| 【発明の名称】 |
田植機の施肥装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】園田 義昭
【氏名】松村 哲也
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| 【要約】 |
【課題】肥料ホッパに貯留された粉粒状の肥料を繰出し機構によって繰出して、苗植付け装置に供えた作溝器に供給するよう構成した田植機の施肥装置において、施肥装置を利用して簡単に薬剤の繰出し供給をも行えるようにする。
【解決手段】肥料ホッパ13内に粉粒状の薬剤を貯留する薬剤ホッパ91を脱着可能に配備し、この薬剤ホッパ91の下端出口90を繰出し機構15における繰出しロールRの一部に臨設し、繰出しロールRの回転によって肥料と薬剤を繰出すよう構成し、繰出しロールRにおける薬剤繰出し部位には、単位回転当たりの繰出し量が異なる複数種のロール部分r2 ,r3 をロール軸心方向に並列形成するとともに、各ロール部分r2 ,r3 をシャッタsによって独立的に開閉可能に構成してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 肥料ホッパに貯留された粉粒状の肥料を繰出し機構によって繰出して、苗植付け装置に供えた作溝器に供給するよう構成した田植機の施肥装置において、前記肥料ホッパ内に粉粒状の薬剤を貯留する薬剤ホッパを脱着可能に配備し、この薬剤ホッパの下端出口を前記繰出し機構における繰出しロールの一部に臨設し、繰出しロールの回転によって肥料と薬剤を繰出すよう構成し、繰出しロールにおける薬剤繰出し部位には、単位回転当たりの繰出し量が異なる複数種のロール部分をロール軸心方向に並列形成するとともに、各ロール部分をシャッタによって独立的に開閉可能に構成してあることを特徴とする田植機の施肥装置。 【請求項2】 請求項1記載の田植機の施肥装置であって、薬剤用の各ロール部分の外周に繰出し凹部を周方向同ピッチでそれぞれ形成するとともに、各ロール部分における繰出し凹部の周方向での位相を互いにずらしてあることを特徴とする田植機の施肥装置。 【請求項3】 肥料ホッパに貯留された粉粒状の肥料を繰出し機構によって繰出して、苗植付け装置に供えた作溝器に供給するよう構成した田植機の施肥装置において、前記肥料ホッパ内に粉粒状の薬剤を貯留する薬剤ホッパを配備し、この薬剤ホッパの下端出口を前記繰出し機構における繰出しロールの一部に臨設し、繰出しロールの回転によって肥料と薬剤を繰出すよう構成し、肥料ホッパ内の下部に、肥料塊の流下を阻止する網体を装着するとともに、この網体に切り欠き形成した開口に、前記薬剤ホッパの下部を貫通支持するよう構成してあることを特徴とする田植機の施肥装置。 【請求項4】 肥料ホッパに貯留された粉粒状の肥料を繰出し機構によって繰出して、苗植付け装置に供えた作溝器に供給するよう構成した田植機の施肥装置において、前記肥料ホッパ内に粉粒状の薬剤を貯留する薬剤ホッパを脱着自在に配備し、この薬剤ホッパの下端出口を前記繰出し機構における繰出しロールの一部に臨設し、繰出しロールの回転によって肥料と薬剤を繰出すよう構成し、前記薬剤ホッパの下端出口を開閉する湾曲自在なスライドシャッタ板を薬剤ホッパの外側面に沿って上下摺動可能に装着してあることを特徴とする田植機の施肥装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒状の薬剤を肥料とともに圃場に埋設できるよう構成された田植機の施肥装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記施肥装置としては、例えば、特開2000−83427号公報に開示されてるように、肥料ホッパに貯留した粉粒状の肥料と、薬剤ホッパに貯留した粉粒状の薬剤を、それぞれ回転式の繰出し機構によって所定量づつ繰出し、繰出された肥料と薬剤を共通の供給ホースを通して苗植付け装置に向けて風力移送し、各植付け条ごとに備えた作溝器に供給するよう構成したものが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】上記施肥装置においては、肥料と薬剤をそれぞれ別個の繰出し機構で繰出す構造が採用されていたために構造が複雑なものとなっていた。