| 【発明の名称】 |
薬剤散布機 |
| 【発明者】 |
【氏名】本田 昌司
【氏名】上地 洋一
【氏名】竹田 裕一
|
| 【要約】 |
【課題】苗載台上に薬剤散布機を配設した田植機において、田植えと同時に薬剤散布も行うことのできる作業機を提供し、薬剤散布機を小型化して軽量化を図り、確実な施薬ができるようにする。
【解決手段】田植機の苗載台16上方に薬剤散布機40を配設し、植え付けながら該薬剤散布機により苗マット上に薬剤を散布する構成であって、田植機の植付ケース21に設けた動力取出軸70より動力伝達機構69を介して薬剤散布機の繰出部41に動力を伝達して植付と同期して駆動するようにし、該繰出部に散布ノズル46を連通し、該散布ノズルを苗載台の各条毎に配置し、該散布ノズルの先端を苗載台上に載置した苗マットの床土上近傍位置まで延出した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 田植機の苗載台上方に薬剤散布機を配設し、植え付けながら該薬剤散布機により苗マット上に薬剤を散布する構成であって、田植機の植付ケースに設けた動力取出軸より動力伝達機構を介して薬剤散布機の繰出部に動力を伝達して植付と同期して駆動することを特徴とする薬剤散布機。 【請求項2】 田植機の苗載台上方に薬剤散布機を配設し、植え付けながら該薬剤散布機により苗マット上に薬剤を散布する構成であって、薬剤散布機の繰出部に散布体を連通し、該散布体を苗載台の各条毎に配置したことを特徴とする薬剤散布機。 【請求項3】 田植機の苗載台上方に薬剤散布機を配設し、植え付けながら該薬剤散布機により苗マット上に薬剤を散布する構成であって、薬剤散布機の繰出部に散布体を連通し、該散布体の先端を苗載台上に載置した苗マットの床土上近傍位置まで延出したことを特徴とする薬剤散布機。 【請求項4】 前記散布体を回転させて退避可能に構成したことを特徴とする請求項2または請求項3記載の薬剤散布機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、施薬機を搭載する田植機において、薬剤散布機を苗載台上方に配置して、苗マット上に直接薬剤散布する構成に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、田植え直前の育苗箱に浸透移行性のある粒剤を散布し、移植後まもなく発生する害虫を駆除する箱施用剤が知られている。該箱施用剤は出穂以前に発生する主要病原虫のほとんどを一回だけの薬剤処理で防除できるものである。また、最近では稲作中期以降に発生する害虫や葉イモチ、紋枯病などの発生を抑制することができる長期残効性の箱施用剤も登場してきている。しかし、多忙な田植え直前の時期に、手散布により育苗箱に所定量の薬剤を丁寧に散布するのは非常に煩わしい作業であるため、動力散布機を用いて大量に処理していたが、均一に散布することは難しかった。一方、田植機に薬剤散布機を搭載して、田植えと同時に施薬も行うことのできる作業機を本出願人は特願2000−210604により提案している。 【0003】 【発明が解決しようとしている課題】しかし、田植機の苗載台上に薬剤散布機を搭載するものにおいては、苗送りベルトから動力を得て薬剤散布機を駆動し、苗マットの横一列を一度に散布する構成であったために、任意の条の散布を停止させることができず、苗の葉部をかき分けて一列散布するために、葉の抵抗や引っ掛かりによりどうしても散布ムラが生じてしまう。そして、幅方向に長い散布装置となってしまうため、薬剤散布機の重量が重くなり、これを支持するための支持部材の剛性もアップしなければならないため、機体全体の重量が増加していたのである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。 【0005】即ち、請求項1においては、田植機の苗載台上方に薬剤散布機を配設し、植え付けながら該薬剤散布機により苗マット上に薬剤を散布する構成であって、田植機の植付ケースに設けた動力取出軸より動力伝達機構を介して薬剤散布機の繰出部に動力を伝達して植付と同期して駆動するようにした。 