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【発明の名称】 草刈り装置
【発明者】 【氏名】藤本 賢一

【要約】 【課題】刈取機構11を備えた刈取走行台車7を、これに設けた電動モータ12にて刈取走行レール3に沿って移動走行することによって、芝草等の刈取を行うようにした草刈り装置において、前記電動モータ12に故障が配設した場合に、前記刈取走行台車7を人力で移動走行できるようにすることが、構造の複雑化及び重量のアップを招来することなく、簡単にできるようにする。

【解決手段】前記電動モータ12から各走行車輪9に動力伝達を行う歯車列機構の途中に設けたアイドラー歯車16を、前記刈取走行台車7の車体フレーム8に着脱自在に装着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】主走行レールに沿って移動走行する主走行台車と、刈取機構を備えて前記主走行レールと直角方向に延びる刈取走行レールに沿って移動走行する刈取走行台車とを備え、前記主走行台車に、前記刈取走行レールと平行に延びる副走行レールを昇降動するように設けて、前記刈取走行台車が前記刈取走行レールからこの副走行レール側に又はその逆に移り変え移動走行できように構成し、更に、前記主走行台車に、当該刈取走行台車における走行車輪を歯車列機構を介して回転駆動する電動モータ等の動力源を設けて成る草刈り装置において、前記歯車列機構の途中に、動力源の回転を走行車輪に伝達するアイドラー歯車を配設して、このアイドラー歯車を、刈取走行台車の車体フレームに着脱自在に取付けたことを特徴とする草刈り装置。
【請求項2】前記請求項1の記載において、前記副走行レールのうち前記刈取走行レール側の一端部に、前記刈取走行レールの一端を検出して前記副走行レールの昇降動を停止するようにした高さセンサーを、当該一端部に埋設して設けたことを特徴とする草刈り装置。
【請求項3】前記請求項1又は2の記載において、前記刈取走行台車のうちその前進方向の前側における走行車輪よりも適宜距離だけ前方の部分に、前記刈取走行レール及び副走行レールを検出する第1レールセンサーを、この第1レールセンサーから前記刈取走行レールと副走行レールとの間の間隔により大きい距離だけ更に前方の部分に、前記刈取走行レール及び副走行レールを検出する第2レールセンサーを設け、この両レールセンサーのいずれか一方又は両方がレールを検出しているとき前記刈取走行台車を前進走行し、両レールセンサーのいずれもがレールを検出しないとき前記刈取走行台車の前進走行を停止するように構成したことを特徴とする草刈り装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芝草等の草が、例えば建物の屋上等の広い面積に植えられいる場合に、この草の葉を、刈取機構を備えた刈取走行台車を刈取走行レールに沿って動力的にて移動走行することによって刈り取るようにした草刈り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、ビル等の建物においては、その屋上をのこぎり屋根に構成して、この各のこぎり屋根における一方の傾斜面に、太陽熱の断熱等のために芝草等の草を植え付ける一方、他方の傾斜より採光することが行われている。
【0003】そして、前記のこぎり屋根における一方の傾斜面に植えられた芝草は、適当な時期に、延びた葉を刈取する必要がある。
【0004】そこで、従来は、刈取機構を備えた刈取走行台車を主走行台車に載せ、この主走行台車を、前記各のこぎり屋根に対して直角方向に延びる主走行レールに沿って移動走行し、各のこぎり屋根のうち一つののこぎり屋根の箇所に来たとき、これに載せた刈取走行台車を、上昇したのち、当該主走行台車の上から、各のこぎり屋根の両側に前記主走行レールと直角方向に延びるように設けた刈取走行レール上に移し、そして、この刈取走行台車を、前記刈取走行レールに沿って動力的に移動走行することによって、前記のこぎり屋根の一方の傾斜面における芝草を刈取り、そして、この一つののこぎり屋根に対する刈取りが終わると、再び、前記昇降台車上に戻して、下降動したのち、前記主走行レールに沿って次ののこぎり屋根の箇所における刈取りに移動するようにことが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記刈取機構を備えた刈取走行台車を刈取走行レールに沿って動力的に移動走行しての刈取りに際して、この刈取走行台車の動力的な移動走行には、この刈取走行台車に搭載した電動モータ等の動力源の回転を、当該刈取走行台車における走行車輪に適宜減速して伝達し、この車輪を回転駆動するという構成が採用されている。