また、薬剤ホッパは肥料ホッパ内に装着されるが、薬剤用の繰出し機構が肥料用の繰出し機構の外部に付設されるために、肥料ホッパには薬剤ホッパを貫通させる開口を形成しなければならず、施肥のみを行う場合に、肥料の貯留量を多くするために薬剤ホッパを取外すと、肥料ホッパに形成されている薬剤ホッパ貫通用の開口を閉塞する必要があり、仕様変更が煩わしいものとなっていた。 【0005】本発明は、このような点に着目してなされたものであって、施肥装置を利用して簡単に薬剤の繰出し供給をも行えるようにすることを主たる目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明の構成、作用、および、効果〕 【0007】(構成) 請求項1に係る発明は、肥料ホッパに貯留された粉粒状の肥料を繰出し機構によって繰出して、苗植付け装置に供えた作溝器に供給するよう構成した田植機の施肥装置において、前記肥料ホッパ内に粉粒状の薬剤を貯留する薬剤ホッパを脱着可能に配備し、この薬剤ホッパの下端出口を前記繰出し機構における繰出しロールの一部に臨設し、繰出しロールの回転によって肥料と薬剤を繰出すよう構成し、繰出しロールにおける薬剤繰出し部位には、単位回転当たりの繰出し量が異なる複数種のロール部分をロール軸心方向に並列形成するとともに、各ロール部分をシャッタによって独立的に開閉可能に構成してあることを特徴とする。 【0008】(作用) 上記構成によると、肥料ホッパ内に薬剤ホッパを装着することで、肥料と薬剤を共通の繰出し機構を用いて繰出すことができ、施肥と施薬を同時に行う仕様が得られる。また、薬剤ホッパを取外すことで、施肥のみを行う仕様に戻すことができる。 【0009】肥料の種類、等によって単位面積当たりの施肥量が変更調節されるのに対して、薬剤の単位面積当たりの散布量は一般に一定であることが多く、繰出しロールの単位時間当たりの回転数を変更して施肥量の調節を行うと、同じ繰出しロールを用いる施薬の量が変化してしまうことになる。このような場合には、施薬用の複数のロール部分の使用形態を変更して施薬量の変化を少なくすることができる。例えば、施薬用のロール部分が2種類備えられている場合、繰出しロールの回転速度を速くして施肥量を大量に設定する時に、繰出し量の多いロール部分を閉塞して繰出し量の少ないロール部分だけを利用し、また、繰出しロールの回転速度を落として施肥量を中量に設定する時には、繰出し量の少ないロール部分を閉塞して繰出し量の多いロール部分だけを利用し、また、繰出しロールの回転速度を更に落として施肥量を少量に設定する時には、繰出し量の少ないロール部分および繰出し量の多いロール部分を共に開くことで、繰出しロールの回転速度の変更にかかわらず施薬量の変化を少なくすることができるのである。 【0010】(効果) 従って、請求項1の発明によると、施肥と施薬を共通の繰出し機構で行うので、施肥と施薬を別々の繰出し機構で行っている従来構造に比較して繰出し構造が簡単となり、安価に実施することができるとともに、施肥のみの仕様と、施肥と施薬を同時に行う仕様との切換えが簡単なものとなり、実用性に優れたものとなった。 【0011】また、繰出し機構が共用でありながら、施肥量変更のために繰出しロールの回転速度が変更されても、施薬用の複数のロール部分の使い分けによって施薬量の変化を抑制でき、使い勝手の優れたものになっている。 【0012】〔請求項2に係る発明の構成、作用、および、効果〕 【0013】(構成) 請求項2に係る発明は、請求項1記載の田植機の施肥装置であって、薬剤用の各ロール部分の外周に繰出し凹部を周方向同ピッチでそれぞれ形成するとともに、各ロール部分における繰出し凹部の周方向での位相を互いにずらしてあることを特徴とする。 