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【発明の名称】 芝刈機の集草容器
【発明者】 【氏名】杉山 孝好

【氏名】福住 泰美

【要約】 【課題】残留芝草等の付着物に起因する通気性領域での目詰り量を低減させ,また腐敗を抑制して異臭を低減し得るようにした,芝刈機の集草容器を提供する。

【解決手段】集草容器9は,回転刈刃により刈取られて空気流により運ばれた芝草を捕集すべく,布を用いて縫製されたもので,その全体が,空気流は通すが芝草は通さない通気性領域Aとなっている。その通気性領域Aに光触媒が担持されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転刈刃により刈取られて空気流により運ばれた芝草を捕集すべく,少なくとも一部に,前記空気流は通すが前記芝草は通さない通気性領域(A)を有する集草容器において,前記通気性領域(A)に光触媒を担持させたことを特徴とする芝刈機の集草容器。
【請求項2】 全体が前記通気性領域(A)となるように布を用いて袋状に形成され,前記布に前記光触媒が担持されている,請求項1記載の芝刈機の集草容器。
【請求項3】 前記光触媒は二酸化チタンである,請求項1または2記載の芝刈機の集草容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芝刈機の集草容器,特に,回転刈刃により刈取られて空気流により運ばれた芝草を捕集すべく,少なくとも一部に,前記空気流は通すが前記芝草は通さない通気性領域を有する集草容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,この種の集草容器は布を用いて袋状に縫製されている場合が多く,布部分の全体またはその一部分が通気性領域となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】芝刈作業により集草容器内に捕集された芝草は作業後振り捨てられるが,例えば,布目に詰った芝草や有機物は容器内に付着したまま残されることが多い。これらの付着物は比較的容易に腐敗して後日異臭を放ち,また次の作業時に埃となって放出されるため作業者に不快感を与える,という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は,残留芝草等の付着物に起因する通気性領域での目詰り量を低減させ,また腐敗を抑制して異臭を低減し得るようにした前記芝刈機の集草容器を提供することを目的とする。
【0005】前記目的を達成するため本発明によれば,回転刈刃により刈取られて空気流により運ばれた芝草を捕集すべく,少なくとも一部に,前記空気流は通すが前記芝草は通さない通気性領域を有する集草容器において,前記通気性領域に光触媒を担持させたことを特徴とする。
【0006】前記通気性領域は,空気が通り抜けるところであるから,例えば前記領域を布を用いて形成すると,その布目には芝草等が詰り易い。布目に詰った芝草等は,芝刈後集草容器内の芝草を振り捨てた後も,集草容器内に付着したまま残り易い。そこで,前記領域に光触媒を担持させると,太陽光の照射の下で光触媒は触媒機能を発揮し,布に付着した水分(空気中の水分を含む)の光分解を促進して水酸基ラジカル(・OH)を生じさせる。この水酸基ラジカルは結合エネルギおよび酸化力が共に高く,これにより微生物に対する殺菌作用および付着芝草および有機物の分解による浄化作用がなされるので通気性領域での目詰り量を低減させ,且つ腐敗を抑制することができる。残った付着物は次の芝刈作業に伴い空気流によって布目から容易に除去可能となる。光触媒にその触媒機能を十分に発揮させるためには集草容器に太陽光が照射される場所に芝刈機を置くのがよい。光触媒の前記触媒作用は,太陽光の下で芝刈作業を行っているときもきわめて有効に発揮される。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に示す芝刈機1において,その機体2の前,後にそれぞれ2つ宛車輪3が設けられ,また下面側には,図示しない回転刈刃が配置され,さらに上面側には回転刈刃および後部の車輪3を駆動するエンジン4が搭載されている。機体2の後端上部に,斜め上向きに延びるようにハンドル5の前端部が取付けられ,そのハンドル5の後部側に,ギヤシフトレバー6,スロットルレバー7およびクラッチレバー8が配設されている。
