| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】嶋田 耕治郎
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| 【要約】 |
【課題】刈取部前部10の前後方向の全範囲の実際高さを従来よりも簡易に最適値に合致させ得るものとなし、的確な刈取作業の行えるものとなす。
【解決手段】機台1前部に横向き軸3回りの上下揺動可能に装着された刈取上下揺動機構部9を介して、機台前方に、引起こし装置20a、20bや刈刃装置21の装設された刈取部前部10を左右方向の移動可能に装着されたコンバインにおいて、前記刈取上下揺動機構部9の左右方向部分の左右箇所に後向きの揺動アーム16a、16bを第一縦軸s1回りの揺動可能に延出させ、これら揺動アーム16a、16bの後端部に第二縦軸s2を介して前記刈取部前部10を枢支させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機台前部に横向き軸回りの上下揺動可能に装着され前端部が機台前方に張り出された刈取揺動機構部に、引起こし装置や刈刃装置の装設された刈取部前部を左右方向の移動可能に装着されたコンバインにおいて、前記刈取揺動機構部の左右方向部分の左右箇所に後向きの揺動アームを第一縦軸回りの揺動可能に延出させ、これら揺動アームの後端部に第二縦軸を介して前記刈取部前部を枢支させたことを特徴とするコンバイン。 【請求項2】 機台前部に横向き軸回りの上下揺動可能に装着され前端部が機台前方に張り出された刈取揺動機構部に、引起こし装置や刈刃装置の装設された刈取部前部を左右方向の移動可能に装着されたコンバインにおいて、前記刈取揺動機構部の左右方向部分の左右箇所に後向きの揺動アームを第一縦軸回りの揺動可能に延出させると共に、前記刈取部前部の後部左右箇所から後向きの片持ち支持部材を延出させ、各揺動アームの後端部と、各片持ち支持部材の後端部とを第二縦軸を介して枢着したことを特徴とするコンバイン。 【請求項3】 第一縦軸がその垂直姿勢に対し上部を幾分前方へ変位された前傾姿勢となされると共に、刈取部前部がその左右方向移動範囲の一端側から他端側へ移動されたとき、第二縦軸がその対応する揺動アームの後端部の移動軌跡の最上点を通過する構成としたことを特徴とする請求項2記載のコンバイン。 【請求項4】 揺動アームの下側に片持ち支持部材を位置させたことを特徴とする請求項2又は3記載のコンバイン。 【請求項5】 揺動アームの上側に片持ち支持部材を位置させ、刈取揺動機構部前部の後方となる左右の片持ち支持部材箇所に、引起こし装置や刈刃装置を駆動するための駆動機構を設けたことを特徴とする請求項2又は3記載のコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、左右移動自在となされた刈取部前部を備えたコンバインに関する。 【0002】 【従来の技術】図8に示すように、機台前部に横向き軸3回りの上下揺動可能に装着された刈取上下揺動機構部9を設けると共に、この上下揺動機構部9の左右箇所に、前向きの揺動アーム16a’、16b’を第一縦軸s1回りの揺動自在に装着し、これら揺動アーム16a’、16b’の前端部に、引起こし装置20a、20b等や図示しない刈刃装置等の装設された刈取部前部10を第二縦軸s2を介して枢支させた構成となされたコンバインは存在している(特開平9−84439号公報及び特開平9−84438号公報)。 【0003】この種のコンバインでは、揺動アーム16a’、16b’や刈取部前部10がこれらの重量とか第一縦軸s1や第二縦軸s2回りの遊隙により下方へ垂れ下がったり撓むことは避けられないのであり、この垂下がりや撓みが刈取部前部10の実際高さと計画高さとの誤差を生じさせる要因をなすのである。また、第一及び第二縦軸s1、s2や揺動アーム16a’、16b’による結合構造は隙間に起因した刈取部前部10の左右方向の遊動変位を生じさせるのであり、この遊動変位が刈取部前部10の実際左右移動量と計画左右移動量との誤差を生じさせる要因をなすのである。