に示す別例は、前記筒状部27b’に透孔27iを形成したものである。この別例は、底部24bを成形する樹脂が筒状部27b’の内外において透孔27iを通して連結されるので、底部24bと保護部材27の結合強度を高めることができる。
【0045】○ 図17に示す別例は、前記保護部材27が上下方向から重ね合わせて連結された二つの構成要素からなっている。第一の要素は、保護板部27aと、その外周縁に上方に折り曲げ形成された側部カバー片27dとからなる。第2の要素は保護板部27aと、その外周に上方に折り曲げ形成された筒状部27b’と、その上端周縁に外側方へ折り曲げ形成されたバネ受け片27cとにより構成されている。
【0046】○ 図18〜図20に示す別例は、前記保護部材27が上下方向から重ね合わせて連結された三つの構成要素からなっている。第一の要素は、保護板部27aと、その外周縁に上方に折り曲げ形成された側部カバー片27dとからなっている。第2の要素は保護板部27aと、その外周に上方に折り曲げ形成された筒状部27b’と、その上端周縁に外側方へ折り曲げ形成されたバネ受け片27cとにより構成されている。第3の要素は、保護板部27aと、その外周縁に複数箇所に上方に折り曲げ形成された係止片27eと、その上端縁に形成された係止爪27fとにより構成されている。
【0047】○ 図21、22に示す別例は、本体ケース15とリール21との間にカッターコード23の長さが短くなると、自動的にカッターコード23を繰り出すようにした繰り出し機構を設けた刈払いヘッド14に具体化したものである。操作部材24は省略され、蓋板16に保護部材27がインサート成形されている。この保護部材27は保護板部27aの外周縁に複数箇所に起立片27jを折り曲げ形成し、その上端縁に外側に抜け止め片27kを折り曲げ形成している。なお、カッターコード23の自動繰り出し機構の原理は、特開昭63−079522号公報に記載された発明に開示されている。
【0048】○ 図23、24に示す別例は、カッターコード23を使用しない方式の刈払いヘッドに具体化したものである。上部ケース31には下部ケース32が取り外し可能に係合されている。この別例では上部ケース31と下部ケース32により刈払いヘッド14が構成されている。前記下部ケース32の中央部には接地部32aが膨出形成され、その外周面には保護部材27の保護板部27aにより被覆されている。前記上部ケース31の下面には係止片31aが一体に形成され、その先端部には係止爪31bが形成されている。この係止爪31bを下部ケース32に設けた係止段部32bに係止することにより上部ケース31に下部ケース32が結合される。上部ケース31の下面には軸部31cが一体に形成され、この軸部31cにはカッターブレード33が所定角度内で回動可能に連結されている。
【0049】○ 図25に示す別例は、金属材料により保護部材27を鋳造あるいは鍛造したものである。粉末状の金属やセラミックを焼結して保護部材27を形成してもよい。又、金属材料を切削加工して保護部材27を形成してもよい。
【0050】○ 前記保護部材27の平面形状を円形以外に、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形あるいはそれ以外の多角形に形成してもよい。
○ 操作棹11の基端部にエンジンを装着し、その回転軸の回転運動を操作棹11の先端に設けた回転軸13に伝達する方式の刈払機に刈払いヘッド14を装着してもよい。
【0051】○ 合成樹脂材よりも高い耐磨耗性材料として、金属以外にセラミックを用いてもよい。
○ 係止片15j及び係止爪15kを金属材により形成し、それを本体ケース15の型成形時にインサート成形してもよい。
【0052】○ 図示しないが、ケース17内に操作部材24を内含して、操作部材24が外部に突出しない構造の刈払いヘッド(例えば特公平3−69249号公報参照)のケースの底部に具体化してもよい。
【0053】○ 図示しないが、ケース17に対しリール21が相対回転せず、口金25がケース17に対し相対回転する構造の刈払いヘッド(例えば特許第2955096号公報参照)のケースの底部に具体化してもよい。
【0054】前記実施形態から把握される技術思想を以下に説明する。
(技術思想1) 請求項1〜3のいずれか一項において、前記保護部材(27)は金属材料を鋳造又は鍛造するか金属やセラミックの粉末を焼結して形成したものである刈払機に用いる刈払いヘッド。
【0055】(技術思想2) 刈払機の操作棹(11)の先端部に設けた回転軸(13)に対し、取り外し可能に装着されるケース(17)と、このケース(17)に装着されたカッターコード(23)と、前記ケース(17)内に収容され、かつカッターコード(23)を巻着したリール(21)と、上記リール(21)の中心部に位置して前記リール(21)をケース(17)に対し所定角度だけ相対回動させて、カッターコード(23)を巻き戻すようにした操作部材(24)と、前記操作部材(24)を常にはケース(17)から突出する方向に付勢するコイルバネ(26)と、前記操作部材(24)の操作によりケース(17)に対するリール(21)の回動位相角を変更し得る位相角変更機構(28)とを備えた刈払いヘッドにおいて、前記ケース(17)又は操作部材(24)に対し、前記コイルバネ(26)の端部を係止する係止手段(15j,15k,27e,27f)を設けた刈払機に用いる刈払いヘッド。
【0056】(技術思想3) 技術思想1において、前記係止手段はケースの内頂面又は操作部材の底部(24b)の上面に成形した係止片(15j,27e)及び係止爪(15k,27f)である刈払機に用いる刈払いヘッド。
【0057】(定義)この明細書において、インサート成形とは次の構造をも含むものとする。操作部材24の円筒部24aの底部24b全体を保護部材27により形成して、これを円筒部24aに対しインサート成形により連結した構造。
【0058】図17に示す別例において、円筒部27b’の上部とバネ受け片27cを底部24bにインサート成形し、側部カバー片27dの内側を空洞にした構造。
【0059】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1〜10記載の発明は、操作部材の磨耗を抑制することができるとともに、部品点数を少なくして製造及び組み付け作業を容易に行うことができ、保護部材の脱落・飛散を防止することができる。
【0060】請求項3記載の発明は、バネ受け座の磨耗を抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】592013325
【氏名又は名称】ダイアトップ株式会社
【出願日】 平成13年4月2日(2001.4.2)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【公開番号】 特開2002−291315(P2002−291315A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−103768(P2001−103768)