【0014】(作用) 上記構成によると、施肥量を少なくするために繰出しロールの回転速度が低く設定された場合、施薬量の減少を抑えるために施薬用の複数のロール部分を共に用いて薬剤の繰出しを行うことになるが、この場合、複数のロール部分における繰出し凹部の周方向での位相がずれているので、施薬用の複数のロール部分全体としての繰出し凹部の周方向でのピッチは小さいものとなり、繰出しロールの回転速度が低くても、途切れ時間の短い連続繰出しに近い薬剤繰出しが行われる。 【0015】(効果) 従って、請求項2の発明によると、施肥量を少なくするために繰出しロールの回転速度が低く設定された場合でも、連続性に優れた施薬を行うことができ、均等な施薬を行って薬害の発生を未然に回避することができる。 【0016】〔請求項3に係る発明の構成、作用、および、効果〕 【0017】(構成) 請求項3に係る発明は、肥料ホッパに貯留された粉粒状の肥料を繰出し機構によって繰出して、苗植付け装置に供えた作溝器に供給するよう構成した田植機の施肥装置において、前記肥料ホッパ内に粉粒状の薬剤を貯留する薬剤ホッパを配備し、この薬剤ホッパの下端出口を前記繰出し機構における繰出しロールの一部に臨設し、繰出しロールの回転によって肥料と薬剤を繰出すよう構成し、肥料ホッパ内の下部に、肥料塊の流下を阻止する網体を装着するとともに、この網体に切り欠き形成した開口に、前記薬剤ホッパの下部を貫通支持するよう構成してあることを特徴とする。 【0018】(作用) 上記構成によると、薬剤ホッパの下部を網体に貫通支持させることで薬剤ホッパの下端部の位置が安定し、繰出しロールにおける施薬用の繰出しロール部位に薬剤ホッパの下端出口を正しく対向させ、薬剤および肥料を繰出しロールの所定の部位へ正しく流下させることができる。 【0019】(効果) 従って、請求項3の発明によると、施肥ホッパ内に配備される施肥用の網体を有効に利用した簡単な構造で、薬剤ホッパにおける下端出口の的確な位置決めを行って、良好な施肥および施薬を行うことが可能となった。 【0020】〔請求項4に係る発明の構成、作用、および、効果〕 【0021】(構成) 請求項4に係る発明は、肥料ホッパに貯留された粉粒状の肥料を繰出し機構によって繰出して、苗植付け装置に供えた作溝器に供給するよう構成した田植機の施肥装置において、前記肥料ホッパ内に粉粒状の薬剤を貯留する薬剤ホッパを脱着自在に配備し、この薬剤ホッパの下端出口を前記繰出し機構における繰出しロールの一部に臨設し、繰出しロールの回転によって肥料と薬剤を繰出すよう構成し、前記薬剤ホッパの下端出口を開閉する湾曲自在なスライドシャッタ板を薬剤ホッパの外面に沿って上下摺動可能に装着してあることを特徴とする。 【0022】(作用) 上記構成によると、スライドシャッタ板を操作して薬剤ホッパの下端出口を閉塞した上で薬剤ホッパを取外すことで、残った薬剤をこぼすことなく回収することができる。この場合、湾曲自在なスライドシャッタ板はホッパ外側面に沿って上下摺動可能に装着されているので、スライドシャッタ板の上端を操作することで、薬剤ホッパの下端出口を開閉することができる。 【0023】(効果) 従って、請求項4の発明によると、手の届かない薬剤ホッパの下端出口を、ホッパの外側上部における操作で簡単容易に開閉することができ、取扱い性に優れたものとなる。 【0024】 【発明の実施の形態】図1に、6条植え仕様に構成された施肥装置付き乗用田植機の側面が、また、図2に、この田植機の平面がそれぞれ示されている。この田植機は、操向可能な前輪1および操向不能な後輪2を備えて4輪駆動で走行する走行機体3の後部に、6条植え仕様の苗植付け装置7が、油圧駆動される昇降リンク機構6を介して昇降可能に連結されるとともに、運転座席27の後部に施肥装置Aが備えられた基本構造を有している。そして、走行機体の前部にはエンジンEが搭載され、その出力が前後進の切り換えが可能な静油圧式無段変速装置(HST)5に伝達され、その変速出力がミッションケース4に入力されて更にギヤ変速された後、前輪1と後輪2に伝達されるとともに、ミッションケース4から取出された作業用動力が伝動軸70を介して苗植付け装置7に伝達されるようになっている。 