| 【発明の名称】 |
施肥田植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】仲 弘和
【氏名】野村 勝
【氏名】福島 寿美
【氏名】根田 満夫
【氏名】神谷 龍雄
【氏名】宮島 正栄
【氏名】高山 守正
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| 【要約】 |
【課題】圃場に植付けられる苗の株間を変更しても肥料繰出量が変化しないようにする。
【解決手段】機体の前部に配置されたミッションケース10から取り出される作業装置駆動用の回転動力を機体の後部に配置された動力分岐部Aで二つに分岐させ、それぞれの動力で苗植付装置113及び施肥装置5を駆動する施肥田植機において、前記苗植付装置へ伝動する動力の回転速度を変更することにより圃場に植付けられる苗の株間を調節する株間調節装置93を前記動力分岐部Aよりも苗植付装置側に設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体の前部に配置されたミッションケースから取り出される作業装置駆動用の回転動力を機体の後部に配置された動力分岐部で二つに分岐させ、それぞれの動力で苗植付装置及び施肥装置を駆動する施肥田植機において、前記苗植付装置へ伝動する動力の回転速度を変更することにより圃場に植付けられる苗の株間を調節する株間調節装置を前記動力分岐部よりも苗植付装置側に設けたことを特徴とする施肥田植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、施肥田植機における動力伝達装置の構成に関する。 【0002】 【従来の技術】機体前部にミッションケース、その後側にエンジンを配置した走行車体の後方に苗植付装置を含む苗植付部、該走行車体の後部上側に施肥装置の肥料貯蔵部及び肥料繰出部がそれぞれ設けられた施肥田植機は公知であり、この施肥田植機は、ミッションケースから取り出される作業装置駆動用の回転動力(PTO)をPTO伝動軸を介して走行車体の後部に設けた分岐ケースまで伝動し、そこで施肥動力と植付動力とに分岐させ、それぞれの動力で施肥装置及び苗植付部各部を駆動するようになっている。田植機は一般に苗植付装置への伝動速度を変更することにより圃場に植付けられる苗の株間を調節する株間調節装置を備えているが、上記公知の施肥田植機は、この株間調節装置がミッションケースの内部に設けられていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】つまり、施肥動力と植付動力との分岐部よりも伝動上手側に株間調節装置が設けられていたのであり、このため、株間を変えるために株間調節装置の株間調節操作をすると、植付動力の回転速度だけでなく施肥動力の回転速度も変更され、肥料繰出量が変わってしまうという不都合が生じた。したがって、株間を変えるたびに、肥料繰出量を適正に保つために肥料繰出機構を調整する必要があり、非常に面倒であった。本発明は、この不都合を解消することを課題としている。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明にかかる施肥田植機は、機体の前部に配置されたミッションケースから取り出される作業装置駆動用の回転動力を機体の後部に配置された動力分岐部で二つに分岐させ、それぞれの動力で苗植付装置及び施肥装置を駆動する施肥田植機において、前記苗植付装置へ伝動する動力の回転速度を変更することにより圃場に植付けられる苗の株間を調節する株間調節装置を前記動力分岐部よりも苗植付装置側に設けたことを特徴としている。 【0005】この構成とすると、株間を変えるために株間調節装置の株間調節操作をしても、施肥動力の回転速度は変更されないので、肥料繰出量が変わらない。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、図面に表された実施の形態について説明する。図1及び図2は本発明による施肥田植機の全体側面図及び平面図である。この施肥田植機1は、走行車体2の後方に昇降リンク装置3を介して5条植の苗植付部4が昇降可能に設けられ、さらに、走行車体2の後部上側に施肥装置5の肥料貯蔵部120及び肥料繰出部121が設けられている。また、走行車体2の前部左右両端部には、左右各2段づつ予備苗枠6,…が設けられている。 