トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】岡田 利彦

【氏名】里路 久幸

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取った穀稈を後方に搬送する搬送装置を有する刈取部と、前記搬送装置から搬送されてくる穀稈を引継搬送すると共に穀稈の扱深さを調節する扱深さ調節装置と、該扱深さ調節装置から搬送されてくる穀稈を穀稈供給装置に引き継いで、後方に搬送しながら脱穀選別する脱穀装置を設けたコンバインにおいて、前記刈取部の駆動を入り切りする刈取操作手段を設け、該刈取操作手段の入り操作に関連して前記扱深さ調節装置を最も深扱き状態に調節するように構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】 請求項1において、搬送経路中の上手側と下手側に夫々後側穀稈センサ22と前側穀稈センサ28を設け、前記刈取操作手段25が入りになって前記前側穀稈センサ28がオンになると、前記扱深さ調節装置17を最も深扱き状態に調節するように構成したコンバイン。
【請求項3】 請求項1または請求項2において、搬送経路中の上手側と下手側に夫々後側穀稈センサ22と前側穀稈センサ28を設け、前記前側穀稈センサ28により穀稈無を検知すると、刈取部4を上動させると共に刈取部4への駆動を停止するように自動刈取部上昇制御するように構成し、かつ、前記刈取操作手段の入り操作に関連した前記扱深さ調節装置への最深扱き信号送出は後側穀稈センサ22がオンになるまで行うように構成したコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバインの刈取部の扱深さ調節装置の調節に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の、特開昭60−7721号公報には、刈取った穀稈を後方に搬送する搬送装置を有する刈取部と、前記搬送装置から搬送されてくる穀稈を引継搬送すると共に穀稈の扱深さを調節する扱深さ調節装置と、該扱深さ調節装置から搬送されてくる穀稈を穀稈供給装置に引き継いで、後方に搬送しながら脱穀選別する脱穀装置を設けたコンバインにおいて、前記刈取部の駆動を入り切りする刈取操作手段を設け、該刈取操作手段の切り操作に関連して前記扱深さ調節装置を深扱き状態に調節するようにした構成について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、刈取操作手段の切り操作に関連して前記扱深さ調節装置を深扱き状態に調節するようにした点に課題がある。即ち、刈取操作手段を切り操作後は一旦深扱き状態になるが、その後、どのようしていたか不明であるから、刈取作業開始時に、必ずしも深扱き状態になってないので、扱深さ調節装置の位置を点検する必要があり、これを忘れて作業開始すると、扱残しが発生するのであり、また、一つの圃場における作業中断後の作業再開時でも、中断したときは一旦深扱き状態になるが、その後、その時の中断理由によって扱深さ調節装置の位置が変更される場合があるから、この点でも、再開時において深扱き状態にするという確実性に掛け、扱残しが発生するのである。また、仮に、作業開始時、点検すれば確実に深扱き状態にできるが、それこそ面倒であって作業性が低く、これが忘れる原因となっている。そこで、本発明は、どのようにしたら、必ず深扱き状態で作業開始できるか工夫したものである。
【0004】
