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【発明の名称】 結束装置
【発明者】 【氏名】矢田 猛

【要約】 【課題】紐案内パイプの出口とニードルの紐通し孔との相対位置に拘わらず、結束紐がニードルの紐案内溝から外れることを防止し、紐案内パイプの出口とニードルの紐通し孔との相対位置を、紐通し補助具による紐通し作業に最適化することを可能にする。

【解決手段】紐案内パイプ20の出口20bから引き出される結束紐13を、紐案内溝14bを有するニードル14の紐通し孔14aに挿通し、該ニードル14の結束動作に伴い、前記結束紐13を紐案内溝14bに沿わせながら紐案内パイプ20から引き出す刈取結束機1において、前記紐案内パイプ20の出口部20bに、ニードル動作時の結束紐引き出し位置をニードル14の紐案内溝14bに位置合わせする紐ガイド部20cを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 紐案内パイプの出口から引き出される結束紐を、紐案内溝を有するニードルの紐通し孔に挿通し、該ニードルの結束動作に伴い、前記結束紐を紐案内溝に沿わせながら紐案内パイプから引き出す結束装置において、前記紐案内パイプの出口部に、ニードル動作時の結束紐引き出し位置をニードルの紐案内溝に位置合わせする紐ガイドを設けたことを特徴とする結束装置。
【請求項2】 請求項1の結束装置は、紐案内パイプおよびニードルへの紐通し作業を補助する可撓性の紐通し補助具を備えると共に、紐案内パイプの出口とニードルの紐通し孔との相対位置を、紐通し補助具の突出方向に合わせて設定し、さらに、ニードル動作時の結束紐引き出し位置を、前記紐ガイドでニードルの紐案内溝に位置合わせすることを特徴とする結束装置。
【請求項3】 請求項1又は2において、前記紐ガイドによる結束紐の引き出しガイド位置を調整自在にしたことを特徴とする結束装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バインダ等に設けられる結束装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、バインダ等に設けられる茎稈用の結束装置は、紐案内パイプの出口から引き出される結束紐を、紐案内溝を有するニードルの紐通し孔に挿通し、該ニードルの結束動作に伴い、前記結束紐を紐案内溝に沿わせながら紐案内パイプから引き出すように構成されている。また、この種の結束装置のなかには、紐案内パイプおよびニードルへの紐通し作業を補助する可撓性の紐通し補助具を備えるものがあり、このものでは、紐案内パイプの始端側で紐通し補助具の先端部に結束紐を係合させた後、紐通し補助具を紐案内パイプに押込むだけで、結束紐を紐案内パイプおよびニードルに通すことが可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記紐通し補助具は、紐案内パイプの出口からニードルの紐通し孔に向けて突出する際、その突出方向が下方を向く傾向がある。そのため、紐案内パイプの出口とニードルの紐通し孔とを正確に芯合せすると、紐通し補助具がニードルの紐通し孔に挿通し難くなる場合がある。そこで、紐案内パイプの出口とニードルの紐通し孔との相対位置を、紐通し補助具の突出方向に合わせて設定することが提案されるが、この場合には、結束紐の引き出し位置とニードルの紐案内溝とが位置ズレするため、結束動作時に結束紐が紐案内溝から外れて結束不良を生じる可能性がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、紐案内パイプの出口から引き出される結束紐を、紐案内溝を有するニードルの紐通し孔に挿通し、該ニードルの結束動作に伴い、前記結束紐を紐案内溝に沿わせながら紐案内パイプから引き出す結束装置において、前記紐案内パイプの出口部に、ニードル動作時の結束紐引き出し位置をニードルの紐案内溝に位置合わせする紐ガイドを設けたことを特徴とするものである。つまり、ニードル動作時の結束紐引き出し位置をニードルの紐案内溝に位置合わせする紐ガイドを設けることにより、紐案内パイプの出口とニードルの紐通し孔との相対位置に拘わらず、結束紐がニードルの紐案内溝から外れることを防止でき、その結果、紐案内パイプの出口とニードルの紐通し孔との相対位置を、紐通し補助具による紐通し作業に最適化する等、設計の自由度を広げることができる。また、前記結束装置は、紐案内パイプおよびニードルへの紐通し作業を補助する可撓性の紐通し補助具を備えると共に、紐案内パイプの出口とニードルの紐通し孔との相対位置を、紐通し補助具の突出方向に合わせて設定し、さらに、ニードル動作時の結束紐引き出し位置を、前記紐ガイドでニードルの紐案内溝に位置合わせすることを特徴とするものである。