【0007】走行車体2は、駆動輪である各左右一対の前輪7,7及び後輪8,8を備えた四輪駆動車両であって、図3に示すように、機体の前部に配設されたミッションケース10の左右側面部から前輪アクスルケース11,11が側方に延設され、その先端部に変向可能に設けた前輪ファイナルケース12,12に前輪7,7が回転自在に支承され、また、ミッションケース10の背面部に左右一対のメインフレーム13,13の前端部が固着され、該メインフレームの後端部から左右側方に延びるリヤフレーム14の先端部に固定して設けた後輪ファイナルケース15,15に後輪8,8が回転自在に支承されている。 【0008】メインフレーム13,13の前後中央部の上方に搭載されたエンジン20の上側はエンジンカバー21で覆われており、その上に座席22が設置されている。座席22の前方は各種操作機構が内蔵されたボンネット23で、その上方に操向輪である前輪7,7を操向するための操向ハンドル24が設けられている。エンジンカバー21及びボンネット23の下端周囲は、人が歩行可能な水平状のステップ25となっている。図中符号30はチェンジレバー、31は植付昇降レバー、32は車速レバー、33はクラッチペダル、34L,34Rはブレーキペダル、35は苗植付部リフトレバーである。 【0009】次に、この走行車体2の動力伝達機構について説明する。エンジン20の左側面部に突出するエンジン出力軸40に取り出される回転動力は、無段変速装置として構成された第一ベルト伝動装置41によって中継軸43に伝達され、さらに該中継軸から、主クラッチ機能を有する第二ベルト伝動装置44によって、ミッションケース20の左側面部に突出するミッション入力軸45に伝達される。 【0010】図4に無段変速装置である第一ベルト伝動装置の構成を示す。第一ベルト伝動装置41は、エンジン出力軸40に嵌着する駆動プーリ50と、油圧ポンプ駆動軸43に嵌着する従動プーリ51とに伝動ベルト52を掛け、該ベルトにテンションローラ53で張力を付与している。駆動プーリ50及び従動プーリ51は割りプーリになっており、両プーリ50,51の有効径を互いに大小逆側に変更することにより、エンジン出力軸40から油圧ポンプ駆動軸43への伝動比を変更する。詳しくは、下記のように構成されている。 【0011】割りプーリである駆動プーリ50(従動プーリ51)の一方の構成部材50a(51a)は軸40(43)に固定、他方の構成部材50b(51b)は軸40(43)に対し軸方向に摺動自在になっている。可動構成部材50a(51a)は軸受53(63)を介して相互回転自在な変速操作カム54(64)によって位置規制されている。この変速操作カム54(64)の外面側には円周上の位置によって突出量が異なる円環状の突条54a(64a)が形成されており、その突条54a(64a)が固定カム55(65)に設けたローラ55a(65a)に当接している。 【0012】駆動変速操作カム54のアーム54bには、車速レバー32の操作に連動する変速操作ロッド56が連結されている。また、駆動変速操作カム54のもう一つのアーム54cと従動変速操作カム64アームの64bとが連結ロッド57で連結されている。これにより、変速操作ロッド56を前後に移動させると、変速操作カム54(64)が回動してローラ55a(65a)への突条54a(64a)の接点が変わり、変速操作カム54(64)とそれに位置規制されている可動構成部材50b(51b)が伝動ベルト52の張力に応じて軸方向へ移動することにより、駆動プーリ50及び従動プーリ51の有効径が互いに大小逆側に変化するのである。駆動プーリ50の有効径が大きく、従動プーリ51の有効径が小さいほど低速伝動となる。 【0013】図5及び図6はミッションケースの内部構造を示す図である。主クラッチとしての第二ベルト伝動装置44を介してミッション入力軸45に入力された回転動力は、「路上走行速」「通常植付速」「超低速」「中立」の各シフト位置を有する主変速装置70を介して主変速軸71に伝達される。そして、主変速軸71の回転動力の一部は、走行用動力として前後進切替装置72を介してブレーキ軸73に伝達される。前後進切替装置72は、主変速軸71からブレーキ軸73へ逆転方向に動力を伝達する「前進」と、同方向に動力を伝達する「後進」と、動力を伝達しない「PTO」とを切り替えるようになっている。チェンジレバー30の操作により、主変速装置70と前後進切替装置72とが連動してシフトチェンジされる。また、車速レバー32の操作により、前後進切替装置72だけがシフトチェンジされる。 