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【発明の名称】 田植機の植付部
【発明者】 【氏名】土井 邦夫

【要約】 【課題】製造コストを抑制しながら、十分な剛性を持ち、耐久性に優れた延長苗台を備えた田植機の植付部を提供すること。

【解決手段】植付部が、苗載台と、該苗載台の高さを延長する延長苗台とを含み、該延長苗台が苗を載置する載置部と、該載置部をその背面で補強する少なくとも2個の補強リブとを有する構成であって、延長苗台を苗載台に取り付ける取付部位が、補強リブを苗載台の上端部と当接する形状にすると共に、該上端部から背面側へ突出する受部を形成する。さらに、前記苗載台の上端形状が中心角約60度以上の円弧形状であって、前記延長苗台の取付部位が該円弧形状の長さ以上の円弧長を有する構成でもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 田植機の植付部が、苗載台と、該苗載台の高さを延長する延長苗台とを含み、該延長苗台が苗を載置する載置部と、該載置部をその背面で補強する少なくとも2個の補強リブとを有する構成において、延長苗台を苗載台に取り付ける取付部位が、補強リブを苗載台の上端部と当接する形状にすると共に、該上端部から背面側へ突出する受部を形成したことを特徴とする田植機の植付部。
【請求項2】 前記苗載台の上端形状が中心角約60度以上の円弧形状であって、前記延長苗台の取付部位が該円弧形状の長さ以上の円弧長を有する請求項1に記載の田植機の植付部。
【請求項3】 前記補強リブが上部から下部に向かって漸次リブ高さを増す構成において、前記取付部位近傍においてそのリブ高さの増加量が変化する屈折部を有し、その屈折部では前記受部に向けてリブ高さを大きく増加させる請求項1又は2に記載の田植機の植付部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機の植付部における苗載台及び延長苗台の構成に関するものである。特に、延長苗台を苗載台に取り付ける構成に関する。
【0002】
【従来の技術】田植機の植付部には苗を供給する苗載台が備えられており、苗載台の高さを延長する為に、延長苗台を配設したものがある。延長苗台は、苗載台の上端に取り付けられるが、従来の技術では苗載台の上端の形状に沿って形成されているだけであり、延長苗台に加わる負荷を効率よく分散して苗載台に伝えることができなかった。そして、従来の構成で十分な剛性を持たせようとした場合には、部材を厚くしたり、大きくしなければならず、重量を大きくし、コスト上昇を招いてしまう問題があった。
【0003】さらに延長苗台は、装着する機種によって形状が同一でなく、機種に合わせて製造しなければならないことから、部材の共通化を図れず、低コスト化に寄与していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて創出されたものであり、その目的は、製造コストを抑制しながら、十分な剛性を持ち、耐久性に優れた延長苗台を備えた田植機の植付部を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明による田植機の植付部は、以下の特徴を備える。本発明による田植機の植付部は、苗載台と、該苗載台の高さを延長する延長苗台とを含み、該延長苗台が苗を載置する載置部と、該載置部をその背面で補強する少なくとも2個の補強リブとを有する。そして、延長苗台を苗載台に取り付ける取付部位が、補強リブを苗載台の上端部と当接する形状にすると共に、該上端部から背面側へ突出する受部を形成することを特徴とする。さらに、前記苗載台の上端形状が中心角約60度以上の円弧形状であって、前記延長苗台の取付部位が該円弧形状の長さ以上の円弧長を有する構成でもよい。前記補強リブが上部から下部に向かって漸次リブ高さを増す構成において、前記取付部位近傍においてそのリブ高さの増加量が変化する屈折部を有し、その屈折部では前記受部に向けてリブ高さを大きく増加させてもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に示した実施例に基づいて説明する。なお、実施形態は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜設計変更可能なものである。図1は本発明による植付部を備えた田植機の側面図である。田植機(1)は、図1に示すように自走可能な走行機体(2)と、昇降機構(3)および植付部(4)から主に構成されている。昇降機構(3)は植付部(4)を昇降する機構である。走行機体(2)は、機体フレーム(5)に運転や駆動に関わる諸部材を配設して形成される。
