| 【発明の名称】 |
走行型茶葉摘採機 |
| 【発明者】 |
【氏名】寺田 順一
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| 【要約】 |
【課題】この発明は、大型ファンや油圧装置を用いずに1ヶのエンジンで機体の走行、摘採装置への送風、刈刃の駆動を行なわせると共に、刈刃の高さが簡単に目視できて、重心が低く、軽量、安価で簡単に操作、保守の容易な走行型茶葉摘採機を提供することを目的とする。
【解決手段】小型で軽量な複数のファンを使用し、ベルトクラッチ機構を用いてエンジンの回転を送風ファンと刈刃の駆動装置へ伝え、運転者の目視出来るところへ刈刃の高さを示す目盛をつけ、摘採装置と直接つながった指示針を目盛に沿って移動するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茶畝を挟んだ2本の走行装置を門型枠でつなぎ、門型枠下方には、茶畝の横幅全体を覆うバリカン型の刈刃を設け、刈刃の前方から空気を吹き付けて、摘採した茶葉を収容する収容装置を接続し、茶畝に沿って移動しながら茶葉を摘採する走行型茶葉摘採機において、門型枠の前方に複数のファンを同一の回転軸上に串刺しにして並べて設置し、該ファンの吹出口を刈刃の前方に設けた、多数の吹出枝管付の送風管に伸縮自在なダクトで接続したことを特徴とした走行型茶葉摘採機。 【請求項2】 請求項1記載の走行型茶葉摘採機において、前記ファンのケースをプラスチックで構成したことを特徴とした走行型茶葉摘採機。 【請求項3】 請求項1あるいは2記載の走行型茶葉摘採機において、ファンの回転軸にはベルト車を取付け、機体走行用のエンジンの出力軸に取付けたベルト車との間にベルトを掛け、ベルトクラッチ機構によってファンの回転を入切することを特徴とした走行型茶葉摘採機。 【請求項4】 請求項3記載の走行型茶葉摘採機において、前記ファンの回転軸上にベルト車を設け、これと平行してベルト車をつけた回転軸を設け、両軸をベルトクラッチ機構を設けたベルトでつなぎ、この回転軸と刈刃駆動部とをフレキシブルシャフトで連結したことを特徴とした走行型茶葉摘採機。 【請求項5】 茶畝を挟んだ2本の走行装置を門型枠でつないだ機体に、門型枠の下方に送風管と刈刃よりなる摘採装置を設置した走行型茶葉摘採機において、一方の走行装置の上部で摘採装置の側部後方に運転台を設け、摘採装置に機体に沿って上下する目盛板を設けて、運転者から刈刃の高さを直接目視出来るようにしたことを特徴とした走行型茶葉摘採機。 【請求項6】 茶畝を挟んだ2本の走行装置を門型枠でつないだ機体に、エンジンと送風ファンを設置し、門型枠下方に摘採装置を設置した走行型茶葉摘採機において、ファン回転軸とエンジン出力軸の間に中間軸を設け、各軸にはベルト車を取付け、エンジン出力軸と中間軸にベルト(A)を掛け、中間軸とファン回転軸にベルト(B)を掛け、エンジン回転を中間軸を介してファン回転軸に伝えるようにし、中間軸を移動自在とすることにより、ベルト(A)又はベルト(B)を張ったり緩めたりすることによって、送風ファンの動力を入切することを特徴とした走行型茶葉摘採機。 【請求項7】 前記ファンの回転軸にベルト車を取付け、これと平行して刈刃の駆動機構とフレキシブルシャフトでつながった刈刃用回転軸を設け、この回転軸にもベルト車を取付け、両軸間にベルトを渡し、ファンの回転を刈刃用回転軸に伝える構造とし、刈刃用回転軸を移動可能として、ベルトを張ったり、緩めたりして、ファン回転を刈刃用回転軸に入切することを特徴とした走行型茶葉摘採機。 【請求項8】 運転席に、横方向に直線状の目盛りを設け、目盛りに沿って移動する指示針と摘採装置をコントロールケーブルで結び、運転席から刈刃の高さを直接目視できるようにしたことを特徴とした走行型茶葉摘採機。 