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【発明の名称】 草刈機用回転刃装置
【発明者】 【氏名】佐久間 惣吉

【要約】 【課題】旋回刃体が石や木株あるいはフェンス等の支柱等に当っても、石や木株を飛散させたり、支柱を傷つけたり、旋回刃体自体等を折損させたりすること等を未然に防止できるようにする。

【解決手段】草刈機本体の操作杆P先端で回転駆動する回転盤1と、この回転盤1の周縁部側に設けた旋回刃体取付部10と、この旋回刃体取付部10に着脱可能にまた揺動可能に取り付けて回転盤1周縁に放射状に配列した剛性素材製の旋回刃体20とから成る。旋回刃体取付部10は、回転盤1底面に配装した取付枠31に形成した取付孔32に旋回刃体20の係合部24を進退自在にまた揺動自在に係合すると共に、旋回刃体20を取付枠31の外側方に突出させるよう弾発付勢させる弾発手段35を取付枠31に内装して成る。弾発手段35は、旋回刃体20の係合部24後端が外側面に当接されて取付枠31内に配装される円枠状スプリング材にて形成し、取付孔32は左右に長く開穿形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 草刈機本体の操作杆先端で回転駆動される回転盤と、この回転盤の周縁部側に設けた旋回刃体取付部と、この旋回刃体取付部に着脱可能にまた回転盤の旋回方向に対して反対側に退避可能に吊着保持されて、回転盤周縁に放射状に配列される剛性素材製の旋回刃体とから成ることを特徴とする草刈機用回転刃装置。
【請求項2】 旋回刃体取付部は、平板状の回転盤の底面に形成した枠体にこの枠体の下端縁から切欠形成した取付溝に旋回刃体における後端の係合部を係合するようにすると共に、この取付溝の開口縁を閉塞する蓋部が周縁に形成され、枠体内方で枠体とは所定の間隙を形成して回転盤に固定される有底筒状の支持盤を備えている請求項1に記載の草刈機用回転刃装置。
【請求項3】 旋回刃体取付部は、回転盤に形成した窪み部における窪み周壁部分に、この窪み部の底壁周縁から窪み周壁にかけて切欠形成した取付溝に旋回刃体における後端の係合部を係合するようにすると共に、この取付溝における底壁側の開口縁部分を閉塞する閉塞盤を回転盤に固定して成る請求項1に記載の草刈機用回転刃装置。
【請求項4】 旋回刃体取付部は、回転盤における周縁部から内側に入った位置に形成した取付枠に、着脱可能にまた回転盤の旋回方向に対して反対側に退避可能にフック手段を介して旋回刃体を吊着保持して成る請求項1に記載の草刈機用回転刃装置。
【請求項5】 旋回刃体取付部は、回転盤底面に配装した取付枠に形成した取付孔に旋回刃体における後端の係合部を係合させて旋回刃体を進退自在にまた揺動自在に係合するようにすると共に、旋回刃体を取付枠の外側方に突出させるよう弾発付勢させる弾発手段を取付枠に内装して成る請求項1に記載の草刈機用回転刃装置。
【請求項6】 弾発手段は、旋回刃体の係合部後端が外側面に当接されて取付枠内に配装される円枠状スプリング材にて形成されており、取付孔は左右に長く開穿形成してある請求項5に記載の草刈機用回転刃装置。
【請求項7】 旋回刃体は、所定形状の刃先が形成されている刃部と、旋回刃体取付部の取付溝内あるいは取付孔内に遊びがある状態で嵌り込む軸部と、取付溝あるいは取付孔より回転盤の内方側に配置され、取付溝あるいは取付孔縁に係合する係合部とを備えている請求項1乃至6のいずれかに記載の草刈機用回転刃装置。
