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【発明の名称】 温湯浸種装置および温湯浸種方法
【発明者】 【氏名】川島 謙蔵

【氏名】村田 和昭

【氏名】荒川 秀明

【氏名】川島 誠蔵

【要約】 【課題】必要な量の種籾の殺菌を、正確な温水温度および浸漬時間の厳守のもとに確実かつ能率よく行なうことができる温湯浸種装置および温湯浸種方法を提供する。

【解決手段】所定の温度の温水を供給して種籾を温水に浸す温湯浸種槽20、30と、冷水を満たしておく冷水槽40とを同一平面上に配設する。温湯浸種槽20は予浸用であり、温湯浸種槽30は浸種用である。温湯浸種槽20、30および冷水槽40に対し、種籾収納容器9を吊り下げて搬送するとともに出し入れするための走行クレーン装置50を配設する。走行クレーン50は、温湯温湯浸種槽20、30および冷水槽40の上方に跨がるガイドレール52と、ガイドレール52に案内されて往復移動する自走クレーン53を備えている。自走クレーン53に種籾収納容器9を吊り下げるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 種籾を所定の温度の温水に浸して殺菌する温湯浸種装置であって、所定の温度の温水を供給して種籾を温水に浸す温湯浸種槽と、冷水を満たしておく冷水槽とを配設し、温湯浸種槽並びに冷水槽に対し、種籾収納容器を吊り下げて搬送するとともに出し入れするための走行クレーン装置を配設したことを特徴とする温湯浸種装置。
【請求項2】 温湯浸種槽を2個併設してそのうちの一方を予浸用とするとともに他方を浸種用としたことを特徴とする請求項1記載の温湯浸種装置。
【請求項3】 走行クレーンは、温湯浸種槽および冷水槽の上方に跨がるガイドレールと、該ガイドレールに案内されて往復移動する自走クレーンを備え、該自走クレーンに種籾収納容器を吊り下げるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の温湯浸種装置。
【請求項4】 請求項2記載の温湯浸種装置を使用する温湯浸種方法であって、殺菌する種籾を、まず予浸用の温湯浸種槽の温水に浸たして予浸し、次いで浸種用の温湯温湯浸種槽の温水に浸漬しのち、冷水槽の冷水に浸して冷却することを特徴とする温湯浸種方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種籾を所定の温度の温水に浸して殺菌する温湯浸種装置およびその装置を使用する温湯浸種方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】褐条病、苗立枯細菌病等の細菌病に対する対策としては、有効な薬剤が存在しないことから、次に説明する冷水温湯浸種方法や温湯浸種方法が有効であることが実験室レベルで確認されている。
【0003】冷水温湯浸種方法は、種籾を20℃以下の冷水に16〜24時間浸漬したのち48〜49℃の温湯に1〜2分間浸し、ついで、51℃の温湯に約7分間浸したのち20℃以下の冷水で冷却する。また、温湯浸種方法は、種籾を57℃の温湯に15分間浸漬したのち20℃以下の冷水で冷却する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した冷水温湯浸種方法や温湯浸種方法は、正確な温水温度および浸漬時間の厳守が肝要であるが、実際に農場レベルで必要な量の種籾の殺菌に用いる場合、単に実験室で用いられる温水槽を大型化しただけでは、正確な温水温度および浸漬時間の厳守が困難であるばかりでなく、温水槽に浸された種籾全体を均一な殺菌温度に維持することが困難であった。
【0005】本発明は、上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、所定の温度の温水を供給して種籾を温水に浸す温湯浸種槽と、冷水を満たしておく冷水槽とを配設するとともに、温湯浸種槽並びに冷水槽に対し、種籾収納容器を吊り下げて搬送するとともに出し入れするための走行クレーン装置を配設したことにより、必要な量の種籾の殺菌を、正確な温水温度および浸漬時間の厳守のもとに確実かつ能率よく行なうことができる温湯浸種装置およびその装置を使用する温湯浸種方法を実現することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る温湯浸種装置は、種籾を所定の温度の温水に浸して殺菌する温湯浸種装置であって、所定の温度の温水を供給して種籾を温水に浸す温湯浸種槽と、冷水を満たしておく冷水槽とを配設し、温湯浸種槽並びに冷水槽に対し、種籾収納容器を吊り下げて搬送するとともに出し入れするための走行クレーン装置を配設したことを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の請求項2に係る温湯浸種装置は、請求項1記載の温湯浸種装置において、温湯浸種槽を2個併設してそのうちの一方を予浸用とするとともに他方を浸種用としたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の請求項3に係る温湯浸種装置は、請求項1または2記載の温湯浸種装置において、走行クレーンは、温湯浸種槽および冷水槽の上方に跨がるガイドレールと、該ガイドレールに案内されて往復移動する自走クレーンを備え、該自走クレーンに種籾収納容器を吊り下げるように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】さらに、本発明の請求項4に係る温湯浸種方法は、請求項2記載の温湯浸種装置を使用する温湯浸種方法であって、殺菌する種籾を、まず予浸用の温湯浸種槽の温水に浸たして予浸し、次いで浸種用の温湯温湯浸種槽の温水に浸漬したのち、冷水槽の冷水に浸して冷却することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の温湯浸種装置の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る温湯浸種装置の一実施の形態を示す説明図、図2(a)は温湯浸種槽の模式平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う模式断面図である。
