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【発明の名称】 播種シート
【発明者】 【氏名】原田 眞人

【氏名】中尾 伸一郎

【氏名】畠中 健

【要約】 【課題】種子から発芽・生育する草花・野菜・樹木等の植物類の種類、色彩等毎に区分した播種が容易に行い得る播種シートを提供すること。

【解決手段】地中において適宜分解されるシート状素材に対して所望種類及び/又は色彩の植物の種子を、当該植物に相応しい密度ないし間隔をもって固着し、下地上に敷設して発芽させる播種シートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地中において適宜分解されるシート状素材に対して、所望の種類及び/又は色彩の植物の種子を、当該植物に相応しい密度ないし間隔をもって固着した、ことを特徴とする播種シート。
【請求項2】 前記シート状素材が地中において分解されやすい紙または有機物の集合体である、ことを特徴とする請求項1に記載の播種シート。
【請求項3】 前記シート状素材の形状が適宜幅で長尺のテープ状であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の播種シート。
【請求項4】 前記シート状素材の形状が方形、円形、楕円形、三角形等の広がりのある形態であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の播種シート。
【請求項5】 前記シート状素材の色彩が黒色であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の播種シート。
【請求項6】 前記シート状素材に対して、固着される種子に適合する病害虫予防剤、土壌改良剤、肥料等の少なくとも1種の成分が含浸せしめられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の播種シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種子から発芽・生育する草花、野菜、樹木類を庭園、田畑、公園、緑地等に所望配列で播種するための播種シートに関する。
【0002】
【従来の技術】草花、野菜、樹木類の播種は古来から人手を掛けて丁寧に行われてきた。しかしながら、広大な面積や長大な目的箇所に播種するには、大きな労力を必要とすることから、多くの播種機が開発されている。
【0003】最も簡単な播種機には、使用者がハンドルを持って播種を行う手押し式のものがあり、耕運後の畑地を押し歩きつつ播種を行っている。このような播種機を動力によって行うものやトラクターによって大規模に播種するものが多く開発されている。
【0004】このような播種機は、通常、田畑に同種の作物を整列させながらできるだけ少ない労力で播種することを目的としている。したがって、種類や色彩の異なる植物を複雑に組み合わせて、色分け、模様、文字、マーク等を形成するような目的に合わせるように播種することはできない。
【0005】庭園、公園、花壇、緑地等に種類や色彩の異なる草花、樹木類を目的に合うように複雑に組み合わせて播種する場合等にあっては、種子の種類を区別しつつ人手によって行わなければならない。このような播種作業は、狭小な花壇であればともかく、広大な面積である場合には多人数で行う必要があって労力が大変であるばかりでなく、種類や色彩の過誤なども生じやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような事情に鑑みなされたもので、種子から発芽・生育する草花、野菜、樹木等植物類の種類、色彩等毎に区分した播種が容易に行い得る播種シートを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる播種シートは、上記課題を解決するために、地中において適宜分解されるシート状素材1に対して、所望種類及び/又は色彩の植物の種子2〜6を、当該植物に相応しい密度ないし間隔をもって固着した構成とした。
【0008】また本発明の課題は、本発明にかかる前記シート状素材1が地中において分解されやすい紙または有機物の集合体である播種シートによって有利に解決される。さらに、本発明の課題は、本発明にかかる前記シート状素材1の形状が、適宜幅で長尺のテープ状である播種シートであること、また、方形、円形、楕円形、三角形等の広がりのある形態である播種シートであることによって、なお有利に解決される。また、本発明にかかる前記シート状素材1の色彩を黒色とすることによって本発明の課題をより有利に解決できる。
【0009】本発明の課題は、前記シート状素材1に対して、固着される種子2〜6に適合する病害虫予防剤、土壌改良剤及び/又は肥料等の成分が含浸せしめられる播種シートによって、さらに有利に解決される。
【0010】本発明にかかる播種シートの製造にあたっては、シート状素材又は植物の種子の少なくとも一方に適宜粘着剤を塗布し、所望密度または所望間隔で種子を散布してシートに固着する。この場合、植物の種類や花の色・葉等の色等は、播種の際に所望形状、模様、文字等に合わせて区分しておいてもよい。また、同一種類、同一色彩のもので形成しておき、使用の際に目的に合致する形状および寸法に切り離して目的箇所に設置するようにしてもよい。
【0011】本発明にかかる播種シートの使用にあたっては、当該植物の植裁を希望する土地を耕やし、必要に応じて施肥を行って下地を準備しておき、その上に播種シートを所望形状、文字、模様、マーク等に合わせて順次並べ、その上に薄く覆土すればよい。その後、日照、風除け、乾燥防止のための灌水等、通常の播種後の場合と同様の管理を行う。
【0012】本発明にかかる播種シートが、異種の種子を予め模様、マーク、文字等となるように区分して固着している場合は、準備された下地の上にそのまま敷設して軽く覆土すればよい。また、同種の種子が均一に固着されている場合は、播種に先立ち所望形状に切り離し、準備された下地の上に種類・色彩を組み合わせつつ敷設して軽く覆土する。
【0013】なお、播種シートを例えば紙のようなシート状素材を使用する場合には、播種作業に先立って、色彩・文字等により植物の種類・色彩等が判別できるよう表示しておくことができ、播種作業に当たって生ずる可能性のある過誤を防止することができる。また、播種シートに対して病害虫防止薬成分、土壌改良剤成分、肥料成分等が含浸せしめている場合は、播種時の施肥、石灰散布等の労力を軽減することも可能である。