【0006】また、請求項2においては、田植機の苗載台上方に薬剤散布機を配設し、植え付けながら該薬剤散布機により苗マット上に薬剤を散布する構成であって、薬剤散布機の繰出部に散布体を連通し、該散布体を苗載台の各条毎に配置した。 【0007】請求項3においては、田植機の苗載台上方に薬剤散布機を配設し、植え付けながら該薬剤散布機により苗マット上に薬剤を散布する構成であって、薬剤散布機の繰出部に散布体を連通し、該散布体の先端を苗載台上に載置した苗マットの床土上近傍位置まで延出した。また、請求項4においては、前記散布体を回転させて退避可能に構成したものである。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について説明する。図1は本発明の薬剤散布機を搭載した乗用田植機の全体側面図、図2は同じく植付部の側面図、図3は薬剤散布機装着部の後面図、図4は薬剤散布機の後面図一部断面図、図5は同じく薬剤散布機の側面図、図6はリンク比調節部の側面図、図7は同じく後面図、図8は散布体取付部の平面図、図9はシャッター取付部の側面断面図、図10は散布体固定部の他の実施例を示す平面図、図11は散布体の他の実施例を示し、苗ストッパーを作動位置に回動した状態を示す側面図、図12は同じく散布体の伸縮部を床土上まで伸長した状態を示す側面図、図13は苗載台の一部平面図である。 【0009】まず、本発明に係る薬剤散布機を搭載する田植機の全体構成について図1を用いて説明する。なお、本実施例において薬剤散布機は乗用田植機に装備されているが、この実施例に限定するものではない。 【0010】乗用田植機は走行部1の後部に昇降リンク機構27を介して植付部4が配置され、該走行部1は車体フレーム3前部上方にエンジン2を搭載し、前下部にフロントアクスルケースを介して前輪6を支持させると共に、後部にリヤアクスルケース7を介して後輪8を支持している。そして、前記エンジン2はボンネット9に覆われ、該ボンネット9後部のダッシュボード5上に操向ハンドル14を配置し、該ボンネット9両側とその後部の車体フレーム3上を車体カバー12で覆い、操向ハンドル14後方位置に座席13を配置し、ボンネット9の両側と座席13前方と、座席13左右両側および座席13後方をステップとしている。 【0011】そして、前記座席13の側部には走行変速レバー30や植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー31や植付感度調節レバーが配置され、ダッシュボード下部のステップ上には主クラッチペダル32や左右ブレーキペダルが配設され、前記座席13後方には施肥機33が配設されている。 【0012】また、前記植付部4は、苗載台16や植付爪17やフロート34等から構成されており、前記苗載台16は前高後低に配設して、苗載台16の下部は下ガイドレール18、前面の上部は上ガイドレール19によって左右往復摺動自在に支持し、該下ガイドレール18および上ガイドレール19は植付センターケース20よりフレーム等を介して支持されている。そして、植付センターケース20より連結パイプを介して植付ケース21を平行に後方へ突出して、該植付ケース21の後部に一方向に回転させるロータリケース22を配置し、該ロータリケース22の両側に一対の植付爪17・17を配置している。こうして、前進走行とともに苗載台16を横送り機構により左右に往復摺動して、この往復動に同期させて植付爪17を駆動して一株分の苗を切り出し、連続的に植え付け作業を行うように構成している。 【0013】また、前記植付センターケース20の前部にローリング支点軸を介して前記昇降リンク機構27が連結され、該昇降リンク機構27はトップリンク25やロワーリンク26等より構成され、座席13下方に配置した昇降シリンダ28によって植付部4を昇降できるようにしている。 【0014】また、図1、図2、図13に示す如く、前記苗載台16には各条の両側にリブ16a・16a・・・が上方に突出されて苗マット載置部16b・16b・・・を形成し、該苗マット載置部16bの下部から上下中間位置にかけて開口部を設けて、該開口部の上下に従動ローラ37と駆動ローラ38を配設して、両ローラ間に苗送りベルト35を巻回し、苗マットの縦送り機構を構成している。