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【発明の名称】 農業用作業車
【発明者】 【氏名】石橋 文雄

【氏名】越智 知文

【氏名】山田 隆史

【氏名】山口 雄司

【氏名】白水 崇之

【氏名】林 恵一

【要約】 【課題】気象条件に適正に対応させた良好な農作業を可能とさせる。

【解決手段】車体の走行位置を認識するGPS受信装置(20)(20A)を備えた農業用作業車において、運転キャビン(17)内にインターネットよりの天気情報(49)(50)を画面表示するモニタを配設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体の走行位置を認識するGPS受信装置を備えた農業用作業車において、運転キャビン内にインターネットよりの天気情報を画面表示するモニタを配設したことを特徴とする農業用作業車。
【請求項2】 モニタの起動に同期してインターネットよりの最新の天気情報を初期画面としてモニタに表示するように設けたことを特徴とする請求項1記載の農業用作業車。
【請求項3】 モニタの画面操作により特定地域の天気情報をモニタに画面表示させるように設けたことを特徴とする請求項1記載の農業用作業車。
【請求項4】 GPS受信装置による作業車の位置認識に基づいて、この作業地域の天気情報をモニタに自動的に画面表示するように設けたことを特徴とする請求項1記載の農業用作業車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はGPS(全地域測位システム)衛星からの電波を受信するGPS受信機を備え、モニタを介し作業車の位置情報などとともに天気情報を表示する農業用作業車に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、農作業を行う前には予めテレビや新聞など情報メディアにより、予めその当日の天気情報を取得して作業の準備を行ったり、段取りをつけていたが、天気情報を取得するにはその都度情報メディアで確認する手間の煩わしさがあるばかりでなく、作業現場などで作業をしている場合には最新の天気情報を取得できないという不都合があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、車体の走行位置を認識するGPS受信装置を備えた農業用作業車において、運転キャビン内にインターネットよりの天気情報を画面表示するモニタを配設して、作業車の運転操作中は常に天気情報を容易に確認して気象条件に適正に対応させた良好な各種作業を可能とさせるものである。
【0004】また、モニタの起動に同期してインターネットよりの最新の天気情報を初期画面としてモニタに表示して、作業開始時などにはモニタより最新の天気情報を自動的に取得して、正確な気象条件のもとでの良好な各種農作業を可能とさせるものである。
【0005】さらに、モニタの画面操作により特定地域の天気情報をモニタに画面表示させて、作業が行われる特定地域の天気情報をモニタより容易に取得して、特定地域の正確な気象条件のもとでの正確な各種農作業を可能とさせるものである。
【0006】またさらに、GPS受信装置による作業車の位置認識に基づいて、この作業地域の天気情報をモニタに自動的に画面表示して、実際に作業を行っている地域の気象条件を容易に取得して、実作業地の気象条件に適した作業を可能とさせるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は全体の側面図、図2は同平面図を示し、図中(1)は農業用作業車であるトラクタであり、エンジン(2)を内設させるボンネット(3)両側に左右の前輪(4)(4)を装設させ、前記ボンネット(3)後部に丸形操向ハンドル(5)を設け、該ハンドル(5)後方に運転席(6)を設置させ、運転席(6)両側外方に左右の後輪(7)(7)を装設させ、運転席(6)前側のステップ(8)に左右ブレーキペダル(9)(9)及びクラッチペダル(10)を配設させ、作業者が運転席(6)に座乗して走行移動させると共に、トラクタ機体後方に3点リンク機構(11)を介し耕耘ロータリ作業機(12)を昇降自在に装設させて耕耘作業を行うように構成している。
【0008】また、走行主変速レバー(13)と、作業機(12)を昇降させる昇降レバー(14)とを運転席(6)の右側に配設すると共に、走行副変速レバー(15)と、作業機(12)の出力を変速するPTO変速レバー(16)を運転席(6)の左側に配設させている。
