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【発明の名称】 田植機の操作装置構成
【発明者】 【氏名】井上 誠

【要約】 【課題】走行車と植付部により構成される田植機の操作装置構成において、走行装置をコンパクトに構成するとともに、運転席近傍をシンプルな構成とすることを課題とする。

【解決手段】走行車と植付部により構成される田植機の操作装置構成において、アクセルレバー15と植付部昇降レバー17をハンドル4側方に並列配置し、アクセルレバー15を植付部昇降レバー17より内側に配置し、植付部昇降レバー17をアクセルレバー16より長く構成する。また、ハンドル4に対して、アクセルレバー16と植付部昇降レバー17の反対側に、主変速レバー15を配設し、アクセルレバー16と植付部昇降レバー17の下方にブレーキペダル33と副変速ペダル32を配置し、これらの操作装置をハンドル4の前後幅内に配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車と植付部により構成される田植機の操作装置構成において、アクセルレバーと植付部昇降レバーをハンドル側方に並列配置し、アクセルレバーを植付部昇降レバーより内側に配置し、植付部昇降レバーをアクセルレバーより長く構成したことを特徴とするの田植機の操作装置構成。
【請求項2】 走行車と植付部により構成される田植機の操作装置構成において、ハンドルに対して、アクセルレバーと植付部昇降レバーの反対側に、主変速レバーを配設し、アクセルレバーと植付部昇降レバーの下方にブレーキペダルと副変速ペダルを配置し、アクセルレバーと植付部昇降レバーと主変速レバーとブレーキペダルと副変速ペダルとをハンドルの前後幅内に設けたことを特徴とするの田植機の操作装置構成。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機の操作装置構成に関するものである。より詳しくは、田植機のアクセルレバーと植付部昇降レバーの配置構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、田植機において、フロントコラムには操向操作を行うハンドルが配設されており、ハンドルの側方には主変速レバーなどが配設されている。そして、他の走行車の操作装置はシート側方に配設された構成となっている。このように操作装置をハンドルおよびシート周辺に配置する構成としては、特開平3−1960号公報に示されるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平3−1960号公報に示される技術においては、副変速操作を運転席の側方において行うものであり、操作装置を一定の領域に集約し、走行車の操作性を向上させるものではない。このため、操向操作や、田植作業を行う際に、作業者の操作領域が大きくなり、迅速な操作を容易に行うことが困難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のごとく、走行車と植付部により構成される田植機の操作装置構成において、アクセルレバーと植付部昇降レバーをハンドル側方に並列配置し、アクセルレバーを植付部昇降レバーより内側に配置し、植付部昇降レバーをアクセルレバーより長く構成した。
【0005】請求項2に記載のごとく、走行車と植付部により構成される田植機の操作装置構成において、ハンドルに対して、アクセルレバーと植付部昇降レバーの反対側に、主変速レバーを配設し、アクセルレバーと植付部昇降レバーの下方にブレーキペダルと副変速ペダルを配置し、アクセルレバーと植付部昇降レバーと主変速レバーとブレーキペダルと副変速ペダルとをハンドルの前後幅内に設けた。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図を用いて説明する。図1は田植機の斜視図であり、図2は同じく側面図、図3は平面図、図4は正面図、図5はフロントコラムの構成を示す後面図、図6は操作機構の配置構成を示す平面図、図7は同じく側面図である。
【0007】はじめに、乗用田植機の構成について、図1乃至図4を用いて説明する。乗用田植機は、走行車1および植付部2により構成されている。走行車1の後部にはリンク機構9が配設されており、このリンク機構9を介して植付部2が走行車1に接続されている。そして、リンク機構9により、植付部2を走行車1に対して昇降するものである。走行車1には作業者が搭乗し、操作を行うものである。走行車1において、エンジンは車体フレームにより保持されており、このフレームの上部をステップ6により被装する構成となっている。走行車1の前部にはフロントコラム3が立設されており、フロントコラム3の上部にはパネルが配設されるとともに各種の操作装置が配設されるものである。そして、フロントコラム3はボンネット8により被装された構成となっている。