該苗送りベルト35・35・・・は、それぞれ表面に多数の突起を有し、苗載台16下部に開口したベルト用窓からベルト表面が露出するように構成し、その上方に配設した苗マット押え機構36と苗送りベルト35で苗マットを保持しながら、苗を正確に下方へ縦送りし、安定した植付けを行なえるようにしている。 【0015】前述の苗載台16の左右往復運動と、該往復動に同期する植付爪17・17・・・による苗の切り出し作業により、苗マットは下端が一定幅ずつ切断されて下方へ搬送して植え付ける。また、苗マットは苗載台16の左右端での折り返し時に縦送り機構の搬送ベルト35によって下方へと運ばれる。この植付作業の際、本発明の薬剤散布機40により同時に施薬を行って、散布ムラのない確実な施薬を行うのである。 【0016】次に、本発明の薬剤散布機40について説明する。本発明の薬剤散布機40は各条毎に配置してロール式の繰出装置として小型軽量に構成しており、前記苗載台16の苗マット載置面に対向して配置される。つまり、図2、図3に示すように、薬剤散布機40は支持フレーム43上に固定されて苗載台15の各条の左右中央上方に配置される。該支持フレーム43は基部フレーム43aと支持柱43bと上横フレーム43cと下横フレーム43dから構成されている。基部フレーム43aは前記植付ケース21の後部に固定されて立設され、該基部フレーム43a上に支持柱43bの下端が固設され、該支持柱43bの上端に上横フレーム43cが横設されている。尚、左右の上横フレーム43c・43cを連結することにより更に剛性をアップすることができる。 【0017】該上横フレーム43cの両側には図8に示すように、ステー50・50・51・51が前方に突設され、該ステー50・50・51・51に薬剤散布機40・40の繰出ケース47・47が固定される。該上横フレーム43cの固定部より若干下方位置より前方にアーム43eを突設して、該アーム43eに下横フレーム43dが横設され、該下横フレーム43dの両側に散布体となる散布ノズル46が支持されている。該散布体は本実施例ではホースにより構成しているが、薬剤の形状や種類等によって交換できるものであり、形状、材質等は限定するものではない。 【0018】この支持構成により、乗用田植機の条数と同数(本実施例では4条)の薬剤散布機40・40・・・を苗載台16上方に配設し、苗載台16の苗マット載置部16bの各条の中心線X上に薬剤散布機40が配置されるようにしている。但し、一つのホッパから各繰出部に薬剤を供給して散布ノズル46から薬剤を落下する構成とすることもできる。 【0019】前記散布ノズル46は側面視L字状に曲げられ、先端を苗載台16側と後方に向きを変更可能に構成している。つまり、図8に示すように、該散布ノズル46を下横フレーム43dに貫通して、該散布ノズル46上端にその軸心と直角方向に小判型のプレート52の一側が固定され、他側にネジ孔が開口されて、ノブネジ53を挿通して下横フレーム43dに螺装して固定できるようにしている。該下横フレーム43dには散布ノズル46を貫通孔を中心にノブネジ53用のネジ孔43f・43fが180度ズレた位置に開口されている。 【0020】この構成により、薬剤散布時は散布ノズル46下端を前方の苗載台16側に向けてノブネジ53で固定し、苗マットを補給したり、メンテナンス等を行なうときには、ノブネジ53を外して散布ノズル46を180度向きを替えて、その下端を後方に向けてノブネジ53で固定するのである。また、散布ノズル46の固定構成の他の実施例として、図10に示すように、前記プレート52を小判型とする代わりに、半円形のプレート52’に構成して、該プレート52’には散布ノズル46への固定部を中心とした円弧状の長孔52aを開口することによって、散布ノズル46を180度の回転に限らず、任意角度に回動した位置でノブネジ53で固定することができ、任意位置に退避することができる。また、ノブネジ53の螺装位置を左右替えることによって内側からまたは外側から散布ノズル46を回動して固定することができる。 