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【発明の名称】 水田作業機の操作装置
【発明者】 【氏名】三木 博幸

【氏名】内島 章善

【要約】 【課題】テンションアームの振動に起因した主クラッチ・ブレーキペダルの振動を抑制する。

【解決手段】機体前部の左右一側箇所に、前部に搭載したエンジンから変速装置への伝動を断続するベルトテンション式の主クラッチを配置し、運転部の足元部の左右他側箇所に主クラッチ・ブレーキペダル18を配置し、この主クラッチ・ブレーキペダル18の踏み込み操作動により前記主クラッチが切り作動するように両者を連動させる連係機構Aを構成するに、左右一端側に主クラッチのテンションアーム16を連設しかつ左右他端側に被操作アーム21を連設した左右向き姿勢の中間連動軸20を設け、前記主クラッチ・ブレーキペダル18と前記被操作アーム21とを連動させる操作ロッド24を設け、この操作ロッド24と被操作アーム21との間に防振体23を介装する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体前部の左右一側箇所に、前部に搭載したエンジンから変速装置への伝動を断続するベルトテンション式の主クラッチを配置し、運転部の足元部の左右他側箇所に主クラッチ・ブレーキペダルを配置し、この主クラッチ・ブレーキペダルの踏み込み操作動により前記主クラッチが切り作動するように両者を連動させる連係機構を設けてある水田作業機において、前記連係機構を構成するに、左右一端側に前記主クラッチのテンションアームを連設しかつ左右他端側に被操作アームを連設した左右向き姿勢の中間連動軸を設け、前記主クラッチ・ブレーキペダルと前記被操作アームとを連動させる操作ロッドを設け、この操作ロッドと被操作アームとの間に防振体を介装してある水田作業機の操作装置。
【請求項2】 前記被操作アームと操作ロッドとを枢支連結する連結軸に、前記防振体に係合して防振体を連結軸に対して軸芯方向で位置決めする係合部を形成し、操作ロッドに、防振体に係合して防振体を操作ロッドに対して軸芯方向で位置決めする係合部を形成してある請求項1記載の水田作業機の操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機などの水田作業機の操作装置で、詳しくは、機体前部の左右一側箇所に、前部に搭載したエンジンから変速装置への伝動を断続するベルトテンション式の主クラッチを配置し、運転部の足元部の左右他側箇所に主クラッチ・ブレーキペダルを配置し、この主クラッチ・ブレーキペダルの踏み込み操作動により前記主クラッチが切り作動するように両者を連動させる連係機構を設けてある水田作業機の操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前記連係機構を構成するに従来では、左右一端側に前記主クラッチのテンションアームを連設しかつ左右他端側に被操作アームを連設した左右向き姿勢の中間連動軸を設け、前記主クラッチ・ブレーキペダルと前記被操作アームとを連動させる操作ロッドを設け、もって、主クラッチ・ブレーキペダルの踏み込み操作動によりテンションアームを付勢力に抗して切り作動させるように構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技術によるときは、テンションアームの振動が中間伝動軸・操作ロッドを介して主クラッチ・ブレーキペダルに伝達されて主クラッチ・ブレーキペダルが振動し、騒音を発生するおそれがあった。
【0004】本発明の目的は、テンションアームの振動に起因した主クラッチ・ブレーキペダルの振動を抑制する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明による水田作業機の操作装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0006】〔特徴〕機体前部の左右一側箇所に、前部に搭載したエンジンから変速装置への伝動を断続するベルトテンション式の主クラッチを配置し、運転部の足元部の左右他側箇所に主クラッチ・ブレーキペダルを配置し、この主クラッチ・ブレーキペダルの踏み込み操作動により前記主クラッチが切り作動するように両者を連動させる連係機構を設けてある水田作業機において、前記連係機構を構成するに、左右一端側に前記主クラッチのテンションアームを連設しかつ左右他端側に被操作アームを連設した左右向き姿勢の中間連動軸を設け、前記主クラッチ・ブレーキペダルと前記被操作アームとを連動させる操作ロッドを設け、この操作ロッドと被操作アームとの間に防振体を介装してある点にある。