【発明の目的】作業開始時の扱残しの防止の確実化、操作性の向上。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、刈取った穀稈を後方に搬送する搬送装置を有する刈取部と、前記搬送装置から搬送されてくる穀稈を引継搬送すると共に穀稈の扱深さを調節する扱深さ調節装置と、該扱深さ調節装置から搬送されてくる穀稈を穀稈供給装置に引き継いで、後方に搬送しながら脱穀選別する脱穀装置を設けたコンバインにおいて、前記刈取部の駆動を入り切りする刈取操作手段を設け、該刈取操作手段の入り操作に関連して前記扱深さ調節装置を最も深扱き状態に調節するように構成したことを特徴とするコンバインとしたものである。本発明は、前記装置において、搬送経路中の上手側と下手側に夫々後側穀稈センサ22と前側穀稈センサ28を設け、前記刈取操作手段25が入りになって前記前側穀稈センサ28がオンになると、前記扱深さ調節装置17を最も深扱き状態に調節するように構成したコンバインとしたものである。本発明は、前記装置において、搬送経路中の上手側と下手側に夫々後側穀稈センサ22と前側穀稈センサ28を設け、前記前側穀稈センサ28により穀稈無を検知すると、刈取部4を上動させると共に刈取部4への駆動を停止するように自動刈取部上昇制御するように構成し、かつ、前記刈取操作手段の入り操作に関連した前記扱深さ調節装置への最深扱き信号送出は後側穀稈センサ22がオンになるまで行うように構成したコンバインとしたものである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は該機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5はグレンタンク、6は操縦部である。該刈取部4は前記機体フレーム1側に設けた支持台7に前方に伸びる縦支持フレーム8の基部を回動自在に取付け、縦支持フレーム8には刈取上下シリンダ9を取付け、前記刈取部4は上下動自在に構成する。刈取部4は、最前方位置に分草体11を設け、分草体11の後側に引起装置12を設け、引起装置12の後側に掻込装置13を設け、掻込装置13の下方に14を設け、刈刃14の後側に切断した穀稈を搬送する搬送装置15を設けて構成している。16はスターホイル、17は搬送装置15の終端側に設けた扱深さ調節装置であり、扱深さ調節センサ18により作動する。19は穀稈供給装置20に引き継ぐ引継搬送装置である。21は扱深さ調節装置17のアクチュエータであり、扱深さ調節センサ18により作動する。22は扱深さ調節センサ18より上手側の搬送経路中に設けた後側穀稈センサ、23は後側穀稈センサ22の上手側の搬送経路中に設けた短穀稈感知センサである。
【0007】しかして、前記扱深さ調節装置17による扱深さ調節は、通常、引継搬送装置19の搬送経路部分に設けた扱深さ調節センサ18により穀稈長さを検出して行うが、作業開始時は、前記刈取部4にのみ動力伝達を入り切りする刈取レバーの操作を刈取スイッチ25により検出すると、扱深さ調節装置17を最も深扱き状態に調節するように構成し、作業開始時の扱残しを防止する。即ち、エンジンから刈取部4へ伝達される回転は、刈取レバーにより入り切りすることにより刈取部4のみを単独駆動可能にし、この刈取レバーの操作を刈取スイッチ25によって作業開始と検出することで、作業開始を確実に判定して扱残しを防止する。なお、最初に刈取った穀稈が後側穀稈センサ22に至ると、アクチュエータ21への最深扱き調節信号送出は一旦停止させて扱深さ調節装置17を最深扱き位置に位置させ、ついで、穀稈が扱深さ調節センサ18に至ると、扱深さ調節センサ18により扱深さ調節する。
【0008】しかして、図6、図7は、扱深さ調節の他の実施例であり、刈取部4の分草体11の後側で前記後側穀稈センサ22の前側に穀稈の有無を検知する前側穀稈センサ28を設け、刈取スイッチ25がオンになって前側穀稈センサ28がオンになったとき、扱深さ調節装置17を最も深扱き状態に調節するように構成し、作業開始時の扱残しを防止する。この場合も、最初に刈取った穀稈が後側穀稈センサ22に至ると、アクチュエータ21への最深扱き信号送出は一旦停止させて扱深さ調節装置17を最深扱き位置に位置させ、ついで、穀稈が扱深さ調節センサ18に至ると、扱深さ調節センサ18により扱深さ調節する。しかして、図8、図9は、扱深さ調節の他の実施例であり、前記前側穀稈センサ28により穀稈を検知しなくなると、刈取部4を上動させてると共に刈取部4への駆動を停止するように制御し、該自動刈取部上昇制御するものにおいて、前記刈取スイッチ25のオンによるアクチュエータ21への最深扱き信号送出は後側穀稈センサ22がオンになるまで行って、作業開始時の扱残しを防止する。即ち、刈取スイッチ25のオンから前側穀稈センサ28がオンするまでの時間に影響されずに、後側穀稈センサ22がオンになるまでアクチュエータ21への最深扱き信号送出して扱深さ調節装置17を最深扱き位置に移動させる時間を確保し、確実に扱深さ調節装置17を最深扱き位置に位置させる。