【0006】しかし、この構成において、電動モータ等の動力源と走行車輪とは、減速機能を有する動力伝達機構を対して、回転が相互に伝わるように連結された形態になっているから、電動モータ等の動力源側に、電力線の断線とか電動モータの焼き付き等という故障が発生した場合に、前記刈取走行台車を、人力によって移動走行することは、動力源までも回転しなければならないから、人力による移動走行が著しく重くなるという問題があった。
【0007】この場合、前記動力源から走行車輪への動力伝達機構中に、動力伝達を断続するクラッチ機構を設ければ良いが、クラッチ機構を設けることは、これだけ構造が複雑化するばかりか、重量のアップを招来することになる。
【0008】本発明は、前記刈取走行台車における電動モータ等の動力源側に故障が発生して、動力による移動走行が不能になった場合に、構造の複雑化及び重量のアップを使用することなく、人力で軽く移動走行できるようにすることを技術的課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成するため本発明は、「主走行レールに沿って移動走行する主走行台車と、刈取機構を備えて前記主走行レールと直角方向に延びる刈取走行レールに沿って移動走行する刈取走行台車とを備え、前記主走行台車に、前記刈取走行レールと平行に延びる副走行レールを昇降動するように設けて、前記刈取走行台車が前記刈取走行レールからこの副走行レール側に又はその逆に移り変え移動走行できように構成し、更に、前記主走行台車に、当該刈取走行台車における走行車輪を歯車列機構を介して回転駆動する電動モータ等の動力源を設けて成る草刈り装置において、前記歯車列機構の途中に、動力源の回転を走行車輪に伝達するアイドラー歯車を配設して、このアイドラー歯車を、刈取走行台車の車体フレームに着脱自在に取付けた。」ことを特徴としている。
【0010】
【発明の作用・効果】この構成において、刈取走行台車を載せた主走行台車が、その副走行レールが刈取走行レールに一致する位置まで移動すると、この主走行台車における副走行レールが、前記刈取走行レールと同じ高さにまで上昇して、この副走行レール上に乗っている刈取走行台車を、前記刈取走行レール側に乗り換えるように移動走行したのち、この刈取走行台車を、刈取走行レールに沿って、当該刈取走行台車に搭載した電動モータ等の動力源にて移動走行することによって所定の刈取を行う。
【0011】前記刈取走行レールに沿っての刈取が終わると、この刈取走行レールにおける刈取走行台車を主走行台車の副走行レール側に乗り換え移動走行したのち、下降動して、主走行台車を、次の刈取走行レールの箇所まで移動走行し、以下同様にして、前記の刈取を行うのである。
【0012】前記刈取走行台車を刈取走行レールに沿って動力にて移動走行する場合に、その電動モータ等の動力源が故障が発生して、動力による移動走行が不能になった場合には、その動力源から走行車輪への動力伝達用の歯車列機構の途中に設けたアイドラー歯車を取り外すことにより、前記動力源から走行車輪への動力伝達を、走行車輪の回転が動力源に伝わらないように遮断することができるから、前記刈取走行台車を、前記刈取走行台車を刈取走行レールに沿って、人力によって比較的軽い力で移動走行することができるのである。
【0013】従って、本発明によると、動力源から走行車輪への動力伝達にて移動走行する刈取走行台車を、その動力源が故障が発生した場合に、人力で移動走行できるようにすることを、前記動力源から走行車輪への動力伝達用の歯車列機構の途中に設けたアイドラー歯車の取り外しによって、クラッチ機構を設けることなく、簡単に行うことができるから、刈取走行台車の構造の簡単化と、軽量化とを図ることができる効果を有する。
【0014】また、副走行レールを、刈取走行レールに対して昇降動するとき、その高さ合わせする高さセンサーを、請求項2に記載したように、前記副走行レールのうち前記刈取走行レール側の一端部に埋設して設けたことにより、この高さセンサーを設けるための構造を簡単化できるとともに、この高さセンサーを、これが損傷されないように確実に保護することができる利点がある。
【0015】更にまた、請求項3に記載したように、前記刈取走行台車のうちその前進方向の前側における走行車輪よりも適宜距離だけ前方の部分に、前記刈取走行レール及び副走行レールを検出する第1レールセンサーを、この第1レールセンサーから前記刈取走行レールと副走行レールとの間の間隔により大きい距離だけ更に前方の部分に、前記刈取走行レール及び副走行レールを検出する第2レールセンサーを設け、この両レールセンサーのいずれか一方又は両方がレールを検出しているとき前記刈取走行台車を前進走行し、両レールセンサーのいずれもがレールを検出しないとき前記刈取走行台車の前進走行を停止するように構成することにより、前記刈取走行台車を、刈取走行レールに沿って移動走行することができるものでありながら、主走行台車における副走行レールが前記刈取走行レールに略直線状に一致しているときのみ、前記刈取走行台車を、刈取走行レールから副走行レールに、又はその逆に乗り換え移動走行することができるから、刈取走行台車に脱輪が発生することを、自動的に確実に防止できる利点がある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、建物の屋上におけるのこぎり屋根に植えた芝草の刈取に適用した場合の図面について説明する。