【0007】図2は本発明による田植機の機体のフレーム構成を表す平面図である。機体フレーム(5)は、図1および図2に示すように、前後方向には、左右一対の断面矩形のメインフレーム(30)(31)を走行機体(2)の略全長に亘って架設する。そして、該メインフレーム(30)(31)の前部に左右幅方向に向けて中空円筒状の前部フレーム(32)(32)と、中途部に中部フレーム(33)と、後端部に後部フレーム(34)とをそれぞれ架設する。メインフレーム(30)(31)の後半部は、前低後高に傾斜が設けられており、後部フレームは下向きに開くコ字形状の部材と、左右の幅方向に延出する部材から構成される。前部フレーム(32)(32)には、エンジン支持板(35)が架設され、その上面にエンジン(6)を載置する。エンジン支持板(35)の後部にはミッションケース(12)が接続され、エンジン(6)と連結される。ミッションケース(12)は中途部を中部フレーム(33)で支持される。他に、メインフレーム(30)(31)には座席部を支持する座席支持フレーム(39)等が配設される。
【0008】前記ミッションケース(12)は、エンジン支持板(35)の後端より後部フレーム(34)まで延出して前後方向に長く形成され、側面視(図1)において前高後低に配されている。また、前記ミッションケース(12)前左側部にベルト式無段変速機構(40)が連設されている。ベルト式無段変速機構(40)は上記ミッションケース(12)に連設される部分(40a)と、エンジン(6)に連設される部分(40b)から構成され、それらは動力を伝達するベルト(40c)で連結されている。そしてベルト式無段変速機構(40)に伝達された動力はミッションケース(12)に設けたクラッチ機構を経た後、ミッションケース(12)に設けた動力伝達機構に伝達される。
【0009】ミッションケース(12)の左右側面にフロントアクスルケース(41)(41)が固設され、該フロントアクスルケース(41)(41)の左右端部より下方に向かって車軸ケース(42)(42)が固設され、該車軸ケース(42)(42)の下端部に前輪(13)(13)を固設する前輪駆動軸(45)(45)が軸支されている。そして、車軸ケース(42)(42)は左右一対の独立したサスペンション機構(43)(43)によって支持されている。ミッションケース(12)後端部には、軸方向が左右方向である筒状のリアアクスルケース(44)(44)が形成され、該リアアクスルケース(44)(44)内に後輪駆動軸(46)(46)が軸支される。後輪駆動軸(46)(46)の左右端部に後輪(14)(14)が固設される。フロントアクスルケース(41)(41)とリアアクスルケース(44)(44)とは、ミッションケース(12)に一体的に形成される。
【0010】また、ミッションケース(12)の中途右側部からは作業用の出力を伝達するPTO出力軸(51)が後方に向けて突出する。該PTO出力軸(51)の駆動は後方の植付部(4)に入力される。植付部(4)については後述する。走行機体(2)と植付部(4)を接続する昇降機構(3)は上下に2個のリンクから構成され、上側は後部フレーム(34)の上部から延出するパイプ体であるアッパーリンク(47)であり、下側は後部フレーム(34)の中段に張設して接続されたロワーリンク(48)である。そして、走行機体(2)の後部とロワーリンク(48)との間に介設された油圧シリンダーの伸縮動作によって、昇降自在に構成されている。
【0011】次に機体フレームの上部を概観する。前方のエンジン(6)の直上方には燃料タンク(7)がある。エンジン(6)はボンネット(8)で覆われ、ボンネット(8)の左右側方位置には、予備の苗を載置しておくための2段の予備苗載台(9)(9)が配設される。予備苗載台(9)(9)は支柱(10)にブラケット(11)(11)を介して固定されている。燃料タンク(7)の後方が作業者の運転位置である。作業者は昇降ステップ(15)に足を掛けてステップ(16)に上がる。ステップ(16)には幅方向中央に座席(17)が配置されている。作業者は座席(17)に着座し、前方のハンドル(18)等を操作する。ハンドル(18)はステアリングシャフト(50)の上端に取り付けられており、該ステアリングシャフト(50)の下部に配設されるギア機構によって田植機(1)の向きを変更する。
【0012】これらの他に運転位置には各種の操作機器を備えている。ステアリングシャフト(50)の左方に走行機体(2)の変速操作を行う変速レバー(19)及びその側方に、走行機体(2)から降りて走行機体(2)の側方からクラッチ操作やブレーキ操作を可能にするクラッチレバー(20)がある。又、座席(17)の右側部には植付部(4)の昇降操作、植付クラッチの入切操作、マーカー操作を行う昇降レバー(21)を配設する。これらの各レバー(19)(20)(21)はいずれも前後方向に揺動操作する。
