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【発明の名称】 播種・育苗プレート、ユニット及びブロック
【発明者】 【氏名】浪岡 實

【氏名】會田 重道

【要約】 【課題】発芽の安定性、病害に対する抵抗性に優れた籾種子を使用することができ、しかも、使用する籾種子が、水中への浸漬前、又は、浸漬後のいずれのものであっても、発芽率、品質を低下させることなく、好適に播種、育苗作業の省力化を図ることができる播種・育苗プレート、播種・育苗ユニット、及び、播種・育苗ブロックを提供する。

【解決手段】種子2、有機質繊維類、肥料、農薬のうちのいずれか一種又は二種を水溶性の合成糊料3中に投入し、分散させ、この合成糊料を固化し、プレート状に成形してなる播種・育苗プレート1であって、合成糊料3が、酸処理されたカルボキシメチルセルロースと、ポリビニルアルコールとを配合してなるものであることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】種子、有機質繊維類、肥料、農薬のうちのいずれか一種又は二種又は三種を水溶性の合成糊料中に投入し、分散させ、この合成糊料を固化し、プレート状に成形してなる播種・育苗プレートであって、前記合成糊料が、酸処理されたカルボキシメチルセルロースを配合してなるものであることを特徴とする播種・育苗プレート。
【請求項2】種子、有機質繊維類、肥料、農薬のうちのいずれか一種又は二種又は三種を水溶性の合成糊料中に投入し、分散させ、この合成糊料を固化し、プレート状に成形してなる播種・育苗プレートであって、前記合成糊料が、カルボキシメチルセルロース又は酸処理されたカルボキシメチルセルロースと、ポリビニルアルコールと、を配合してなるものであることを特徴とする播種・育苗プレート。
【請求項3】前記合成糊料が、更に、紙パルプを配合してなるものであることを特徴とする、請求項2に記載の播種・育苗プレート。
【請求項4】請求項1〜3のいずれか一項に記載の播種・育苗プレートであって、水溶性の合成糊料中に、種子を分散させてなる種子用の播種・育苗プレートと、請求項1〜3のいずれか一項に記載の播種・育苗プレートであって、水溶性の合成糊料中に、有機質繊維類、又は、有機質繊維類と肥料又は農薬、又は、有機質繊維類と肥料と農薬、を分散させてなる培土用又は覆土用の播種・育苗プレートと、請求項1〜3のいずれか一項に記載の播種・育苗プレートであって、水溶性の合成糊料中に、肥料、及び/又は、農薬を分散させてなる肥料・農薬用の播種・育苗プレートと、によって構成したことを特徴とする播種・育苗ユニット。
【請求項5】種子と、有機質繊維類と、育苗用肥料と、本田用肥料とを水溶性の合成糊料中に投入し、分散させ、この合成糊料を固化し、ブロック状に成形してなる播種・育苗ブロックであって、前記合成糊料は、酸処理されたカルボキシメチルセルロースと、ポリビニルアルコールと、紙パルプとを配合してなるものであり、最下層に、有機質繊維類と育苗用肥料とによって培土層が形成され、当該培土層の上層に、本田用肥料によって本田用肥料層が形成され、当該本田用肥料層の上層に、種子によって種子層が形成され、当該種子層の上層に、有機質繊維類によって覆土層が形成されていることを特徴とする播種・育苗ブロック。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水稲、その他の農作物の播種、育苗作業の省力化を図ることができる播種・育苗プレート、播種・育苗ユニット、及び、播種・育苗ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水稲種子の播種、育苗を行う際には、まず、育苗用肥料を混合した培土を、容器の中に所定の厚さにて配設し、この培土上に、催芽作業(水稲種子を一週間程度水中に浸し、発芽を促す作業)を済ませた水稲種子を播き、更にその上に、育苗用肥料等を添加した覆土を盛り付けて播種プラントとし、適宜灌水を行った後、これを所定の温度、湿度に保った育苗機内に搬入し、2〜3日間発芽を促す。そして、発芽した苗は、機外に搬出後、育苗ハウス内に設置し、温度及び水分を管理することによって、所望の高さに成長するまで養生する。
【0003】このような従来の播種、育苗作業の多くは、手作業によらざるをえないため、作業者において多大な労力が要求されることになる。水稲種子の播種、育苗作業は、通常、春先に行われるものであるが、この時期は、他の農作物(野菜等)の春作業と競合してしまうため、かかる水稲種子の播種、育苗作業の省力化が望まれている。