【請求項9】 茶畝を挟んだ2本の走行装置を門型枠でつなぎ、一方の走行装置の上にはエンジンを搭載し、他方の走行装置の上には運転席を設け、運転席前方の門型枠の下方に摘採装置を取付け、運転席からの操作によって、摘採装置の高さを茶樹の表面に合わせて調節すること、を可能とした走行型茶葉摘採機において、運転席前方の門型枠の柱に摘採装置の地面からの高さを表示する目盛を取付け、摘採装置から目盛に沿って上下する指示針を出して、運転席から摘採装置の刈刃の高さを直接目視できるようにしたことを特徴とした走行型茶葉摘採機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、茶畝に沿って機体を走行させながら機械力により自動的に茶葉を摘採する走行型茶葉摘採機であって、茶畝の横巾全体を覆う弧状のバリカン型の刈刃が設けてあり、その前方から空気を吹き付けて摘採した茶葉を収容する型式のものに関する。 【0002】 【従来の技術】この型式に属するものとしては、一般的に特開平10−178863に示すようなものが使用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】特開平10−178863のタイプのものでは、茶畝に沿って走行する門型枠の機体に、茶畝の横幅全体を覆うバリカン型の刈刃と、その前方から空気を吹き付ける多数の吹出枝管のついた送風管からなる摘採装置を設置している。茶樹は、生育状態によって高さがいろいろ異なっている。したがって、摘採時には刈刃の高さを茶樹に合わせる為、上下調節を可能とする必要がある。このタイプのものは、機体走行用のエンジンで、油圧ポンプを廻して油圧モーターによって茶畝を挟んだ2本の走行装置を駆動して走行し、摘採装置には別途2ヶのエンジンを搭載し、これによって摘採装置に組み込まれた送風ファンと刈刃を動かす構造となっている。したがって、このタイプでは3ヶのエンジンを必要としている。このタイプは、それぞれにガソリンタンクを備えた3ヶのエンジンを別々に積んでいるため、燃料の補給や回転の調整など、その取扱いが面倒であり、3ヶのうち1ヶのエンジンにトラブルが発生しても、摘採作業が出来なくなってしまうという問題点がある。 【0004】近年、このタイプから発展したものとして、門型枠の上部に1ヶの大型のファンと大型の油圧ポンプを設け、1ヶの大型のエンジンによってこのファンと油圧ポンプを回転させ、油圧ポンプで走行装置を駆動するとともに、このファンと摘採装置の送風管を1本のフレキシブルダクトで接続し、刈刃は油圧モーターで駆動させるようにし、この油圧モーターと油圧ポンプを油圧ホースでつないだものも用いられている。バリカン型の刈刃で摘採した茶葉を後部の収容装置に吹き飛ばすには、非常に強力な送風力を必要としている。これを1ヶのファンで行なおうとすると、大型で重量の重いものになってしまう。後者は、大型のファン、大型のエンジン、大型の油圧ポンプなど大型の重量物を門型枠の上に設置してあるため、機体の重心が非常に高く不安定なものとなっている。更に、前者、後者共に運転席を門型枠の上に設けてあるため、安定性は非常に悪くなり、非常に危険である。また、両者共に、油圧ポンプを用いているため、油圧モータ、油圧バルブ、電磁弁等で複雑な油圧回路が構成され、非常に高価なものとなっている。又、もう一つの課題は、運転席が門型枠の上にあるため、作業者が摘採している刈刃の状態を観察できないことである。運転席から刈刃の高さが分からないので、刈刃の上下機構の回転シャフトにカウンターや電気的なセンサーを設けたりしている。しかし、この方法は誤差を生じやすく、間違っていても分からないという欠点がある。 