【0013】次に、本発明の配設箇所でもある植付部(4)について詳述する。植付部(4)の最前部、すなわち昇降機構(3)との接続部には、植付作業装置(22)がある。そしてその上部に苗載台(24)を後部に傾斜する形態で備えるとともに、苗載台(24)下部にフロート(25)を配置している。本植付部(4)は、4条植え式であり、ロータリー植付装置(60・・・)を4基備えている。各ロータリー植付装置(60・・・)は、それぞれ2本の植付爪(61)(61)とロータリーケース(62)から構成される。植付部(4)は、左右方向水平に1個の連結パイプ(63)と、該連結パイプ(63)から後方に延出した左右1対の伝動パイプ(64L)(64R)とを備える。各パイプ(63)(64L)(64R)にはそれぞれ連結軸(65)、伝動軸(66L)(66R)が内装されており、それらは複数のベアリングに軸支されて回転自在である。
【0014】走行機体(2)からPTO出力軸(51)によって伝達される駆動力は、PTO出力軸(51)の端部に配設された出力ベベルギア(67)を介し、それと噛合する連結軸(65)右端の連結入出力ベベルギア(68)を経て、連結軸(65)の回転力となる。同時に、該連結入出力ベベルギア(68)は、右側伝動軸(66R)の上端に固設される入力ベベルギア(69R)と噛合し、右側伝動軸(66R)を回転させる。一方、連結軸(65)の左端部に固設される連結出力ベベルギア(70)が、左側伝動軸(66L)上端に固設される入力ベベルギア(69L)と噛合し、左側伝動軸(66R)も連動回転する。以下、左右の伝動軸(66L)(66R)の構成において、植付爪(61・・・)の駆動については左右で略同一なため、右側伝動軸(66R)を基に説述し、異なる点についてのみ触れていく。
【0015】伝動パイプ(64R)の後端部は十字管継手(71)に連結し、該継手における左右方向に植付アーム軸(72)が貫通している。伝動軸(66R)の後端には植付出力ベベルギア(73)が固設され、植付アーム軸(72)に固設したベベルギア(74)と噛合して植付アーム軸(72)を回転させる。植付アーム軸(72)の両端はロータリーケース(62)に連結し、該ロータリーケース(62)が回転することによって植付爪(61・・・)を駆動する。ここで、伝動軸(66R)は、前端と後端をベアリング(53)(54)で軸支されると共に、上端の入力ベベルギア(69L)の直後方に連設して安全クラッチ(100)を配設しており、伝動軸(66R)に過大な負荷がかかった場合に、安全クラッチ(100)が駆動力の伝動を遮断して安全を図るようにしている。
【0016】さらに、植付アーム軸(72)上には伝動軸(66R)からの伝動を遮断するクラッチ(90)が配設されており、該クラッチは図示しないクラッチピンの挿脱によって伝動の接続・遮断を司る。該クラッチピンの操作は図4に示すワイヤーとそれに接続する苗載台(24)上部のクラッチレバー(87)によって操作可能である。左側伝動軸(66L)については以上の構成であるが、右側のロータリー植付装置(60)ではさらに出力駆動軸(110)を後方に延出させることができる。すなわち、出力駆動軸(110)の前端に固設されるベベルギア(111)を前記植付アーム軸(72)上に固設されるベベルギア(74)と噛合させることによって、外部の作業機を接続し、該作業機を駆動させることができる出力駆動軸(110)を回転させる。なお、上記右側のロータリー植付装置(60)における出力駆動軸(110)の構成は、左側のロータリー植付装置(60)においても配設可能であり、さらに多くのロータリー植付装置を備えた植付部においては、いずれのロータリー植付装置にも同様の構成で配設することができる。
【0017】次に苗載台(24)の左右摺動機構について説述する。図4及び図5に苗載台(24)の正面図、側面図を示す。苗載台(24)はロータリーケース(62)の数に対応して4個の縦長の部材(24a)(24b)(24c)(24d)から構成され、各部材は一体的に成形されている。苗載台の前面には中途位置に左右に水平に張設した上ガイドレール(37)と、下端位置に左右に張設した下ガイドレール(38)が配設される。苗載台(24)は各ガイドレール(37)(38)に沿って摺動することにより、苗載台(24)後面に配置する苗をロータリー植付装置(60・・・)に供給する。