【0009】しかして、前記縦支持フレーム8の先端に左右方向の下部伝動横筒30を設け、下部伝動横筒30には左右に所定に間隔を置いて複数の分草杆31の基部を固定し、各分草杆分草杆31の先端側には分草体11を夫々設け、複数の分草体11のうち、一部または全部の分草体11は、左右側に横軸回動自在および/または上下回動自在に構成する。即ち、分草体11は側面視先鋭形状の先端部32より後方に至るに従い高くなるように傾斜する分草面33を形成し、分草面33は上方に至るに従い幅が広くなる正面視三角形状に形成し、この分草体11を先端部32が左右方向に回動自在あるいは上下自在となるように構成する。分草体11には回動用アーム34の先端を固定し、回動用アーム34の基部には左右方向の横筒35を固定し、横筒35は左右方向の上下回動用取付横軸36に嵌合させる。上下回動用取付横軸36は前後方向の取付用筒37に固定し、取付用筒37は前後方向の左右回動用軸38に挿入固定し、左右回動用軸38は軸受部材39に回転のみ自在に挿入する。
【0010】前記左右回動用軸38の後端は前記軸受部材39の後端より後方に突出させ、左右回動用軸38の後端には入力ギヤ40を固定し、入力ギヤ40に出力ギヤ41を噛み合わせ、出力ギヤ41はモータ42により回転させて分草体11を左右回動用軸38中心に左右回動させる。前記軸受部材39は取付部材43の下部に取付け、取付部材43の中間部を分草杆31の先側に横軸44により回動自在に取付け、横軸44より上方に突出する取付部材43の上部にロッド45の前端を取付け、ロッド45の後部は上下用アクチュエータ46に接続して、分草体11を軸受部材39ごと上下回動可能に構成する。しかして、分草体11のうち既刈地側の分草体11は、標準モード(条刈りモード)のときには、通常高さの左右通常位置に位置させるが、中割りモード(横刈モード)のときには、分草体11の先端部32を通常位置に位置よりも外側に位置させて刈り幅を広げる。
【0011】また、湿田のときには、既刈地側に泥土が盛り上がっていることが多いので、分草体11のうち既刈地側の分草体11は、湿田モードとして、上下用アクチュエータ46により通常位置に位置よりも所定高さ上動させる。しかして、分草体11を取付ける横筒35には回動杆47の上下中間部を固定し、回動杆47の上部には上下回動用取付横軸36中心に常時上方回動するように付勢するバネ48の一端を係止し、バネ48の他端は前記取付用筒37側に係止し、取付用筒37にはステー49を設け、ステー49には前側ストッパ50と後側ストッパ51を設け、前側ストッパ50と後側ストッパ51の間に回動杆47を位置させ、分草体11が地面に接触して下方回動させる荷重が掛かると、バネ48の弾力に抗して上下回動用取付横軸36中心に分草体11を下方回動させて破損を防止する。しかして、回動杆47の回動軌跡の後部に分草体11の位置を検出する位置検出センサ52を設け、位置検出センサ52により分草体11の下方回動を検出すると、刈取部4を自動的に所定高さ上動させるように構成する。
【0012】この場合、分草体11の元の高さへの復帰を検出したとき、刈取部4を自動的に元の高さへに復帰するようにすると、操作性が向上して、好適である。しかして、前記分草体11の前側には、分草ガイド53を設ける。分草ガイド53は軸棒形状に形成し、分草ガイド53の下部は分草体11の先端部32側に回動自在に取付け、分草ガイド53の上部には調節用ロッド54の前端を回動自在に軸着し、調節用ロッド54の基部は取付部55に取付け、分草ガイド53はその上部が前後左右側に移動し、所望位置で固定保持されるようにしている。56は固定ダイヤルである。しかして、前記刈刃14は刈刃フレーム60に取付け、刈刃フレーム60はその左右側を取付軸61により上下回動自在に刈取部4の固定部に取付ける。前記取付軸61にはセクタギヤ62を固定し、該セクタギヤ62に刈刃上下用アクチュエータ63の出力ギヤ64を噛み合わせる。