【0005】この発明は、油圧装置や電気機器を用いずに1ヶのエンジンで機体の走行、摘採装置への送風、刈刃の駆動を行なわせると共に、刈刃の高さが簡単に目視出来て、重心が低く、軽量、安価で簡単に操作、保守の容易な走行型茶葉摘採機を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に、請求項1の発明では、「茶畝を挟んだ2本の走行装置を門型枠でつなぎ、門型枠下方には、茶畝の横幅全体を覆うバリカン型の刈刃を設け、刈刃の前方から空気を吹き付けて、摘採した茶葉を収容する収容装置を接続し、茶畝に沿って移動しながら茶葉を摘採する走行型茶葉摘採機において、門型枠の前方に複数のファンを同一の回転軸上に串刺しにして並べて設置し、該ファンの吹出口を刈刃の前方に設けた、多数の吹出枝管付の送風管に伸縮自在なダクトで接続する」という手段をとる。ファンの数を複数にすれば、小型のファンで済むことになり、ファン自体も軽くなると共に、ファンの高さ方向の寸法が低くなるので機体の重心が下がり、安定性が増す。この発明では、複数のファンの回転軸を一本のシャフトでつなぐことにより、1ヶのファンと同様に同時に運転、停止が出来る。多数の吹出枝管のついた水平に長い送風管をファンの数に合わせて区分し、それぞれの区分とファンをフレキシブルなダクトで結べば、ダクトとの接続部に近い吹出枝管と遠い吹出枝管の配置による吹出力の差が少なくなり、平均した送風がやりやすくなる。 【0007】請求項2の発明では、「請求項1記載の走行型茶葉摘採機において、前記ファンのケースをプラスチックで構成する」という手段をとる。ファンが1ヶの場合は、大型で強力なファンとするため、鋳鉄製または鋼板製の重いもので出来ている。請求項1の発明でファンの数を複数にすることにより、小型にすることが可能となった。小型化されたことにより、ファンケースをプラスチック製とすることが容易となり、更に軽量化されることになる。これらのファンは、機体上部の前側に設けられているので、プラスチック化により、小型化、軽量化されることで重心が更に低くなり、安定性がよくなる。機体の高さが低くなり、軽くなるのでトラックに乗せて運ぶときも容易となる。 【0008】請求項3の発明では、「請求項1あるいは2記載の走行型茶葉摘採機において、ファンの回転軸にはベルト車を取付け、機体走行用のエンジンの出力軸に取付けたベルト車との間にベルトを掛け、ベルトクラッチ機構によってファンの回転を入切する」という手段をとる。茶葉の摘採をしないときは、エンジンが廻っていてもファンは停止させておく必要がある。この発明では、2ヶのファンをつなぐ回転軸にベルト車を設け、エンジンの回転軸に設けたベルト車との間にベルトを掛けてファンを回転させている。このベルトにテンション用のローラを設け、このテンションローラを作動させて、ベルトを張ったり、ゆるめたりすることにより、エンジンの回転をファンに伝えたり、切ったりしている。この方式をベルトクラッチ機構と呼んでいる。このようにすれば、機体の走行用エンジンとは別に、ファンの回転のためのエンジンを設ける必要もない。 【0009】請求項4の発明では、「請求項3記載の走行型茶葉摘採機において、前記ファンの回転軸上にベルト車を設け、これと平行してベルト車をつけた回転軸を設け、両軸をベルトクラッチ機構を設けたベルトでつなぎ、この回転軸と刈刃駆動部とをフレキシブルシャフトで連結する」という手段をとる。バリカン型の刈刃は、刈刃の端の刈刃駆動部に設けたクランク機構を回転させることにより、往復運動をする。刈刃の前方には、多数の吹出枝管のついた送風管を一体的に組み付けてあり、茶樹の高さに合わせて上下出来る構造となっている。したがって、機体側に設けた回転軸と、刈刃と共に上下する刈刃駆動部をフレキシブルシャフトでつなげば、刈刃が上下しても回転を伝えることが出来る。前記のファンの回転軸にベルト車を設け、このフレキシブルシャフトとつながる回転軸にもベルト車を設け、この間にベルトを掛け、前述のテンションローラーによるベルトクラッチ機構を設ければ、刈刃の運転の入、切が出来る。