【0025】前記苗植付け装置7には、苗を載置して一定ストロークで往復横移動する苗のせ台12、この苗のせ台12の下端から一株分づつ苗を切り出して植付ける6組の回転式の植付け機構9、圃場の植付け予定箇所を均平にする3個の整地フロート11、等が装備されており、植付け機構9は、並列配備された3個の植付けケース8の後部左右にそれぞれ2組づつ装着されている。 【0026】次に施肥装置Aについて説明する。図1〜図7に示すように、この施肥装置Aは、粉粒状の肥料を貯留する肥料ホッパ13、この施肥ホッパ13から肥料を所定量ずつ繰り出す4組の繰出し機構15、繰出された肥料を苗植付け装置7の整地フロート11に装着した6個の作溝器52に導く供給ホース14、各供給ホース14に搬送風を送り込む電動ブロワ16、電動ブロワ16で発生した搬送風を各施肥ホース14に分配供給する送風ダクト17、等から構成されている。また、この施肥装置Aは、薬剤を貯留した小型の薬剤ホッパ91を肥料ホッパ13内に装着することで、施肥と施薬を同時に行えるように構成されている。 【0027】図11,図19に示すように、繰出し機構15は2条分がユニットとして構成されており、4組の繰出し機構15のうちの左右両端のものは2条分の繰出しを行い、中央の2組は後述のように2条分のうちの1条分のみで繰出しを行うことで、2条単位の4組の繰出し機構15を使用しながら全体としては6条の繰出しを行うようになっている。 【0028】各繰出し機構15は、外周に繰出し凹部aが周方向に沿って所定ピッチで多数形成された繰出しロールRが水平横軸心周りに回転可能にロールケース18内に横架支承された構造となっており、繰出しロールRの外端に備えた従動ギヤ19Gが、駆動軸21の駆動ギヤ21Gに咬合連動されて回転駆動されるようになっているいる。また、繰出しロールRの外周には摺り切り用ブラシ22が作用することで繰出し量の安定化が図られている。 【0029】繰出しロールRは、1回転当たりの繰出し量の異なる3種のロール部分r1 〜r3 を1条分として、2組(6個)のロール部分r1 〜r3 が左右対称に並列されて、一端に前記従動ギヤ19Gが設けられた中空状のロール軸19に一体回転可能に外嵌装着された構造となっている。ここで、1条分3個のロール部分r1〜r3 の1回転当たりの繰出し量は、最も外側のロール部分r1 が最も多く、最も内側のロール部分r2 が次に多く、中間のロール部分r3 が最も少なく設定されている。そして、図13に示すように、内側2個のロール部分r2 ,r3 の外周に形成された繰出し凹部aはそれぞれ同ピッチ(この例の場合60°)に配置されるとともに、両繰出し凹部aは互いに半ピッチ(この例の場合30°)づつ位相がずらされている。 【0030】ロールケース18は、肥料ホッパの下端に連結される上部ケース18Aと、これの下端に連結される下部ケース18Bとの上下分割構造に構成されており、下部ケース18Bの下部に一体形成した2条分の出口管18Cの前端が送風ダクト17にそれぞれ差込み連結されるとともに、各出口管18Cの後端に供給ホース14が接続されている。また、ロールケース18の分割面上にロール軸19の軸心が位置するように繰出しロールRが軸支され、下部ケース18Bを上部ケース18Aから離脱することで、簡単に繰出しロールRを取り外すことができるようになっている。なお、1条分の繰出しを行う中央2組の繰出し機構15においては、2条分の出口管18Cの一方のみに供給ホース14が接続され、繰出し停止する出口管20の後端はキャップ20で閉塞される。また、各ロールケース18には揺動シャッタ72によって開閉されるとともに排出ホース73が接続された排出口71が形成されており、肥料ホッパ13に残留した肥料を機体下腹部において排出回収できるように構成されている。 【0031】上部ケースの下部はロート状に絞り込まれており、この絞り込み部位の内部には、繰出しロールRにおける各ロール部分r1 〜r3 の外周に摺接する5つの仕切り壁24が並列形成されるとともに、図14に示すように、これら仕切り壁24によって形成された6個の通路がシャッタsによって独立的に開閉可能となっている。 