【0008】機体2の後端面には,刈取られた芝草を排出すべく,図示しない排出口が設けられており,その排出口周りには,回転刈刃により刈取られて空気流により運ばれた芝草を捕集すべく,図2に示す集草容器9がフレーム部材10を介して着脱自在に取付けられている。集草容器9は,ナイロン布を用いて縫製され,且つ開口部を前側に,また底部を後側にそれぞれ位置させた有底の角筒形をなす袋状物である。集草容器9の四角形開口部10の四辺部分にはそれぞれナイロン製クリップ12が取付けられ,各クリップ12はカール状係合部を有する。フレーム部材10は,集草容器9の上壁13を,その内側から支持する支持部14と,その支持部14と一体で,且つ開口部11に在る各クリップ12のカール状係合部と係合する略四角形の保形部15と,その保形部15と一体で,且つ上壁13外面に沿うハンドル部16と,保形部15と支持部14とを繋ぐ2つの補強部17とよりなり,その保形部15が機体2の排出口周りに着脱自在に取付けられる。
【0009】集草容器9は,少なくとも一部,実施例ではナイロン布製であるからその全体が空気流は通すが芝草は通さない通気性領域Aとなっている。また通気性領域Aの形成材料,つまりナイロン布を形成するナイロン糸に光触媒としての二酸化チタンが担持されている。
【0010】二酸化チタンの担持には,次のようなゾルゲル法を適用した。先ず,二酸化チタン微粒子を水に分散させてゾルを調製し,次いでゾルに集草容器9を浸漬して,その集草容器9にゾルを含浸させ,さらに集草容器9をゾルから出して乾燥させ,その後集草容器9を120〜150℃に加熱して,その容器9のナイロン糸に二酸化チタン微粒子を担持させた。
【0011】集草容器9全体が空気が通り抜ける通気性領域Aであるから,その領域Aの布目には芝草等が詰り易い。その布目に詰まった芝草等は,芝刈後集草容器9内の芝草を振り捨てた後も,集草容器9内に付着したまま残り易い。そこで,前記領域Aの形成材料であるナイロン糸に二酸化チタンを担持させたものである。太陽光の照射の下で二酸化チタンは触媒機能を発揮し,ナイロン布に付着した水分(空気中の水分を含む)の光分解を促進して水酸基ラジカル(・OH)を生じさせる。この水酸基ラジカルは結合エネルギおよび酸化力が共に高く,これにより微生物に対する殺菌作用および付着芝草および有機物の分解による浄化作用がなされるので通気性領域での目詰り量を低減させ,且つ腐敗を抑制することができる。残った付着物は次の芝刈作業に伴い空気流により布目から容易に除去可能となる。二酸化チタンにその触媒機能を十分に発揮させるためには集草容器9に太陽光が照射される場所に芝刈機1を置くのがよい。二酸化チタンの前記触媒作用は,太陽光の下で芝刈作業を行っているときにもきわめて有効に発揮される。
【0012】太陽光の照射により触媒機能を発揮する光触媒としては,二酸化チタンの外に酸化亜鉛,セレン化カドミウム,ガリウムヒ素,炭化ケイ素等を用いることが可能である。
【0013】また集草容器9への光触媒の担持法としては,先ず,光触媒を糸に担持させ,次いでその糸を用いて布を織り,その後前記布を用いて集草容器9を縫製する,といった方法を挙げることもできる。
【0014】さらに集草容器9としては,一部に非通気性領域を有するものでもよい。また集草容器9は金網等で通気性領域を形成するものであってもよく,この場合は金網に光触媒を担持させることになる。さらに本発明はサイドディスチャージの集草容器,乗用タイプの集草容器にも適用される。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば,前記のように構成することによって,残留芝草等の付着物に起因する通気性領域での目詰り量を低減させ,また腐敗を抑制して異臭を低減し得るようにした,芝刈機の集草容器を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【代理人】 【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
【公開番号】 特開2002−281811(P2002−281811A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−86000(P2001−86000)