【0013】前記刈刃フレーム60の左右両側には前記刈刃14に取付けた伝動部材65を左右移動自在に夫々設け、各伝動部材65には嵌合溝66を形成し、嵌合溝66には動力伝達用ローラ67を嵌合させる。この場合、伝動部材65は側面視逆L型形状に形成し、刈刃14が通常状態のときは勿論のこと、下向き状態でも嵌合溝66と動力伝達用ローラ67との嵌合状態を保持するようにし、駆動可能に構成する。67aは前記動力伝達用ローラ67を取付けたベルクランク、68はロッド、69はエンジンから回転が伝達されるギヤボックスである。なお、実施例では、上下の刈刃14を夫々互いに反対方向に駆動する構成であるが、上下何れか一方を駆動する構成でもよい。また、前記刈刃14の角度を走行速度に対応させて変化するように構成すると、切断性能を向上させて好適である。
【0014】一例として、走行速度が速くなるのに対応させて、刈刃14先端が前下がりとなるように、刈刃上下用アクチュエータ63を作動させる。これにより下部の刈取面が略水平となる。なお、前記制御は刈取スイッチ25による刈取レバーの操作を検出した作業中行うことで、操作性を向上させている。しかして、前記走行装置2に回転を伝動するミッションケース70には、走行速度を変速する走行用油圧式主変速装置(ハイドロスタチックトランスミッション)71を設け、走行用油圧式主変速装置71の油圧ポンプ72に入力する入力軸73にエンジンからの回転を入力する入力プーリ74を設ける。走行用油圧式主変速装置71は油圧ポンプ72から吐出された圧油が油圧モータ75に送油されて回転を伝達し、油圧ポンプ72の斜板の傾斜角度を調節することにより、吐出方向と吐出量が変更されて、油圧モータ75の正逆転と回転数を変更する。
【0015】油圧モータ75の出力軸76に出力歯車77を設け、油圧モータ75は可変式構成とし、該油圧モータ75は副変速レバー78により操作するように構成する。即ち、前記油圧モータ75にも斜板を設けて、吐出量を変更可能な可変式構成とすることにより、従来のギヤの噛み合わせによる副変速構成をノークラッチで構成して、操作性を向上させる。前記出力軸76には刈取部4への出力プーリ79を設け、走行速度に刈取部4の各部の回転を同調させて変速するようにし、また、出力軸76から刈取部4への伝達経路には刈取用変速機構80を設けて、刈取部4独自の変速を可能に構成している。82は油圧ポンプ72を操作する操作レバー(HSTレバー)である。また、図29は、出力軸76の従前副変速用のギヤを複数取付けていたスペースに、刈取部4への回転を変速するギヤ群81を設けた実施例であり、スペースを有効利用できる。
【0016】
【作用】次に作用を述べる。走行装置2により圃場を走行すると、刈取部4の分草体11が圃場の穀稈を分草し、分草された穀稈は根元が刈刃14により切断され、掻込装置13により掻き込まれ、搬送装置15により搬送され、引継搬送装置18により穀稈は穀稈供給装置20に引継ぎ、穀稈供給装置20により脱穀装置3に供給して脱穀される。この場合、引継搬送装置18の搬送路には扱深さ調節センサ18設け、通常は扱深さ調節センサ18により穀稈長さを検出して扱深さ調節装置17による扱深さ調節を行うが、作業開始時は、刈取部4への動力伝達を入り切りする刈取レバーの操作を刈取スイッチ25により検出すると、扱深さ調節装置17を最も深扱き状態に調節するように構成しているから、作業開始時の扱残しを防止する。