【0032】各シャッタsは、図15に示すように、弾性変形可能な薄いステンレス鋼板からなるシャッタ板26の一端に、棒材からなる取っ手25を連結して構成されており、ロールケース18から突出された取っ手25を押し込むことでシャッタ板26がケース内面に沿って湾曲変形されながら上方に突き上げ退避されて通路が開放され、取っ手25を引き出すことで通路がシャッタ板26で閉塞されるようになっている。 【0033】従って、1条分3枚のシャッタsを選択開閉して、繰出しに利用するロール部分r1 〜r3 を組み合わせ選択することで、繰出し量を5段階に調節することができる。なお、この5段階調節は、図19に示すように、薬剤ホッパを取り外して施肥のみを行う仕様の場合に利用することができるものであり、施肥と施薬とを同時に行う仕様では、肥料の繰出し量調節は繰出しロールRの回転速度の変更による。また、1条分の繰出しを行う中央の2組の繰出し機構15では、片側3枚のシャッタsをすべて閉じることで1条分を停止することができるとともに、出口管18Cへのキャップ20の装着によって搬送風の無駄な流出が阻止される。 【0034】なお、繰出し量の調節は上記手段の他に、受動アーム39と押し引きロッド40との連結位置をアーム長手方向に変更することによっても行うことができる。つまり、受動アーム39と押し引きロッド40との連結位置をアーム軸心に近づけるほど、押し引きロッド40のストロークに対して受動アーム39の揺動角度が大きくなり、単位時間当たりのロール回転数が多くなり(ロール回転速度が速くなり)、繰出し出し量が多くなる。逆に、受動アーム39と押し引きロッド40との連結位置をアーム軸心から遠ざけるほど、押し引きロッド40のストロークに対して受動アーム39の揺動角度が小さくなり、単位時間当たりのロール回転数が少なくなり(ロール回転速度が遅くなり)、繰出し出し量が多くなる。 【0035】肥料ホッパ13は、左右端に位置する2条用の大容量ホッパ部13aと、内側に位置する一対の1条用小容量ホッパ部13bとを一体形成して成る透視可能な樹脂製のものに構成されている。小容量ホッパ部13bは、その前部が大容量ホッパ部13aよりも凹入され、ここに運転座席27の後部が入り込み配置されている。このように、中央部が凹入した肥料ホッパ13を導入することで、苗のせ台12と運転部との間を大きく空けなくてもコンパクトに施肥装置Aを配備して、機体全長の短縮化が図られているのである。また、肥料ホッパ13の上端に配備される蓋28はホッパ横幅全長に亘る一体成形品であり、図7に示すように、後部に設けた支点Z周りに揺動開閉自在に取付けられている。なお、肥料ホッパ13の後壁には、各ホッパ部13a,13bにおける肥料の残量を検知するの光センサ62が装備されている。 【0036】繰出し機構15の駆動構造について説明する。図4〜図7に示すように、4個の各ロールケース18の後部に亘って、六角軸からなる1本の駆動軸21が回転自在に支持されており、この駆動軸21に前述した駆動ギヤ21Gが相対回転自在に外嵌されている。そして、駆動軸21と駆動ギヤ21Gとの間に噛合い式の施肥クラッチ33が介在され、この施肥クラッチ33を入り切りすることで各繰出し機構15を独立的にオン・オフ操作することが可能となっている。これら施肥クラッチ33は運転座席27の横側付近に位置させて配備した3本の施肥クラッチレバー32に連係されており、畦際近くでの少数条植えの場合に休止する植付け条に合わせて施肥を休止する場合にクラッチ切り操作されることになる。なお、中央の施肥クラッチレバー32は1条分づつの繰出しを行う中央2組の繰出し機構15における施肥クラッチ33に連係されており、各施肥クラッチレバー32で2条づつ施肥を休止することが可能となっている。 【0037】図1,図4に示すように、走行機体3の下部には、ミッションケース4から機体後部の後車軸ケース34に動力伝達する後輪駆動用の伝動軸35が配置されており、この伝動軸35から施肥装置Aに動力分配するための動力取出しケース36が設けられている。