【0014】ブレーキ軸73には四輪ブレーキ装置75が設けられている。そして、ブレーキ軸73の回転動力は、デフ装置76によって左右のフロントアクスル77,77に分配して伝達され、さらに該フロントアクスルによって前輪ファイナルケース12,12に伝動されて前輪7,7を駆動する。また、左右のフロントアクスル77,77には後輪クラッチ・ブレーキ装置78,78がそれぞれ設けられ、該装置を経てミッションケース10の背面部から取り出される後輪駆動用動力が後輪伝動軸79,79を介して後輪ファイナルケース15,15に伝達されて後輪8,8を駆動する。 【0015】主変速軸71の回転動力の残りは、作業装置駆動用の回転動力(PTO)として、一対の株間副変速ギヤ81,82を経由してPTOクラッチ軸83に伝達される。上記株間副変速ギヤ81,82はミッションケース10の右側面の内側に配置されており、その外側に着脱自在に取り付けられたカバー84を外してギヤ比の異なる株間副変速ギヤに交換することが可能である。PTOクラッチ軸83は同一軸心の互いに回転自在な第一軸83a、第二軸83b及び第三軸83cからなり、第一軸83aと第二軸83bとの間に外部操作で伝動を入・切するPTOクラッチ85、第二軸83bと第三軸83cとの間に負荷が一定以上になると伝動を切る安全クラッチ86がそれぞれ設けられている。そして、PTOクラッチ軸83の後端に接続されたPTO伝動軸87によって植付クラッチケース88に伝動される。 【0016】図7は植付クラッチケースの断面図である。植付クラッチケース88内には、前記PTO伝動軸87にユニバーサルジョイント90を介して連結された第一軸91と、これと平行な第二軸92とがそれぞれ回転自在に支承されている。第一軸91には株間主変速駆動ギヤG1,G2が軸と一体回転かつ軸方向に摺動自在に嵌合し、第二軸91には株間主変速従動ギヤG3,G4が軸に対し回転自在かつ軸方向に不動に嵌合し、これらで株間調節装置93を構成している。株間主変速従動ギヤG3,G4と一体に形成されたギヤG5は、第一軸90に回転自在に嵌合するギヤG6と噛み合っている。また、ギヤG6と一体に形成されたギヤG7は、と第二軸92と一体回転する偏心ギヤG8と噛み合っている。 【0017】植付クラッチケース88に入力される回転動力(PTO)は第一軸91の中途部で二つに分岐し、その一部は第一軸91の後端から施肥動力として取り出され、残りは株間主変速駆動ギヤG1(又はG2)、株間主変速従動ギヤG3(又はG4)、ギヤG5、ギヤG6、偏心ギヤG7、偏心ギヤG8を経由して第二軸92の後端から植付動力として取り出される。すなわち、第一軸91と株間主変速駆動ギヤG1(又はG2)の接点が動力分岐部Aであり、この動力分岐部Aよりも苗植付装置側に株間調節装置93が設けられている。 【0018】株間調節装置93は、シフタ93aで株間主変速駆動ギヤG1,G2を軸方向にスライドさせることにより、G1とG3が噛み合う変速位置、G2とG3が噛み合う変速位置、及びG2とG4が噛み合う変速位置の3段階に株間調節するようになっている。図中、94は株間調節装置93の操作ツマミである。また、ギヤG7,G8は偏心ギヤになっており、苗植付部4の各部が適正な作動を行うように第二軸92の回転速度を周期的に変化させるようになっている。 【0019】第一軸91における動力分岐部Aよりも伝動下手側には、施肥動力の伝動を入・切する施肥クラッチ95が設けられている。この施肥クラッチ95は、爪クラッチ機構である駆動クラッチ体95a及び従動クラッチ体95bを備え、スプリング95cにより駆動クラッチ体95aを従動クラッチ体95bに押し付けると伝動入となり、外部操作するシフタ95dで駆動クラッチ体95aを前方へ移動させると伝動切となる構成である。また、駆動クラッチ体95aの爪と従動クラッチ体95bの爪とは傾斜面で接しているため、一定以上の負荷がかかると駆動クラッチ体95aが前方へ逃げて伝動が切れるようになっている。つまり、この施肥クラッチ95は、安全クラッチとしての機能も有するのである。施肥クラッチ本来の機能部分及び安全クラッチとして機能部分が同一部材でなっているので、全体を簡略、軽量、安価に構成することができる。 【0020】また、第二軸92には、外部操作されるクラッチピン96aにより植付動力の伝動を入・切する植付クラッチ96が設けられている。 