【0017】即ち、エンジンから刈取部4へ伝達される回転は、刈取レバーにより単独で入り切り可能にしているから、刈取レバーの操作を刈取スイッチ25により検出することで、簡単確実に作業開始を検出して、これにより扱深さ調節装置17は必ず最も深扱き状態に調節され、いつにあっても作業開始時の扱残しを防止し、また、刈取スイッチ25を一つ設ければ良いので、コストを低くする。特に、穀稈詰まり等の理由により、一旦作業を中断して、扱深さ調節装置17の位置を変更させたときであっても、作業開始時には刈取レバーの操作するからこれを刈取スイッチ25がけんしゅつして必ず深扱き状態になって扱残しを防止し、一々、確認点検、あるいは扱深さ調節操作する必要がないので、操作性および作業性を向上させる。
【0018】しかして、図6、図7の扱深さ調節の他の実施例では、刈取部4の分草体11の後側で前記後側穀稈センサ22の前側に穀稈の有無を検知する前側穀稈センサ28を設け、刈取スイッチ25がオンになって前側穀稈センサ28がオンになったとき、扱深さ調節装置17を最も深扱き状態に調節するように構成しているから、刈取部4に穀稈が進入したことにより刈取作業開始を確実に検出して作業開始時の扱残しを防止する。特に、扱深さ調節装置17のメンテナンスするとき、扱深さ調節装置17が不意に移動するのを防止する。しかして、図8、図9の扱深さ調節の他の実施例では、前記前側穀稈センサ28により穀稈を検知しなくなると、刈取部4を上動させると共に刈取部4への駆動を停止するように自動刈取部上昇制御するものにおいて、刈取スイッチ25のオンによるアクチュエータ21への最深扱き信号送出は後側穀稈センサ22がオンになるまで行うように構成しているから、扱深さ調節装置17を最深扱き位置に移動させる時間を確保し、確実に扱深さ調節装置17を最深扱き位置に位置させる。
【0019】しかして、刈取部4の分草体11は、左右側に横軸回動自在および/または上下回動自在に構成しているから、刈取状態に応じて、横軸回動および/または上下回動させ、最適な状態で刈取り作業を行える。例えば、中割り(横刈)のときには、分草体11の先端部32を外側に位置させられるから、その分刈り幅を広げ、刈り残しを防止する。特に、左右両側の分草体11を夫々外側に回動させると、刈り幅を広げるのに貢献して、好適である。また、湿田のときには、機体が沈下するので、分草体11の先端部32を上方回動させると、分草体11全体が引起装置12に対して上向きとなって、圃場に突っ込むのを防止できて、好適である。また、既刈地側には泥土が盛り上がっていることが多いが、既刈地側の分草体11の先端部32のみを上方回動させると、盛り上がり泥土に突っ込むのを防止すると共に、他の分草体11と合わせて夫々の最適な高さ位置にして、好適である。
【0020】しかして、前記中割(横刈)するときは、中割りモード(横刈モード)とし、自動的に分草体11の先端部32を外側回動させ、また、条刈のときは標準モード(条刈りモード)として通常高さの左右通常位置に位置させ、また、前記先端部32の上方回動は、湿田モードとして、上下用アクチュエータ46により所定高さに自動的に上動させるように構成すると、操作性を向上させて好適である。しかして、分草体11は、回動用アーム34の先端に固定され、回動用アーム34の基部は横筒35に固定し、横筒35は上下回動用取付横軸36に嵌合させ、上下回動用取付横軸36は取付用筒37の側部に固定し、取付用筒37は左右回動用軸38に挿入固定し、左右回動用軸38は軸受部材39に回転のみ自在に挿入し、左右回動用軸38の後端には入力ギヤ40を固定し、入力ギヤ40にモータ42の出力ギヤ41を噛み合わせているから、モータ42に通電すると、出力ギヤ41は入力ギヤ40を回転させ、入力ギヤ40は左右回動用軸38を回転させ、左右回動用軸38は刈取部4に対して回転して分草体11を左右回動用軸38中心に左右回動させ、所定位置に保持させる。