【0021】該散布ノズル46先端部は苗載台16に対して垂直、苗載台16上の苗に対して平行となるように配置され、散布ノズル46の先端は苗マット23上の床土23b近傍まで延設して(図12参照)、苗23aの根元近傍の床土上に薬剤を散布するようにしている。そして、散布ノズル46は円筒状に構成して、苗載台16が左右摺動され、苗マットが下方へ下降されるときに、散布ノズル46は苗をかき分けて相対的に移動することになるが、このとき苗をいためることがないようにしているのである。また、散布ノズル46は可撓性の合成樹脂等で構成して、他の障害物に当接しても破損するおそれがないようにしている。 【0022】また、散布ノズル46は伸縮可能に構成することもできる。つまり、図11、図12に示すように、散布ノズル46を筒部46aと、該筒部46aに摺動可能に挿入した伸縮部46bより構成して、該伸縮部46bを上方に摺動して縮小した位置(図11)では苗ストッパー39を苗マット載置部16b側へ回動して、条止めを行なうことを可能とし、伸縮部46bを下方へ伸長してその先端を植付爪17による苗取り部近傍まで延出する(図12)ことによって、作業開始時に施薬されない部分をなくすことができ、苗マット23上に略均一に施薬することができるのである。 【0023】また、薬剤散布機40は、図2乃至図5に示す如く、繰出部41と、該繰出部41上に載置される薬剤ホッパ42と、繰出部41の下部に連通される散布ノズル46から構成されている。前記繰出部41は、図4、図5に示す如く、繰出ケース47内の中央に薬剤繰出ロール45が回転自在に内装されて枢支され、該薬剤繰出ロール45の軸心には繰出駆動軸49が貫通され、図3に示すように、支持柱43b側へ延出している。該繰出駆動軸49への動力伝達構成は後述する植付ケース21に設けた動力取出軸70より動力伝達機構を介して伝達される。 【0024】前記薬剤繰出ロール45の外周面上には、凹部45a・45a・・・が所定間隔を開けて設けられている。該凹部45aは薬剤を一定量落とし込むことが可能に構成されており、薬剤の種類によって変更可能としている。なお、薬剤は粒状のものが使用される。そして、薬剤繰出ロール45の上部外周面に当接するように、ブラシ55・56が設けられている。該ブラシ55・56は、前後略対称に設けられているため、一方のブラシ55について説明する。 【0025】該ブラシ55は繰出ケース47の前後面の上部に形成した挿入孔に挿入されて、薬剤繰出ロール45の半径方向に斜めに配置される。こうして両ブラシ55・56は側面視で逆「ハ」字状に配設される。該ブラシ55の柄部の側面には調節ツマミ57が繰出ケース47の側面に開口した長孔より挿入して螺装され、ブラシ55を薬剤繰出ロール45の半径方向に摺動させて、調節ツマミ57を締め付けて任意位置で固定できるようにして、ブラシ先端と薬剤繰出ロール45外周面との間の間隔や押しつけ量を調整できるようにしている。58はゴムキャップであり、ブラシ挿入孔を塞ぐようにしている。該ゴムキャップ58を外してブラシ55・56を外すことによってブラシの洗浄や交換やメンテナンス等が容易に行なえるのである。 【0026】また、繰出ケース47の薬剤繰出ロール45上部の左右内面に、ガイド板59・59が固定され、薬剤繰出ロール45の上方位置で正面視V字状に配置して、薬剤ホッパ42からの薬剤を凹部45aへ導くようにしている。そして、繰出ケース45下部に漏斗状の下ケース60が連通固定され、該下ケース60下端に前記散布ノズル46が連通される。 【0027】このような構成において、ホッパ42から落下した薬剤はガイド板59・59とブラシ55・56と薬剤繰出ロール45上面の間の空間に溜められる。この状態で矢印方向に薬剤繰出ロール45が回転されると、該薬剤繰出ロール45に当接しているブラシ55は、薬剤繰出ロール45の凹部45aに完全に嵌入できなかった余分な薬剤を除去するとともに、繰出ケース下方へ薬剤が落下するのをせき止めている。そして、凹部45aに嵌入した所定量の薬剤は下方へ搬送されて、自重により下ケース60に落下して散布ノズル46から苗マット上に落下する。 【0028】そして、更に繰出ロール45が回転して他側のブラシ56に至ると、凹部45a内に付着したり、詰まったりした薬剤がブラシ56によって掻き落とされる。