このようにすれば、ファンの回転軸から刈刃の往復運動の動力を取ることが出来るので、刈刃を動かす為のエンジンを別に設ける必要もなく、走行用エンジン1ヶでファンの回転と刈刃の駆動を行なうことが出来る。 【0010】請求項5の発明では、「茶畝を挟んだ2本の走行装置を門型枠でつないだ機体に、門型枠の下方に送風管と刈刃よりなる摘採装置を設置した走行型茶葉摘採機において、一方の走行装置の上部で摘採装置の側部後方に運転台を設け、摘採装置に機体に沿って上下する目盛板を設けて、運転者から刈刃の高さを直接目視出来るようにする」という手段をとる。走行型茶葉摘採機を運転する上で最も重要なことは摘採された茶葉がそろっていて、古葉の混入がなく、良質であることである。このためには、刈刃の高さを茶樹の高さに最適な状態に合わせることである。このために、この発明では、運転席を摘採装置の側部後方にすることによって、運転者が刈刃と茶樹の状態を直接目視できるようにし、運転者から目視出来る位置で摘採装置に目盛板をつけることにより、摘採装置に取付けた刈刃の高さを数字で確認出来るようにした。この結果、運転者が代っても、その数値の高さで摘採するよう指示すれば、誰でも同じような状態で摘採作業をすることが出来る。更に、この数値を記録しておくことにより、次回の茶期には、どの高さに合わせればよいかと判断する資料を得ることが出来る。 【0011】請求項6の発明では、「茶畝を挟んだ2本の走行装置を門型枠でつないだ機体に、エンジンと送風ファンを設置し、門型枠下方に摘採装置を設置した走行型茶葉摘採機において、ファン回転軸とエンジン出力軸の間に中間軸を設け、各軸にはベルト車を取付け、エンジン出力軸と中間軸にベルト(A)を掛け、中間軸とファン回転軸にベルト(B)を掛け、エンジン回転を中間軸を介してファン回転軸に伝えるようにし、中間軸を移動自在とすることにより、ベルト(A)又はベルト(B)を張ったり緩めたりすることによって、送風ファンの動力を入切する」という手段を用いる。エンジンは車体に固定されており、出力軸の位置は固定されている。ファンも本体に固定されており、ファンの回転軸も固定されている。エンジンの出力軸とファンの回転軸に直接ベルトを渡すと、両軸間の距離は固定されているので、ベルトクラッチ機構を用いて動力を伝達するとき、図8に示すようにテンションプーリーを用いてベルトを張ったり、緩めたりしてエンジンの回転をファンの回転軸に伝えねばならない。テンションプーリーを用いると、その位置でベルトを無理に折り曲げることになり、ベルトの損傷が激しくなる。又、テンションプーリーを設けるだけ、構造も複雑となる。 【0012】この発明では、中間軸を介して、ベルトを掛けるようにする。まず、エンジンの出力軸から中間軸へ一度ベルトを掛け、ついで中間軸からファンの回転軸へベルトを掛ける。中間軸とファン回転軸へ掛けたベルトを張ったまま、中間軸の位置をエンジンの出力軸の方向へ近づけると、中間軸とエンジンの出力軸へ掛けたベルトはゆるみ、中間軸の回転が止まり、ファンの回転軸も停止する。一方、エンジン回転軸と中間軸へ掛けたベルトを張ったまま、中間軸をファンの回転軸の方向へ近づけると、中間軸とファンの回転軸へ掛けたベルトはゆるみ、ファンの回転を止めることが出来る。このようにすれば、テンションプーリーによって、ベルトに無理な力を掛けることなく、エンジンの回転をファンの回転軸へ入切することが出来る。 【0013】請求項7の発明では、「前記ファンの回転軸にベルト車を取付け、これと平行して刈刃の駆動機構とフレキシブルシャフトでつながった刈刃用回転軸を設け、この回転軸にもベルト車を取付け、両軸間にベルトを渡し、ファンの回転を刈刃用回転軸に伝える構造とし、刈刃用回転軸を移動可能として、ベルトを張ったり、緩めたりして、ファン回転を刈刃用回転軸に入切する」という手段をとる。ファン回転軸は固定されており、位置を変えることは出来ない。しかし、これに平行して設けた刈刃用回転軸はフレキシブルシャフトで刈刃駆動部とつながっているので、回転軸の位置を変えることが出来る。