【0007】〔作用〕操作ロッドと被操作アームとの間に防振体を介装してあるから、被操作アームの振動、つまり、テンションアームの振動が操作ロッドを介して主クラッチ・ブレーキペダルに伝達されることを抑制することができる。
【0008】〔効果〕従って、防振体を適宜選択することにより、主クラッチ・ブレーキペダルの操作力はテンションアームに伝達して主クラッチを確実に切り作動させることができながらも、テンションアームの振動に起因した主クラッチ・ブレーキペダルの振動を抑制して騒音発生を抑制できるようになった。
【0009】請求項2に係る本発明による水田作業機の操作装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0010】〔特徴〕上記請求項1に係る本発明による水田作業機の操作装置において、前記被操作アームと操作ロッドとを枢支連結する連結軸に、前記防振体に係合して防振体を連結軸に対して軸芯方向で位置決めする係合部を形成し、操作ロッドに、防振体に係合して防振体を操作ロッドに対して軸芯方向で位置決めする係合部を形成してある点にある。
【0011】〔作用〕連結軸と操作ロッドとに係合部を形成して、防振体をそれら係合部に弾性係合させることにより、防振体を被操作アームと操作ロッドとに対して位置決めするようにしてあるから、防振体を設置するにあたり、ピンや止め輪、ボルトなどの取付具が不要である。
【0012】〔効果〕従って、防振体の取り付けに要するコストを低減できるようになった。
【0013】
【発明の実施の形態】水田作業機の一例ある田植機は、図1、図2に示すように、自走本機1の後部に4連リンク機構2を介して水田作業装置の一例である苗植付装置3を昇降自在に連結し、圧油供給に伴い前記苗植付装置3を上昇させるとともに排油に伴い苗植付装置3を自重で下降させる油圧シリンダ利用のリフトシリンダ4を設けて構成されている。
【0014】前記自走本機1は、前部に原動部5を搭載し、後部に運転座席6を搭載していて、左右一対の操向用の駆動前輪7と左右一対の駆動後輪8とを備えている。そして、前記運転座席6の前方には前記駆動前輪7を操向操作するためのステアリングハンドル9が配置されている。
【0015】前記原動部5は、図3〜図5に示すように、出力軸10aを左側に突出させる状態に配置したエンジン10と、入力軸11aを左側に突出させる状態に配置した前後進切換自在な静油圧式の無段変速装置11と、左側に位置して前記出力軸10aから入力軸11aに伝動するクラッチ入り状態と伝動を断つクラッチ切り状態とに切り換え自在なベルトテンション式の主クラッチCと、前記無段変速装置11からの出力を走行部(前記駆動前輪7と駆動後輪8)と前記苗植付装置3に伝達するミッションケース12とを備えている。前記ミッションケース12には、走行部への伝動ギヤをブレーキディスクとするブレーキBが内装されている。
【0016】前記主クラッチCは、図6にも示すように、エンジン10の出力軸10aに一体回転状態に装着した出力プーリ13と無段変速装置11の入力軸11aに一体回転状態に装着した入力プーリ14とにわたって伝動ベルト15を巻き掛け、この伝動ベルト15を押圧して伝動状態にするクラッチ入り姿勢と押圧を解除して伝動ベルト15を非伝動状態にするクラッチ切り姿勢とに揺動切り換え自在なテンションアーム16を設け、このテンションアーム16をクラッチ入り姿勢に揺動付勢するつるまきバネ17を設けて構成されている。
【0017】前記運転座席6の足元部のうち右側箇所には、図2に示すように、付勢に抗して踏み込み作動させられることにより前記主クラッチCを切り作動させるとともにブレーキBを制動作動させる主クラッチ・ブレーキペダル18が配置されており、前記ステアリングハンドル9の横側には、図1、図2に示すように、前記無段変速装置11を操作するための主変速レバー19が配置されている。