【0021】しかして、軸受部材39は取付部材43の下部に取付け、取付部材43の中間部を分草杆31の先側に横軸44により回動自在に取付け、横軸44より上方に突出する取付部材43の上部にロッド45の前端を取付け、ロッド45の後部は上下用アクチュエータ46に接続しているから、上下用アクチュエータ46が作動してロッド45を牽引すると、取付部材43の上部を横軸44中心に後方に回動させ、軸受部材39ごと分草体11は先端部32を横軸44中心に上方回動させる。しかして、分草体11を取付ける横筒35には回動杆47の上下中間部を固定し、回動杆47の上部には上下回動用取付横軸36中心に常時上方回動するように付勢するバネ48の一端を係止し、バネ48の他端は前記取付用筒37側に係止し、取付用筒37にはステー49を設け、ステー49には前側ストッパ50と後側ストッパ51を設け、前側ストッパ50と後側ストッパ51の間に回動杆47を位置させているから、通常分草体11はバネ48に牽引され、回動杆47が前側ストッパ50に接触して作用位置に保持され、分草体11が地面に接触して下方回動させる荷重が掛かると、分草体11はバネ48の弾力に抗して上下回動用取付横軸36中心に下方回動して荷重を逃がし、破損を防止する。特に、既刈地側は、走行装置2のクローラによる泥寄せのための盛り上がり泥土に突っ込むことが多く、これを防止できて、好適である。即ち、既刈地側の分草体11単体に荷重が掛かるので、破損する確率が高いがこれを防止する。
【0022】また、回動杆47の回動軌跡の後部となるステー49には分草体11の位置を検出する位置検出センサ52を設け、位置検出センサ52により分草体11の下方回動を検出すると、刈取部4を自動的に所定高さ上動させるように構成しているから、分草体11が地面に突っ込んで下方回動する荷重が掛かると、位置検出センサ52がこれを検知して刈取部4ごと全体を上動させ、分草体11が地面に突っ込むのを防止する。この場合、回動杆47の回動軌跡の後端に接触式スイッチ構成の位置検出センサ52を設けて構成しているから、分草体11の回動モーメントにより位置検出センサ52をオンオフするので、リンク機構不要で構成が簡単であり、コストも低く、検出精度も向上する。また、回動杆47の取付と位置検出センサ52と接触という機械的な検出構成としているから、泥、水等の外的要因からの作動不良を極力回避して、耐久性、メンテナンス性を向上させ、トラブルが少ない。
【0023】また、位置検出センサ52の取付位置を地表より高くできるので、泥、水等の外的要因からの作動不良の不具合を減少させる。また、回動杆47は位置検出センサ52に当接すると、後側ストッパ51に当接して下方回動が阻止されるので、位置検出センサ52の破損を防止する。なお、このときは、既に刈取部4ごと全体を上動させる信号が送出されているので、分草体11の下方回動が後側ストッパ51により停止されても実害はない。しかして、分草体11の前側には、軸棒形状で分草体11側に取付けた下部取付部分を中心に上部が前後左右側に移動する分草ガイド53を設けているから、穀稈は分草ガイド53により案内され、分草体11の分草作用を向上させる。この場合、分草ガイド53の上部には調節用ロッド54の前端を回動自在に軸着し、調節用ロッド54の基部は取付部55に取付けているから、取付部55に対して調節用ロッド54を前後に移動させると、分草ガイド53の傾斜を調節でき、左右に移動させると、分草体11に対する左右位置を変更でき、圃場の穀稈に最適な位置で作用させられる。
【0024】しかして、刈取部4の刈刃14は刈刃フレーム60に取付け、刈刃フレーム60はその左右側を取付軸61により上下回動自在に刈取部4の固定部に取付け、取付軸61にはセクタギヤ62を固定し、該セクタギヤ62に刈刃上下用アクチュエータ63の出力ギヤ64を噛み合わせているから、刈刃上下用アクチュエータ63に通電して出力ギヤ64を回転させ、出力ギヤ64はセクタギヤ62を回転させ、セクタギヤ62は取付軸61中心に刈刃14を下向きに変移させる。したがって、刈刃14上の堆積物を落下させられる。この場合、刈刃14を左右移動させる回転を伝動させる伝動部材65の嵌合溝66は、側面視逆L型形状に形成して刈刃14が下向き状態でも嵌合溝66と動力伝達用ローラ67との嵌合状態を保持するようにしているから、刈刃14を下向きに変移させても駆動可能となって、刈刃14上の堆積物の落下を円滑にさせる。