ファン回転軸とフレキシブルシャフトにつながった刈刃用回転軸にベルトを掛け、刈刃用回転軸を移動させることによって、ベルトを張ったり緩めたりして、刈刃駆動部の回転を入切することが出来る。この場合も、テンションプーリーを設ける必要がないので、ベルトに無理な屈曲を与えることがなく、ベルトの寿命を延ばすことが出来る。 【0014】請求項8の発明では、「運転席に、横方向に直線状の目盛りを設け、目盛りに沿って移動する指示針と摘採装置をコントロールケーブルで結び、運転席から刈刃の高さを直接目視できるようにする」という手段をとる。請求項5の発明で運転者が摘採装置に取付けた刈刃の高さを直接目視する手段を示している。しかし、摘採装置は上下に移動するので必然的に目盛板は縦方向となり、目盛板の位置も限定されたところとなってしまう。この発明では、刈刃の高さを示す目盛板を横向きに取付け、運転者から見やすいどのような位置にも取付可能とし、摘採装置の上下の動きと刈刃の高さを示す指示針をフレキシブルなコントロールケーブルでつないだものである。 【0015】請求項9の発明では、「茶畝を挟んだ2本の走行装置を門型枠でつなぎ、一方の走行装置の上にはエンジンを搭載し、他方の走行装置の上には運転席を設け、運転席前方の門型枠の下方に摘採装置を取付け、運転席からの操作によって、摘採装置の高さを茶樹の表面に合わせて調節すること、を可能とした走行型茶葉摘採機において、運転席前方の門型枠の柱に摘採装置の地面からの高さを表示する目盛を取付け、摘採装置から目盛に沿って上下する指示針を出して、運転席から摘採装置の刈刃の高さを直接目視する」という手段をとる。摘採装置の刈刃の高さを知る為に、請求項5、8にそれぞれ解決する為の手段を示してあるが、請求項9では更に別の手段を示す。この発明で示す走行型茶葉摘採機は、運転席を走行装置上に設けてある。機体を構成する門型枠のうち、運転席の前方に設けた門型枠の柱に高さを示す目盛板をつければ、直接運転席から目盛板を目視することが出来る。更に、摘採装置を運転席前方の門型枠の下方に設けてあるので、摘採装置から補助腕を出して、門型枠の柱に設けた目盛板に沿って上下する指示針を補助腕につけるのは容易である。 【0016】 【発明の実施の形態】図4、5、6に、この発明の走行型茶葉摘採機の実施例を示す。図4は、この走行型茶葉摘採機を上から見た平面図である。進行方向へ向いて、左側に作業者1が乗り、右側に機体の走行装置と摘採装置を動かすエンジン2が設置してある。図5は、この機体を側面から見たところである。機体の前部の上部に2ヶのターボファン3、4が設けてある。このファンのケースは機体を軽くする為に、請求項2で示すようにプラスチックで作られている。図6は、この機体を前方から見たところである。機体の下部には、茶畝5を挟んで2本の走行装置6、7を門型枠8でつないである。門型枠8の下方には、茶畝5の断面に合わせたバリカン型の刈刃9が設けてある。バリカン型の刈刃9の端には刈刃駆動部15が設けてあり、回転運動を往復運動に変換して刈刃を動かしている。刈刃9の前方には、多数の吹出枝管10を付けた送風管11、12が設けてある。送風管11、12はそれぞれファン3、4と伸縮自在なダクト13、14で結ばれている。 【0017】刈刃9の後方には、茶袋16が接続されている。茶袋16は茶袋保持板17で支えられている。送風管11、12、刈刃9、茶袋保持板17は一体的に組合され、摘採装置18を構成している。摘採装置18は茶畝5の高さに合わせて上下させることが出来るようになっている。機体上部のファン3、4はファン回転軸19で連結されている。ファン回転軸19は,ベルトクラッチ機構を介して、刈刃駆動部15と接続したフレキシブルシャフト20を回して、刈刃9と動かしている。摘採装置18を上下させるために、ダクト13、14は伸縮自在なものを使用し、フレキシブルシャフト20も曲げることが可能な柔軟性を持ったものとしてある。 