この動力取出しケース36には、走行系の動力を受けて横軸心周りに回転駆動されるクランクアーム37が備えられるとともに、このクランクアーム37と、繰出し機構駆動用の駆動軸21に備えた受動アーム39とが、押し引きロッド40を介して連動連結され、クランクアーム37の回転に伴って受動アーム39が往復揺動駆動されるようになっている。このように走行系の動力で施肥装置Aを駆動することで、走行速度を変更したり、苗植付け装置7での植付けピッチ(株間)を変更しても、単位走行距離当たりの施肥量、つまり、単位面積当たりの施肥量を調節した設定量に維持することができるのである。 【0038】図8、図9に示すように、受動アーム39と駆動軸21とは一方向駆動機構41を介して連動連結されており、受動アーム39の往動および復動のそれぞれで駆動軸21を一定方向(図においては時計方向)に脈動的に連続回転させるよう構成されている。ここで、一方向駆動機構41は、受動アーム39の時計方向揺動のみを駆動軸21に伝達する第1ワンウェイクラッチ42と、駆動軸21に装着した操作アーム43と、受動アーム39の揺動を向き反転して操作アーム43に伝達する反転リンク機構44と、操作アーム43の時計方向揺動のみを駆動軸21に伝達する第2ワンウェイクラッチ45とから構成されており、受動アーム39の往動および復動によって駆動軸21が常に時計方向に回動させて、繰出しロールを所定角度づつ一定方向(図において反時計方向)に順次回転駆動するように構成されているのである。 【0039】次に、肥料ホッパ13に薬剤ホッパ91を装着して、施肥と施薬を同時に行う構造について説明する。図7、図10に示すように、薬剤ホッパ91は、上端が開放されて下部が絞り込まれた形状に樹脂成形されたホッパ本体91Aと、その上端に支点軸92を介して上下揺動可能に枢着した板金製の蓋91Bとで構成されており、肥料ホッパ13の後壁上端に引っ掛け装備された取付け金具93の支持アーム93aに前記支点軸92を係止することで、4個の肥料ホッパ91が、肥料ホッパ13における2つの大容量ホッパ部13aと2つの小容量ホッパ部13bの内部にそれぞれ吊下げ支持されるようになっている。 【0040】ホッパ本体91Aにおける前面上端の左右中央には突出部94が一体形成されるとともに、蓋91Bの前端には弾性変形可能なロック片95が連設されており、蓋91Bを閉じることでロック片95が突出部94に弾性係合されて、閉蓋状態が保持されるようになっている。 【0041】図16に示すように、ホッパ本体91Aの下部は横幅小さく絞り込まれており、この絞り込み部91Cの下端に、左右一対の薬剤流下用の出口90が形成されるとともに、この下端出口90を開閉するスライドシャッタ板96が、ホッパ本体91Aの前部外面に沿って配備されている。スライドシャッタ板96は、弾性変形し易い薄いステンレス鋼板からなり、その上端に棒材を屈曲したなる取っ手97が連結された構造となっている。そして、ホッパ本体91Aの前面に形成した凹溝mに沿って上下スライド可能に案内されるとともに、ホッパ本体91Aの前面に配備固定された金属板からなるガイド板98によって前面外側からも案内されて、円滑に上下スライドされるよになっている。スライドシャッタ板96は湾曲変形されて絞り込み部91Cの下端前面からホッパ内の挿入されて、前記下端出口90を開閉するよう構成されている。 【0042】ガイド板98は、これとホッパ前壁との間に取っ手97を挟んだ状態で上下2本のビス99によって薬剤ホッパ91に取付け固定してあり、これらビス99は、取っ手197を上下方向に案内するガイド部材としても機能するようになっている。 【0043】ホッパ本体91Aにおける絞り込み部91Cの下端には、ゴム製のブーツ100が外嵌装着されるとともに、ブーツ100の下部が前記繰出し機構15における仕切り壁25に嵌合され、下端出口90から流下した薬剤が繰出しロールRにおける中央側の4個のロール部分r2 ,r3 に案内供給されるようになっている。