【0018】前記主クラッチ・ブレーキペダル18の踏み込み作動により前記主クラッチCが切り作動するように主クラッチ・ブレーキペダル18にテンションアーム16を連動させる連係機構Aは、図4〜図6に示すように、左端側に前記テンションアーム16を連設しかつ右端側に第1被操作アーム21を連設した左右向き姿勢の中間連動軸20をエンジン搭載フレーム30にその軸芯周りに回動自在に支持させ、前記主クラッチ・ブレーキペダル18と一体揺動する操作アーム22を設け、この操作アーム22の主クラッチ・ブレーキペダル18の踏み込み作動に伴う揺動で第1被操作アーム21をゴム利用の防振体23を介してクラッチ切り側に押圧揺動させる第1操作ロッド24を設けて構成されている。前記防振体23を介して第1操作ロッド24で第1被操作アーム21を押圧するのは、つまり、第1操作ロッド24と第1被操作アーム21との間に防振体23を介装するのは、主クラッチCが入り作動している状態でのテンションアーム16の振動が主クラッチ・ブレーキペダル18に伝わって主クラッチ・ブレーキペダル18が振動することを防止するためであり、前記防振体23は、第1被操作アーム21と連結軸Sを介して枢支連結するためのボス部を第1操作ロッド24の先端に形成するように第1操作ロッド24の先端二股部24aに保持されている。なお、図7で示すように、前記先端二股部24aにおける底部の防振体押圧面と防振体23との間には、踏み込み操作初期の遊びの範囲での主クラッチ・ブレーキペダル18の踏み込み操作動では防振体23を押圧させずに先端二股部24aのみを移動させる隙間hが形成されている。
【0019】そして、図7〜図9に示すように、前記防振体23を連結軸Sに位置決めする手段は、防振体23の軸孔に周溝状に形成の凹部23aに係合して防振体23を連結軸Sに対して軸芯方向で位置決めする係合部であるところの周方向複数の突部aを連結軸Sに形成する手段であり、防振体23を先端二股部24aに対して軸芯方向で位置決めする手段は、防振体23に突出形成させた一対の突部23bに係合するスリット状の係合部bを先端二股部24aに形成する手段である。なお、先端二股部24aの先端部は、防振体23の先端二股部24aへの装着を容易化し、しかも、防振体23の先端二股部24aから前方への抜き出しを許容するように、先端側ほど次第に間隔を広げる状態に折り曲げられている。
【0020】前記テンションアーム16と中間連動軸20と第1被操作アーム21と連結軸Sとは、一本の棒材(軸材)を折り曲げることにより一体形成されている。
【0021】前記主クラッチ・ブレーキペダル18の踏み込み作動により前記ブレーキBが制動作動するように主クラッチ・ブレーキペダル18にブレーキBの第2被操作アーム27を連係させる手段は、図4〜図6に示すように、前記操作アーム22の主クラッチ・ブレーキペダル18の踏み込み作動に伴う揺動でナット利用の当たり29aをコイルバネ28を介して操作アーム22で押圧されて引っ張られることにより第2被操作アーム27を制動側に揺動させる第2操作ロッド29を設けて構成されている。
【0022】そして、前記自走本機1の前部、つまり、前記エンジン搭載フレーム30の前部には、図1〜図5、図8、図9に示すように、左右の支柱部31とそれらの上端同士を繋ぐ握り操作杆32とから構成されていて、前方に突出した作用姿勢と起立した格納姿勢とに左右向き軸心p周りに揺動切り換え操作自在な操作具33が、握り操作杆32の左右中心を自走本機1の左右中心と合致させる状態で装着されている。
【0023】前記操作具33は、畦越え時や歩み板を介するトラックの荷台に対する積み下ろし時に自走本機1の前部が浮き上がるのを防止すべく自走本機1の前部を抑えるために主として使用されるものであって、前記左右の支柱部31と握り操作杆32とは、一本のパイプ材をほぼコの字形に折り曲げ加工することで一体形成されている。前記支柱部31は、中間部の対向間隔を広くしてヘッドライトHに対する干渉を防止するように折り曲げられており、握り操作杆32の長さは、支柱部31基端の対向間隔以上に設定構成されている。
【0024】〔別実施形態〕上記実施の形態では、防振体23を連結軸Sに対して軸芯方向で位置決めする係合部aとして、防振体23に形成の凹部23aに係合する突部を示したが、係合部aとしては、図11、図12に示すように、防振体23の軸孔に形成の突部23cに係合して防振体23を連結軸Sに対して軸芯方向で位置決めする周溝であっても良い。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成13年4月18日(2001.4.18)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2002−305925(P2002−305925A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−119632(P2001−119632)