【0004】このようなことから、これまでに播種、育苗作業の省力化を図ることができるという技術が、各種開発されている。例えば、実公平3−35046号公報には、水稲種子(種籾)から籾殻を除いて玄米状態とし、この玄米状態における水稲種子を単層の水溶性フィルム内に埋設し、或いは、上下二層の水溶性フィルム間に挟持させてなる「水稲用播種シート」についての技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】実公平3−35046号公報に記載されている「水稲用播種シート」においては、吸水性のよい玄米状態の水稲種子を使用することによって、籾種子の場合には通常5日以上の日数を要する「浸種期間」(催芽作業)を省略して、野菜や草花と同様に、播種後の灌水等で浸種と同等の吸水効果を得ることができる、と説明されている。
【0006】しかしながら、玄米状態の水稲種子は、発芽の安定性、病害に対する抵抗性等の点で籾種子よりも劣っており、また、玄米種子を使用するためには、籾種子から籾殻を取り除く工程が必要となり、作業の煩雑化を招いてしまうという問題がある。
【0007】そこで、玄米状態の水稲種子を用いることによる上記のような弊害を回避すべく、実公平3−35046号に記載されている水溶性フィルムに、玄米状態ではなく、籾種子の状態の水稲種子を挟持或いは埋設させることも考えられる。
【0008】但し、実公平3−35046号に記載されている水溶性フィルムは、複数種類の水溶性物質を用いたものではなく、単一種類の水溶性物質(ポリビニルアルコール)をフィルム状に成形したものであるため、籾種子を水溶性フィルムに保持させた後においては、水中に長時間浸漬することができないという問題があり、また、一定期間浸漬させた後で籾種子を水溶性フィルムに保持させた場合には、発芽力の低下を招いてしまうという問題がある。
【0009】この点について、より詳細に説明すると、水稲種子を籾種子の状態で使用する場合には、玄米状態で使用する場合と異なり、水溶性フィルムに保持させた後、又は、保持させる前のいずれかにおいて、催芽のために水中へ一定期間浸漬させることが必要となるが、ポリビニルアルコールをはじめとする多くの水溶性物質は、単体で用いるときには、水分に接することによって短時間で溶解してしまうため、籾種子を水溶性フィルムに保持させた後で、これらを水中へ浸漬すると、フィルムの溶解によって籾種子が簡単にフィルムから離脱してしまうことになり、播種作業の省力化のために行った「シート化」が全くの無駄になってしまう。
【0010】従って、籾種子を予め水中へ一定期間浸漬させた後で、これらを水溶性フィルムに保持させることにより、「シート化」の後における催芽作業を行わなくて済むように構成せざるを得ないが、一般に籾種子は、水中へ浸漬することによって催芽作業を行った後においては、時間の経過とともに急速に発芽力が低下してしまうため、籾種子を浸漬した後で水溶性フィルムに保持させた場合、その後、実際に播種作業が行われるまでにある程度の時間が経ってしまうと、発芽率の低下を招いてしまうという問題がある。
【0011】本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、発芽の安定性、病害に対する抵抗性に優れた籾種子を使用することができ、しかも、使用する籾種子が、水中への浸漬前、又は、浸漬後のいずれのものであっても、発芽率を低下させることなく、好適に播種、育苗作業の省力化を図ることができる播種・育苗プレート、播種・育苗ユニット、及び、播種・育苗ブロックを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記のような問題を解決するため、本発明の請求項1に係る播種・育苗プレートは、種子、有機質繊維類(土壌、籾殻、腐葉土、バーク堆肥など)、肥料(育苗用肥料、本田用肥料など)、農薬のうちのいずれか一種又は二種又は三種を水溶性の合成糊料中に投入し、分散させ、この合成糊料を固化し、プレート状に成形してなるものであって、その合成糊料が、酸処理されたカルボキシメチルセルロース(CMC)を配合してなるものであることを特徴としている。この場合、CMCにおける酸処理の程度を調節することによって、播種・育苗プレートにおける水溶解速度を任意に調整することができる。
【0013】また、本発明の請求項2に係る播種・育苗プレートは、合成糊料がCMCと、ポリビニルアルコール(PVA)とを配合してなるものであることを特徴としており、CMCとPVAの配合比率を調節することによって、形成されるプレートの強度及び弾力性を任意に調整することができる。尚、配合されるCMCとして、酸処理されたものを用いることもできる。更に、この合成糊料には、CMCとPVAのほかに、紙パルプを配合してもよく、この場合には、その配合比率を調節することによって、形成されるプレートの強度、弾力性、及び、水溶解速度を、より好適に調整することが可能となる。