なお、上記図8中、後述の本発明に係る実施例と実質的同一部位には同一符号が付してある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記した垂下がりや撓みによる刈取部前部10の高さ誤差や、遊動変位による刈取部前部10の左右移動量の誤差は、正確な刈取作業にとって障害をなす。本発明は、これらの誤差を軽減させて正確な刈取作業が行えるものとしたコンバインを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明に係るコンバインでは次のようになすのであって、即ち、請求項1に記載したように、機台前部に横向き軸回りの上下揺動可能に装着され前端部が機台前方に張り出された刈取揺動機構部に、引起こし装置や刈刃装置の装設された刈取部前部を左右方向の移動可能に装着されたコンバインにおいて、前記刈取揺動機構部の左右方向部分の左右箇所に後向きの揺動アームを第一縦軸回りの揺動可能に延出させ、これら揺動アームの後端部に第二縦軸を介して前記刈取部前部を枢支させる。この発明によれば、揺動アームや刈取部前部がこれらの重量で垂れ下がったり撓んだとき、揺動アームの傾斜角θ1が刈取部前部の降下変位を打ち消すように作用するため、刈取部前部の実際高さはその計画高さに合致する傾向となる。 【0006】さらに詳細には請求項2に記載したようになすのであって、即ち、機台前部に横向き軸回りの上下揺動可能に装着され前端部が機台前方に張り出された刈取揺動機構部に、引起こし装置や刈刃装置の装設された刈取部前部を左右方向の移動可能に装着されたコンバインにおいて、前記刈取揺動機構部の左右方向部分の左右箇所に後向きの揺動アームを第一縦軸回りの揺動可能に延出させると共に、前記刈取部前部の後部左右箇所から後向きの片持ち支持部材を延出させ、各揺動アームの後端部と、各片持ち支持部材の後端部とを第二縦軸を介して枢着する。 【0007】この発明によれば、請求項1記載の発明と同様な作用が得られるほかに次のような作用が得られるのであって、即ち、後向きの片持ち支持部材が刈取部前部の従来の構造の大部分をそのまま使用することを可能となす。また刈取部前部は後向きの片持ち支持部材の長さを変更することで、種々の長さの揺動アームに対応できるものとなる。 【0008】上記請求項2に記載した発明は次のように具体化する。即ち、請求項3に記載したように、第一縦軸がその垂直姿勢に対し上部を幾分前方へ変位された前傾姿勢となされると共に、刈取部前部がその左右方向移動範囲の一端側から他端側へ移動されたとき、第二縦軸がその対応する揺動アームの後端部の移動軌跡の最上点を通過する構成となす。 【0009】このようにすれば、刈取部前部がその左右方向移動範囲の右端側から左端側へ移動されたとき、或いはその逆へ移動されたときの何れにおいても第一縦軸の前傾姿勢に基づく重力作用により生じた揺動アームの左右向き揺動力により刈取部前部の移動した左右何れかの方向へ付勢された状態となり、従って、刈取部前部は第一縦軸や第二縦軸による部材結合箇所の遊隙にも拘わらず、これら遊隙がゼロとなるように適宜な係止部材に安定的に押し付けられ、それら遊隙の存在箇所の刈取部前部移動方向側で部材接触が生じ、刈取部前部の左右方向の遊動が規制されるようになる。 【0010】また請求項4に記載したように、揺動アームの下側に片持ち支持部材を位置させる。このようにすれば、刈取上下揺動フレームの最下部が揺動アームに対し比較的高い位置となり、地面上の他物と接触し難くなるほか、片持ち支持部材が刈取上下揺動フレームと干渉し難くなる。 【0011】さらに請求項5に記載したように、揺動アームの上側に片持ち支持部材を位置させ、刈取揺動機構部前部の後方となる左右の片持ち支持部材箇所に、引起こし装置や刈刃装置を駆動するための駆動機構を設ける。このようにすれば、刈取部前部の重心が従来よりも、刈取部前部の後方へ移動して刈取揺動機構部の前部に近接するため、刈取上下揺動フレームに作用する曲げモーメント負荷が減少するものとなる。また刈取部前部が刈取上下揺動フレームに対し後方へ変位した構造となるため、機体全長の短縮化が可能となる。 