【0009】さらに、四角箱形の運転キャビン(17)内の正面右側上部にタッチパネル式液晶ディスプレイであるモニタ(18)を配設させ、マイクロコンピュータで形成する管理コントローラ(19)を運転キャビン(17)に内設させ、GPS(全地球測位システム)衛星からの電波を受信するカーナビ用GPS受信機(20)と、前記モニタ(18)とを管理コントローラ(19)に接続させると共に、自律走行用(RTK)GPS受信機(20A)と、無線操縦用の自律走行開始及び停止スイッチなど有する無線発信機からの信号を受信する無線受信機(21)と管理コントローラ(19)に接続させると共に、トラクタ(1)を自律走行させる自律コントローラ(22)に着脱自在な配線コネクタ(23)を介して管理コントローラ(19)に接続させている。なおモニタ(18)の取付位置は各種レバー位置、道路の走行状況などに応じ自在とさせるものであり、モニタ(18)・管理及び自律コントローラ(19)(22)は別体或いは一体の何れでも良い。
【0010】また、前記トラクタ(1)のエンジン(2)回転数をアクセルの設定回転数に自動的に調節する電子ガバナなどのエンジン制御機構(24)と、前記トラクタ(1)の走行速度を自動制御する油圧無段変速装置などの変速機構(25)と、前記トラクタ(1)の走行進路を自動的に変更する油圧操向装置などの操向機構(26)と、トラクタ(1)を片ブレーキ状態として左右旋回させる左右ブレーキ機構(27)と、前記トラクタ(1)が方向転換するときロータリ作業機(12)を自動的に上昇及び下降させる油圧昇降シリンダなどの昇降機構(28)とを自律走行コントローラ(12)に接続させると共に、トラクタ(1)の方位を検出する地磁気方法センサ(29)と、トラクタ(1)の前後傾斜を検出するピッチングセンサ(30)と、トラクタ(1)の左右傾斜を検出するローリングセンサ(31)と、操向ハンドル(5)のハンドル軸の回転などより操舵角(ハンドル切れ角)を検出する操舵角センサ(32)と、ミッションケース副変速出力軸の回転より前輪の回転を検出する車輪回転センサ(33)とを自律走行コントローラ(22)に接続させている。
【0011】そして、前記GPS受信機(20)のアンテナ(20a)を前後方向の車体中心ライン上で左右前輪(4)(4)或いは左右後輪(7)(7)間の鉛直線上に(運転キャビン(17)の後部上面)固定させるもので、車体の振動も比較的少なく車体各部位置の算出が容易な左右後輪(7)(7)間で、エンジン(2)及びミッションケースなどの電波を乱す外乱の影響の最も少なく防振性も良好なキャビン(17)にアンテナ(20a)を受信精度良好に配置させると共に、方位センサ(29)やピッチングセンサ(30)などをキャビン(17)上部のキャビンルーフ(34)内に配置させるように構成している。なお自律走行用受信機(20A)のアンテナもGPS受信機(20)のアンテナ(20a)と略同一位置に設けるものである。
【0012】図4に示す如く、前記モニタ(18)にナビゲーションシステムの情報など画面表示させるもので、メインスイッチの操作でメインメニュー画面(35)を表示させて、メニュー画面(35)上の営農情報ボタン(36)を操作するとき、図5(1)(2)の如く、表示圃場の所有者及び面積及び作物及び前年実績(収穫量及び農薬及び肥料)などを記録している圃場経営情報(37)や特定の圃場内部の土壌分析データを記録した土壌地図(38)などを、またインターネットボタン(39)を操作するとき、図6(1)の如くホームページ及び天気情報及びJA情報などインターネット情報(40)を、またカーナビボタン(41)を操作するとき、図6(2)の如く目的とする圃場の場所など農地を表示する地図情報(42)を、また自律走行ボタン(43)を操作するとき、図6(3)に示す如く自律走行を行う圃場の領域や経路など表示する自律走行情報(44)を、またサービスコールボタン(45)を操作するとき、図7に示す如くトラクタ(1)及び作業機(12)の定期点検や取扱説明などサービス情報(46)をモニタ(18)に画面表示するように構成している。