つまり、紐案内パイプの出口とニードルの紐通し孔との相対位置を、紐通し補助具の突出方向に合わせて設定しても、結束紐がニードルの紐案内溝から外れることを防止できるため、紐通しの容易性および結束の確実性を兼備えた結束装置を提供することが可能になる。また、前記紐ガイドによる結束紐の引き出しガイド位置を調整自在にしたことを特徴とするものである。つまり、紐ガイドによる結束紐の引き出しガイド位置を紐案内溝の中心に正確に位置合わせすることができるため、加工誤差や組立誤差による位置ズレで紐案内溝から結束紐が外れる不都合も防止することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第一の実施形態を図面に基づいて説明する。図面において、1は茎稈の刈取りおよび結束を行う刈取結束機(結束装置)であって、該刈取結束機1は、機体の前後方向中間位置に左右一対の走行車輪2を備えている。走行車輪2を支持する車軸前方には、茎稈の刈取および結束を行う刈取部3が設けられる一方、車軸後方には、刈取動力および走行動力を発生させるエンジン4、該エンジン動力を変速して走行車輪2や刈取部3に供給するトランスミッションケース5、各種の操作具が取付けられる操作ハンドル6等が設けられている。
【0006】前記刈取部3は、茎稈を分草するデバイダ7、分草された茎稈を引き起す後傾姿勢の引起装置8、茎稈の穂先側を機体一側方に搬送ガイドする搬送カバー9、茎稈の株元部を切断する刈刃装置(図示せず)、茎稈の株元側をスターホイール等で掻き込む掻込装置(図示せず)、掻き込まれた茎稈の株元側を結束する結束機構10等を備えて構成されている。結束機構10は、掻き込まれた茎稈を集束するパッカ11、集束された茎稈の結束適正量を感知するドア12、該ドア12の感知に応じて茎稈に結束紐13を巻きかけるニードル14、結束紐13を結ぶビル15、結束紐13の先端を保持し、所定のタイミングで結束紐13を切断するホルダ16、結束した茎稈を機外に放出するスイーパ17等を備えて構成されており、連続的に刈り取られる茎稈を適正量で結束し、茎稈束として順次機外に放出するように動作される。
【0007】前記搬送カバー9の上部後方には、紐玉18を収容する紐バスケット19が設けられている。紐玉18から引き出される結束紐13は、図示しない紐ブレーキおよび弛み取りスプリングを経由して後述する紐案内パイプ20の入口20aに至ると共に、該入口20aから紐案内パイプ20に挿通されて出口20bに至り、さらに、ニードル14の先端部に形成される紐通し孔14aを通ってホルダ16に至る。前記ニードル14は、平面視円弧状に形成されると共に、円弧中心側を支点として前後方向に回動し、その往路で茎稈に結束紐13を巻きかけるように構成されている。また、ニードル14の外周部には、長さ方向(動作方向)に沿う紐案内溝14bが形成されており、ニードル14の動作に伴って紐案内パイプ20から引き出される結束紐13を紐案内溝14bで案内保持することにより、結束紐13の絡み付き等が防止される。
【0008】前記紐案内パイプ20は、紐バスケット19の右側近傍位置からニードル14の先端近傍位置に至るように三次元的に湾曲形成されており、その終端部は、ニードル14の紐通し孔14aを左側方から指向するように直線的に形成されている。一方、紐案内パイプ20の始端部後方には、所定間隔を存して紐通し案内パイプ21が配置されている。紐通し案内パイプ21は、その後端部が後述の紐通し案内レール22に直線的に連結される一方、前端部が紐案内パイプ20の入口20aを指向するように略へ字状に湾曲形成されている。
【0009】前記紐通し案内レール22は、機体の右側部に前後方向を向いて配置されており、その内部には、可撓性を有する紐通しワイヤ23(紐通し補助具)が挿通されている。紐通しワイヤ23の後端部には、紐通し案内レール22の長さ方向に沿ってスライド操作可能な紐通しレバー24が連結される一方、紐通しワイヤ23の前端部には、二股状の弾性板材からなる紐係止板25が設けられている。つまり、紐玉18の交換等に際し、紐案内パイプ20に結束紐13を通す場合は、紐玉18から引き出した結束紐13の先端部を紐係止板25に係止した後、紐通しレバー24を前方にスライド操作する。それに伴って紐通し案内レール22から繰出される紐通しワイヤ23は、結束紐13を保持しながら入口20aから紐案内パイプ20内に押し込まれると共に、紐案内パイプ20に沿って撓みながら出口20bに達し、さらに、出口20bから突出してニードル14の紐通し孔14aを貫通する。これにより、紐案内パイプ20およびニードル14に対し、結束紐13を容易に通すことが可能になる。また、上記のように紐案内パイプ20およびニードル14に結束紐13を通した後は、紐係止板25から結束紐13を外すと共に、紐通しレバー24を後方にスライド操作して紐通し案内レール22に紐通しワイヤ23を収納し、しかる後、結束紐13の先端部を手で引きながら結束機構10を動作させる。結束機構10が動作すると、ニードル14がホルダ16に結束紐13を渡すと共に、ホルダ16が余分な結束紐13を切断する。その後、切断された結束紐13を除去すれば、結束機構10による結束作業が可能になる。