【0012】 【発明の実施の形態】図1は本発明に係るコンバインの前部を示す左側面図、図2は前記コンバインの正面図、図3は前記コンバインの前部の平面図、図4は前記コンバインの刈取部の右側面図、図5は前記刈取部の駆動系統を示す図、図6は前記刈取部の垂下がりや撓みの状況を従来のそれと対比して示した説明図である。 【0013】本実施例のコンバインは、図1〜図4に示すように、機台1を支持した走行部2、機台1前方に位置され機台1上の特定横向き軸をなす刈取入力軸3回りの上下揺動可能となされた刈取部4、機台1上部の概ね中央に装設された脱穀部5、この脱穀部5の前方右側の機台1上に形成された操縦部6、この操縦部6の後側で脱穀部5右側の機台1上に配設された穀粒タンク7、及び、脱穀部5後方の機台1上に配設された図示しない排藁処理部を備えてなり、条植穀稈を機体の走行中に刈り取って脱穀し、この脱穀により得られた穀粒及び切れわら等の混合物を選別することにより精選された穀粒を順次に穀粒タンク7内に貯留させるように作動するものである。 【0014】上記走行部2は左右一対の走行クローラ2a、2aからなり、これら走行クローラ2a、2aのトラックフレーム8に前記機台1を支持させている。そして刈取部4は、機台1の前部から前斜め下方へ張り出した状態に形成された刈取上下揺動機構部9と、この刈取上下揺動機構部9により左右移動自在に支持された刈取部前部10とからなっている。 【0015】先ず、刈取上下揺動機構部9について説明すると、機台1上に左右一対の軸受台11a、11bを起立させ、この軸受台11a、11bの上部に軸受を介して刈取入力軸ケース12を回動自在に支持させ、この軸ケース12の長さ途中から前後向き刈取フレーム13を機台1前部から前斜め下方へ張り出させ、この前後向き刈取フレーム13と機台1との間に伸縮シリンダ装置14を架設して前後向き刈取フレーム13を上下方向の揺動駆動可能となし、この前後向き刈取フレーム13の先部に左右向き支持杆15を固定した構成となされている。 【0016】次に刈取部前部10について説明すると、左右向き伝動軸ケース17の両端部と中央箇所のそれぞれから前後向き刈取フレーム18a、18b、18cを前方へ張り出させ、これら前後向き刈取フレーム18a、18b、18cに前側から順に、機体進行方向の左右で隣接して生育している条植穀稈を分草するデバイダ19a、19b、19c、分草された条植穀稈を引き起こす左右一対の引起こし装置20a、20b、条植穀稈を刈り取る刈刃装置21、及び、刈り取られる前の穀稈や、刈り取られた後の穀稈(刈取穀稈)を特定箇所へ掻き込む掻込み装置22を装設したものとなしてある。 【0017】この際、左右の各引起こし装置20a、20bの下部は前後向き刈取フレーム18a、18cから起立させた支持部材23a、23bに固定させ、また左側の引起こし装置20aの上部後面は左右向き伝動軸ケース17の左端から起立させた左引起こし伝動軸ケース24aの上部に引起こし入力部25aを介して支持させると共に、右引起こし駆動ケース20bの上部後面は左右向き伝動軸ケース17の右端から起立させた右引起こし伝動軸ケース24bの上部に左引起こし入力部25bを介して支持させ、さらに左右の引起こし装置20a、20bの上部間を左右方向の外力に対し十分な剛性を発揮する構造となすように正面視逆U字形の管部材26で結合させる。掻込み装置22は一対の掻込み部22a、22bからなり、各掻込み部22a、22bは掻込みベルト27a、27bとスターホイール28a、28bとからなり、左右の掻込みベルト27a、27bは平面視で左右対称の前拡がりに配置され、また左右のスターホイール28a、28bの歯部をかみ合わせたものとなす。 【0018】そして、上記刈取部前部10は前記刈取上下揺動機構部9に平行リンク機構Rを介して左右移動可能に支持されている。この平行リンク機構Rは、前記刈取上下揺動機構部9の左右向き支持杆15の左右端部から後向きの揺動アーム16a、16bを第一縦軸s1回りの左右揺動可能に延出させると共に刈取部前部10の左右向き伝動軸ケース17の左右端部から片持ち支持部材17a、17bを後向きへ延出させ、これら片持ち支持部材17a、17bのそれぞれの後端部をその対応する揺動アーム16a、16bの後端部下面側に第二縦軸s2を介して枢着した構成としてある。この際、第一縦軸s1、s1は垂直姿勢に対して上部が幾分前方へ変位した前傾姿勢となされている。 