【請求項8】 刃部は、刃先となる鋭角頂辺を有する湾曲面あるいは平坦面を備えた断面で多角形状を呈している請求項7に記載の草刈機用回転刃装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハンディタイプの草刈機さらには手押し式または自走式等の中型乃至大型の草刈機等にも使用可能な旋回刃体吊着タイプの草刈機用回転刃装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、手押し式または自走式等の中型乃至大型の草刈機用の回転刃として、草刈作業に際し生じ得る草刈り面に存する石や木株その他の飛散を防止すべく、例えば実開平6−23417号公報に開示されているように、草刈機本体のドライブシャフトに着脱可能な本体枠と、この本体枠に着脱自在に連結した鎖やチェーンあるいはワイヤー類を使用することで本体枠周囲で旋回するように形成した複数本のフレキシブル刃とから成るものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのような従来提案の草刈機用の回転刃は、石や木株の飛散を防止することを目的としたフレキシブル刃としているために、回転刃の回転中では、フレキシブル刃自体の回転モーメントが非常に弱くて回転面上で渦巻き型湾曲状に撓る状態となり、かえって草刈強度が減退してしまうものである。しかもフレキシブル刃として鎖やチェーンを使用した場合では、鎖やチェーン自体が捩れてしまうために、これが刈り取るべき草に絡まってしまい回転状態が不具合となるばかりでなくフレキシブル刃自体をも損傷させてしまう虞れも生じる等の問題点を有していた。
【0004】そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、回転する回転盤周囲に放射状に配装される旋回刃体自体の回転モーメントを向上させて草刈強度を増強でき、また増強させながらも旋回刃体が石や木株あるいはフェンス等の支柱その他に当っても、石や木株を飛散させたり、支柱を傷つけたり、旋回刃体自体が折損させられたり等の損傷事態その他を未然に防止することができ、しかも旋回刃体自体の交換も簡単に行なえる草刈機用回転刃装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を達成するため、本発明にあっては、草刈機本体の操作杆P先端で回転駆動される回転盤1と、この回転盤1の周縁部側に設けた旋回刃体取付部10と、この旋回刃体取付部10に着脱可能にまた回転盤1の旋回方向に対して反対側に退避可能に吊着保持されて、回転盤1周縁に放射状に配列される剛性素材製の旋回刃体20とから成るものである。旋回刃体取付部10は、平板状の回転盤1の底面に形成した枠体11にこの枠体11の下端縁から切欠形成した取付溝12に旋回刃体20における後端の係合部24を係合するようにすると共に、この取付溝12の開口縁を閉塞する蓋部16が周縁に形成され、枠体11内方で枠体11とは所定の間隙を形成して回転盤1に固定される有底筒状の支持盤15を備えているものである。あるいは旋回刃体取付部10は、回転盤1に形成した窪み部18における窪み周壁部分に、この窪み部18の底壁周縁から窪み周壁にかけて切欠形成した取付溝12に旋回刃体20における後端の係合部24を係合するようにすると共に、この取付溝12における底壁側の開口縁部分を閉塞する閉塞盤19を回転盤1に固定して成るものである。あるいは旋回刃体取付部10は、回転盤1における周縁部から内側に入った位置に形成した取付枠5に、例えば取付枠5自体に開穿配列した旋回刃体取付孔6に着脱可能にまた回転盤1の旋回方向に対して反対側に退避可能にフック手段7を介して旋回刃体20を吊着保持して成るものである。あるいはまた旋回刃体取付部10は、回転盤1底面に配装した取付枠31に形成した取付孔32に旋回刃体20における後端の係合部24を進退自在にまた揺動自在に係合するようにすると共に、旋回刃体20を取付枠31の外側方に突出させるよう弾発付勢させる弾発手段35を取付枠31に内装して成るものであり、弾発手段35は、旋回刃体20の係合部24後端が外側面に当接されて取付枠31内に配装される円枠状スプリング材にて形成されており、取付孔32は左右に長く開穿形成して構成することができる。そして旋回刃体20は、所定形状の刃先が形成されている刃部21と、旋回刃体取付部10の取付溝12内あるいは取付孔内に遊びがある状態で嵌り込む軸部23と、取付溝12あるいは取付孔より回転盤1の内方側に配置され、取付溝12あるいは取付孔縁に係合する係合部24とを備えているものである。刃部21は、刃先となる鋭角頂辺を有する湾曲面あるいは平坦面を備えた断面で多角形状を呈して形成したものとできる。