【0025】しかして、前記刈刃上下用アクチュエータ63は刈刃14を所望角度に変更可能に構成し、刈刃14の角度を走行速度に対応させて変化するように構成すると、穀稈と刈刃14との接触時の角度が適切となって、切断性能を向上させて好適である。即ち、例えば、走行速度が速くなるに従い刈刃14の先端が前下がりとなるように、刈刃上下用アクチュエータ63を作動させると、早い走行速度により前倒し状態になりやすい穀稈に対して、略同じ角度で刈刃14が接触して、刈り跡が略平に美麗になる(刈刃14の先端を前下がりにすることで前倒し状態の穀稈の下部に当接し、通常の接触高さになって刈り跡が揃う)。しかして、前記走行装置2に回転を伝動するミッションケース70には走行速度を変速する走行用油圧式主変速装置71を設け、走行用油圧式主変速装置71は斜板の傾斜角度を調節することにより、吐出方向と吐出量が変更可能な油圧ポンプ72に、斜板の傾斜角度を調節することにより吐出量が変更可能な油圧モータ75を接続して構成しているから、油圧モータ75の出力軸76に設けた出力歯車77は、油圧モータ75を可変にすることにより無段変速され、この変速は、副変速レバー78により操作すればよく、操作性を向上させる。
【0026】即ち、従来の走行用油圧式主変速装置71は、一旦油圧ポンプ72を中立操作し、次ぎに、油圧モータ75によりギヤチェンジするので二操作となるが、本願では油圧ポンプ72の中立操作を省略して直接副変速レバー78により油圧モータ75を操作すればよく、ノークラッチで構成となって操作性を向上させる。また、図29の実施例では、出力軸76の従前副変速用のギヤを複数取付けていたスペースに、刈取部4への回転を変速するギヤ群81を設けて刈取用変速機構を構成し、スペースを有効利用している。
【0027】
【効果】本発明は、刈取った穀稈を後方に搬送する搬送装置を有する刈取部と、前記搬送装置から搬送されてくる穀稈を引継搬送すると共に穀稈の扱深さを調節する扱深さ調節装置と、該扱深さ調節装置から搬送されてくる穀稈を穀稈供給装置に引き継いで、後方に搬送しながら脱穀選別する脱穀装置を設けたコンバインにおいて、前記刈取部の駆動を入り切りする刈取操作手段を設け、該刈取操作手段の入り操作に関連して前記扱深さ調節装置を最も深扱き状態に調節するように構成したことを特徴とするコンバインとしたものであるから、作業開始前に扱深さ調節装置17がどの位置にあっても、作業開始時には必ず深扱き状態になるので扱残しを防止すると共に、操作性および作業性を向上させる。本発明は、前記装置において、搬送経路中の上手側と下手側に夫々後側穀稈センサ22と前側穀稈センサ28を設け、前記刈取操作手段25が入りになって前記前側穀稈センサ28がオンになると、前記扱深さ調節装置17を最も深扱き状態に調節するように構成したコンバインとしたものであるから、刈取部4に穀稈が進入したことにより刈取作業開始を確実に検出して作業開始時の扱残しを防止する。本発明は、前記装置において、搬送経路中の上手側と下手側に夫々後側穀稈センサ22と前側穀稈センサ28を設け、前記前側穀稈センサ28により穀稈無を検知すると、刈取部4を上動させると共に刈取部4への駆動を停止するように自動刈取部上昇制御するように構成し、かつ、前記刈取操作手段の入り操作に関連した前記扱深さ調節装置への最深扱き信号送出は後側穀稈センサ22がオンになるまで行うように構成したコンバインとしたものであるから、扱深さ調節装置17を最深扱き位置に移動させる時間を確保し、確実に扱深さ調節装置17を最深扱き位置に位置させる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【代理人】 【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
【公開番号】 特開2002−218822(P2002−218822A)
【公開日】 平成14年8月6日(2002.8.6)
【出願番号】 特願2001−18083(P2001−18083)