【0019】刈取部前部10と脱穀部5との間には刈取部4の一部をなす搬送装置29が設けてあり、この搬送装置29は株元側を搬送する挟持搬送チェーン部30と、穂先側を係止搬送する搬送タイン部31とを備えている。挟持搬送チェーン部30及び搬送タイン部31はそれぞれの後端部を前記刈取入力軸ケース12にこの入力軸ケース12中心線回りの揺動可能でしかも略縦向きに配設された駆動軸32回りの横向き揺動可能に支持されており、前後長さ途中を支持高さ調整機構付支持手段mを介して支持され前後向き刈取フレーム13に連動して上下揺動されると共に、刈取部前部10の左右移動に連動してそれぞれの前端部a、bが左右移動されるほか、前記支持高さ調整機構付支持手段mの作動によりこれら前端部a、bを刈取部前部10に対し上下に調整移動されるものとなされている。 【0020】刈取入力軸ケース12の左右長さ途中と右引起こし伝動軸ケース24b上部とは伸縮作動可能となされた揺動伝動ケース34を介して連結されている。この揺動伝動ケース34は図4に示すように、刈取入力軸ケース12の左右長さ途中に略縦向きの軸c回りの揺動自在に係着された縦伝動ケース35と、この縦伝動ケース35から前方へ張り出させた後部伝動ケース36aと、この後部伝動ケース36aの前部内孔に出入り自在に内挿され且つ前端を右引起こし伝動軸ケース24b上部に固定された前部伝動ケース36bとからなる。 【0021】操縦部6は操縦席37や、各種操縦レバー等を備えたものとなしてあり、また38は脱穀部5のフィードチェーンで、搬送装置39の搬送した刈取穀稈を受け継いで搬送するように作用するものである。 【0022】次に刈取部4の駆動系統について説明する。図5等に示すように、刈取入力軸ケース12の中心部に設けられた刈取入力軸3の右端に、機台1上に設けた図示しないエンジンの回転を伝達されるプーリ39を固定し、前記縦伝動ケース35の内方には、前記刈取入力軸3とベベルギヤ40a、40bを介して連動連結させた縦軸41と、この縦軸41に固定されたベベルギヤ42aと、このベベルギヤ42aに噛み合わされて回転のみ自在となされたベベルギヤ42bを配置し、一方では刈取入力軸ケース12の左端に張出し状且つ左右向き軸及び縦向き軸回りの回転自在に接続された搬送伝動ケース12a(図2参照)を設け、この伝動ケース12aの内方に刈取入力軸3を到達させ、この刈取入力軸3の左端と、搬送装置29の後端部に配設された前記略縦向き駆動軸32とをベベルギヤ43a、43bを介して連動連結させ、この略縦向き駆動軸32の上端に搬送タイン部31の入力部をなすスプロケット44を固定し、この駆動軸32の下端に挟持搬送チェーン部30の入力部をなすスプロケット45を固定している。 【0023】また、ベベルギヤ42bの中心に透設された多角形摺動孔に前部伝動ケース36b及び後部伝動ケース36a内に設けられた刈取伝動軸46の後端部を軸方向変位のみ自在に嵌挿させると共に、刈取伝動軸46の前端部を右引起こし伝動ケース24b上部内方に設けられた上側右引起こし伝動軸47aに、ベベルギヤ48a、48bを介して連動連結させている。 【0024】そして、上側右引起こし伝動軸47aの上端は、右側の引起こし装置20bの引起こし入力部25b内に設けられた右引起こし駆動軸49bと、ベベルギヤ機構50bを介して連動連結させ、一方、上側右引起こし伝動軸47aの下端は右引起こし伝動ケース24bの長さ途中に形成されたギヤケースd(図2参照)内に設けられた平歯車機構51を介して、右引起こし伝動ケース24bの下部内に設けられた下側右引起こし伝動軸47bの上端と連動連結させ、また下側右引起こし伝動軸47bの下端をベベルギヤ52を介して左右向き伝動軸ケース17内の左右向き伝動軸53の右端に連動連結させ、この伝動軸53の長さ途中箇所と、左右向き伝動軸ケース17の長さ途中に固定した支持伝動ケース54に設けられた下部駆動軸55とをベベルギヤ56を介して連動連結させ、この下部駆動軸55にネジ歯車機構57を介して右側のスターホイール28bや掻込みベルト27bを、そしてクランク駆動機構58を介して刈刃装置21を駆動するようになしている。なお、左側のスターホイール28aや掻込みベルト27aは右側のスターホイール28bに追従して回転される。 