【0008】ボンネット8内にはエンジンが配設され、エンジンの後部には、油圧式無段変速機等の変速機構が接続されている。エンジンの駆動力はベルトおよびベルト車を解して変速機構に伝達されるものである。変速機構にはさらに駆動力伝達機構が接続されており、エンジンの駆動力を前輪および後輪、さらに植付部2に伝達する構成となっている。そして、フロントコラム3の左右側方には予備苗載せ台7が配設され、上部にはハンドル4が配設されている。ハンドル4はフロントコラム3の上後部に位置しており、ハンドル4により走行車1の操向操作を行うものである。そして、ハンドル4の左右側方には、主変速レバーなどの操作レバーが配設されている。フロントコラム3の後方には運転席5が配設されており、作業者はこの運転席5に座り乗用型田植機の操縦を行うものである。
【0009】植付部2は苗載台10および複数の植付爪11等を備えるものであり、リンク機構9により上下に昇降可能となっている。苗載台10は前部を高く、後部を低くした状態で斜めに配設されており、苗載台10の下には植付ケースが配設されている。植付ケースにより駆動される植付爪11が、苗載台10下部に位置する苗を植え付けるものである。苗載台10は植付爪11を配設した植付ケースに左右往復摺動自在に支持されており、前後輪を走行駆動して移動すると同時に摺動させる構成となっている。そして、左右に往復摺動させる苗載台10から一株分の苗を、植付爪11によって、取り出し連続的に苗植え作業を行うものである。また、施肥機12は運手席5と植付部2の間に配設されるものである。
【0010】次に、ハンドル4および主変速レバーの配置構成について、図5乃至図7を用いて説明する。フロントコラム3の上後部にはハンドル4が配設されており、該ハンドル4の一側方には主変速レバー15が配設され、他方にはアクセルレバー16および植付部昇降レバー17が配設されているものである。主変速レバー15はブラケット19に、左右方向に回動自在に支持されている。ブラケット19は支軸20の一端に接続されており、該支軸20はフロントコラム3に回動自在に支持されている。これにより、ブラケット19が前後方向に回動自在に構成され、主変速レバー15が前後および左右方向に回動可能となるものである。主変速レバー15は中央部において、後方に屈曲した構成となっており、運転席5に座った操縦者に向けられている。
【0011】ブラケット19の上方にはレバーガイド18が位置しており、主変速レバー15はレバーガイド18のガイド溝に挿入されているものである。これにより、主変速レバー15の回動域がレバーガイド18により規制される構成となる。主変速レバー15はレバーガイド18に設けられたガイド溝に沿って操作されることとなる。レバーガイド18には、図6に示すごとくガイド溝21が設けられている。ガイド溝21は、前後方向に設けられた溝と、左右方向に設けられた溝と、機体斜め内側方向にカーブした溝とにより構成されている。左右方向に設けられた溝は、前後方向に設けられた溝の中央部において、機体内側に接続されている。機体斜め内側方向にカーブした溝は、前後方向に設けられた溝の前端において機体内側に接続されている。機体斜め内側方向にカーブした溝は、後部および中央部は前後方向に設けられると共に前部において機体斜め内側方向に設けられた溝により構成されている。
【0012】フロントコラム3において、主変速レバー15の反対側には、植付部昇降レバー17およびアクセルレバー16が配設されている。本実施例においては、植付部昇降レバー17およびアクセルレバー16が機体右側に配設されている。植付部昇降レバー17の内側にアクセルレバー16が配設されており、植付部昇降レバー17はアクセルレバー16より長く構成されている。植付部昇降レバー17とアクセルレバー16は、レバーガイド31の溝に挿入されており、レバーガイド31に設けられたガイド溝に沿って、レバーが操作される構成となっている。なお、植付部昇降レバー17は植付部の昇降制御を行うものであると共に、マーカーの操作を行うものである。アクセルレバー16は走行車1の駆動速度を調節するものである。アクセルレバー16は本実施例において、走行車1の変速機構を操作するものである。
【0013】レバーガイド31には、ガイド溝34・35が設けられており、ガイド溝35によりアクセルレバー16の回動方向が規制され、ガイド溝34により植付部昇降レバー17の回動が規制されるものである。アクセルレバー16および植付部昇降レバー17は、ガイド溝34・35において、前後方向に回動可能に構成されおり、平行に配置される構成となっている。植付部昇降レバー17はまた、前後方向への回動および左右方向への傾動が可能な構成となっている。そして、アクセルレバー16は植付部昇降レバー17より内側に配設される。さらに、アクセルレバー16は植付部昇降レバー17より短くなっており、アクセルレバー16の上端は植付部昇降レバー17の上端より低い位置となっている。