即ち、ブラシ56を取り付けることで凹部45a詰まりを防止でき、施薬量にムラが少なくなり、簡単な機構で薬剤の繰り出しを安定化させることができるのである。また、繰出ケース45内を清掃する場合等では、前記調節ツマミ57・57を弛めてブラシ55・56を抜くことによって、薬剤は薬剤繰出ロール45に沿って落下し、逆さまに向ける等の作業が不要で簡単に清掃できる。そして、薬剤繰出ロール45の凹部45aに入っている薬剤は薬剤繰出ロール45を回転させることにより排出できる。 【0029】前記繰出部41の上部には薬剤ホッパ42が分離可能に連通接続されている。つまり、該薬剤ホッパ42の底面には落下孔42aが開口され、該底面の下側にシャッターガイド63が取り付けられて、該シャッターガイド63にシャッター62が摺動可能に取り付けられ、該シャッター63の摺動部にはスポンジやゴム等で構成した弾性体を設けてシールできるようにし、該シャッターガイド63にシャッター62を挿入して摺動することによって落下孔42aを開閉できるようにしている。 【0030】該シャッター62は図9に示すように、先端部上面(または下面)に突起62aが設けられ、一方、薬剤ホッパー42の下面(またはシャッターガイド63の上面)において、シャッター62を閉じたときと開けたときの前記突起62aと対向する位置に係合孔(または凹部)42b・42cを設け、シャッター62を閉じたときに、突起62aと係合孔42bが嵌合し、開けた時に突起62aと係合孔42cが嵌合して、シャッター62が閉じた位置または開けた位置を維持できるようにしている。 【0031】前記シャッターガイド63の両側部にはフック64・64が枢支され、一方、繰出ケース47の側面には係止ピン65・65が突設され、該フック64と係止ピン65を係合することによって繰出部41と薬剤ホッパ42を固定でき、係合を解除することによって薬剤ホッパ42を外すことができ、薬剤の補給やメンテナンス等を容易にできるようにしている。 【0032】次に、薬剤散布機40の動力伝達機構の構成について説明する。図2、図3に示すように、前記植付ケース21の後部の側面に動力取出軸70が設けられており、該動力取出軸70よりリンク機構69を介して繰出駆動軸49に動力が伝達される。リンク機構69は駆動アーム71、駆動ロッド72、カウンターアーム73、連結リンク80、揺動アーム81よりなり、前記動力取出軸70に駆動アーム71が固定され、該駆動アーム71に駆動ロッド72が枢支されている。該駆動ロッド72の他端には、図6、図7に示すように、リンクボールが構成されてボルト74が突出され、該ボルト74に、固定板75、座金76、カウンターアーム73に形成した長孔73a、目盛り指示板77、座金76と挿通して、固定レバー78を固定ボルト74に螺装して締め付けることにより、駆動ロッド72をカウンターアーム73に回転自在に固定できるようにしている。 【0033】該カウンターアーム73の中途部は支点軸79により前記支持フレーム43に枢支され、該カウンターアーム73の他端は連結リンク80の一端に枢支され、該連結リンク80の他端は揺動アーム81に枢支されている。該揺動アーム81はワンウェイクラッチ82を介して前記繰出駆動軸49に連結されている。 【0034】このような構成において、前記動力取出軸70が植付爪17の植付駆動及び苗載台16の左右往復動と同期して回転され、該動力取出軸70に固定した駆動アーム71が回転される。よって、植付爪17の駆動は条止めクラッチにより断接可能であるため、薬剤散布機40の駆動も同時に断接される。該条止めクラッチは植付ケース21内に配置され、ワイヤを介して苗載台16上部の裏面(前面)に配置した条止めクラッチレバー66と連結され、該条止めクラッチレバー66を操作することにより条止めができるようにしている。 【0035】そして、植付ケース21に伝達された動力は、駆動アーム71を回転して駆動ロッド72を上下往復動し、カウンターアーム73、連結リンク80を介して揺動アーム81する。そして、この揺動アーム81の揺動によってワンウェイクラッチ82介して繰出駆動軸49が一方向に間欠回転駆動され、該繰出駆動軸49の回転によって薬剤繰出ロール45が回転され、一定量ずつ薬剤が散布ノズル46より苗マット上に落下されるのである。