【0018】前記連結パイプ(63)左端は十字管継手(75)と接続され、該十字管継手(75)内部に連結軸(65)と伝動軸(66L)のギア機構、及び連結出力ベベルギア(70)によって中継される連結延長軸(83)を配設し、左方から該連結延長軸(83)が突出し、その左端部付近に歯数の異なる2個の鉄製ギア(76)(77)が固設される。該ギア(76)(77)はそれぞれ、噛合する2個の樹脂製ギア(78)(79)と共に、横送り変換ケース(80)に内装されており、該横送り変換ケース(80)からは出力側ギア(78)(79)に軸通する縦送り軸(81)が上記連結軸(65)と平行に延出している。さらに、その延長上には横送り軸(84)が連設され、縦送り軸(81)による縦送り作業と同時に、横送り作業を司っている。ここで、2個のギア(76)(77)は、連結軸(65)上に配設されたシフター(82)によっていずれかのギアのみが連結軸(65)と連動回転するように構成され、両ギア(76)(77)の歯数の違いによって縦送り軸(81)及び、横送り軸(84)の回転速度を変更出来るようになっている。
【0019】各ギア(76ないし79)は鉄製と樹脂製で構成される。これは次の理由による。すなわち、鉄製のみの場合には重量が大きくなり、田植機の軽量化・低廉化に奉仕しない。逆に樹脂製のみで構成すると、ギアの摩擦が大きくなり、耐久性の点で劣ること、剛性を高めるためには部材を大きくしなければならず、前記シフター(82)による変速時にニュートラル位置を取り難い。このため、両者を組み合わせることによって、軽量化を図ると同時に十分な耐久性を有し、低廉化にも寄与させている。本構成により、横送り変換ケース(80)内に4個のギアと、シフター(82)、連結延長軸(83)が一体的に形成されるので、組み立て性が向上すると共に、メンテナンスにも便宜である。
【0020】本実施例における苗載台(24)は上記構成を備えるとともに、植付部(4)本体のフレーム上に固設した滑り子受け(88)に係合させる滑り子(85)が、横送り軸(84)の外周面上に穿設される摺動溝(86)に嵌入し、該摺動溝(86)内を摺動することによって、苗載台(24)の左右方向の摺動を実現している。田植機の植付部(4)は、以上のように伝動機構(23)やロータリー植付装置(60)、苗載台(24)の摺動機構が互いに協働して植付作業を行うようになっている。
【0021】さらに、苗載台(24)には各縦長の部材(24a)(24b)(24c)(24d)の上端に、対応する延長苗台(110a)(110b)(110c)(110d)が配設されている。該延長苗台(110aないし110d)は樹脂によって形成され、苗載台の高さを延長する部材である。各延長苗台(110aないし110d)はいずれも同一な形状であるから、以下ではその左端の延長苗台(110a)についてのみ説述することとする。本発明に係る延長苗台(110a)の正面図を図6に示す。
【0022】延長苗台(110a)は、樹脂製の略平板であり、苗を載置する載置面(111)と、その背面に複数の凸形状の補強リブ(112)が配設されており、さらに、軽量化を図るため、開口部(113)(114)(115)(116)(117)を備えている。各開口部(113ないし117)の周縁はリブ高さ約5mmの補強リブ(112a)が形成され、開口部(113ないし117)による剛性の低下を防ぎつつ、軽量化と耐風性能を向上させている。さらに、載置面(111)背面全体に亘って、高さ約5mmの格子状の補強リブ(112b)が3cmないし5cmの間隔で配設され、延長苗台(110a)の剛性を高めている。
【0023】そして、縦方向に配設された8本の固定リブ(118aないし118h)は、本発明の要部である苗載台(24)との取付部(119aないし119h)に特徴を有することで、効果的に延長苗台(110a)を支持可能としている。すなわち、固定リブ(118aないし118h)は、上部においては補強リブ(112)と略同一なリブ高さであり、延長苗台の高さにおける上端から約1/4付近より下部に向けて漸次リブ高さを高くしていく。本実施例において、延長苗台の下端から全高の約1/4の位置における固定リブ(118aないし118h)のリブ高さは約15mmである。このように、リブ高さを漸次高くすることによって、苗を載置した際の負荷に応じて効果的に支持することが可能であり、同時に、延長苗台(110a)の軽量化も図ることができる。
【0024】次に、該固定リブ(118aないし118h)の形状について、側面断面図(図7)を用いて説述する。ここでは2つの固定リブ(118f)(118g)の中間における断面形状を示している。形状についてはいずれの固定リブ(118aないし118h)も略同一であるから、以下、固定リブ(118f)に基づいて説述していく。上記延長苗台の下端から全高の約1/4の位置において、リブ高さの増加量を大きく増す屈折部(120)を設ける。屈折部(120)は半径約5cmの緩やかな曲線であり、連続的な固定リブ(118f)を形成している。