【0014】尚、本発明に係る播種・育苗プレートにおいて、合成糊料に保持させる材料として種子を選択した場合には、これを種子用の播種・育苗プレートとすることができ、同様に、合成糊料に保持させる材料として有機質繊維類、又は、有機質繊維類と肥料又は農薬、又は、有機質繊維類と肥料と農薬を選択した場合には、これを培土用の播種・育苗プレート、或いは、覆土用の播種・育苗プレートとすることができる。更に、合成糊料に保持させる材料として、肥料、又は、農薬、又は、肥料と農薬を選択した場合には、これを肥料・農薬用の播種・育苗プレートとすることができる。
【0015】そして、本発明の請求項4に係る播種・育苗ユニットは、それぞれ目的が異なる複数種類の播種・育苗プレート(種子用、培土用、覆土用、及び、肥料・農薬用の播種・育苗プレート)をユニット化したことを特徴としている。
【0016】また、本発明の請求項5に係る播種・育苗ブロックは、種子と、有機質繊維類と、育苗用肥料と、本田用肥料とを水溶性の合成糊料中に投入し、分散させ、この合成糊料を固化し、ブロック状に成形してなるものであって、合成糊料が、酸処理されたCMCと、PVAと、紙パルプとを配合してなるものであり、最下層に、有機質繊維類と育苗用肥料とによって培土層が形成され、当該培土層の上層に、本田用肥料によって本田用肥料層が形成され、当該本田用肥料層の上層に、種子によって種子層が形成され、当該種子層の上層に、有機質繊維類によって覆土層が形成されていることを特徴としており、従来、多大な労力を強いられていた播種、育苗作業を大いに省力化し、容器内への設置と、灌水という極めて単純な作業だけで、簡単に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について説明する。まず、本発明の第1の実施形態に係る種子用の播種・育苗プレートについて説明すると、本実施形態における種子用の播種・育苗プレート1は、浸漬日数0日仕様の、浸漬処理を行わない、乾燥籾種子の状態の水稲種子2を用い、これを水溶性の合成糊料3中に投入し、分散させ、この合成糊料3を固化させることによって、図1に示すようなプレート状に成形してなるものである。尚、この合成糊料3は、酸処理されたCMCと、PVAと、紙パルプ(水溶性紙パルプ)を配合することによって生成されたものである。
【0018】そして、この種子用の播種・育苗プレート1は、固化した合成糊料3が水溶解度をプレートの浸漬日数に合わせて調節してあるため、この播種・育苗プレート1を4〜5日水に浸漬した後で容器内に設置し、灌水を行うと、合成糊料3が溶解し、そのまま放置するだけで種子を発芽させ、育苗することができる。従って、従来の播種・育苗作業に比べて、省力化を図ることができる。
【0019】ここで、この合成糊料3を構成する材料として、酸処理されたCMC、PVA、及び、水溶性紙パルプを採用した意義について説明する。まず、この種のプレートを形成するための合成糊料の材料として、酸処理しないCMCを単体で用いた場合について考えてみると、CMC単体では、水分に接することによって即効的に溶解してしまうことになるため、水に浸漬すると、直ちに種籾がばらばらに離脱し、その後の育苗作業に使用できなくなるという不都合がある。
【0020】一方、クエン酸等を添加することによってCMCを酸処理した場合には、水溶解速度を低下させることができる。そこで、本実施形態においては、酸処理したCMCを用いることとした。但し、酸処理したCMCを用いてプレートを形成した場合、粘度が低下してしまい、その結果、プレートが割れやすくなってしまうという問題が新たに生じる。
【0021】PVAは、単体で用いるときには、CMCと同様に水に溶けやすいという性質を有しているので、単体で用いることは困難である。しかしながら、PVAは、粘度が強いという性質を有しているので、酸処理したCMCと適当な割合で配合した場合には、酸処理したCMCにおける「粘度の低下」という短所を補い、その結果、弾力性を有し、厚みのあるプレートを形成することが可能になる。
【0022】また、水溶性紙パルプは、CMCと共用する場合には、水溶解速度を抑制的に調節することができるほか、成形されたプレートの周囲にシートが形成されることになるので、強度を高めることができる。
【0023】このように、酸処理したCMC、PVA、及び、水溶性紙パルプを配合して生成した合成糊料は、それぞれの短所を補い合い、相乗効果によって、種子用の播種・育苗プレートを形成するための材料として理想的な性質のものとすることができるのである。