【0006】以上のように構成された本発明に係る草刈機用回転刃装置において、回転盤1の回転駆動により回転させられる旋回刃体20は、これの回転動作によって発生する遠心力でもって回転盤1の放射方向に沿って水平に引き延ばされながら回転盤1の回転面と平行となって旋回回転される。旋回刃体20の後端に設けた係合部24は、これを旋回刃体取付部10の取付溝12に係合させることで旋回刃体20自体を吊着保持させると共に、回転盤1が回転駆動した際には、旋回刃体20自体に発生する遠心力でもって回転盤1の放射方向に沿って水平に引き延ばされた状態となるように旋回刃体20を回転状に旋回浮動させる。このとき係合部24は、回転盤1の周縁部内方に位置する旋回刃体取付部10の取付溝12に係合位置付けされ、回転盤1と共に回転している旋回刃体取付部10自体を回転盤1の周縁部よりも外側に露出させないものとし、剛性素材製の旋回刃体20による草等に対する刈り取りを効率的に行わせ、しかも刈り取るべき草等に旋回刃体20の根元部分を絡ませない。剛性素材製の旋回刃体20における鋭角頂辺を備えた刃部21は、旋回刃体20自体の回転モーメントによって草刈させると共に、旋回刃体20の刃部21が石や木株あるいはフェンス等の支柱に当った際には、旋回刃体取付部10の取付溝12に軸部23を介して遊びがある状態で係合していることで、その係合部位で剛性素材製の旋回刃体20自体を回転盤1の回転旋回方向とは反対方向に逃避・退避させ、危険性を除去させる。弾発手段35による弾発作用は、取付枠31に係合部24によって係合してある旋回刃体20を外側方への突出傾向に弾発付勢させ、旋回刃体20を取付枠31に対して回転盤1とほぼ平行状態を維持してほぼ直交状にさせることで草等を刈り込むときの刈り込み作用を強化させる。また旋回刃体20が各種の障害物に当たるときの退避・回避を円滑にするばかりでなく、後退、揺動等した後の原位置への復帰も迅速にさせる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の一実施の形態を説明すると、図において示される符号1は回転駆動される回転盤であり、例えばショルダータイプのハンディ草刈機等に使用される旋回刃体吊着タイプの草刈機用回転刃装置において、図1に示すように、草刈機本体の操作杆Pの後端にケーシングされて取り付けられたエンジンまたは電動機等の原動機Mによって操作杆Pの先端で駆動連繋部材としての例えばドライブシャフト(図示せず)等を介して回転されるようになっている。そしてこの回転盤1にはその周縁部側に旋回刃体取付部10が設けられており、旋回刃体取付部10には、着脱可能にまた回転盤1の旋回方向に対して反対側に退避可能になるように複数の剛性素材製の旋回刃体20が回転盤1の周縁に放射状に配列されることで吊着保持されている。尚、操作杆Pの原動機M寄り側には草刈作業の際に両手で草刈機本体を把持するためのグリップハンドルQを取付けてある。
【0008】回転盤1自体は、例えば図示のように操作杆Pの先端に設けた駆動連繋部材の回転軸に嵌め合わせた後に後述の支持盤15あるいは閉塞盤19と共にネジ止め2することで操作杆P先端に固着されている。
【0009】旋回刃体取付部10は、旋回刃体20を吊着状に支持し、その支持部位では若干の遊びを設定することで回転盤1の回転中では遠心力によって旋回刃体20を外側方に伸ばし、非回転時には重力方向に沿って垂れ下がらせるようにしてある。図1乃至図3における旋回刃体取付部10は、平板状の回転盤1の底面に、回転盤1の周縁から中心側に寄った位置で枠体11を形成し、この枠体11自体の下端縁から切欠形成した例えばU字状の取付溝12に旋回刃体20における後述する後端の係合部24を係合するようにすると共に、この取付溝12の開口縁を閉塞するドーナツ状の蓋部16が周縁に形成され、枠体11内方で枠体11の周壁とは所定の間隙すなわち係合部24が進退し、また倒伏する程度の空間を形成する有底筒状で前記回転軸に嵌め合わされた後に、回転盤1にネジ止め2される支持盤15を備えているものである。