【0025】そして、屈折部(120)から下方は載置面(111)背面に向けて突出させた受部(121)であり、受部(121)の下端(121a)からは円弧状にリブ高さを低下させる。該円弧部(122)は受部下端(121a)近傍では苗載台(24)上端とほぼ全周で円弧形状に形成した苗載台(24)上端部と当接する。ここで、苗載台(24)の上端部(24e)は約60度の中心角である円弧形状であり、同時に固定リブ(118f)の円弧部(122)も略同一な中心角である。このように円弧によって延長苗台(110a)と苗載台(24)を当接させ、延長苗台(110a)に加わる負荷を分散して苗載台(24)に加えることで、特定の一点に負荷がかかることなく、安定的に延長苗台(110a)を支持することが出来る。特に、上記円弧の中心角は60度以上有することで、円弧形状にする効果を確実に享受することができ、好適である。
【0026】延長苗台(110a)の円弧部(122)の円弧の長さは、苗載台(24)の上端部(24e)の円弧形状における円弧の長さよりも長くしてもよい。これにより、受部(121)を大きく突出させることができ、受部(121)近傍の剛性の向上に寄与することが出来る。
【0027】以上の構成により、苗載台上端部(24e)と延長苗台(110a)を当接させた上で、2個のボルト孔(123)(123)にボルトを貫通して延長苗台(110a)を固設する。従来の延長苗台における固定リブは延長苗台の左右両端にのみ配設され、本発明による受部等も設けられなかったため、剛性が低く、高めようとすれば部材の重量化、高コスト化が避けられなかった。ところが、本発明によれば、正面視(図6)で明らかなように、ボルト孔(123)(123)の左右直近に固定リブ(119b)(119c)(119f)(119g)が配設されると共に、受部(121)及び円弧部(122)が設けられているため、剛性を高めることに成功している。また、固定リブ(118aないし118h)のリブ高さを漸次高める手法によって軽量化、低コスト化を図っている。さらに、前記円弧部(122)及び苗載台上端部(24e)の円弧形状の中心角を60度以上とすることで、ボルト孔(123)(123)を苗載台上端部(24e)から十分な距離をおいて配設することができ、取付部(119aないし119h)の剛性を高めることができる。
【0028】本延長苗台(110a)はその高さを苗マットの高さの1/2以上とする。従来の延長苗台では、大型の植付部を有する田植機は延長苗台の高さが低く、苗載台の高さが高い反面、小型の田植機では、延長苗台の高さを高くし、苗載台の高さを低くして低コスト化を図っていた。しかし、本発明によれば、十分な延長苗台の剛性が容易に得られるため、苗載台の高さを低く、延長苗台の高さを高く設定し、大型機においても低廉な植付部を実現することができる。また、これによって、大型機と小型機における部材の共通化を図ることができ、さらに製造コストを抑制することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の田植機の植付部は、以上の構成を備えるので次の効果を奏する。請求項1に記載の植付部によると、補強リブを備え、受部を形成したことにより、延長苗台の剛性を向上させると同時に、軽量化・低廉化を図ることができる。さらに、取付部位の剛性も向上し、部材の耐久性を高めることができる。
【0030】請求項2に記載の植付部によると、中心角を60度以上である円弧形状にすることにより、延長苗台及び、その取付部位への負荷を効果的に分散させ、支持することができるので、安定性の高い延長苗台の取付が可能である。これによって、低コスト化を図りながら、部材寿命の長い田植機の植付部を提供することができる。
【0031】請求項3に記載の植付部によると、リブ高さを必要十分に設計することによって、軽量化を図り、低廉化に寄与すると共に、十分な耐久性を兼ね備えた植付部が実現できる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成13年5月1日(2001.5.1)
【代理人】 【識別番号】100090893
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 敏
【公開番号】 特開2002−325507(P2002−325507A)
【公開日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願番号】 特願2001−134565(P2001−134565)