【0024】次に、本実施形態における種子用の播種・育苗プレート1の製造方法の一例について具体的に説明する。まず、浸漬前の乾籾を保持してプレート化させるための合成糊料の混合液を作成する。本実施形態において使用する合成糊料の混合液は、3種類の溶液(第1〜第3の溶液)を混合することによって生成される。
【0025】尚、これら3種類の溶液のうち、第1の溶液は、CMCとクエン酸をそれぞれ3〜4%ずつ溶解させたもの(調合比率40〜60%:60〜40%)とし、第2の溶液は、PVAを7〜8%溶解させたもの、第3の溶液は、水溶性紙パルプを2〜3%溶解させたものである。
【0026】この合成糊料混合液は、第1の溶液(酸処理されたCMC溶液)200ccに、第2の溶液(PVA溶液)及び第3の溶液(紙パルプ溶液)をそれぞれ100ccずつ添加し、混合して生成する。即ち、本実施形態においては、これら第1〜第3の溶液は、「2:1:1」という比率にて混合されている。尚、これらの溶液の混合比率は、第1の溶液については、40〜60%の範囲で、第2の溶液及び第3の溶液については、それぞれ20〜30%の範囲内で適宜調整することができる。
【0027】次に、この合成糊料混合液中に乾籾150gを添加し、混合攪拌したうえで、30×60cmの容器内に投入し、均一に展開する。そして、これらを所定の温度条件(20〜80℃)下で通風乾燥し、合成糊料混合液を固化させれば、図1に示すような、浸漬日数0日仕様の種子用の播種・育苗プレート1を製造することができる。
【0028】このような方法によって製造した種子用の播種・育苗プレート1を用いれば、播種、育苗作業を省力化することができる。より具体的には、この種子用の播種・育苗プレート1を用いて播種、育苗作業を行う場合、まず、容器の中に培土及び必要な肥料を配設し、その上に、予め浸漬済みの播種・育苗プレート1を載置する。そして、その上に覆土を盛り付け、灌水を行う。そうすると、合成糊料3が溶解し、そのまま放置するだけで種子を発芽させ、簡単に育苗することができる。
【0029】また、本実施形態においては、合成糊料に保持させる乾籾として、浸漬前の籾種子を用いているが、仮に、4〜5日間水に浸漬した後、乾燥した種籾を用いる場合でも、これらの乾籾は、合成糊料によって密閉保存されているため、ある程度時間が経過しても、発芽率の低下という問題を好適に回避することができる。
【0030】尚、本実施形態においては、水稲種子として、浸漬処理しない乾燥籾種子を使用しているため、合成糊料混合液を作成するための第1の溶液においては、この条件に適合した調合比率(CMCとクエン酸の調合比率「40〜60%:60〜40%」)を採用しているが、水稲種子として、浸漬日数を4〜5日に設定したもの(即ち、催芽作業としての水中への浸漬を4〜5日間行ったもの)を使用した場合には、第1の溶液には、クエン酸を添加しなくても(即ち、酸処理をしなくても)良い。また、浸漬日数を2〜3日に設定した水稲種子を使用する場合には、第1の溶液におけるCMCとクエン酸の調合比率は「50〜70%:30〜50%」に設定する。
【0031】また、前述した本実施形態に係る播種・育苗プレート1の製造方法の例においては、容器内への合成糊料混合液及び乾籾の投入は、合成糊料混合液と乾籾とを混合攪拌した後で行っているが、容器内へまず合成糊料混合液を流し込んでから、その液中に乾籾を均一に散布分散させるようにしても良い。
【0032】次に、本発明の第2の実施形態に係る培土用の播種・育苗プレートついて説明する。本実施形態における播種・育苗プレートは、第1の実施形態において説明した種子用の播種・育苗プレート1と異なり、種子ではなく、有機質繊維類と育苗用肥料を水溶性の合成糊料中に投入し、分散させ、この合成糊料を固化し、プレート上に成形してなるものである。尚、本実施形態においては、有機質繊維類として、例えば、土壌、籾殻、腐葉土、バーク堆肥などを用いることができる。
【0033】ここで、本実施形態における培土用の播種・育苗プレートの製造方法の一例について説明する。まず、有機質繊維類及び育苗用肥料を保持してプレート化させるための合成糊料の混合液を作成する。本実施形態において使用する合成糊料の混合液は、第1の実施形態において説明した種子用の播種・育苗プレート1の合成糊料混合液と同様の材料(即ち、CMC、クエン酸、PVA、及び、水溶性紙パルプ)を用いて生成することができるが、種子用の播種・育苗プレート1よりも重量があり、成形されたプレートにおいて剛性が必要になるため、その配合比率は若干異なっている。