【0010】取付溝12の内縁幅員は旋回刃体20における後述の軸部23径に比し大きく、また係合部24径に比し小さくなっており、取付溝12の開口縁からの旋回刃体20の直接の挿入を可能にしてもこの取付溝12の開口縁からの抜脱は蓋部16によった閉塞後では全く不能なものとしてある。また支持盤15の筒部外周面と枠体11内周面との間隙内に取付溝12に係止した旋回刃体20の係合部24が遊びがある状態で収容され、軸部23によって放射方向へのスライド、枠体11の上下方向に沿っての旋回刃体20自体の揺動、枠体11の円周方向に沿っての旋回刃体20自体の揺動その他が任意に行えるようにしてある(図2参照)。尚、図中符号17は支持盤15において、回転盤1の底側面に当接することでネジ止め2される連結部であり、この連結部17から蓋部16に至る距離・間隔と、枠体11の高さとはほぼ対応している。
【0011】また図4に示された旋回刃体取付部10は、回転盤1の中央部に形成した窪み部18における窪み周壁部分に、この窪み部18の底壁周縁から窪み周壁にかけて切欠形成した例えばU字状の取付溝12に旋回刃体20における後端の係合部24を係合するようにすると共に、この取付溝12における底壁側の開口縁部分を閉塞する平板状の閉塞盤19を前記回転軸に嵌め合わせ、底壁外側面に当接させた後に回転盤1にネジ止め2固定して成るものである。この例においても、窪み部18の窪み周壁内周面と前記駆動連繋部材ないしはその回転軸外周面との間隙内に取付溝12に係止した旋回刃体20の係合部24が遊びがある状態で収容され、軸部23による放射方向へのスライド、窪み部18の上下方向に沿っての旋回刃体20自体の揺動、窪み部18の円周方向に沿っての旋回刃体20自体の揺動その他が任意に行えるようにしてある。
【0012】旋回刃体20は、図5に示すように好ましくは硬度が高い例えば超硬合金製等の素材により形成されており、例えば所定形状の刃先が形成されている刃部21と、この刃部21に比し外形が大きくなっていて刃部21に連続する断面で例えば円形状の中間部22と、この中間部22に連続して前記取付溝12内に遊びがある状態で嵌り込む軸部23と、取付溝12より回転盤1の内方側に配置され、取付溝12縁に係合する係合部24とを備えているものである。すなわち旋回刃体取付部10における枠体11自体のあるいは窪み部18の窪み周壁等の肉厚に比し軸部23自体の長さは長くしてあって、軸部23が取付溝12に嵌り込んだ状態では取付溝12位置で旋回刃体20が進退、揺動自在となるようにしてある。そして回転盤1の回転時の遠心力作用で旋回刃体20は係合部24が取付溝12縁部に係合した状態で外方に延び、その回転旋回中に例えば石、木株等の何らかの障害物に旋回刃体20が当たったとき等には旋回刃体20がそれを退避する方向に軸部23が倒れるように自在に揺動されるものとしてある。
【0013】また刃部21の形状を例示的に説明すると、図5(A)にあっては例えば縦長さが約7mm、横長さが約30mm程度の矩形状の3つの側面が互いに交差した鋭角頂辺を刃先として、長さが約30mm程度の三角柱状に形成されているものである。図5(B)にあっては例えば縦長さが約6mm、横長さが約30mm程度の両側面から三角山状に突出させると共に、その三角山状部分の鋭角頂辺を刃先として、長さが約30mm程度の全体の断面においてほぼ縦長ないし横長の六角形状に形成されているものである。図5(C)にあっては例えば縦長さが約4mm、横長さが約30mm程度の矩形状の4つの側面が互いに交差した2つずつの鋭角、鈍角部分を有し、その鋭角頂辺を刃先として、長さが約30mm程度の断面菱形状に形成されているものである。図5(D)にあっては例えば周面長さが約9mm、横長さが約30mm程度の湾曲状の2つの周側面が互いに交差した鋭角頂辺を刃先として、長さが約30mm程度の断面が凸レンズ形状に形成されているものである。