【0018】図7は、請求項5に示した目盛板21の取付関係を示す詳細図であり、運転者側から見たものを示している。目盛板21は送風管12に取付けてあり、目盛板ガイド22と接している。目盛板21には、地面から刈刃9の中央部までの高さ(cm)が目盛ってある。目盛板ガイド22には矢印69が記してあり、刈刃9の高さが現在何cmかを運転者1から目視できるようにしてある。 【0019】図1、3は,請求項1、3、4に示す、1ヶのエンジンで走行装置と摘採装置を動かす実施例について、動力伝達の系路と、ベルトクラッチの位置を示す分解図である。図1は摘採装置に関する系路、図3は走行装置に関する系路を示している。ベルトによって動力を伝達する場合、平ベルト、Vベルト、タイミングベルトなど、ベルト状のものならどれでもよい。この実施例ではVベルトを用いて説明する。エンジン2の出力軸には、2重になったV車23、24がはめてある。23は走行装置を駆動するV車であり、24は送風ファンを駆動するV車である。25は中間軸受であって,V車26、27がはめてある。V車24とV車26には、Vベルト28がかけてある。2ヶのファン3、4を貫いて,回転軸29が設けてあり、2ヶのファンを同時に廻す。回転軸29には、V車30がはめてあり、V車27とV車30には、Vベルト31が掛けてある。Vベルト31はゆるく掛かっており、テンションローラー32を強くVベルトに押しつけることにより、Vベルト31が張り渡され、V車27からV車30へ動力が伝達され、ファンが回転する。テンションローラー32をゆるめると、Vベルト31がゆるみ、V車27、V車30からはずれ、動力は伝達されない。このように、Vベルト31を張ったり、ゆるめたりすることによって、回転を入切してクラッチの作用をさせる方法をベルトクラッチ機構と呼んでいる。回転軸29の他端にはV車33がはめてあり、刈刃用回転軸34に設けたV車35との間にVベルト36が掛けてある。Vベルト36はテンションローラー37によって、ベルトクラッチ機構を構成しており、V車35の回転を入、切する。刈刃用回転軸34と刈刃9の刈刃駆動部15はフレキシブルシャフト20でつなげてあり、V車35の回転によって、駆動する。ファン3、4はフレキシブルダクト13、14で送風管11、12と連結されている。 【0020】図2は、ファンを3ヶとした場合の実施例を示す。ファン回転軸29には3ヶのファン38、39、40を連結し、同時に回転させる。送風管41、42、43は3ヶに分割されており、それぞれ伸縮自在のダクト44、45、46でファン38、39、40と結んである。 【0021】次に、図3について説明する。エンジン2の出力軸にはめたV車23には、中間軸47に設けたV車48との間にVベルト49が掛けてある。中間軸47の他端には、2重V車50、51が設けてあり、ミッション52の入力軸に設けた2重V車53、54との間に、それぞれVベルト55、56が掛けてある。Vベルト55、56はテンションローラー57、58によって、ベルトクラッチ機構を構成している。V車50とV車53の組み合わせ、V車51とV車54の組み合わせは、比率が変えてあり、テンションローラー57を作動させれば低回転、テンションローラ58を作動させれば高回転がミッション52に入力されるようになっている。59、60はミッション52の出力軸であり、それぞれスプロケット61、62がはめてあり、走行装置6、7のスプロケット63、64との間にチェン65、66が掛けてある。このような系路で、エンジン2から走行装置6、7へ動力が伝達される。 【0022】図8はベルトクラッチの動作を示している。70は駆動側V車であり、V車27、33、50、51に相当する。71は従動側V車であり、V車30、35、53、54に相当する。V車70、71には、Vベルト72が掛けてある。