【0025】さらに左右向き伝動軸53の左端はベベルギヤ機構59を介して左引起こし伝動軸ケース24a内の左引起こし伝動軸60の下端を連動連結させ、この左引起こし伝動軸60の上端は、左側の引起こし装置20aの引起こし入力部25aに設けられた左引起こし駆動軸49aと、ベベルギヤ61を介して連動連結させている。 【0026】次に上記したコンバインの取扱い例及び作動を説明する。通常の作業時には、刈取部前部10をその左右移動範囲内の左側移動終端位置(図3の仮想線位置k)に位置させ、この位置を図示しない適宜な係止手段に保持させて刈取作業を行う。これにより、左走行クローラ2aは刈取部前部10に対して未刈穀稈から離れる側へ位置した状態となって未刈穀稈を踏まないようになる。 【0027】中割作業時には、刈取部前部10をその左右移動範囲内の右側移動終端位置(図3の実線位置)に位置させ、この位置を図示しない係止手段に保持させて刈取作業を行う。これにより、左右の走行クローラ2a、2a間の中心が刈取部前部10の左右巾中央に近接し、左右の走行クローラ2a、2aは未刈穀稈を踏み難くなり、適正な中割作業が行われるようになる。 【0028】畦際刈作業時には、刈取部前部10をその左右移動範囲内の左右何れかの側の移動終端位置であって畦側となる位置に移動させ、この位置を図示しない係止手段に保持させて刈取作業を行う。これにより、畦側の走行クローラ2aがその畦に乗り上げる現象が阻止される傾向となる。 【0029】さらには刈取部前部10を左右移動範囲内の任意な特定位置に調節移動させて未刈穀稈列に対する条合わせを行い、この調節移動後の位置を図示しない係止手段に保持させて刈取作業を行う。これにより、刈取部前部10は各条列の未刈穀稈に正確に合致してこれを的確に刈り取るものとなる。 【0030】上記使用において、刈取部前部10を左右方向へ移動させる際は、図示しない係止手段による刈取部前部10の位置決め作用を解除した状態の下で、刈取部前部10に左右向きの手操作力或いは適宜な駆動力を付与し、この刈取部前部10を左右方向へ移動させるようにする。 【0031】この移動中、各揺動アーム16a、16bは前傾姿勢となされた第一縦軸s1回りに揺動されるため、その移動軌跡は前部の降下した水平面に沿ったものとなり、従って実施例のコンバインでは各揺動アーム16a、16bが機体の前後向き線に合致したとき、それらアーム16a、16bの後端部が最大高さとなり、各揺動アーム16a、16bが機体の前後向き線の左右側へ変位した量に比例して、その後端部が降下するのであり、この降下過程では刈取部前部10は重力作用によりそれらのアーム16a、16bの変位方向に対応した左右何れかの側へ向かう付勢力を付与されるものとなる。この付勢力は図示しない係止手段により幾分の遊隙による遊動の許容された状態に位置決めされた刈取部前部10の左右遊動箇所の部材間の隙間をゼロとなすように部材同士を接触させ、その左右遊動を規制するものとなる。これにより、刈取部前部10の実際の左右方向位置は計画上の左右位置に正確に合致した状態に保持され、刈取部前部10による条列穀稈の的確な刈取が可能になると共に、刈取部前部10の遊動によるガタツキ音が抑制されるものとなる。 【0032】また刈取前部10には第一縦軸s1や第二縦軸s2回りの遊隙や刈取部前部10の重量が作用するため、揺動アーム16a、16bや刈取フレーム18a、18b、18cには垂下がりとか撓みが生じるのであり、この垂下がりや撓みは揺動アーム16a、16bや刈取フレーム18a、18b、18cに重量が作用せず且つ遊隙が存在しないと仮定したときは発生しないため、揺動アーム16a、16bや刈取フレーム18a、18b、18cは図6Aに実線jで示すようになり、また実際にそれら重量や遊隙が存在するときは図6Aに点線tで示すようになる。前記点線tの場合、揺動アーム16a、16bや刈取フレーム18a、18b、18cには遊隙による垂れ下がりや重量による撓みが生じているが、揺動アーム16a、16bが後向きであるため、その傾斜角θ1が前記垂下がりや撓みによる刈取フレーム18a、18b、18cの降下変位を打ち消すように作用するものとなり、刈取部前部10の実際高さは揺動アーム16a、16bや刈取フレーム18a、18b、18cの垂下がりや撓みを考慮しない状態でのその計画高さ(実線で示す高さ)に合致する傾向となる。 