【0010】前記紐通しワイヤ23は、前記紐案内パイプ20の出口20bから突出する際に前下方を指向する。この現象は、湾曲した紐案内パイプ20に挿通された紐通しワイヤ23が弾性復元力で出口20bの周縁部に接当することによって生じる。そのため、紐案内パイプ20の出口20bとニードル14の紐通し孔14aとの相対位置は、紐通しワイヤ23の突出方向に合わせ、紐案内パイプ20の方が高くなるように設定されている。これにより、紐通しワイヤ23を用いたニードル14への紐通しに際し、その確実性が高められることになる。
【0011】前記紐案内パイプ20の出口20bには、ニードル動作時の結束紐引き出し位置を制限する紐ガイド部20cが形成されている。紐ガイド部20cは、出口20bの前下部を前方に向けて先細り状に拡開加工することによって形成されており、その先端部高さは、ニードル14における紐案内溝14bの中心高さに一致するように設定されている。つまり、結束動作に伴ってニードル14が結束紐13を引っ張ると、結束紐13は、紐ガイド部20cの先端ガイド部20dを通るようにして紐案内パイプ20から引き出されると共に、この引き出し位置がニードル14の紐案内溝14bに位置合わせされているため、結束紐13を紐案内溝14bで確実に案内保持することが可能になる。
【0012】叙述の如く構成されたものにおいて、紐案内パイプ20の出口20bから引き出される結束紐13を、紐案内溝14bを有するニードル14の紐通し孔14aに挿通し、該ニードル14の結束動作に伴い、前記結束紐13を紐案内溝14bに沿わせながら紐案内パイプ20から引き出すが、前記紐案内パイプ20の出口部20bに、ニードル動作時の結束紐引き出し位置をニードル14の紐案内溝14bに位置合わせする紐ガイド部20cを形成したため、紐案内パイプ20の出口20bとニードル14の紐通し孔14aとの相対位置に拘わらず、結束紐13がニードル14の紐案内溝14bから外れることを防止できる。従って、紐案内パイプ20の出口20bとニードル14の紐通し孔14aとの相対位置を、紐通しワイヤ23の突出方向に合わせて最適化することが可能になり、その結果、紐通しの容易性および結束の確実性を兼備えた刈取結束機1を提供することができる。
【0013】次に、本発明の第二の実施形態を図8に基づいて説明する。図8に示すように、第二実施形態の紐ガイド26は、線材を曲げ加工して形成されている。その中間部には、前記第一実施形態の紐ガイド部20cと正面視で略同一形状の紐ガイド部26aが形成されており、また、両端部には、紐案内パイプ20の終端部外周面に溶着するための固定部26bが形成されている。そして、紐ガイド26は、紐ガイド部26aと紐案内パイプ20の出口20bとが所定間隔を存し、かつ紐ガイド部26aの先端ガイド部26cが上記出口20bの前下方に位置するように紐案内パイプ20に溶着されることにより、前記第一実施形態の紐ガイド部20cと同様の作用効果を奏し、しかも、紐ガイド26を紐案内パイプ20と別部材で構成することにより、既存の紐案内パイプ20を形状変更することなく、本発明を実施することが可能になる。
【0014】次に、本発明の第三の実施形態を図9に基づいて説明する。図9に示すように、第三実施形態の紐ガイド27は、第二実施形態の紐ガイド26と同様に線材を曲げ加工して形成されるが、紐ガイド27は、紐案内パイプ20の終端部に回動自在に外嵌する可動プレート28に溶着されている。そして、可動プレート28は、長孔28aを介して紐案内パイプ20側の固定プレート29にボルト止めされるため、ボルトを緩めることにより、長孔28aに沿って可動プレート28および紐ガイド27を移動させることができる。つまり、紐ガイド27の先端ガイド部27aを少なくとも上下方向に位置調整することができるため、紐ガイド27による結束紐13の引き出しガイド位置を紐案内溝14bの中心に正確に位置合わせすることができ、その結果、加工誤差や組立誤差による位置ズレでニードル14の紐案内溝14bから結束紐13が外れる不都合も防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成13年2月22日(2001.2.22)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開2002−238330(P2002−238330A)
【公開日】 平成14年8月27日(2002.8.27)
【出願番号】 特願2001−46753(P2001−46753)