【0017】図1〜図3において、符号1は、建物の屋上におけるのこぎり屋根を示し、この各のこぎり屋根における一方の傾斜面1aには、芝草が植え付けられ、他方の傾斜面1bには、採光用の窓(図示せず)が設けられている。
【0018】前記各のこぎり屋根1における側方の部位には、一対の主走行レール2が、各のこぎり屋根1と直角の方向に延びるように設けられ、また、前記各のこぎり屋根1の左右両側、つまり、各のこぎり屋根1間の谷間の部分には、金属パイプ製の刈取走行レール3が、のこぎり屋根1の長手方向、つまり、前記両主走行レール2と直角の方向に延びるように設けられている。
【0019】符号4は、前記両主走行レール2に沿って動力にて往復して移動走行する主走行台車を示し、この主走行台車4の上面には、昇降台5が、油圧シリンダ等の昇降機構6にて昇降動するように設けられている。
【0020】符号7は、前記のこぎり屋根1を跨ぐように構成した刈取走行台車を示し、この刈取走行台車7は、前記刈取走行レール3に接地する複数個の走行車輪9を有する左右一対の両車体フレーム8の相互間をフレーム10にて連結し、このフレーム10に、刈取機構11の複数個を取付けた構成であり、前記両車体フレーム8における各走行車輪9を、両車体フレーム8に搭載した減速機構付き電動モータ12にて時計方向又は反時計方向に回転駆動することにより、前記刈取走行レール3及び後述する副走行レール20に沿って動力にて往復して移動走行するように構成されている。
【0021】すなわち、両車体フレーム8における各走行車輪9の相互間を、複数個の歯車13にて連動連結し、この各歯車13のうち一つの歯車13と、前記減速機構付き電動モータ12における出力軸14上のピニオン歯車15との間に、アイドラ歯車16を、前記両歯車13,15の両方に噛合するように配設して、このアイドラ歯車16を一端に回転自在に被嵌した支持軸17を、前記車体フレーム8に固着した軸受け部18に抜き差し自在に挿入したのち、この支持軸18の他端に、抜け止め用のボルト19を螺着することにより、前記アイドラ歯車16を前記車体フレーム8に対して着脱自在に取付けるように構成する。
【0022】一方、前記主走行台車4における昇降台5の上面には、前記刈取走行レール3と平行に延びる金属パイプ製の二本の副走行レール20を、前記刈取走行レール3の間隔と同じ間隔で設けて、この両副走行レール20が前記一対の刈取走行レール3に略直線状に一致しているとき、前記刈取走行台車7が、刈取走行レール3側から副走行レール20側に、又はその逆に乗り換え移動走行できるように構成する。
【0023】また、前記主走行台車4の昇降台5における一方の副走行レール20の一端部には、当該副走行レール20が前記刈取走行レール3の高さ位置まで上昇したときこの刈取走行レール3の一端を、光の反射又は近接によって検出するようにした高さセンサー21を、当該一端部内に埋設して設けることにより、この高さセンサー21の検出信号に連動して前記昇降台5の上昇動を停止することにより、前記昇降台5の上昇動を、その上面における両副走行レール20が前記刈取走行レール3に位置する高さ位置に自動的に規制するように構成する。
【0024】更にまた、前記刈取走行台車7における一方の車体フレーム8には、その移動方向の両端部にセンサーボックス22を設けて、この両センサーボックス22内に、レールの有無を光の反射等にて検出する二つのレールセンサー23,24を設け、この両レールセンサー23,24のうち一方の第1レールセンサー23を、車体フレーム8における各走行車輪9のうち一端部に位置する走行車輪9から適宜距離L1だけ離れた部位に、他方の第2レールセンサー24を、前記第1レールセンサー23から前記刈取走行レール3と前記副走行レール20の間の間隔寸法Sよりも大きい距離L2だけ更に離れた部位に各々配設することにより、この両レールセンサー23,24のうちいずれか一方又は両方がレールを検出しているときには、前記刈取走行台車7を前記電動モータ12にて移動走行するが、前記両レールセンサー23,24のいずれもがレールを検出しないときには、前記刈取走行台車7の前記電動モータ12による移動走行を停止するように構成する。