【0021】動力伝達機構は以上の構成であって、走行形態に合わせて主変速装置70及び前後進切替装置72のシフト位置を選択するとともに、第一ベルト伝動装置41で車速を無段階に調節する。主変速装置70が「通常植付速」及び「超低速」にシフトされているときは、作業用動力(PTO)がミッションケース10から出力され、苗植付部4及び施肥装置5が作動する。走行用動力と作業用動力の回転速度は比例するので、車速に合った適正速度で苗植付部4及び施肥装置5が作動する。 【0022】株間調節装置93のシフト位置を変更すると、圃場に植付けられる苗の株間が変わる。施肥動力と植付動力の動力分岐部Aよりも苗植付装置側に株間調節装置93が設けられているので、株間を変更しても施肥量は変わらない。このため、株間変更時に施肥装置を調整する必要がない。また、株間副変速ギヤ81,82を交換することにより、株間を変更することもできる。この株間副変速ギヤ81,82の交換は容易である。 【0023】昇降リンク装置3は、リヤフレーム14から上向きに突設したリンク支持フレーム99に側面視で互いに平行な上リンク100及び左右一対の下リンク101,101が回動自在に支持され、これら各リンクの後端部に連結枠102が枢結されている。連結枠102には苗植付部4から前方に突出するローリング軸103が挿入され、苗植付部4がローリング自在に連結されている。下リンク101,101と一体回動するようにスイングアーム104が設けられ、メインフレーム13に基部側が支持された昇降油圧シリンダ105のピストンロッドが上記スイングアーム104に連結されている。昇降油圧シリンダ105を伸縮させると、各リンクが上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。 【0024】苗植付部4は、伝動機構が内蔵された苗植付部フレーム110に、苗を載せて左右往復動すると共に各条ごとに苗送りベルト111a,…が苗を下方へ搬送して所定の苗取出口111b,…に一株づつ供給する苗載台111と、前記苗取出口111b,…に供給される苗を取り出して水田面に植え付ける4組の苗植付装置113,…、整地用のセンターフロート114及びサイドフロート115,115等が組み付けられている。植付クラッチケース88の第二軸92から植付伝動軸116を介して苗植付部4に植付動力が伝達される。 【0025】施肥装置5は、各条共用の肥料貯蔵部120内の肥料を肥料繰出部121,…によって一定量づつ下方に繰り出し、その繰り出された肥料をブロア122から供給されるエアによって施肥ホース123,…を通って施肥ガイド124,…まで移送し、該施肥ガイドの前側に設けた作溝体125,…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に落とし込むようになっている。各肥料繰出部121は、植付クラッチケース88の第一軸91aから伝達される施肥動力で駆動される。 【0026】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明にかかる施肥田植機は、作業動力を施肥動力と植付動力とに分岐させる分岐点よりも苗植付装置側に株間調節装置が設けられているので、株間を調節するために株間調節装置を操作しても、施肥動力の速度は変更されず肥料繰出量が変わらない。このため、肥料繰出量を常に適正に保つことができ、しかも株間変更時に施肥装置を調整する必要がなくなった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月2日(2001.4.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083611 【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
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| 【公開番号】 |
特開2002−291309(P2002−291309A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月8日(2002.10.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−103939(P2001−103939) |
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