【0014】いずれにしてもこの刃部21の形状、構造等は特に限定されるものではなく、旋回刃体取付部10に連繋された状態で回転盤1の回転によって旋回されるとき、草刈面上で刃部21が旋回走行することで草等に当たったときにそれらを刈り込み切断させるものとなっていればよいものである。
【0015】また図6に示す他の実施の形態にあっては、旋回刃体20を三角柱状に形成すると共に、この三角柱の一端側三角面部には、平板状の回転盤1における周縁部から内側に入った位置に形成した円枠状の取付枠5に開穿配列した旋回刃体取付孔6に掛着させるために、フック手段7として例えば長さ約20mm程度の環状のフック頭部とネジ軸部とを有するネジ釘等を捩じ込み、必要に応じて捩じ込み箇所に接着剤を塗布することによって固定してある。すなわち旋回刃体取付孔6を開穿配列した取付枠5に対してフック手段7を介して旋回刃体20を吊着するものとして旋回刃体取付部10を形成してある。そしてフック手段7は、これ自体が揺動自在に構成されていることで、旋回刃体20が石、木株その他の堅い障害物等に衝接したときに後方に退避するよう揺動可能なものとなり、旋回刃体20自体、更には障害物等の損傷を一層有効に防止でき、また、障害物等の飛散等をも防止できるのである。
【0016】またこの他の実施の形態における揺動可能なフック手段7として環状のフック頭部とネジ軸部とから成るネジ釘等を採用しているが、これ以外に例えばピン継手機構等を採用してもよく、さらに本実施の形態における草刈機用回転刃を、例えば手押し式または自走式等の中型乃至大型の草刈機に適用してもよいことは勿論である。
【0017】次に、以上のように構成された実施の形態についての使用、動作の一例を説明するに、草刈作業の際には、両手でグリップハンドルQを把持し、原動機Mを駆動させて操作杆P先端の回転盤1を回転駆動させる。この回転駆動により、旋回刃体取付部10に吊着された旋回刃体20が回転盤1と共に旋回回転し、この旋回回転に伴って発生する遠心力でもって旋回刃体20自体を回転盤1の放射方向に沿って水平に引き延ばされる状態となるように旋回浮動させる。このとき旋回刃体取付部10の取付溝12は、図2に示すように回転盤1における周縁部内方に位置する枠体11ないし窪み部18位置にあるため、回転盤1と共に回転している枠体11、窪み部18等に草が引っ掛かることがなく、円滑に旋回作動が続行されるのである。また草刈面が傾斜していても、軸部23による揺動性を利用することで、回転盤1を傾けることなくその傾斜面に沿って旋回刃体20を旋回させることができる。
【0018】こうして旋回刃体20自体に回転モーメントを発生させることで草刈を行なうのである。このとき、旋回刃体20の刃部21が石や木株あるいはフェンス等の支柱に当った際には、取付溝12に単に係合するのみで揺動する軸部23により旋回刃体20自体をこれの旋回方向とは反対方向に退避させるものとなり、石や木株を飛散させたり、支柱を傷つけたり、旋回刃体20自体を折損させたりしないのである。
【0019】また、旋回刃体20の交換の際には、回転盤1の旋回刃体取付部10においてそのネジ止め2を取り外して支持盤15あるいは閉塞盤19を取り除き、開放した取付溝12から古い旋回刃体20を取り外し、そこに新規な旋回刃体20を嵌め入れて取り付ければよいのである。尚、草刈機本体の不使用の際には、回転盤1の旋回刃体取付部10から旋回刃体20を全て取り外しておくこともでき、コンパクトに収納可能である。
【0020】尚、本実施の形態では、回転盤1の旋回刃体取付部10の周側面で90°の間隔毎に計4本の旋回刃体20を取り付けるものとした構造を採用しているが、その他の構成として図示を省略したが、旋回刃体取付部10の周部に2本または3本さらには5本以上の旋回刃体20を等間隔角度位置に配置した構造を採用することも可能である。