このとき、苗マットは苗載台16とともに左右往復動し、左右端において苗送りベルト35の回動によって下降されて、順次苗マット上に均一に薬剤が散布されるのである。 【0036】そして、薬剤の散布量は前記カウンターアーム73と駆動ロッド72の取付位置を変更することによって調節する。薬剤の散布量の調節について、タイミングプーリを交換して散布量の調節を行なう技術が、同一出願人による特願2000−21604に記載されているが、本発明の技術はこの技術を改善して容易に調節できるようにしている。つまり、固定レバー78を回動して弛めて、駆動ロッド72の固定位置を変更してリンク比を変更し、繰出駆動軸49の回転数を変更して散布量を調節するのである。この調節するときには、カウンターアーム73側面の長孔73aに沿って刻設された目盛りを参考にして調節するのである。但し、このカウンターアーム73と駆動ロッド72との間で調節する構成に限定するものではなく、駆動アーム71や駆動ロッド72や連結リンク80や揺動アーム81の長さを変更する構成とすることもできる。こうしてタイミングプーリーを交換するよりも簡単に散布量を調節することができるのである。なお、上記実施例では薬剤を散布する構成としているが、肥料を散布することも可能である。 【0037】 【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。即ち、請求項1に示す如く、田植機の苗載台上方に薬剤散布機を配設し、植え付けながら該薬剤散布機により苗マット上に薬剤を散布する構成であって、田植機の植付ケースに設けた動力取出軸より動力伝達機構を介して薬剤散布機の繰出部に動力を伝達して植付と同期して駆動するようにしたので、植付爪による苗マットの苗取り動作と、苗マットへの薬剤の散布駆動が同期して、苗マット上に均一に薬剤を散布することができるようになった。また、植付部の条止めと薬剤散布機の条止めが連動することとなり、これらのクラッチ操作が1操作で済むようになり、操作性を向上することができたのである。 【0038】また、請求項2に示す如く、田植機の苗載台上方に薬剤散布機を配設し、植え付けながら該薬剤散布機により苗マット上に薬剤を散布する構成であって、薬剤散布機の繰出部に散布体を連通し、該散布体を苗載台の各条毎に配置したので、各条毎に繰出装置と散布体を配置した簡単な構成で、小型の薬剤散布機が使用でき、薬剤散布機を支持する構成が簡単となり、植付部の重量も軽減できる。また、各条に確実に薬剤を散布することができ、条毎に散布することが可能となって、条止めも容易にできる。 【0039】更に、請求項3に示す如く、田植機の苗載台上方に薬剤散布機を配設し、植え付けながら該薬剤散布機により苗マット上に薬剤を散布する構成であって、薬剤散布機の繰出部に散布体を連通し、該散布体の先端を苗載台上に載置した苗マットの床土上近傍位置まで延出したので、苗マットの床土上の苗の根元に確実に薬剤を落下することができ、葉に薬剤が付着することなく均一な散布ができ、所望の薬効が得られるようになった。 【0040】請求項4の如く、前記散布体を回転させて退避可能に構成したので、苗の補給時や苗ストッパーによる条止めやメンテナンス等の時に、散布体を退避させて作業が容易にできるようになった。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】391025914 【氏名又は名称】八鹿鉄工株式会社 【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年3月1日(2001.3.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2002−253009(P2002−253009A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月10日(2002.9.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−57186(P2001−57186) |
|