Vベルト72はテンションローラ73によって押さえられている。テンションローラ73はアーム74に取り付けてあり、75を支点として回動する。アーム74はコントロールワイヤ76につながっている。コントロールワイヤー76の他端は、運転席付近に設けた操作レバー77につなげてある。操作レバー77を手前に引けば、コントロールワイヤー76が引っ張られ、アーム74は手前に引き寄せられ、テンションローラ73が下方へ動きベルト72を押しつけ、回転力がV車70からV車71に伝達され、クラッチが入った状態となる。操作レバー77を向こうへ戻せば、アーム74はバネ81で引っ張られて、テンションローラー73を上方へ引き上げるので、Vベルト72はV車から開放され、V車71の回転が停止する。Vベルトは、やや長めのものがセットされているので、開放されるとVベルトガイド78、79、80によって、保持される。 【0023】次に本機の操作手順の説明をする。まず、作業者1は運転席の座席67を倒して、運転席に座る。操作盤のハンドル68を操作して、機体を枕地と呼ばれる茶畝の端に設けた通路を走行させて、摘採しようとする茶畝まで移動し、目的の茶畝にきたら機体を90°方向転換させ、走行装置6、7を茶畝と茶畝の間の通路に合わせ、門型枠8が茶畝5を跨ぐような位置に合わせる。次いで、刈刃9を茶樹の高さに合わせる。このとき、目盛板21を見て、その数字を読み取る。次に、作業者1は茶袋保持板17の上に乗り、空の茶袋16を取り付ける。この実施例の場合は、左右へ2ケの茶袋を並べて取り付ける。次いで、ファン用の操作レバーを手前にひくと、テンションローラー32が作動し、ベルトクラッチが入となり、ファン3、4が回転する。次いで、刈刃用の操作レバーを手前に引くと、テンションローラー37が作動し、刈刃9が動き始める。この状態で操作ハンドル68を前方に倒すと、テンションローラ57又は58が作動し、ミッション52への入力V車が回転し、機体はゆっくりと前進する。テンションローラー57と58の選択はレバーで行なうが、図示されていない。 【0024】刈刃9により刈り取られた茶葉は、吹出枝管10から吹き出す風によって、茶袋16の中へ送りこまれる。茶袋16の中へ茶葉が一杯になると、一度機体を停止させ、作業者1は茶袋16をはずして、新しい空の茶袋を取り付けて、運転を再開する。この空の茶袋の交換作業のとき、運転席は狭いので、座席67をはね上げて、作業をやりやすくする。 【0025】茶畝の端まで摘採して、その端に枕地が設けてあれば、枕地まで出て、機体を方向転換させ、隣の茶畝へ機体を進入させ、隣の茶畝を摘採しながら戻ってくる。茶畝の端まで行ったとき、枕地が設けてなければ、そこで摘採をやめ、そのままその茶畝を後退して、出発点へ戻り、次の茶畝へ機体を進めて摘採を行う。 【0026】図9は、請求項6に示す発明の実施例を示す。図9は、図1に示すエンジン2、中間軸受25、ファン軸29の関係を示す側面図である。エンジン2の上方に中間軸受25を設け、その左側にファン回転軸29が来るように配置する。エンジン2と中間軸受25を結ぶ中心線と、中間軸受25とファン回転軸29を結ぶ中心線は、略直角の方向をなしているが、必ずしも直角の必要はない。エンジンの出力軸に取付けたV車24と中間軸受25に取付けたV車26へVベルト28を掛ける。そして、同じ中間軸受25に取付けたV車27と、ファン回転軸29に取付けたV車30にVベルト31を掛ける。 【0027】図9では、図1にあるテンションプーリー32は必要としない。ファン回転軸29と中間軸受25の中心距離を変えないで、中間軸受25の位置を25'へ移動させると、中間軸受け25とエンジンの出力軸89の距離が縮まり、vベルト28は28'の位置となり、vベルト28は緩み、中間軸90の回転は停止する。82はVベルト28がたるんだときのベルト受である。中間軸90'を元の位置90に戻せば、Vベルト28はピンと張り、動力が伝達され、ファンは回転を始める。 