【0021】また、図7乃至図10には更に他の実施の形態が示されている。すなわちこの実施の形態においては、その旋回刃体取付部10を、回転盤1底面に配装した取付枠31に形成した取付孔32に旋回刃体20における後端の係合部24を係合させて旋回刃体20を進退自在にまた揺動自在に係合するようにすると共に、旋回刃体20を取付枠31の外側方に突出させるよう弾発付勢させる弾発手段35を取付枠31に内装することで構成したものである。尚、図中符号33は取付孔32縁と係合部24周囲縁との間に介在される座金(ワッシャ)である。
【0022】取付枠31は例えば回転盤1底面に、回転盤1の外周縁から内方位置に入った位置で例えば円枠状に回転盤1と一体形成することで設けられている(図9(A)参照)。そして操作杆P先端の駆動連繋部材の回転軸に嵌め入れた回転盤1と共に回転軸に嵌め入れられるようにした内壁部分を備えた断面でほぼハット型状の取付盤34によって取付枠31内方、すなわちこの取付盤34の内壁部分外周面と取付枠31内周面との間に所定間隔の空隙を形成して回転盤1にネジ止め2してある。取付孔32は、弾発手段35によって取付枠31の外側方に旋回刃体20が突出付勢されているときに、回転盤1の回転旋回方向である左右に揺動可能とさせるように左右方向で長くした長円形ないし楕円形に形成されている(図9(B)参照)。
【0023】弾発手段35は図8に示すように、旋回刃体20の係合部24後端が外側面に当接されて取付枠31内に配装される円枠状スプリング材にて形成されており、取付盤34の内壁部分外周面と取付枠31内周面との間に形成される所定間隔の平面でドーナツ状を呈する空隙内に配されていて、弾発手段35自体が備えている外方への弾発付勢作用で旋回刃体20を取付枠31外方に突出させている。この突出に際し、弾発手段35は係合部24における平坦面状の後端面にしっくり当接することで旋回刃体20を回転盤1の放射線上に沿うように取付枠31に対してほぼ直交させたものとし、旋回刃体20を草等に対して対向するようにしてある。また旋回中に何らかの障害物に当たるような場合にはその抵抗によって弾発手段35の撓みで取付枠31の内外方向に進退しさらには取付孔32の左右方向に揺動し、進退・揺動後では弾発手段35の復原作用で原位置に復帰するようにしてある。
【0024】尚、図示あっての弾発手段35は複数の旋回刃体20夫々を同時的に弾発させるように円枠状に形成されるも、図示を省略したが旋回刃体20夫々に対して独立した弾発力を付与させるように旋回刃体20夫々に対応した適当なバネ材を配置することも可能である。
【0025】また旋回刃体20自体は図10に示すように、図5(A)乃至(D)夫々に示されたものと同様にその刃部21は断面でほぼ三角形状、扁平六角形状、菱形状、凸レンズ形状等に形成されていると共に、この刃部21に順次連続させて、取付孔32に嵌め合う断面でほぼ円形状の軸部23と、前記座金33と共に取付孔32縁に係合するよう取付孔32径に比し大径の係合部24とを設けたものとしてある。そして刃部21長さは例えば35mm程度、軸部23長さは例えば25mm程度のものとしてあるも、これらの長さは特に限定されるものではない。尚、この実施の形態による軸部23自体は、左右に長い取付孔32に対応するよう左右に長く形成された断面形状を有するものとすることで、草等に対する刃部21の刃先位置を常時一定のものとさせることもできる。
【0026】この実施の形態によれば、回転盤1の回転旋回に伴い旋回刃体20が旋回するとき、弾発手段35による弾発作用で旋回刃体20は回転盤1に対してほぼ平行状態で、かつ回転盤1の放射線上すなわち取付枠31に対してほぼ直交状になることで草等に対しての草刈作用を良好なものとさせる。そればかりでなく石、木株その他の障害物に当たったとき旋回刃体20を旋回方向に反対する方向に少し戻らせるようになり、石等を飛散させにくくし、作業の安全性、効率性等を一層向上させることができる。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているために、回転盤1の回転に伴いこれの周囲を旋回する旋回刃体20自体の回転モーメントを向上させて草刈面上での草刈作業を効率的に遂行でき、しかも旋回刃体20が石や木株あるいはフェンス等の支柱等に当っても、石や木株を飛散させたり、支柱を傷つけたり、旋回刃体20自体を折損させたり等の損傷事態を未然に防止することができ、しかも旋回刃体20自体の交換も簡単に行なえるのである。