【0014】また、播種シートを集光作用(集温作用)を発揮する黒色等の黒っぽい色にすることによって、播種シート上に固着された種子の発芽が促進されるとともに、太陽光が不足する播種シートの下方の雑種の種の発芽を抑制することができる。なお、播種シートを、種子を固着する台紙と固着された種子を被覆する分解されやすく透明のカバーシート部の二重とすることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について添付図を参照しつつ説明する。図1は本発明にかかる播種シートの基本構成例を示す平面図である。図1(A)におけるシート状素材1は、例えば薄い紙であり、種子2が破線で形成された格子の交点である〇印の上に固着されている。ここでは、同種又は同色の種子が固着されている。なお、シート状素材1は土壌内の微生物等により適宜期間内に分解される素材が使用され、例えば、再生紙や適宜植物繊維をシート状に成形したもの等を利用することができる。
【0016】図1(B)においては、一点鎖線で示す直線状の境界線を挟んで、その左側に〇印の上に固着される種子3(1)、その右側に▲印の上に固着される種子4(2)のように、種類・色彩等の異なる種子を播種シートに固着しておき、本発明にかかる播種シートのみによって、当該種子の植物の開花、育成後に所望の模様、文字、マーク等の平面形状を形成することができる。なお、播種シート上に描くこのような境界線は直線に限られず、曲線、折れ線、円弧、動物の絵等のいずれであってもよい。
【0017】種子を固着する間隔または密度等は、当該種子の発芽・生育後の状態を考慮して決定されるべきものである。そのまま、直播きとして使用する場合は、生育が阻害されないように配慮すべきである。特に根の張る領域が広い場合や、枝葉の広がりを考慮すべきである。しかしながら、植物の発芽・生育等は100%になるとは限らないため、2倍程度の密度としておき、後日苗の生育状態を観察しながら間引きするようにしてもよい。
【0018】また、本発明にかかる播種シートは、苗床を利用する場合にもムラなく播種することができるため有利に利用可能である。このような苗床に播種し、幼苗が適宜寸法に生育した後、定植に際して1〜適宜本数纏めて植え付ける。この際、植物の種類や葉の色・花の色・草丈等の違いを考慮しつつ定植することができる。
【0019】図2は、直播きする場合に、開花した植物の異なる花の色あるいは育成した葉の色、さらには植物の種類等により、文字、模様、マーク等を表す実施例を示すものである。ここでは、地色部分を形成する種子5(A)と、文字『花』を形成する、種子5(A)とは異なる色彩の花及び/又は葉となる種子6(B)とが固着された播種シートを示しており、これによって文字『花』を表して状態を例示している。なお、花や葉の色彩のみならず、地色部分と特徴部分(文字、模様等)との枝葉の状態の違い、草丈の違い、生育状態の違い等で視覚に差異を与える植物を組み合わせてもよい。
【0020】本発明にかかる播種シートを利用するにあたっては、例えば図1(A)に示すように同種の植物の種子を固着している場合は、広い範囲にわたって同種の植物を植え付ける場合に適しており、また、実際に下地の上に敷設する際に、多種のものと併置し、あるいは適宜寸法に揃えて切断しておき、まだら模様、市松模様等になるように配置することも容易に実現できる。
【0021】また、外形を円形、楕円形、菱形、台形等々にすることを希望する場合は、播種シートを予め当該希望形状となるように切断した後、敷設すればよい。この場合、図1(B)に示すような播種シートを使用して上述のような形状の一部が色違いや種類の違う植物となるように配列してもよい。
【0022】なお、播種シートの色を集光作用(集温作用)を発揮する黒色にすることにより、温暖環境にある播種シート上に固着された種子はその発芽が促進される。また、該シートにより太陽光が入りにくくなった環境にある播種シートの下方の雑種の種の発芽は抑制される。さらに、播種シートを、種子を固着する台紙と固着された種子を被覆する分解されやすく透明のカバーシート部の二重とすることもできる。これによりシート上に固着された種子の剥がれを確実に防止することが可能となる。
【0023】本発明にかかる播種シートは、上述のような形態上の組み合わせの形成に利用できるばかりでなく、種子がきわめて小さいものである場合に手指の感覚のみでは均一に播種できないような植物についても有利に利用できる。例えば芝の種子のように微粒である場合に、適宜器具により予めに均一に固着しておき、下地の上に敷設するようなケースでも無駄のない播種が可能となる。
【0024】
【発明の効果】本発明にかかる播種シートによれば、種子は播種シート製造過程において正確な密度及び/又は間隔で固着されているから、播種作業時は予め播種前準備の施された下地の上に当該播種シートをそのまま、あるいは異種ないし異色植物を組み合わせて敷設するのみにより所望組み合わせの播種作業が完了する。敷設された播種シートには、軽く覆土が行われ、その後灌水、日照、温度等の通常の管理を行うことにより所望形状、模様、文字、マーク等に沿って植え分けられた植物を育成することができる。
【0025】また、この播種シートは、いわば型紙としても機能するから、所望形状、模様、文字、マーク等を形成する際に、予め文字や模様を表す形状に切断しておくことにより、人手による色分け等を目標とする播種よりも正確かつ確実に達成することができる。なお、播種シートのシート状素材に病害虫の予防薬成分、土壌改良剤成分、肥料成分等を含浸せしめておくことにより、より確実な生育を期待することができる効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】500187672
【氏名又は名称】原田 眞人
【出願日】 平成13年4月12日(2001.4.12)
【代理人】 【識別番号】100092668
【弁理士】
【氏名又は名称】川浪 薫
【公開番号】 特開2002−305914(P2002−305914A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−113755(P2001−113755)