【0028】図10は請求項7に示す発明の実施例を示す。図10は、図1に示すファン回転軸29と、刈刃駆動部15にフレキシブルシャフト20でつながった刈刃用回転軸34との関係を示す側面図である。刈刃用回転軸34はアーム85によって支点84を中心として支えられている。刈刃用回転軸34にはV車35が取付けてあり、ファンの回転軸29にはV車33が取付けてあり、Vベルト36が掛けてある。図10の場合、図1に示すテンションプーリー37は必要としない。アーム85を外側に振って、刈刃用回転軸34の位置を回転軸29から遠ざけると、ベルト36がピンと張り、回転軸29の回転が刈刃用回転軸34へ伝わり、フレキシブルシャフトを伝わって刈刃9を駆動する。刈刃用回転軸34はフレキシブルシャフト20でつながっているので、自由に移動させることが出来る。アーム85を内側に振って、34'の位置に移動させると、ベルト36は36'のようにゆるみ、V車35'は停止する。83はVベルト36がゆるんだときのベルト受である。 【0029】図11に請求項8に示す発明の実施例を示す。8は車体を構成する門型枠であり、運転者のすぐ前に横に渡したものであり、これに刈刃の地上からの高さを示す目盛板87を取付ける。目盛板87に沿って移動する指示針88を設け、この指示針88を送風管12、吹出枝管10、刈刃9で構成した摘採装置18とコントロールケーブル86で結ぶ。摘採装置18を上下させると、指示針88が水平に移動し、摘採装置18に取付けた刈刃9の高さを知ることが出来る。 【0030】図12に請求項9に示す発明の実施例を示す。図12は図5の運転席付近の拡大図である。運転席前方の門型枠8の柱に刈刃9の高さを示す目盛板92を取付ける。摘採装置18は運転席からの操作で上下させる。摘採装置18から補助腕94を出し、その先に指示針93を取付け、目盛板92に沿って上下するようにすれば、刈刃9の高さを運転者1は直接目視することが出来る。 【0031】 【発明の効果】機体に1ヶのエンジンを設けるだけで、走行装置の駆動、送風ファンの回転、バリカン型の刈刃の駆動の全てを行なうことが出来るので、エンジン及びエンジンに関係する機器の数を少なくすることが出来、安価になる。ガソリンの補給、メンテナンスなども楽になり、取扱いが容易となる。ファンを軽量化、小型化することにより、機体重量も軽くなり、重心が低くなり、摘採時の安定度が増し、傾斜地での運転が容易となる。油圧装置や電気機器など、高価で複雑な機器を用いず、ベルトクラッチという簡易な機構をファンの入切、刈刃の入切に採用することにより、安価で、メンテナンスの容易な機体にすることが出来た。請求項6、7の発明では、ベルトクラッチにテンションプーリーを用いないので、機構が簡単になり、ベルトの寿命をのばすことができた。刈刃の見える位置に運転席を設け、摘採装置に目盛をつけ、運転者が直接高さを読み取るようにしたため、初心者でも高さを合わせることが容易でトラブルのないものとなった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000145116 【氏名又は名称】株式会社寺田製作所
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| 【出願日】 |
平成13年8月8日(2001.8.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−136215(P2002−136215A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月14日(2002.5.14) |
| 【出願番号】 |
特願2001−241329(P2001−241329) |
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