【0025】この構成において、図1及び図3に二点鎖線で示すように、刈取走行台車7を載せた主走行台車4が、一つののこぎり屋根1の箇所の位置まで移動すると、この主走行台車4における両副走行レール20が、昇降機構6にて上昇動し、この上昇動中において、一方の副走行レール20に設けた高さセンサー21が前記一つののこぎり屋根1における両刈取走行レール3を検出すると、前記の上昇動が自動的に停止し、これにより、図3に二点鎖線で示すように、両副走行レール20が、前記一つののこぎり屋根1における両刈取走行レール3と同じ高さになるように自動的に高さ合わせされる。
【0026】次いで、この副走行レール20上に乗っている刈取走行台車7を、これに搭載した電動モータ12にて各走行車輪9を回転駆動することにより、図1〜図3に実線で示すように、前記副走行レール20から刈取走行レール3側に乗り換えるように移動走行する。
【0027】この場合において、両副走行レール20が両刈取走行レール3に対して略直線状に一致しているときには、前記刈取走行台車7に設けられている両レールセンサー23,24のいずれか一方又は両方が前記副走行レール20及び刈取走行レール3を検出することにより、前記刈取走行台車7は、両副走行レール20から刈取走行レール3側に電動モータ12にて乗り換え移動走行する。
【0028】しかし、前記両レールセンサー23,24のいずれもが、副走行レール20及び刈取走行レール3を検出しないとき、つまり、刈取走行レール3に対して副走行レール20が略直線状に一致していないとき、前記刈取走行台車7は、副走行レール20に乗った状態のままで電動モータ12が停止して、刈取走行レール3側への移動走行を停止する。
【0029】このようにして、前記刈取走行台車7が、刈取走行レール3側に乗ると、その電動モータ12の駆動にて両刈取走行レール3に沿って移動走行することにより、前記一つののこぎり屋根1における一方の傾斜面1aに植えられている芝草を、この刈取走行台車7に設けられている各刈取機構11にて刈り取ることができる。
【0030】この刈り取りが両刈取走行レール3の終端まで進行し、刈取走行台車7に設けられている両レールセンサー23,24がレールを検出しない状態になった時点で、刈取走行台車7の電動モータ12による移動走行が自動的に停止する。
【0031】次いで、前記刈取走行レール3に沿っての刈取が終わると、前記刈取走行台車7は、刈取走行レール3に沿って前記主走行台車4側に向かって移動走行し、これに設けた両レールセンサー23,24のうち第2レールセンサー24が、主走行台車4における両副走行レール20が前記両刈取走行レール3に対して略直線状に一致していることを検出すると、そのまま刈取走行レール3から主走行台車4における両副走行レール20側に乗り換えて、主走行台車4に乗ることになる。
【0032】しかし、刈取走行台車7が、前記主走行台車4側に移動走行した時点で、これに設けた両レールセンサー23,24のいずれもが、刈取走行レール3及び副走行レール20を検出しないとき、つまり、両刈取走行レール3に対して両副走行レール20が略直線状に一致していないときには、前記刈取走行台車7は、前記刈取走行レール3側において停止したままの状態になる。
【0033】このようにして、刈取走行台車7が主走行台車4に乗ると、この主走行台車4は、これに載せた刈取走行台車7を一旦下降動したしたのち、次ののこぎり屋根1の箇所の位置まで移動し、以下同様にして、前記の刈取を行うのである。
【0034】そして、前記刈取走行台車7を、刈取走行レール3及び副走行レール20に沿って電動モータ12にて移動走行する場合に、その電動モータ12に故障が発生して、動力による移動走行が不能になったときには、前記電動モータ12と各走行車輪9に対する歯車13との間に配設したアイドル歯車16を、その支持軸17の末端のボルト19を緩めて、図5に二点鎖線で示すように、取り外すことにより、前記電動モータ12から各走行車輪9への動力伝達を、各走行車輪9の回転が電動モータ12に伝わらないように遮断することができるから、前記刈取走行台車7を、人力によって比較的軽い力で、刈取走行レール3及び副走行レール20に沿って移動走行することができるのである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成13年2月26日(2001.2.26)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
【公開番号】 特開2002−247907(P2002−247907A)
【公開日】 平成14年9月3日(2002.9.3)
【出願番号】 特願2001−50182(P2001−50182)