【0013】そして図8に示す如く、このトラクタによる耕耘作業時にあっては、作業を行う圃場までカーナビ使用時にはカーナビによるモニタ(18)画面の道路案内によって車体を走行させ、圃場到達時には前回の作業内容や走行軌跡など圃場情報をモニタ(18)に画面表示させ、作業開始時には今回の作業内容や走行軌跡など作業情報をコントローラ(22)に入力させ、自動或いは手動での耕耘作業を行うと共に、作業後は作業情報や耕耘経路を記録するように構成している。
【0014】図4、図6、図9に示す如く、トラクタ(1)の運転作業中などにあって、前記インターネットボタン(39)をクリック操作し、図6(1)に示す如く、モニタ(18)に画面表示されるインターネット情報(40)の天気情報(47)の全国の天気ボタン(48a)をクリック操作して選択するとき、図9(1)に示す如く、最新の全国の天気情報(49)や週間の天気予報など画面表示させ、各都道府県など特定地域の地域ボタン(48b)をクリック操作するとき、図9(2)に示す如く、各都道府県内などの特定地域の1日或いは最新の天気・降水確率・予想気温・湿度・風力・霜などの天気情報(50)を画面表示させると共に、天気予報に基づいた良好な各種農作業を可能とさせるように構成している。
【0015】図10に示すものは、モニタ(18)の起動時に天気情報の表示や、GPSの作業機位置認識システムより特定地域の天気情報表示を可能とさせるフローチャートを示すもので、メインスイッチの操作でモニタ(18)が起動するときには、同期して全国或いは特定地域の天気情報を画面表示させる。またGPS受信機(20)(20A)で作業機の現在位置が認識されるときには、認識される特定地域の天気情報を自動的に画面表示させると共に、この天気情報に基づいた関連農作業機(12)の制御機構部(51)の制御や、農作業の実施の決定など行うように構成している。
【0016】図11、図12に示す如く、前記関連農作業機(12)の制御機構部(51)としては、例えばコンバイン脱穀部(52)の選別機構(53)の唐箕(54)及びチャフシーブ(55)などに用いて、最新の天気情報から取得する湿度が大或いは小のとき、唐箕(54)の回転数を大或いは小、チャフシーブ(55)の開度を大或いは小に調節制御するもので、湿度が大の場合選別される穀物が湿材となって藁屑など塵付着によってチャフシーブ(55)での穀物漏下率が低下し、穀粒ロスが増大する不都合が防止され、また湿度が小の場合にはチャフシーブ(55)での漏下率が増大し選別精度が低下するなどの不都合が防止されて、選別性能を環境湿度に関係なく安定保持させることができる。
【0017】この他気温の情報の取得によって各種作業機のエンジンや油圧無段変速機(HST)の高低気温条件のもとでの適正な駆動などを可能とさせることができる。
【0018】図13(1)(2)に示すものは、前記モニタ(18)の起動時や作業中にあって、メインメニュー画面(35)や地図情報(42)など各種作業情報を画面表示するときには、最新の天気情報(49)(50)を画面下側(場所は限定せず何れでも良い)に帯表示(56)させて、画面上に他の情報が表示されているときにも最新の天気情報を容易に得るように設けたものである。
【0019】なお、インターネット情報より音声のみを取出して、天気情報(49)(50)を音声で作業者に報知させても良い。
【0020】また、前実施例における天気情報(49)(50)の取得は、一定時間毎(天気予報の更新時刻毎など)にインターネットに通信接続させて天気情報(49)(50)を更新させることによって、インターネットの使用料を低減させ経済性を向上させることができるものである。
【0021】また、このようなGPSデータによる作業機位置(緯度・経度)と、天気(降水・温度・湿度・気圧)の情報以外に、農作業情報(地域の害虫、病気情報、他農場の作業情報、作業の適齢時期のデータベース)や価格情報や圃場情報(土質、水はけ)や現在、過去、未来の各種情報など取得統合するように設けて、農作業を現在を行った際にどのような効果を与えるかなどのデータも容易に得るもので、耕耘作業 … 雨、夕立、土壌の状態(まだ、乾いていない)
肥料散布 … 風が強いので、粉系は効率が悪い。
薬剤散布 … 雨、夕立、風の影響、高温障害(気温)の影響その地域での害虫、病気の発生状況、他農園の薬剤散布状況の考慮播種、移植 … 雨が強く降るので、種、苗が流されてしまうかも。今、作業を行うと水をやらなくてもよい。今晩、寒くなるので、移植作業はしないほうが良い。
収穫 … 市場の価格動向、天気の動向により、最適な収穫時期を予測(株価の予測のように)。
などの各種情報を必要に応じモニタ(18)に画面表示することを可能とさせるものである。