【0014】田植作業において、使用頻度の高い植付部昇降レバー17は、アクセルレバー16に対して外側に配設されるとともに、ハンドル4に対しても外側に配設される。また、植付部昇降レバー17は運転席5の側端部前方に位置し、運転席5に座る操縦者の右手前方に配設され、操作しやすい位置に配設されることとなる。アクセルレバー16は植付部昇降レバー17とハンドル4の間に配設されるので、操作系のスペースをコンパクトに構成することができる。アクセルレバー16は植付部昇降レバー17とハンドル4の間に配設され、その上端をハンドル4のグリップおよび植付部昇降レバー17の上端より低く構成されている。これにより、ハンドル4と植付部昇降レバー17の間において、アクセルレバー16を操作するための空間を充分に確保することが可能である。そして、フロントコラム3の上部をコンパクトに構成することができる。さらに、植付部昇降レバー17の操作の際に、作業者の手がアクセルレバー16に接触し難く、アクセルレバー16を植付部昇降レバー17の近くに立設しても、操作に悪影響を与えない。
【0015】レバーガイド31において、ガイド溝34は前後方向に設けられている。さらに、ガイド溝34は前後方向に設けられていると共に、左右に凹部を形成した構成となっている。植付部昇降レバー17は前後方向の回動により植付部2の昇降操作を行うものであり、ガイド溝34の左右凹部に位置させることによりマーカの操作を行うものである。なお、植付部昇降レバー17は左右方向への傾倒状態より自動復帰するものである。
【0016】レバーガイド31の下方にはブレーキペダル33が配設されており、ブレーキペダル33の外側には副変速ペダル32が配設されている。なお、ブレーキペダル33および副変速ペダル32は、ステップ6上に設けられているものである。すなわち、フロントコラム3斜め後方のステップ6上に、ブレーキペダル33および副変速ペダル32が配設されるものである。副変速ペダル32は走行車1に搭載される油圧式無段変速装置の制御を行い、車速を調節するものである。副変速ペダル32はエンジンに接続される油圧式無段変速装置の斜板制御を行うものであり、該斜板の傾動角を副変速ペダル32により行うものである。
【0017】主変速レバー15、アクセルレバー16、植付部昇降レバー17ブレーキペダル33および副変速ペダル32は、図6および図7に示すように、ハンドル4の前後幅内に収められている。これにより、操作性が向上するとともに、圃場内での基本操作をハンドル4の近傍で操作することができる。そして、苗つぎを行う時や、機体への乗降時等のステップ上を横断する場合、レバーに足などがあたり、誤作動が起こることがない。さらに、運転席5近辺の空間を有効に利用することが可能である。運転席5側方をシンプルに構成でき、田植の作業性が向上するものである。
【0018】次に、ハンドル4の別実施例について説明する。ハンドル4の別実施例においては、ハンドルのグリップ部分が三本の支持体を介して、ステアリング軸に接続されるものである。三本の支持体は平面視Y字状配設されており、この三本の支持体によりハンドルのグリップ内の空間は3分割される。そして、このような三本の支持体によりハンドルグリップを支持するハンドルにおいて、ハンドルグリップ内側の上部よりパネルを視認できるようにし、ハンドル内の左右の空間を通して、主変速レバー、アクセルレバーなどの操作レバーを視認できるように構成してもよい。すなわち、ハンドル4を三本スポークとし、ハンドルの内側にパネルや左右の操作レバーの確認が行えるように構成してもよい。ハンドルをこのように構成することで、パネルおよび操作レバーの視認性を向上させ、確実な作業を行うことも可能である。
【0019】
【発明の効果】請求項1に記載のごとく、走行車と植付部により構成される田植機の操作装置構成において、アクセルレバーと植付部昇降レバーをハンドル側方に並列配置し、アクセルレバーを植付部昇降レバーより内側に配置し、植付部昇降レバーをアクセルレバーより長く構成したので、使用頻度の高い植付部昇降レバーを外側にし、使用頻度の低いアクセルレバーを、ハンドルと植付部昇降レバー間のデッドスペースに設けることによりできる。これにより、操作性が良くコンパクトなレバー配置構成とすることができる。さらに、植付部昇降レバーの長さをアクセルレバーの長さより長く構成するので、使用頻度の高い植付部昇降レバーを操作してもアクセルレバーが邪魔にならない。
【0020】請求項2に記載のごとく、走行車と植付部により構成される田植機の操作装置構成において、ハンドルに対して、アクセルレバーと植付部昇降レバーの反対側に、主変速レバーを配設し、アクセルレバーと植付部昇降レバーの下方にブレーキペダルと副変速ペダルを配置し、アクセルレバーと植付部昇降レバーと主変速レバーとブレーキペダルと副変速ペダルとをハンドルの前後幅内に設けたので、各種操作部部材をハンドル近傍に設けることができ、操作性が向上する。従来の運転席側方のレバー類を無くすことができ、苗つぎ時の作業性が良好となる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成13年5月23日(2001.5.23)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2002−335723(P2002−335723A)
【公開日】 平成14年11月26日(2002.11.26)
【出願番号】 特願2001−154438(P2001−154438)