【0033】図6Bには本発明の場合と比較するため図8に示す従来構造の場合の揺動アーム16a’、16b’や刈取フレーム18a、18b、18cの垂下がりや撓みの状況を示しており、揺動アーム16a’、16b’や刈取フレーム18a、18b、18cに重量が作用せず且つ第一縦軸s1と第二縦軸s2回りの遊隙が存在しないと仮定したときは図6Bに実線jで示すようになり、また実際にそれらの重量が作用し遊隙が存在するときは図6Bに点線tで示すようになり、この場合、揺動アーム16a’、16b’が前向きであるため、その傾斜角θ2が刈取フレーム18a、18b、18cの降下をさらに増大させるように作用し、刈取部前部10の実際高さは本発明の場合に較べて大きく降下する傾向となる。 【0034】上記した本発明の実施例において、揺動アーム16a、16bの揺動を係止するための係止手段はピンとこれの挿入されるピン孔とで形成することができる。また揺動アーム16a、16bの後端部下面側に片持ち支持部材17a、17bの後端部を第二縦軸s2を介して枢着したが、これに代えて、図7に示すように、揺動アーム16a、16bの後端部上面側に片持ち支持部材17a、17bの後端部を第二縦軸s2を介して枢着すると共に、前後向き刈取フレーム13よりも後側の左右の片持ち支持部材17a、17b箇所に引起こし装置20a、20b、掻込み装置22及び刈刃装置21を駆動するための駆動機構(左右向き駆動軸ケース17等)を設けることも差し支えない。 【0035】 【発明の効果】上記した本発明によれば、次のような効果が得られる。即ち、請求項1に記載のものによれば、刈取部前部の実際高さが、揺動アームや刈取部前部の重量や第一縦軸及び第二縦軸回りの遊隙による垂下がりや撓みが生じないとして定めたその計画高さに従来よりも合致する傾向となり、従って刈取部前部の前後方向の全範囲の実際高さを従来よりも簡易に最適値に合致させることができ、的確な刈取作業の行えるものとなる。 【0036】請求項2記載のものによれば、請求項1記載の発明と同様な効果が得られるほかに、後向きの片持ち支持部材を設けたことにより従来の刈取前部構造の大部分をそのまま使用することができ、また後向きの片持ち支持部材の長さを変更することで、種々の長さの揺動アームに簡易に対応することができる。 【0037】請求項3記載のものによれば、重力作用に基づく左右向きの付勢力により刈取部前部の左右向き遊動を規制することができ、これにより刈取部前部に安定的な刈取作業を行わせることができると共に遊隙によるガタツキ音の発生を阻止することができる。 【0038】請求項4記載のものによれば、刈取上下揺動機構部の最下部を高くして地面上の他物と接触し難くなすことができ、また片持ち支持部材をその前下がりにより刈取上下揺動機構部から離れるようになして刈取上下揺動機構部と干渉し難くなすことができる。 【0039】請求項5記載のものによれば、刈取部前部の重心を従来よりも、刈取部前部の後方へ移動させて刈取上下揺動機構部に近接させることにより、刈取上下揺動機構部に作用する曲げモーメント負荷を減少させることができ、また刈取部前部を刈取上下揺動機構部に対し後方へ変位させた構造となして機体全長の短縮化を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005164 【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月16日(2001.2.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−238320(P2002−238320A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月27日(2002.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−40293(P2001−40293) |
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