つまり、薬剤ホッパ91に形成された左右一対の下端出口90のそれぞれから1条分の薬剤が流下して中央側の2個のロール部分r2 ,r3 によって繰出され、外側のロール部分r1 によって繰出された肥料と混合されて出口管18Cに導かれるようになっているのである。なお、1条分づつの繰出しを行う中央の2組の繰出し機構15においては、図12に示すように、薬剤ホッパ91に形成された左右一対の下端出口90の一方はブーツ100によって閉塞することで、1条分の薬剤繰出しが行われる。 【0044】このように肥料と薬剤とを共通の繰出しロールRによって繰出す仕様では、肥料の繰出し量の変更は、繰出しロールRの回転速度変更によることになる。この場合、肥料の種類、等によって単位面積当たりの施肥量が変更調節されるのに対して、薬剤の単位面積当たりの散布量は一般に一定であることが多く、繰出しロールの単位時間当たりの回転数を変更して施肥量の調節を行うと、同じ繰出しロールを用いる施薬の量が変化してしまうことになる。このような場合には、薬剤繰出しに使用する2個のロール部分r2 ,r3 の使用形態を変更して施薬量の変化を少なくすることができる。 【0045】例えば、ロール回転速度を速くして施肥量を大量に設定する時に、繰出し量の多いロール部分r2 をシャッタsで閉塞して繰出し量の少ないロール部分r3 だけを利用し、また、ロール回転速度を落として施肥量を中量に設定する時には、繰出し量の少ないロール部分r3 を閉塞して繰出し量の多いロール部分r2 だけを利用し、また、ロール回転速度を更に落として施肥量を少量に設定する時には、繰出し量の多いロール部分r2 および繰出し量の少ないロール部分r3 を共に開くことで、繰出しロールRの回転速度の変更にかかわらず薬剤繰出し量が大きく変化するのを抑制することができるのである。 【0046】肥料ホッパ13内の下部には、湿気を吸収して固まった肥料塊が繰出し機構15に流下するのを阻止するとともに、ブリッジ現象によって肥料の流下が妨げられるのを防止するために、樹脂成形された目の粗い網体55が、係止爪56を介して水平に嵌着されている。この網体55は、図19に示すように、薬剤ホッパ91を取り外して施肥のみを行う場合には、図20に示すように、全面が格子状に形成されたものが用いられるが、薬剤ホッパ91を取付けて施肥と施薬とを同時に行う仕様では、図18に示すように、薬剤ホッパ91の絞り込み部91Cを貫通させる大きい開口57を備えた網体55に交換される。ここで網体55の開口57は、薬剤ホッパ91の絞り込み部91Cを嵌合して左右に位置決めする大きさに設定されており、装着された薬剤ホッパ91の姿勢が安定保持されるようになっている。 【0047】なお、近年は食味の優れた米づくりを実施するために有機肥料の使用が見直されており、なたね油粕などを利用したペレット状の肥料が利用されている。この有機肥料は一般的な化学肥料に比べて粒度が大きいものであり、旧来の繰出し機構では詰まりが発生しやすく、円滑かつ安定した繰出しが困難になることが予想される。そこで、このようなペレット状の有機肥料を使用する時は、図21に示すように、1条分の中での前記仕切り壁24を取り除いたロールケース18に取り替えるとともに、繰出しロールR自体も、1条分が一連となった横長の繰出し凹部aを備えたロール部分r4 を一対(2条分)備えたものに取り替えるとよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成13年2月14日(2001.2.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2002−238317(P2002−238317A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月27日(2002.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−37294(P2001−37294) |
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