【0011】温湯浸種槽は、種籾を所定の温度の温水に浸漬するための上面が開放された箱状の温水槽1と、温水槽1に所定の温度に温度調節された温水を供給するための温水器2と、枠体7に互いに隙間をおいて支持された4個の収納籠8からなり、かつ温水槽1に出し入れ自在な種籾収納容器9を備えている。
【0012】種籾収納容器9は、金網や多孔板等からなる4個の収納籠8が互いに隙間をおいて枠体7に支持されており、かつ、種籾収納容器9と温水槽1の側壁との間に間隙が生じる形状に設定されている。しかしこれに限らず、収納籠の数を必要に応じ任意の数に変更したり、各収納籠を枠体に着脱自在に設けるように変更することができることはいうまでもない。
【0013】温水槽1には、その互いに対向する側壁のうちの一方の側壁の近傍から他方の側壁へ向けて温水器2より供給された所定の温度の温水を同時に吐出するための4個の吐出口5を有する供給管4が、前記一方の側壁に沿って配設されており、該供給管4の略中央部が導入管3を介して温水器2に接続されている。また、温水槽1には、略中央部における底部近傍部位から温水を排出するための排出口6aを有する排出管6が配設されている。このため、温水槽1に供給された温水が、一方の側壁の近傍から他方の側壁に向けて流動する。
【0014】なお、本実施の形態では、供給管4に4個の吐出口5を設けたものを示したが、供給管に設ける吐出口の数は必要に応じて任意の数に変更できる。
【0015】本発明に係る温湯浸種装置は、図1に示すように、温湯浸種槽20、30と、冷水槽40とを同一平面上に配設し、これら温湯浸種槽20,30並びに冷水槽40に対し、種籾収納容器を吊り下げて搬送するとともに出し入れするための走行クレーン装置50を配設して構成されている。
【0016】すなわち、走行クレーン装置50は、支柱51によって支持されて温湯浸種槽20、30および冷水槽40の上方に跨がるガイドレール52と、該ガイドレール52に案内されて温湯浸種槽20、30と冷水槽40との間で往復移動する自走クレーン53を備えており、自走クレーン53のフック54を、種籾収納容器9の枠体7に設けられた吊り具11に引っかけて種籾収納容器9を吊り下げるように構成されている。
【0017】次に、本実施の形態による温湯浸種槽の動作について説明する。
【0018】種籾収納容器9の各収納籠8に種籾を詰めた網袋10を収納し、種籾収納容器9と温水槽1の側壁との間に隙間が生じると同時に、収納籠8の間の隙間が吐出口5から吐出される温水の方向と略平行になるように温水槽1内に配置する。
【0019】そして、温水器2により所定の温度に温度調節された温水を導入管3を介して供給管4に供給すると、前記温水は各吐出口5より同時に吐出されて矢印方向に流動したのち、温水槽1の略中央部の底部近傍の排出口6aより排出管6内へ流入する流れとなって槽外へ排出される。このため、温水槽1中において温水が滞留することがなく温水槽1中における温水の温度ムラの発生が防止され、各収納籠8中の籾を確実に殺菌することができる。
【0020】続いて、本実施の形態による温湯浸種装置の動作について説明する。
【0021】(冷水温湯浸種方法の場合)
■ 予浸用の温湯浸種槽20には、その温水器2により、48〜49℃に温度調節した温水を供給し、浸種用の温湯浸種槽30にはその温水器2により51℃に温度調節した温水を供給し、冷水槽40は20℃以下の冷水で満たしておく。
【0022】■ 上記■ののち、予め20℃以下の冷水に16〜24時間浸した網袋10に詰めた種籾を種籾収納容器9の各収納籠8にそれぞれ収納し、該種籾収納容器9を自走クレーン53で吊り下げて予浸用の温湯浸種槽20へ搬送し、48〜49℃の温水中に1〜2分間浸たす。
【0023】■ 上記■ののち、種籾収納容器9を自走クレーン53により予浸用の温湯浸種槽20から引き上げて浸種用の温湯浸種槽30上へ搬送し、51℃の温湯中に15分間浸漬する。
【0024】■ 上記■ののち、種籾収納容器9を浸種用の温湯浸種槽30から自走クレーン53により引き上げて冷水槽40上へ搬送し、20℃以下の冷水に浸して冷却する。
【0025】(温湯浸種方法の場合)
■ 浸種用の温湯浸種槽30に、その温水器2により、57℃に温度調節した温水を供給し、冷水槽40は20℃以下の冷水で満たしておく。
【0026】■ 上記■ののち、網袋10に詰めた乾燥種籾を、種籾収納容器9の各収納籠8にそれぞれ収納し、該種籾収納容器9を自走クレーン53で吊り下げて浸種用の温湯浸種槽30上に搬送し、57℃の温水に15分間浸漬する。
【0027】■ 上記■ののち、自走クレーン53によって種籾収納容器9を浸種用の温湯浸種槽30から引き上げて冷水槽40上に搬送し、20℃以下の冷水に浸して冷却する。
【0028】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されているので次に記載するような効果を奏する。
【0029】種籾を温水に浸漬して殺菌する際に、種籾を収納した種籾収納容器を温湯浸種槽並びに冷水槽に対し、走行クレーンにより逐次吊り下げて搬送するとともに出し入れすることから、必要な量の種籾の殺菌を、正確な温水温度および浸漬時間の厳守のもとに確実かつ能率よく行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000132792
【氏名又は名称】株式会社タイガーカワシマ
【出願日】 平成10年5月19日(1998.5.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−325505(P2002−325505A)
【公開日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願番号】 特願2002−129066(P2002−129066)