【0022】さらに農作業の適齢時期にも活用可能とさせるもので、今は晴れているが、作業が終わるまでに雨が降ってくるので作業は行わないほうがよい。今、天気の状態は悪いが、明日以降は雨が降り続くので、今日作業を行った方がよい。次の晴れの日では、作業の適齢時期を逃してしまう。少々悪くても今行った方が良い。などの各種情報も提供して最適な作業条件のもとで最大に効率良好な作業を行うことを可能とさせるものである。
【0023】上記からも明らかなように、車体の走行位置を認識するGPS受信装置(20)(20A)を備えた農業用作業車において、運転キャビン(17)内にインターネットよりの天気情報(49)(50)を画面表示するモニタを配設したもので、作業車(1)の運転操作中は常に天気情報(49)(50)を容易に確認して気象条件に適正に対応させた良好な各種作業を可能とさせることができる。
【0024】また、モニタ(18)の起動に同期してインターネットよりの最新の天気情報(49)(50)を初期画面としてモニタに表示するもので、作業開始時などにはモニタ(18)より最新の天気情報(49)(50)を自動的に取得して、正確な気象条件のもとでの良好な各種農作業を可能とさせることができる。
【0025】さらに、モニタ(18)の画面操作により特定地域の天気情報(50)をモニタ(18)に画面表示させるもので、作業が行われる特定地域の天気情報(50)をモニタ(18)より容易に取得して、特定地域の正確な気象条件のもとでの正確な各種農作業を可能とさせることができる。
【0026】またさらに、GPS受信装置(20)(20A)による作業車(1)の位置認識に基づいて、この作業地域の天気情報(50)をモニタ(18)に自動的に画面表示するもので、実際に作業を行っている地域の気象条件を容易に取得して、実作業地の気象条件に適した作業を可能とさせることができる。
【0027】また、作業地域の天気情報(50)に基づいて、作業車に装備する作業機(12)の制御機構部(51)を制御可能に設けたもので、気象条件(特に湿度)の影響を受けやすい例えばコンバインの唐箕(54)やチャフシーブ(55)など選別機構(53)にあっては、回転数や漏下開度を気象条件に対応させて適正制御して気象条件の悪影響を受けることのない精度良好な作業を可能とさせることができる。
【0028】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、車体の走行位置を認識するGPS受信装置(20)(20A)を備えた農業用作業車において、運転キャビン(17)内にインターネットよりの天気情報(49)(50)を画面表示するモニタを配設したものであるから、作業車(1)の運転操作中は常に天気情報(49)(50)を容易に確認して気象条件に適正に対応させた良好な各種作業を可能とさせることができるものである。
【0029】また、モニタ(18)の起動に同期してインターネットよりの最新の天気情報(49)(50)を初期画面としてモニタに表示するものであるから、作業開始時などにはモニタ(18)より最新の天気情報(49)(50)を自動的に取得して、正確な気象条件のもとでの良好な各種農作業を可能とさせることができるものである。
【0030】さらに、モニタ(18)の画面操作により特定地域の天気情報(50)をモニタ(18)に画面表示させるものであるから、作業が行われる特定地域の天気情報(50)をモニタ(18)より容易に取得して、特定地域の正確な気象条件のもとでの正確な各種農作業を可能とさせることができるものである。
【0031】またさらに、GPS受信装置(20)(20A)による作業車(1)の位置認識に基づいて、この作業地域の天気情報(50)をモニタ(18)に自動的に画面表示するものであるから、実際に作業を行っている地域の気象条件を容易に取得して、実作業地の気象条件に適した作業を可能とさせることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーディーゼル株式会社
【出願日】 平成13年1月17日(2001.1.17)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2002−209421(P2002−209421A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−8569(P2001−8569)