【0034】より具体的には、第1の溶液におけるCMCとクエン酸の配合比率は、「50〜70%:30〜50%」となっている。また、第1〜第3の溶液の配合比率は、「1:1:1」となっている。尚、これらの溶液の配合比率は、第1の溶液については、25〜40%の範囲で、また、第2の溶液、第3の溶液についても、同様にそれぞれ25〜40%の範囲で適宜調整することができる。
【0035】次に、この合成糊料混合液中に有機質繊維類約2kgと育苗用肥料約10gを添加し、混合攪拌したうえで、30×60cmの容器内に投入し、均一に展開する。そして、これらを所定の温度条件(20〜80℃)下で通風乾燥し、合成糊料混合液を固化させる。
【0036】このようにして製造した培土用の播種・育苗プレートは、育苗用肥料の混合作業を省略することができ、また、土入れ機が不要になるというメリットを有している。
【0037】また、これと同様の方法によって、覆土用の播種・育苗プレートや、肥料・農薬用の播種・育苗プレートを製造することもできる。尚、覆土用の播種・育苗プレートを製造する際に用いる合成糊料混合液の配合比率は、培土用の播種・育苗プレートと同様の比率とする。更に、肥料・農薬用の播種・育苗プレートを製造する際には、浸漬日数4〜5日仕様の種子プレートと同様の配合比率とする。
【0038】次に、本発明の第3の実施形態に係る播種・育苗ユニットについて説明する。この播種・育苗ユニットは、第1の実施形態において説明した種子用の播種・育苗プレート1と、第2の実施形態において説明した培土用の播種・育苗プレートと、覆土用の播種・育苗プレートと、肥料・農薬用の播種・育苗プレートによって構成されるものである。
【0039】この播種・育苗ユニットを用いれば、播種、育苗作業をより省力化することができる。具体的な使用方法を説明すると、まず、容器内に培土用の播種・育苗プレートを配置し、その上に肥料・農薬用の播種・育苗プレートを載せ、更にその上に種子用の播種・育苗プレート1を載せ、最上段に覆土用の播種・育苗プレートを載せるだけで良く、後は、必要な分だけ灌水を行い、一定期間放置するだけで、播種、育苗作業を完了させることができる。
【0040】最後に、本発明の第4の実施形態に係る播種・育苗ブロックについて説明する。この播種・育苗ブロックは、種子と、有機質繊維類と、育苗用肥料と、本田用肥料とを水溶性の合成糊料中に投入し、分散させ、この合成糊料を固化し、ブロック状に成形してなるものであり、ここで用いられる合成糊料も、酸処理されたCMCと、PVAと、紙パルプとを配合してなるものである。
【0041】尚、CMC、クエン酸、PVA、水溶性紙パルプの配合比率は、培土用の播種・育苗プレートと同様に設定する。
【0042】そして、この播種・育苗ブロックは、最下層に、有機質繊維類と育苗用肥料とによって培土層が形成され、この培土層の上層に、本田用肥料によって本田用肥料層が形成され、本田用肥料層の上層に、種子によって種子層が形成され、種子層の上層に、有機質繊維類によって覆土層が形成されるようになっている。
【0043】この播種・育苗ブロックを用いれば、播種、育苗作業を更に省力化することができる。具体的な使用方法を説明すると、容器内にこの播種・育苗ブロックを設置し、その上から必要な分だけ灌水を行い、一定期間放置するだけで良い。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る播種・育苗プレートは、発芽の安定性、病害に対する抵抗性に優れた籾種子を使用することができ、しかも、使用する籾種子が、水中への浸漬前、又は、浸漬後のいずれのものであっても、発芽率、品質を低下させることなく、好適に播種、育苗作業の省力化を図ることができる。
【0045】また、播種・育苗ユニット、及び、播種・育苗ブロックを用いれば、播種、育苗作業の更なる省力化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000201641
【氏名又は名称】全国農業協同組合連合会
【出願日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【代理人】 【識別番号】100064300
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 賢市 (外1名)
【公開番号】 特開2002−320403(P2002−320403A)
【公開日】 平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願番号】 特願2001−131241(P2001−131241)