【0028】すなわちこれは本発明が、草刈機本体の操作杆P先端で回転駆動される回転盤1の周縁部側に旋回刃体取付部10を設け、この旋回刃体取付部10に着脱可能にまた回転盤1の旋回方向に対して反対側に退避可能に旋回刃体20を吊着保持し、この旋回刃体20を回転盤1周縁に放射状に配列したからであり、これにより、剛性素材製の旋回刃体20による草刈作業中の石、木株等の周囲への飛散に伴う危険性、支柱等や旋回刃体20自体の損傷等の防止が可能となり、また旋回刃体20の交換、保守等のメンテナンスも容易にできるのである。
【0029】また旋回刃体取付部10は、枠体11あるいは窪み部18における窪み周壁部分に切欠形成した取付溝12に、旋回刃体20における後端の係合部24を軸部23によって遊びがある状態にして係合すると共に、取付溝12の開口縁を支持盤15あるいは閉塞盤19によって閉塞してあるから、回転盤1自体の回転は旋回刃体20を放射状に外側方に伸ばして、草刈作業を効率的に遂行させるのである。しかもその草刈作業中に、その旋回刃体20が例えば木株、石、フェンス支柱その他の障害物に当たっても、軸部23によって回転盤1の旋回方向に反対する方向に退避し、それらを周囲に飛散させたり、それらから跳ね返ったり等の危険性を除去でき、安全に作業を続行できるのである。
【0030】旋回刃体20は所定形状の刃先が形成されている刃部21を備えているから、旋回刃体20自体が剛性素材製のものであることと相俟ち、これに当たった草等を極めて効率的に刈り取り、しかも旋回刃体20自体に生じる回転モーメントによって一層円滑に草刈作業を行わせるのである。
【0031】さらに旋回刃体20を、回転盤1における周縁部から内側に入った位置に形成した取付枠5に開穿配列した旋回刃体取付孔6にフック手段7を介して掛着して構成することで、フック手段7は、回転盤1の周縁部よりも外側に露出されなくなり、そのために、草刈作業中、回転盤1と共に回転しているフック手段7自体に草が引っ掛かり、また絡まることで旋回刃体20の回転不具合を発生させてしまうことがなく、常に安定した回転モーメントを維持することができ、草刈り作業を円滑に続行できるのである。
【0032】また回転盤1底面に配装した取付枠31に旋回刃体20を進退自在、揺動自在に係合すると共に、旋回刃体20を取付枠31の外側方に突出させるよう弾発付勢させる弾発手段35を取付枠31に内装してあるから、旋回刃体20を取付枠31から外側方に突出傾向に弾発付勢させ、回転盤1面とほぼ平行状態を維持して取付枠31とはほぼ直交状に配置でき、そのため草等を刈り込むときの旋回刃体20の旋回作用は刈り込み力を大きく強化させるものとなり、極めて能率的な作業を遂行できるのである。
【0033】そればかりでなく弾発手段35による弾発作用は、係合部24によって取付枠31に係合してある旋回刃体20が石、木株、支柱フェンス等の各種の障害物に当たったとしても、弾発手段35自体が柔軟に撓むことで障害物等からの旋回刃体20の退避・回避を円滑にするばかりでなく、後退、揺動等した後には速やかに原位置に復帰させ、草刈作業をそのまま続行させることに何等の障害も生じないのである。
【出願人】 【識別番号】399133567
【氏名又は名称】佐久間 惣吉
【出願日】 平成13年3月19日(2001.3.19)
【代理人】 【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
【公開番号】 特開2002−272236(P2002−272236A)
【公開日】 平成14年9月24日(2002.9.24)
【出願番号】 特願2001−77350(P2001−77350)